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紹介をしましょう。
モフモフ様と赤毛の騎士見習い *
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私が公式でアズライト様に出会うのは、私がクラスター王国内にある学園に入った後の事です。学園は普通科・魔法特進科・貴族科・騎士科と四つのクラスがある中で、アズライト様は騎士科。私は魔法が使える設定でしたから、魔法特進科となり接点は無いのですが、出会うための最大の接点が此方のジャスパー様です。
お兄様→ジャスパー様→アズライト様の流れが、アメーリアとしての出会い方。もう一人のヒロインでは違った出会いになりますが、正直にいいまして、アメーリアの出会いの方が早く長く逢えるんです。
残念ながらアズライト様は攻略対象者では有りませんでしたので、アズライト様と話を繰り返したり出逢ってばかりいると、強制的に騎士団専属魔術師エンドです。私はコレばかりでした。まぁ、時折選択肢をミスってジャスパー様とのエンドになったりもしましたが。
(幾ら興味無かったとはいえ、スキップ機能の連打は宜しくないですよね。他の攻略者を攻略しつつ、ジャスパー様の好感度を上げないといけないとはいえ、匙加減が難しかった)
「あの、僕、アズライト=グラッシュラーです。グラッシュラー伯爵家の二男です」
「ご丁寧にありがとうございます、私アメーリア=アトランティと申します、アトランティ侯爵家の長女ですわ。アリアとお呼び下さいませ」
「こ、侯爵令嬢!?あ、ご、ごめんなさい、僕、耳…とか尻尾も」
「とっても可愛らしくて、私大好きですわ、アズライト様」
「え、す、好き!?」
貴族社会では獣人としての姿は侮られるのか、私の言葉に目を丸くして顔を赤くしているけど、嬉しいのは尻尾を見れば解ります。にゃんこさんは嬉しいとゆらゆらと揺れるのです。恥ずかしがってるのにご機嫌だなんて、やっぱり可愛い。
(てっきり学園に通うまで、あと八年は逢えないと思ってたよ、もう友達になってたなんてアイクお兄様最高!誰も居なかったら小躍りしてましたよね!)
「本当、悪い。いや、申し訳なかった。グラッシュラー伯爵からは言われてたんだが…、まさか女性の香水の匂いで逃げると思わなかったんだ」
「ああ、今日は御令嬢方の気合の入り方が違うからね。知ってるくせに、のこのこ近付いたって事だよねジャスパー?」
「本当に俺が悪かったです!だから、その怖い笑顔止めて下さい!この通り!」
ジャスパー様には容赦が無いのか、アイクお兄様がニコニコ笑顔でジャスパー様を追い詰めています。なんて楽しそうなのでしょう、こんなに楽しそうなアイクお兄様は初めてみますわ。ジャスパー様は今にも土下座しそうな勢いです。
「獣人は鼻が良いですからね、強過ぎる匂いは苦手だとお聞きしていますわ。もう大丈夫ですの?」
「き、気持ち悪くなっちゃって、ちょっと抜け出すつもりが、獣化しちゃって。もう、大丈夫です」
しゅんと項垂れるその頭を撫で撫でしたい!いじけた様にくるくると身体に巻きつく尻尾弄りたい。手を伸ばしたら届くのに、既にモフモフしまくった後ですから動けませんわ。
まるでラーヴァを見る瞳になっていたのか、アイクお兄様がにっこりと笑顔で私を止めてきます。いつも笑顔の優しいアイクお兄様ですが、威圧感がある時は怖いんです、魔王様です。此処は我慢ですよ私。
獣化してしまった説明を聞いていると、ぎゅるるると聞こえて来るお腹の音。確かに今日はお茶会でお昼頃に集められたけど、香水の匂いで逃げていたなら何も食べていないのは仕方無いですわね。リモナイト殿下にお渡しした分と他にもクッキーの包みを持っていたので、繋ぎにと出す事にした。
「アズライト様。お口に合うかは解りませんが、此方のお菓子をどうぞ」
「初めて見る、甘い匂いがする…。これ、お菓子なの?」
「え、こんなのテーブルにあった?」
「はい、アトランティ家自慢のお菓子ですわ。テーブルにあったのは、王宮料理人のお菓子ですわね」
「ジャスパー、アズライトを捜してたんじゃないの?」
にっこりと黒い笑顔をお兄様に向けられて、すかさずジャスパー様が顔を背けました。視線じゃないですよ、顔を背けましたよこの方。さては迷子になっても暫く放置してたな。
キラッキラの瞳とニコニコしながらお菓子を頬張るのは、リモナイト殿下とそっくりですが、ゆらゆらと楽しげに揺れる白黒の尻尾を見ていると、癒し度アップです。
(ああ、可愛い。癒される…。アズライト様大好き)
ジャスパー様はアイクお兄様とは同じ歳とは思えないくらい、身体つきや顔は大人っぽく見えるのですが、中身はやっぱり子供でしたワンコ属性です。まだ成長中だからかもしれませんが、公式のジャスパー様は豪快で俺様な性格だったと思います。騎士科なので身体つきとかも大きくて、アイクお兄様と並ぶスチルでの対格差が本当に凄かったんです。
(前はイケメンと美女でしたが、今はワンコと美少女って感じですね)
前世では乙女ゲームとしての作品でしたが、それだけじゃ無かったのがこのゲーム。人気作品なだけに、ヒロイン達と攻略対象者の創作された物語も沢山ありました。ですが、アズライト様を推していた私はマイナージャンルと呼ばれる位置です、数が圧倒的に少なく涙を流す日々。ヒロインとのNLだろうが、話が腐ってようが物が無いのでアズラ君なら何でもこい!精神で鍛えられました。まぁ、趣味の合う友達はいましたので、隅っこで楽しんでましたけどね。
ヒロインとの掛け算はアズライトかリモナイト殿下でしたが、友達の影響でジャスパー様の相手はアイクお兄様一押しとなっていた私。最前でのこのやり取り最高じゃないですか?ありがとうございます!!
「あ、あ、…あの、アメーリア様」
「はい、何ですかアズライト様。アリアで宜しいですわよ」
「お菓子美味しかったです、ありがとー。またくれる?」
侯爵家と聞いて少し緊張しているのか、首を傾げてきゅるっとしたエメラルドグリーンの瞳が、強烈に可愛いです!ちょ、誰か、酸素を!息が、可愛すぎて息が出来ない…っ。ジャスパー様とアイクお兄様のやり取りも美味しいですが、可愛いアズライト様のショタ姿とか鼻血ものですよ。令嬢の意地として絶対噴きませんけどね!?
「勿論ですわ、アズライト様がお望みの時にいつでも作りますわ」
「え?これ、アリア様が作ってるんですか?」
アズライト様の笑顔の破壊力といったら!うちの天使兄弟にも勝るとも劣らないです。私が作ってるのは内緒にしてたのに、勢いで言っちゃいましたよ。驚きに瞳を丸くするとにゃんこの様に瞳孔が大きくなるのも可愛い。
(うっ、アイクお兄様から冷気がくる!?)
「アリア…」
「は、はい…」
「今度、僕も持って行きたい場所があるんだけど、いいよね?」
「はい!勿論ですわ、喜んで作らせて頂きます」
お父様が国王様にお菓子を差し上げた(奪われた?)以来、リス王子に渡す為か侯爵家でのお茶会でのみテーブルに登るのを許されたこのお菓子は、何気に他家では幻のお茶菓子と噂されているようです。ラーヴァとアイクお兄様のおやつはもっとバリエーションがありますが、きっとアイクお兄様がこの前気にいっていた、ジンジャークッキーとかを持っていくんでしょうね。
(屋敷に帰ったら、材料を採りに温室に見に行きましょう)
機嫌を直してくれたアイクお兄様に見つからない様に、こっそりと安堵の息を吐いていると、其れをみていたのかアズライト様の視線を感じます。視線の先へと目を向けると、ばっちりと目が合い大きなまん丸の瞳が慌ててそらされました。見てた様に思ったのになー?
(何か不味いことしましたかね?またモフモフしたいなぁ、させてくれるかしら?)
「こんな場所で何をしているんですか、当然でしょうが王子殿下達には挨拶を済ませているのでしょうね?アトランティ家の兄妹」
穏やかな中庭で、のほほんとしていた私達に、高めの可愛らしいけれど厳しさを含んだ声が投げかけられた。
お兄様→ジャスパー様→アズライト様の流れが、アメーリアとしての出会い方。もう一人のヒロインでは違った出会いになりますが、正直にいいまして、アメーリアの出会いの方が早く長く逢えるんです。
残念ながらアズライト様は攻略対象者では有りませんでしたので、アズライト様と話を繰り返したり出逢ってばかりいると、強制的に騎士団専属魔術師エンドです。私はコレばかりでした。まぁ、時折選択肢をミスってジャスパー様とのエンドになったりもしましたが。
(幾ら興味無かったとはいえ、スキップ機能の連打は宜しくないですよね。他の攻略者を攻略しつつ、ジャスパー様の好感度を上げないといけないとはいえ、匙加減が難しかった)
「あの、僕、アズライト=グラッシュラーです。グラッシュラー伯爵家の二男です」
「ご丁寧にありがとうございます、私アメーリア=アトランティと申します、アトランティ侯爵家の長女ですわ。アリアとお呼び下さいませ」
「こ、侯爵令嬢!?あ、ご、ごめんなさい、僕、耳…とか尻尾も」
「とっても可愛らしくて、私大好きですわ、アズライト様」
「え、す、好き!?」
貴族社会では獣人としての姿は侮られるのか、私の言葉に目を丸くして顔を赤くしているけど、嬉しいのは尻尾を見れば解ります。にゃんこさんは嬉しいとゆらゆらと揺れるのです。恥ずかしがってるのにご機嫌だなんて、やっぱり可愛い。
(てっきり学園に通うまで、あと八年は逢えないと思ってたよ、もう友達になってたなんてアイクお兄様最高!誰も居なかったら小躍りしてましたよね!)
「本当、悪い。いや、申し訳なかった。グラッシュラー伯爵からは言われてたんだが…、まさか女性の香水の匂いで逃げると思わなかったんだ」
「ああ、今日は御令嬢方の気合の入り方が違うからね。知ってるくせに、のこのこ近付いたって事だよねジャスパー?」
「本当に俺が悪かったです!だから、その怖い笑顔止めて下さい!この通り!」
ジャスパー様には容赦が無いのか、アイクお兄様がニコニコ笑顔でジャスパー様を追い詰めています。なんて楽しそうなのでしょう、こんなに楽しそうなアイクお兄様は初めてみますわ。ジャスパー様は今にも土下座しそうな勢いです。
「獣人は鼻が良いですからね、強過ぎる匂いは苦手だとお聞きしていますわ。もう大丈夫ですの?」
「き、気持ち悪くなっちゃって、ちょっと抜け出すつもりが、獣化しちゃって。もう、大丈夫です」
しゅんと項垂れるその頭を撫で撫でしたい!いじけた様にくるくると身体に巻きつく尻尾弄りたい。手を伸ばしたら届くのに、既にモフモフしまくった後ですから動けませんわ。
まるでラーヴァを見る瞳になっていたのか、アイクお兄様がにっこりと笑顔で私を止めてきます。いつも笑顔の優しいアイクお兄様ですが、威圧感がある時は怖いんです、魔王様です。此処は我慢ですよ私。
獣化してしまった説明を聞いていると、ぎゅるるると聞こえて来るお腹の音。確かに今日はお茶会でお昼頃に集められたけど、香水の匂いで逃げていたなら何も食べていないのは仕方無いですわね。リモナイト殿下にお渡しした分と他にもクッキーの包みを持っていたので、繋ぎにと出す事にした。
「アズライト様。お口に合うかは解りませんが、此方のお菓子をどうぞ」
「初めて見る、甘い匂いがする…。これ、お菓子なの?」
「え、こんなのテーブルにあった?」
「はい、アトランティ家自慢のお菓子ですわ。テーブルにあったのは、王宮料理人のお菓子ですわね」
「ジャスパー、アズライトを捜してたんじゃないの?」
にっこりと黒い笑顔をお兄様に向けられて、すかさずジャスパー様が顔を背けました。視線じゃないですよ、顔を背けましたよこの方。さては迷子になっても暫く放置してたな。
キラッキラの瞳とニコニコしながらお菓子を頬張るのは、リモナイト殿下とそっくりですが、ゆらゆらと楽しげに揺れる白黒の尻尾を見ていると、癒し度アップです。
(ああ、可愛い。癒される…。アズライト様大好き)
ジャスパー様はアイクお兄様とは同じ歳とは思えないくらい、身体つきや顔は大人っぽく見えるのですが、中身はやっぱり子供でしたワンコ属性です。まだ成長中だからかもしれませんが、公式のジャスパー様は豪快で俺様な性格だったと思います。騎士科なので身体つきとかも大きくて、アイクお兄様と並ぶスチルでの対格差が本当に凄かったんです。
(前はイケメンと美女でしたが、今はワンコと美少女って感じですね)
前世では乙女ゲームとしての作品でしたが、それだけじゃ無かったのがこのゲーム。人気作品なだけに、ヒロイン達と攻略対象者の創作された物語も沢山ありました。ですが、アズライト様を推していた私はマイナージャンルと呼ばれる位置です、数が圧倒的に少なく涙を流す日々。ヒロインとのNLだろうが、話が腐ってようが物が無いのでアズラ君なら何でもこい!精神で鍛えられました。まぁ、趣味の合う友達はいましたので、隅っこで楽しんでましたけどね。
ヒロインとの掛け算はアズライトかリモナイト殿下でしたが、友達の影響でジャスパー様の相手はアイクお兄様一押しとなっていた私。最前でのこのやり取り最高じゃないですか?ありがとうございます!!
「あ、あ、…あの、アメーリア様」
「はい、何ですかアズライト様。アリアで宜しいですわよ」
「お菓子美味しかったです、ありがとー。またくれる?」
侯爵家と聞いて少し緊張しているのか、首を傾げてきゅるっとしたエメラルドグリーンの瞳が、強烈に可愛いです!ちょ、誰か、酸素を!息が、可愛すぎて息が出来ない…っ。ジャスパー様とアイクお兄様のやり取りも美味しいですが、可愛いアズライト様のショタ姿とか鼻血ものですよ。令嬢の意地として絶対噴きませんけどね!?
「勿論ですわ、アズライト様がお望みの時にいつでも作りますわ」
「え?これ、アリア様が作ってるんですか?」
アズライト様の笑顔の破壊力といったら!うちの天使兄弟にも勝るとも劣らないです。私が作ってるのは内緒にしてたのに、勢いで言っちゃいましたよ。驚きに瞳を丸くするとにゃんこの様に瞳孔が大きくなるのも可愛い。
(うっ、アイクお兄様から冷気がくる!?)
「アリア…」
「は、はい…」
「今度、僕も持って行きたい場所があるんだけど、いいよね?」
「はい!勿論ですわ、喜んで作らせて頂きます」
お父様が国王様にお菓子を差し上げた(奪われた?)以来、リス王子に渡す為か侯爵家でのお茶会でのみテーブルに登るのを許されたこのお菓子は、何気に他家では幻のお茶菓子と噂されているようです。ラーヴァとアイクお兄様のおやつはもっとバリエーションがありますが、きっとアイクお兄様がこの前気にいっていた、ジンジャークッキーとかを持っていくんでしょうね。
(屋敷に帰ったら、材料を採りに温室に見に行きましょう)
機嫌を直してくれたアイクお兄様に見つからない様に、こっそりと安堵の息を吐いていると、其れをみていたのかアズライト様の視線を感じます。視線の先へと目を向けると、ばっちりと目が合い大きなまん丸の瞳が慌ててそらされました。見てた様に思ったのになー?
(何か不味いことしましたかね?またモフモフしたいなぁ、させてくれるかしら?)
「こんな場所で何をしているんですか、当然でしょうが王子殿下達には挨拶を済ませているのでしょうね?アトランティ家の兄妹」
穏やかな中庭で、のほほんとしていた私達に、高めの可愛らしいけれど厳しさを含んだ声が投げかけられた。
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