【完結】「奥さまは旦那さまに恋をしました」〜紫瞠柳(♂)。学生と奥さまやってます

天白

文字の大きさ
上 下
151 / 241
そうだ。新婚旅行へ行こう

13

しおりを挟む
 さらりと言われた言葉を聞き返したくて口を開けば、その口は海さんの唇で塞がれた。

 海さんの舌が僕の中に入ると、頭の中がふわふわし始める。ザラリとした舌の感触が僕の背中を擽って、頭からつま先までの熱を上げていく。

「んぅ……ふ、ぁ……」

 海さんの唇は僕の口だけじゃなくて、頬や額、耳や首などあちこちに落とされていった。それが時折擽ったいと感じて、そして時折気持ちいいと感じた。

「ん……あっ……」

 胸の周りを吸われるように唇を落とされると妙な感覚が伝わって、海さんの言う変な声が出た。気持ちがいいというのとは違うように思う。

 でも、それが僕の乳首に当たると、前にされた時と同じように身体が跳ねそうになるくらいの刺激がピリピリと走った。

「ひゃっ、んぁっ……」

 突起をコロコロと転がすように舐められると、恥ずかしくて声を堪えたくなる。思わず口を手で抑えると、それを知った海さんが僕の胸で小さく笑って、転がしていた乳首を軽く噛んだ。刺激が強くて、手で抑えていたのも意味は無く、いっそう甲高い声が僕の口から洩れてしまった。

「あっ……海、さ……やっ……そこっ……変っ……」

「変? じゃあ、止める? ここはこんなになってるけど……」

 乳首から少しだけ唇を離した海さんは僕にそう尋ねながら、右手を僕のアソコへと伸ばして包むように触れてきた。キスをされている時から徐々に勃ち始めていたことは自覚していたけれど、すでにというか、僕のそれは熱を持って硬くなっていた。

 それを海さんは上下に緩やかに扱きつつ、そして乳首の周りを舌で焦らすように舐めながら、僕になおも尋ねてくる。

「柳……どうされたい?」

「あっ、んっ……それ、やっ……だぁ……」

「それ、って?」

「んんっ……そ、れっ……」

 わかってるくせに。海さんの意地悪はこんな時でもなのかな……。

 もどかしい気持ちを必死で堪えながら、僕は口元にやっていた手をぶるぶると震わせ自分の乳首の先端に指を乗せて海さんに懇願した。

「ちゃんと、ここ……さ、触って……?」

 いつの間にか、目尻に涙が溜まっていたみたい。ポロリと雫になってほっぺを伝った。

 そんな情けない僕の姿を、海さんがどう思ったのか。

「お強請りが上手だな。オレの奥さんは」

 ニヤリと笑って僕のお願いの通りに乳首を口と指で触り始めた。口の方はさっきと同じで舌で舐めたり、転がしたり。そして指の方は擽るように触ったり、摘まんだりして僕に刺激を与えていった。

「んあ……海、さ……あっ……」

「良い声……気持ちいい?」

「ん……う……う、ん……」

 恥ずかしくって、海さんのその問いにはすごく小さな声でしか答えられなかったけど。

「可愛い」

 ポツリと呟く海さんの声は、粘り気を含んだ水音とえっちな息遣いを含んでいて、僕の耳に響いてくる。

 その声がとても恥ずかしくなるのに、もっと聞きたいって思うのは、おかしなことじゃないのかな?

 それで僕のアソコがすでにもう限界なのも、変なことじゃないのかな……?

「あう……んっ、海さん……僕、もう……」

「我慢出来そうにない?」

「んんっ……む、り……あっ……で、ちゃう……」

「そうだな……一度抜こうか」

 海さんはそう言うとそれまでの行動をゆっくりと止めて、僕の下半身に顔を落とした。

 そして同時に、何をされるのかがわかってしまった。

「も……海、さ……またっ……ん、やだっ……あん……」

 前にもされたことのあるやつだ。決して美味しいわけでは無いと思うのに、海さんは平気で僕のアレを口に含んだ。

 舐めながら吸われる、手でされるのとは違う刺激。汚いからこんなこと、本当にされたくないのに、手でされることよりもすごく気持ちがいい。

 止めて欲しいのに、止めてもらいたくない。どうすればいいのかわかんない。前にされたことがあるからその分、さらに。

 頭の中がぐちゃぐちゃになる。抵抗なんて上辺だけで、喘ぐことしか出来ない。

「はあっ……海、さっ……海さんっ……も、やだっ……出るっ……あっ……出ちゃうっ……海さんっ……海っ……!」

 海さんの名前を呼ぶと同時に、僕は海さんの口の中で射精した。

「はっ……はあっ……はあっ……う、また……また、口……」

 また口に出しちゃった……。

 そしてまた……

「ん……柳。ちゃんと抜いてるか? 少し濃いぞ」

「や……口、濯いでってばぁ……」

 何で飲んじゃうの~……!

 気持ち良かったけど、やっぱりこれ汚いよぉ……。

 恥ずかしくって、僕はそばにある枕を掴むとそれで顔を隠した。

 前に僕のなら平気~とかなんとか言ってたけどさ。絶対不味いでしょ? 決して美味しくはないでしょ、絶対さ~……!

 なのに。なのにだよ?

「今度から手伝ってやろうか? 風呂を一緒にすれば身体を洗う時にでも……いや、まずは身体を洗ってあげよう。頭から爪先まで。それから抜いて、風呂に入れてあげる。全部オレがやってあげるよ……毎日」

「やだもうっ……えっち。海さんのえっち。えっち~!」

 僕の旦那さま。実はすんごくえっちな人だった。

 毎日、の部分がすごくえっちだった。

しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

断る――――前にもそう言ったはずだ

鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」  結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。  周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。  けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。  他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。 (わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)  そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。  ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。  そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

裏切りの先にあるもの

マツユキ
恋愛
侯爵令嬢のセシルには幼い頃に王家が決めた婚約者がいた。 結婚式の日取りも決まり数か月後の挙式を楽しみにしていたセシル。ある日姉の部屋を訪ねると婚約者であるはずの人が姉と口づけをかわしている所に遭遇する。傷つくセシルだったが新たな出会いがセシルを幸せへと導いていく。

私のドレスを奪った異母妹に、もう大事なものは奪わせない

文野多咲
恋愛
優月(ゆづき)が自宅屋敷に帰ると、異母妹が優月のウェディングドレスを試着していた。その日縫い上がったばかりで、優月もまだ袖を通していなかった。 使用人たちが「まるで、異母妹のためにあつらえたドレスのよう」と褒め称えており、優月の婚約者まで「異母妹の方が似合う」と褒めている。 優月が異母妹に「どうして勝手に着たの?」と訊けば「ちょっと着てみただけよ」と言う。 婚約者は「異母妹なんだから、ちょっとくらいいじゃないか」と言う。 「ちょっとじゃないわ。私はドレスを盗られたも同じよ!」と言えば、父の後妻は「悪気があったわけじゃないのに、心が狭い」と優月の頬をぶった。 優月は父親に婚約解消を願い出た。婚約者は父親が決めた相手で、優月にはもう彼を信頼できない。 父親に事情を説明すると、「大げさだなあ」と取り合わず、「優月は異母妹に嫉妬しているだけだ、婚約者には異母妹を褒めないように言っておく」と言われる。 嫉妬じゃないのに、どうしてわかってくれないの? 優月は父親をも信頼できなくなる。 婚約者は優月を手に入れるために、優月を襲おうとした。絶体絶命の優月の前に現れたのは、叔父だった。

とまどいの花嫁は、夫から逃げられない

椎名さえら
恋愛
エラは、親が決めた婚約者からずっと冷淡に扱われ 初夜、夫は愛人の家へと行った。 戦争が起こり、夫は戦地へと赴いた。 「無事に戻ってきたら、お前とは離婚する」 と言い置いて。 やっと戦争が終わった後、エラのもとへ戻ってきた夫に 彼女は強い違和感を感じる。 夫はすっかり改心し、エラとは離婚しないと言い張り 突然彼女を溺愛し始めたからだ ______________________ ✴︎舞台のイメージはイギリス近代(ゆるゆる設定) ✴︎誤字脱字は優しくスルーしていただけると幸いです ✴︎なろうさんにも投稿しています 私の勝手なBGMは、懐かしすぎるけど鬼束ちひろ『月光』←名曲すぎ

【完結】忘れてください

仲 奈華 (nakanaka)
恋愛
愛していた。 貴方はそうでないと知りながら、私は貴方だけを愛していた。 夫の恋人に子供ができたと教えられても、私は貴方との未来を信じていたのに。 貴方から離婚届を渡されて、私の心は粉々に砕け散った。 もういいの。 私は貴方を解放する覚悟を決めた。 貴方が気づいていない小さな鼓動を守りながら、ここを離れます。 私の事は忘れてください。 ※6月26日初回完結  7月12日2回目完結しました。 お読みいただきありがとうございます。

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

寡黙な貴方は今も彼女を想う

MOMO-tank
恋愛
婚約者以外の女性に夢中になり、婚約者を蔑ろにしたうえ婚約破棄した。 ーーそんな過去を持つ私の旦那様は、今もなお後悔し続け、元婚約者を想っている。 シドニーは王宮で側妃付きの侍女として働く18歳の子爵令嬢。見た目が色っぽいシドニーは文官にしつこくされているところを眼光鋭い年上の騎士に助けられる。その男性とは辺境で騎士として12年、数々の武勲をあげ一代限りの男爵位を授かったクライブ・ノックスだった。二人はこの時を境に会えば挨拶を交わすようになり、いつしか婚約話が持ち上がり結婚する。 言葉少ないながらも彼の優しさに幸せを感じていたある日、クライブの元婚約者で現在は未亡人となった美しく儚げなステラ・コンウォール前伯爵夫人と夜会で再会する。 ※設定はゆるいです。 ※溺愛タグ追加しました。

新しい道を歩み始めた貴方へ

mahiro
BL
今から14年前、関係を秘密にしていた恋人が俺の存在を忘れた。 そのことにショックを受けたが、彼の家族や友人たちが集まりかけている中で、いつまでもその場に居座り続けるわけにはいかず去ることにした。 その後、恋人は訳あってその地を離れることとなり、俺のことを忘れたまま去って行った。 あれから恋人とは一度も会っておらず、月日が経っていた。 あるとき、いつものように仕事場に向かっているといきなり真上に明るい光が降ってきて……? ※沢山のお気に入り登録ありがとうございます。深く感謝申し上げます。

処理中です...