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レッツ! 妊活!
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俺達はセックスに溺れた。溺れた、というよりは中出しをされまくったというのが正しいだろう。αの射精はとにかく長い。
もし俺がβだったらもう無理! 死んじゃう! と泣き叫びながら音を上げてもおかしくはないくらいの濃厚セックスだ。発情していないとはいえ、ついていける俺はさすがだと、ある意味感心する。誰かΩを労ってくれ。
声が掠れるほど喘ぎまくり、足腰が立たなくなるほどヤられまくり。宗佑はひとしきり精液を出した後、スッキリしつつも艶かしい表情を浮かべながら、動けない俺の顔に触れるだけのキスを落とした。もう好きにしてくれ。
終わった後、ぼんやり頭に浮かんだのは冷蔵庫に入れたままのしょうが焼きの肉。タレに漬け込んだまま放置してしまっている。
半分瞼を閉じつつ肉の心配をしている俺の前髪を梳きながら、宗佑は申し訳なさそうに眉をハの字にさせた。
「すまない、圭介。食事の用意をしてくれていたのに……抱いてしまった」
「しょうが焼き、後で焼きますね」
「ありがとう。でも焼くだけなら私にもできるから、準備して持ってこよう。肉の他には?」
「お味噌汁が鍋に用意してあります。それからつけ合わせにキャベツの千切り、あと冷蔵庫にピクルスや人参のマリネもあるから、一緒にお願いできますか?」
「もちろんだ」
味噌汁は温めるだけで、肉は焦がしさえしなければいいだけだし、副菜はタッパーに入れてあるから小皿か小鉢にでも盛ればいい。千切りキャベツも同様。できると言っているし、任せても大丈夫だよな。
このまま放っておかれたら寝てしまいそうだけど、シャワー……は、無理か。せめて身体だけは拭きたいな。
何気なく腹に触れた。肌が互いの体液でベトベトだな、そう思いながら擦っていると、それを見た宗佑が俺の手に自身のそれを重ねて腹を撫でた。
「できただろうか?」
「そうだと嬉しいですね」
子供ができたらこの人はどんなに喜ぶだろうか。期待の乗った声音がもはや嬉しい。そしてきっと、この人は生まれてくる赤ん坊を大事に可愛がってくれるだろう。
恵は子を産んでも、その相手に認知をしてもらえなかった。そもそも期待していなかったから、俺一人の手で育てていこうという決意は固かったけど……なんとも情けない話だ。俺の子じゃないと言われた時に「じゃあ金玉もいらねーな!」そう言って相手を去勢させておけばよかったと後悔している。
それほど、子供を抱えながら一人で働くことには限界があった。一人ならな。だが、恵は恵まれていた。周りに同じ境遇のΩや助けの手もあったから、あの時代は意外と悪くなかった。
だから生まれ変わってΩでも、こんなに子供を望んでくれる人と出会えたことがもはや奇跡で、本当に嬉しい。
願わくは、今度は一人ではなく、子の父親と共にその成長を見守っていきたい。
しかし発情期でできなかったのだから、妊娠までの道のりは険しいだろうな。ただ数をこなせばできるというものでもないだろうけれど、ヤることをヤらねばできないというのもまた事実。
今は宗佑のヤりたいタイミングで子作りに励むとしよう。俺は脚を開いてどんと構えるのみだ。レッツ! 妊活!
「カリ……」
「んっ。さと……宗佑?」
ふいに宗佑が俺の首に顔を埋め、チョーカー越しにそこを噛んだ。エプロンや服は脱いでも、チョーカーだけは外していない。直に触れていないとはいえ、反射的に彼の胸を押した。
一瞬、宗佑が目を見開くも、すぐに苦笑して俺の身体を包むように優しく抱き締めた。
俺は自分の行動に後悔した。驚いたこととはいえ、そうすべきではなかった。
宗佑は、気にするなとばかりに言った。
「わかっている。君の意思を無視してこれを噛み千切ることはしないし、番になるつもりもない。前に言ったとおり、あくまで番は君の意思を尊重するから」
「宗佑……」
「抱いたからかな。ここが君の中で最も甘い香りがするんだ」
だからつい、チョーカーを噛んでしまったのだと、宗佑は謝った。
そして彼は俺の頭を一撫でするとベッドから離れて乱れた衣服を整えつつ、部屋を出ていった。
残った俺はボスンと枕に顔を突っ伏した。またやってしまった。自分の髪をわしゃわしゃと掻き毟った。
子供を産む決意はできている。でも俺は、宗佑と番になることに躊躇いがあった。それは俺に、恵の記憶が戻ったことが大きいだろう。
俺は正臣が好きだった。でもそれは恵の時の話。それは間違いない。そして今の彼は正臣の顔をした別の人。それもわかっている。わかっているのだが……
正臣とそっくりの宗佑を見ていると、だんだんと宗佑に正臣を重ねてしまうのだ。
どうして、二人はこんなにもよく似ている? 顔だけじゃない。性格も似ている部分があるし、何より俺にとても優しい。俺と対等でいようとしてくれている。こんな人が番になってくれるなら最高じゃないか。俺の中の邪心がそう囁いた。
でも、本当の宗佑の姿は狼。俺が恐怖してしまう、獣人なのだ。
狼の彼を受け入れられないのであれば、俺から番になってくださいなどと、そんなおこがましいことは決して言えない。
まして昔好きだった人と顔が似ているからというそんな不純な理由で結ばれようとするなんて……
「ははっ。ないわぁ……」
そこにわだかまりがある以上、俺はあの人と番になってはいけないのだ。
もし俺がβだったらもう無理! 死んじゃう! と泣き叫びながら音を上げてもおかしくはないくらいの濃厚セックスだ。発情していないとはいえ、ついていける俺はさすがだと、ある意味感心する。誰かΩを労ってくれ。
声が掠れるほど喘ぎまくり、足腰が立たなくなるほどヤられまくり。宗佑はひとしきり精液を出した後、スッキリしつつも艶かしい表情を浮かべながら、動けない俺の顔に触れるだけのキスを落とした。もう好きにしてくれ。
終わった後、ぼんやり頭に浮かんだのは冷蔵庫に入れたままのしょうが焼きの肉。タレに漬け込んだまま放置してしまっている。
半分瞼を閉じつつ肉の心配をしている俺の前髪を梳きながら、宗佑は申し訳なさそうに眉をハの字にさせた。
「すまない、圭介。食事の用意をしてくれていたのに……抱いてしまった」
「しょうが焼き、後で焼きますね」
「ありがとう。でも焼くだけなら私にもできるから、準備して持ってこよう。肉の他には?」
「お味噌汁が鍋に用意してあります。それからつけ合わせにキャベツの千切り、あと冷蔵庫にピクルスや人参のマリネもあるから、一緒にお願いできますか?」
「もちろんだ」
味噌汁は温めるだけで、肉は焦がしさえしなければいいだけだし、副菜はタッパーに入れてあるから小皿か小鉢にでも盛ればいい。千切りキャベツも同様。できると言っているし、任せても大丈夫だよな。
このまま放っておかれたら寝てしまいそうだけど、シャワー……は、無理か。せめて身体だけは拭きたいな。
何気なく腹に触れた。肌が互いの体液でベトベトだな、そう思いながら擦っていると、それを見た宗佑が俺の手に自身のそれを重ねて腹を撫でた。
「できただろうか?」
「そうだと嬉しいですね」
子供ができたらこの人はどんなに喜ぶだろうか。期待の乗った声音がもはや嬉しい。そしてきっと、この人は生まれてくる赤ん坊を大事に可愛がってくれるだろう。
恵は子を産んでも、その相手に認知をしてもらえなかった。そもそも期待していなかったから、俺一人の手で育てていこうという決意は固かったけど……なんとも情けない話だ。俺の子じゃないと言われた時に「じゃあ金玉もいらねーな!」そう言って相手を去勢させておけばよかったと後悔している。
それほど、子供を抱えながら一人で働くことには限界があった。一人ならな。だが、恵は恵まれていた。周りに同じ境遇のΩや助けの手もあったから、あの時代は意外と悪くなかった。
だから生まれ変わってΩでも、こんなに子供を望んでくれる人と出会えたことがもはや奇跡で、本当に嬉しい。
願わくは、今度は一人ではなく、子の父親と共にその成長を見守っていきたい。
しかし発情期でできなかったのだから、妊娠までの道のりは険しいだろうな。ただ数をこなせばできるというものでもないだろうけれど、ヤることをヤらねばできないというのもまた事実。
今は宗佑のヤりたいタイミングで子作りに励むとしよう。俺は脚を開いてどんと構えるのみだ。レッツ! 妊活!
「カリ……」
「んっ。さと……宗佑?」
ふいに宗佑が俺の首に顔を埋め、チョーカー越しにそこを噛んだ。エプロンや服は脱いでも、チョーカーだけは外していない。直に触れていないとはいえ、反射的に彼の胸を押した。
一瞬、宗佑が目を見開くも、すぐに苦笑して俺の身体を包むように優しく抱き締めた。
俺は自分の行動に後悔した。驚いたこととはいえ、そうすべきではなかった。
宗佑は、気にするなとばかりに言った。
「わかっている。君の意思を無視してこれを噛み千切ることはしないし、番になるつもりもない。前に言ったとおり、あくまで番は君の意思を尊重するから」
「宗佑……」
「抱いたからかな。ここが君の中で最も甘い香りがするんだ」
だからつい、チョーカーを噛んでしまったのだと、宗佑は謝った。
そして彼は俺の頭を一撫でするとベッドから離れて乱れた衣服を整えつつ、部屋を出ていった。
残った俺はボスンと枕に顔を突っ伏した。またやってしまった。自分の髪をわしゃわしゃと掻き毟った。
子供を産む決意はできている。でも俺は、宗佑と番になることに躊躇いがあった。それは俺に、恵の記憶が戻ったことが大きいだろう。
俺は正臣が好きだった。でもそれは恵の時の話。それは間違いない。そして今の彼は正臣の顔をした別の人。それもわかっている。わかっているのだが……
正臣とそっくりの宗佑を見ていると、だんだんと宗佑に正臣を重ねてしまうのだ。
どうして、二人はこんなにもよく似ている? 顔だけじゃない。性格も似ている部分があるし、何より俺にとても優しい。俺と対等でいようとしてくれている。こんな人が番になってくれるなら最高じゃないか。俺の中の邪心がそう囁いた。
でも、本当の宗佑の姿は狼。俺が恐怖してしまう、獣人なのだ。
狼の彼を受け入れられないのであれば、俺から番になってくださいなどと、そんなおこがましいことは決して言えない。
まして昔好きだった人と顔が似ているからというそんな不純な理由で結ばれようとするなんて……
「ははっ。ないわぁ……」
そこにわだかまりがある以上、俺はあの人と番になってはいけないのだ。
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