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耀太、現る!
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その後、耀太さんはひとしきり泣いて疲れたのか、ぐっすり眠ってしまった。薬の効果が切れて狼の姿に戻ってしまったけれど、スヤスヤと眠るあどけない顔はもう怖いと思わなかった。柴犬みたいでちょっと可愛いと言ったら怒られるだろうか。
それよりリビングのソファで寝かせて大丈夫かと宗佑に尋ねながら毛布をかけてあげると、一度寝たらテコでも動かないし何より重すぎて運べないとそっけなく返された。
けれど、毛並みに沿って頭を撫でる顔はやはり実の兄のものだ。
「寝顔は年相応なんだけれどね。本当に手間をかけさせてすまなかった、圭介」
「でも、良かったよ。嫌われてるわけじゃなさそうだから」
「私の家族は全員、君を認めているよ」
宗佑は俺の手を引いてリビングを出ると照明を落とし、一緒に寝室へと向かった。そして部屋に入るなり抱き上げられ、そのままベッドの上にそっと押し倒される。
俺に覆い被さる宗佑は首元のチョーカーを外しながら、耀太さんには見せなかった笑みをその顔に浮かべた。
「ようやく、ゆっくりできるな」
「うん……けど、その……ご飯、は?」
「今からメインを頂くのに、前菜が必要?」
自身を食事に例えられ、カアッと赤くなる顔を俺は手の甲で隠した。それに構うことなく、着ている服のボタンは宗佑の手によって上から順に外されていった。
そうか。今日はしてくれるのか。
やはり自分の思い過ごしだったのかと安堵するのと同時に、俺は耀太さんに言われたあることを克服したいと、宗佑の手に自分の手を重ねた。
「宗佑。今、飲んでいる薬を止めて狼の姿に戻ることはできる?」
宗佑を見上げると、彼は驚いたのか僅かに口を開いた。しかしすぐにいつもの穏やかな表情に戻って、俺の指に自分の指を絡めるように重ね直した。
「もしかして、耀太の言ったことを気にしているの? それなら……」
「違う。そもそもプロポーズの時から思っていたんだ。いつまでも宗佑の優しさに甘えてちゃいけないって。貴方を愛するなら、まるごと愛したいんだ」
引っかかっていたのは、耀太さんの言っていた人型になる薬のことだ。高額で副作用もあるという事実が、俺の決心を後押しさせた。
やはり身体に負担がかかるのだ。俺の恐怖を軽減させる為だけに人型になってくれるこの人の優しさに、いつまでも甘えていてはいけない。誰だって本当の、生きやすい姿でいたいはずだ。
だが、宗佑は緩やかに首を振った。
「ありがとう、圭介。でも、今はまだ駄目だ」
「どうして?」
「本当の姿に戻って、君を怖がらせてしまうことの方が嫌なんだよ」
宗佑の困ったような苦笑いに、俺は言葉が出なかった。
俺は彼に出会って早々、硬直してしまった。怯えるその姿を目の当たりにして、この人はどれだけ傷ついたことだろう。
宗佑の本当の姿を前に、震えないという確証はない。こればかりは前世の記憶が戻ったことを恨んだ。本当にどうして、恵の記憶が戻ってしまったのだろう。いいところだけが戻ってきてくれれば、こんなにも獣人を怖がらなくて済んだというのに。
視線を落とし黙り込んでしまう俺。宗佑は絡めた指を自分の唇まで持ち上げると、そっと俺に口づけた。
「君は私のこの姿が嫌か?」
「そ、そんなことは……」
「ねえ、圭介。君は時折、私を見て申し訳なさそうな顔をするね。それは私を通して他の誰かを想うからか?」
何もかもを見透かすように、アンバーの瞳は俺を見つめた。
やはり気づいていたのか。俺が宗佑を正臣と重ねてしまっていたことに。
でもこれだけは言いたい。今の俺は貴方が好きなのだと。けれどもそれは、宗佑にとってただの言い訳にしかならない。
「だとしても、だ」
ドクン、と俺の鼓動が大きく鳴った。
「それは君が罪悪感を抱くことじゃない。ややこしい顔の私に非があるんだ。圭介、君が私をどう思おうが、君が私の傍にいてくれるのであれば、それだけで充分なんだよ」
腹の奥底を鈍器で殴られるように、ズンと重く沈む嫌な感覚が俺を襲った。
ああ、違う。違うよ、宗佑。
俺は一旦、唇を引き締めると宗佑を睨むようにまっすぐ見つめた。
「それは……嫌だ」
「圭介?」
「俺の気持ちは耀太さんにも言っただろう、宗佑。俺は宗佑が好きなんだ。確かに、宗佑は知っている人間の顔に似ているし、俺はその人のことが好きだった。でも、そんな貴方を通して別の誰かを想うなんて薄情なことはしたくない。貴方を見れば嫌でもその人のことを思い出すよ。でもその人を想う気持ちと貴方を想う気持ちは全くの別物だ」
俺の中で明確になった感情。言葉にして思い知る。
ただ隣にいたいのではない。俺は俺を愛すると言ってくれるこの人と一緒に、この先の人生を歩みたいのだ。
「俺は貴方の優しさに惹かれているんだ。決して顔で選んだんじゃない。今の俺と共にいてくれる目の前の貴方が好きなんだよ、宗佑」
言い終えると、目を見開きつつもそれまで黙って聞いていた宗佑はそっと瞼を閉じた。
気分を害しただろうか? 彼の名を呼ぼうと再び唇を開いた。
「そう……んんっ!?」
でもその瞬間を狙ったのか、ガブリと噛みつくようにそれは覆い被さった。
貪るように深く深く唇を食まれ、息も絶え絶えになると銀糸を引きながら解放される。
「もう、せっかく我慢していたのに……」
「はあっ……ん、宗佑?」
湿った唇を拭われ、反対の手を頬へと宛がわれる。ペロリと自身の下唇を舐める宗佑が、やけに妖しく映った。
「ありがとう、圭介。でも今はこの姿の私で我慢してくれるかい? 薬を飲んだばかりで効果が切れるのにとても時間がかかるんだ」
宗佑はニコニコと綺麗な笑みを浮かべつつ両手を離すと、俺の着ている服を無駄な動き一つなく脱がしていく。
何だろう。とても綺麗な笑みのはずなのに、怖い感じがするのは気のせいか?
「あ、あの……宗佑?」
「狼に戻るまで待っていられない。せっかく明日は君と一緒にデートをしようと休みをもぎ取ってきたんだけれど……でも仕方ないね。君は私が好きなんだから。うん、仕方ない。仕方ない」
「ちょ、ちょっと待って、宗佑。まだ風呂も入ってなくて……せめてシャワーだけでもっ」
「待てないって言っただろ」
グンと近くなるアンバーの瞳には、もう俺しか映っていなかった。
俺を捕らえて離さない。そんな瞳が、俺にはどうしようもない程、好きになってしまっていた。
その夜の、かつ久々のセックスは容赦がなかった。
身体を慣らす為の前戯だけで何度も達してしまった俺は、宗佑によるねちっこいセックスに「もう勘弁して」と何度も請うた。でもその度に性感帯を刺激され、煩い口を塞がれる。
長い。とにかく長い。そしてとても恥ずかしい。今までずっと猫を被っていたのか、この狼は。
それまでがいかに俺の為を想ってのセックスだったのかと、身をもって思い知らされた。
わざわざ等身大の鏡をベッドの前に持ってきた時には、怖くて部屋から逃げ出そうとした。結局、捕まってしまったけれど。お仕置きと称して鏡の前で、恥ずかしいポーズをさせられたけれど。
恵ならともかく、どうして平凡な圭介にそんなことをさせるのか。楽しいか? これ、楽しいか!?
「はあっ……宗佑、も、いや……あんっ……ちくび、やだぁ……お腹も、んっ、苦しぃの……」
「そうだな……一旦、抜こうか」
「あっ、ああっ、だめ、だめっ……抜かないでっ……イっちゃう……またイっちゃう、からあっ!」
背面座位で宗佑によって抱えられる俺は、乳首や陰茎を真っ赤になるまで弄られた。もちろん、その等身大の鏡の前で。
下では宗佑のガチガチの陰茎を咥え込みつつも涎を垂らしまくる姿は醜悪そのもの。自分のこんな痴態を見て面白さを感じるほど、圭介はマゾヒストではない。
宗佑は楔になっているそれを俺から引き抜こうと脚を抱えて俺の身体を浮かせるも、彼の陰茎にはα特有のコブがある。意地悪な宗佑はすぐにストンと俺の身体を落とした。
「ああぁっ!」
悲鳴を上げる俺は射精をせずに達してしまう。もうこれで何度目だろう。途中からは、頭がぼんやりとして考えるのが嫌になった。
それでも気絶しないのは、まだ彼が俺の中でろくに達していないからだ。コンドームをつけずに二回は中に出されたものの、全然萎えていない。どころか、俺の中でさらに大きくなりつつある。
ビクビクと痙攣する俺の乳首を両手でそれぞれ転がしながら、宗佑は俺の首をガブガブと噛んだ。
「はあっ、はあ……ん、そう……そうすけ……噛まない、でぇ……」
噛むといっても甘噛み程度のそれが、いちいち感じて気持ちがいい。
「すごいな、圭介……噛む度にイってるの? 下がきゅうきゅう食いついてる。熱くて蕩けそうに柔くて、最高だな」
「だ、だって……あんっ、気持ち……んっ、良く、て……ああんっ……」
「可愛いよ、圭介」
そう囁くと、宗佑は繋がったまま俺を俯せに寝かせると腰を高く持ち上げた。すでに腰が抜けているから、宗佑の手でしっかりと固定され、緩やかに律動が開始された。
「んっ、んんぅ……」
すごい。宗佑で中をいっぱいにされていくのがわかる。どんどん彼が大きくなって、腰の律動も速さを増した。
「あんっ、ああっ……宗佑っ、いいっ……気持ちいいっ……もっとっ、おくっ……んっ、奥っ、突いてぇ……!」
もうわけがわからない。何を言っているのか頭の中がぐちゃぐちゃで、ただただ宗佑を求めた。
中に欲しい。この人の種が。熱くてドロドロとした、たっぷりの子種で、俺を埋めて満たして欲しい。
「宗佑っ、宗佑ぇ……好き、好きっ……あ、ああぁっ!!」
「……っ、く……!」
大きな波が押し寄せるなり、俺はまたも達してしまった。同時に、俺の中では望んでいた熱いものが放たれた。
それがまた感じる素となり、身体の震えが止まらない。身体を抱き起こされつつ、背後から宗佑に唇を貪られる。
ああ、好きだ。この人が好きだ。宗佑が好きで堪らない。
「ん、んんっ……も、イくの、やだ……身体……気持ち良く、て……んっ、へ、変に、あん……なっちゃう……」
「いいよ、変になって。こっちはまだまだ足りないし」
「ああんっ!」
「今夜は手加減しないと決めたから」
そこから先も、俺は宗佑曰くたっぷりと時間をかけて可愛がられた。
それでもこんなのはまだ序の口だと意地悪な笑みと共に聞かされたのは、夜が明ける頃だったが。
それよりリビングのソファで寝かせて大丈夫かと宗佑に尋ねながら毛布をかけてあげると、一度寝たらテコでも動かないし何より重すぎて運べないとそっけなく返された。
けれど、毛並みに沿って頭を撫でる顔はやはり実の兄のものだ。
「寝顔は年相応なんだけれどね。本当に手間をかけさせてすまなかった、圭介」
「でも、良かったよ。嫌われてるわけじゃなさそうだから」
「私の家族は全員、君を認めているよ」
宗佑は俺の手を引いてリビングを出ると照明を落とし、一緒に寝室へと向かった。そして部屋に入るなり抱き上げられ、そのままベッドの上にそっと押し倒される。
俺に覆い被さる宗佑は首元のチョーカーを外しながら、耀太さんには見せなかった笑みをその顔に浮かべた。
「ようやく、ゆっくりできるな」
「うん……けど、その……ご飯、は?」
「今からメインを頂くのに、前菜が必要?」
自身を食事に例えられ、カアッと赤くなる顔を俺は手の甲で隠した。それに構うことなく、着ている服のボタンは宗佑の手によって上から順に外されていった。
そうか。今日はしてくれるのか。
やはり自分の思い過ごしだったのかと安堵するのと同時に、俺は耀太さんに言われたあることを克服したいと、宗佑の手に自分の手を重ねた。
「宗佑。今、飲んでいる薬を止めて狼の姿に戻ることはできる?」
宗佑を見上げると、彼は驚いたのか僅かに口を開いた。しかしすぐにいつもの穏やかな表情に戻って、俺の指に自分の指を絡めるように重ね直した。
「もしかして、耀太の言ったことを気にしているの? それなら……」
「違う。そもそもプロポーズの時から思っていたんだ。いつまでも宗佑の優しさに甘えてちゃいけないって。貴方を愛するなら、まるごと愛したいんだ」
引っかかっていたのは、耀太さんの言っていた人型になる薬のことだ。高額で副作用もあるという事実が、俺の決心を後押しさせた。
やはり身体に負担がかかるのだ。俺の恐怖を軽減させる為だけに人型になってくれるこの人の優しさに、いつまでも甘えていてはいけない。誰だって本当の、生きやすい姿でいたいはずだ。
だが、宗佑は緩やかに首を振った。
「ありがとう、圭介。でも、今はまだ駄目だ」
「どうして?」
「本当の姿に戻って、君を怖がらせてしまうことの方が嫌なんだよ」
宗佑の困ったような苦笑いに、俺は言葉が出なかった。
俺は彼に出会って早々、硬直してしまった。怯えるその姿を目の当たりにして、この人はどれだけ傷ついたことだろう。
宗佑の本当の姿を前に、震えないという確証はない。こればかりは前世の記憶が戻ったことを恨んだ。本当にどうして、恵の記憶が戻ってしまったのだろう。いいところだけが戻ってきてくれれば、こんなにも獣人を怖がらなくて済んだというのに。
視線を落とし黙り込んでしまう俺。宗佑は絡めた指を自分の唇まで持ち上げると、そっと俺に口づけた。
「君は私のこの姿が嫌か?」
「そ、そんなことは……」
「ねえ、圭介。君は時折、私を見て申し訳なさそうな顔をするね。それは私を通して他の誰かを想うからか?」
何もかもを見透かすように、アンバーの瞳は俺を見つめた。
やはり気づいていたのか。俺が宗佑を正臣と重ねてしまっていたことに。
でもこれだけは言いたい。今の俺は貴方が好きなのだと。けれどもそれは、宗佑にとってただの言い訳にしかならない。
「だとしても、だ」
ドクン、と俺の鼓動が大きく鳴った。
「それは君が罪悪感を抱くことじゃない。ややこしい顔の私に非があるんだ。圭介、君が私をどう思おうが、君が私の傍にいてくれるのであれば、それだけで充分なんだよ」
腹の奥底を鈍器で殴られるように、ズンと重く沈む嫌な感覚が俺を襲った。
ああ、違う。違うよ、宗佑。
俺は一旦、唇を引き締めると宗佑を睨むようにまっすぐ見つめた。
「それは……嫌だ」
「圭介?」
「俺の気持ちは耀太さんにも言っただろう、宗佑。俺は宗佑が好きなんだ。確かに、宗佑は知っている人間の顔に似ているし、俺はその人のことが好きだった。でも、そんな貴方を通して別の誰かを想うなんて薄情なことはしたくない。貴方を見れば嫌でもその人のことを思い出すよ。でもその人を想う気持ちと貴方を想う気持ちは全くの別物だ」
俺の中で明確になった感情。言葉にして思い知る。
ただ隣にいたいのではない。俺は俺を愛すると言ってくれるこの人と一緒に、この先の人生を歩みたいのだ。
「俺は貴方の優しさに惹かれているんだ。決して顔で選んだんじゃない。今の俺と共にいてくれる目の前の貴方が好きなんだよ、宗佑」
言い終えると、目を見開きつつもそれまで黙って聞いていた宗佑はそっと瞼を閉じた。
気分を害しただろうか? 彼の名を呼ぼうと再び唇を開いた。
「そう……んんっ!?」
でもその瞬間を狙ったのか、ガブリと噛みつくようにそれは覆い被さった。
貪るように深く深く唇を食まれ、息も絶え絶えになると銀糸を引きながら解放される。
「もう、せっかく我慢していたのに……」
「はあっ……ん、宗佑?」
湿った唇を拭われ、反対の手を頬へと宛がわれる。ペロリと自身の下唇を舐める宗佑が、やけに妖しく映った。
「ありがとう、圭介。でも今はこの姿の私で我慢してくれるかい? 薬を飲んだばかりで効果が切れるのにとても時間がかかるんだ」
宗佑はニコニコと綺麗な笑みを浮かべつつ両手を離すと、俺の着ている服を無駄な動き一つなく脱がしていく。
何だろう。とても綺麗な笑みのはずなのに、怖い感じがするのは気のせいか?
「あ、あの……宗佑?」
「狼に戻るまで待っていられない。せっかく明日は君と一緒にデートをしようと休みをもぎ取ってきたんだけれど……でも仕方ないね。君は私が好きなんだから。うん、仕方ない。仕方ない」
「ちょ、ちょっと待って、宗佑。まだ風呂も入ってなくて……せめてシャワーだけでもっ」
「待てないって言っただろ」
グンと近くなるアンバーの瞳には、もう俺しか映っていなかった。
俺を捕らえて離さない。そんな瞳が、俺にはどうしようもない程、好きになってしまっていた。
その夜の、かつ久々のセックスは容赦がなかった。
身体を慣らす為の前戯だけで何度も達してしまった俺は、宗佑によるねちっこいセックスに「もう勘弁して」と何度も請うた。でもその度に性感帯を刺激され、煩い口を塞がれる。
長い。とにかく長い。そしてとても恥ずかしい。今までずっと猫を被っていたのか、この狼は。
それまでがいかに俺の為を想ってのセックスだったのかと、身をもって思い知らされた。
わざわざ等身大の鏡をベッドの前に持ってきた時には、怖くて部屋から逃げ出そうとした。結局、捕まってしまったけれど。お仕置きと称して鏡の前で、恥ずかしいポーズをさせられたけれど。
恵ならともかく、どうして平凡な圭介にそんなことをさせるのか。楽しいか? これ、楽しいか!?
「はあっ……宗佑、も、いや……あんっ……ちくび、やだぁ……お腹も、んっ、苦しぃの……」
「そうだな……一旦、抜こうか」
「あっ、ああっ、だめ、だめっ……抜かないでっ……イっちゃう……またイっちゃう、からあっ!」
背面座位で宗佑によって抱えられる俺は、乳首や陰茎を真っ赤になるまで弄られた。もちろん、その等身大の鏡の前で。
下では宗佑のガチガチの陰茎を咥え込みつつも涎を垂らしまくる姿は醜悪そのもの。自分のこんな痴態を見て面白さを感じるほど、圭介はマゾヒストではない。
宗佑は楔になっているそれを俺から引き抜こうと脚を抱えて俺の身体を浮かせるも、彼の陰茎にはα特有のコブがある。意地悪な宗佑はすぐにストンと俺の身体を落とした。
「ああぁっ!」
悲鳴を上げる俺は射精をせずに達してしまう。もうこれで何度目だろう。途中からは、頭がぼんやりとして考えるのが嫌になった。
それでも気絶しないのは、まだ彼が俺の中でろくに達していないからだ。コンドームをつけずに二回は中に出されたものの、全然萎えていない。どころか、俺の中でさらに大きくなりつつある。
ビクビクと痙攣する俺の乳首を両手でそれぞれ転がしながら、宗佑は俺の首をガブガブと噛んだ。
「はあっ、はあ……ん、そう……そうすけ……噛まない、でぇ……」
噛むといっても甘噛み程度のそれが、いちいち感じて気持ちがいい。
「すごいな、圭介……噛む度にイってるの? 下がきゅうきゅう食いついてる。熱くて蕩けそうに柔くて、最高だな」
「だ、だって……あんっ、気持ち……んっ、良く、て……ああんっ……」
「可愛いよ、圭介」
そう囁くと、宗佑は繋がったまま俺を俯せに寝かせると腰を高く持ち上げた。すでに腰が抜けているから、宗佑の手でしっかりと固定され、緩やかに律動が開始された。
「んっ、んんぅ……」
すごい。宗佑で中をいっぱいにされていくのがわかる。どんどん彼が大きくなって、腰の律動も速さを増した。
「あんっ、ああっ……宗佑っ、いいっ……気持ちいいっ……もっとっ、おくっ……んっ、奥っ、突いてぇ……!」
もうわけがわからない。何を言っているのか頭の中がぐちゃぐちゃで、ただただ宗佑を求めた。
中に欲しい。この人の種が。熱くてドロドロとした、たっぷりの子種で、俺を埋めて満たして欲しい。
「宗佑っ、宗佑ぇ……好き、好きっ……あ、ああぁっ!!」
「……っ、く……!」
大きな波が押し寄せるなり、俺はまたも達してしまった。同時に、俺の中では望んでいた熱いものが放たれた。
それがまた感じる素となり、身体の震えが止まらない。身体を抱き起こされつつ、背後から宗佑に唇を貪られる。
ああ、好きだ。この人が好きだ。宗佑が好きで堪らない。
「ん、んんっ……も、イくの、やだ……身体……気持ち良く、て……んっ、へ、変に、あん……なっちゃう……」
「いいよ、変になって。こっちはまだまだ足りないし」
「ああんっ!」
「今夜は手加減しないと決めたから」
そこから先も、俺は宗佑曰くたっぷりと時間をかけて可愛がられた。
それでもこんなのはまだ序の口だと意地悪な笑みと共に聞かされたのは、夜が明ける頃だったが。
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