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「ゲーム4」4
しおりを挟む心の声も虚しく。
俺は一瞬で一糸纏わない姿にされ、背後のセルに羽交い締め(……よりはだいぶ緩やかだけど)という形で身体を固定された。
「……ぅ」
ツ……、と額から一雫の汗が落ちた。裸にされ、身体が急に冷えたからだ。背中の方も、じわりとそれが滲んでいる。
駄目だ……怖い……!
それまでのゲームは、相手が一人だったからまだ耐えられたけど……自分より一回りも、二回りも大きな同性に囲まれることが、とても怖い……!
それも今から、俺を犯そうというのだから……なおさら。
「緊張するのも無理はない」
「んっ……」
背後のセルが、俺の頰をペロリと舐めた。些細なその行為に、俺は全身を震わせた。
しかし、何だろう。おぞましさとは違う。不思議と鳥肌は立っていない。
だからといって、強張りが解けたわけでもない。俺の腰に手を当てるルイスが、虫取りに出かける前の少年のように微笑んだ。
「まずはその、ガチガチに固まった身体から解そうか」
そう言うと、今度はセルが俺の顎を掴み上げ、食むように唇を重ねてきた。
「んっ……んぅ……ん、せ……んんぅ……!」
あっという間に、セルは俺の歯列を割って、その奥へと舌を侵入させた。その舌の動きが、まるで意思を持つ別の生き物のように、俺を蝕んだ。何これ、何これ、何これ!? あの「ゲーム1」で行ったベロチューと、全然違うじゃないか!
あの時のキスはまだ優しさがあった。強引さはあったけれど、それでも俺のペースに合わせてしてくれていた……ということが、今ならわかるくらい、これは違う! 明らかに!
遠慮なく……いや、容赦なく絡む彼の舌は、俺のすべてを味わい尽くすかのように動いていた。
角度を変える度にできる隙間から、かろうじて酸素を取り入れることができるとはいえ、苦しくないわけがない。
なのに、どうして? どうしてこんなに……身体が……
何やら頭が雲のように浮遊するという不思議な感覚に陥っていると、次は突然、胸元がピリリと痺れた。
「んあぁっ……!? やっ……んんっ……そこ……あっん……!」
目を開けると、バイロンが俺の胸に手を這わせ、プツンと尖る二つの乳首を、左右の指の腹で擽っていた。な、なな、何やってんの!?
戸惑う俺をよそに、バイロンはどこか悔しそうに、
「舌が使えないからな。だが、人の手よりは感じるだろう?」
「ふぁっ……ん、んんっ……やぁ……あぁっ……!」
と、俺に感想を求めるように、絶妙な力加減で弄ってくる。そしてその言葉通り、バイロンの指は人の手とは違い、細くも柔らかな毛に覆われている。これが羽根箒で擽られているかのようで、俺には刺激が強かった。
「あんっ……ら、らめ……んんぅ……ん、ぅぶぅ……!」
口はセルに犯され、胸はバイロンに犯される。
では、残るルイスはというと……
「普段は他人のモノを口に含むという趣味はないんだが……君のはどうしてこうも食指が動くのだろう? ねえ、スグル」
「ぇ……な、なに……ひゃあんっ……!?」
身体を屈めて俺の股間に銀髪の頭を近づけた。そして何の躊躇いもなく、ルイスは俺のアレを咥えこんだ。
「やっ……る、るぃ……やっ……そ、そんな、とこ……んんぅ……き、汚い……よぉ……!」
ギョッとした俺は、他二人の攻撃……もとい愛撫を受けながらも、ルイスへ必死に訴えた。
しかし俺の言葉が言葉と成していないからか、それともルイスがガン無視を決めているからか。彼はそのまま、俺のアレ……ペニスに吸いつき、舐め上げ、それでもって器用に扱き始めた。
緊張を解す行為とは? そんな疑問が、頭の片隅に浮かびながらも、俺はただ喘ぐしかなかった。
「んんっ……や、ぁ……舌っ……んっ、た、食べ……あっ……なぃ、でぇ……! ぁ、んっ……ち、ちく……あぁんっ……ち、くび……もぉ……っ……んっ……く、くりくりっ……し、しちゃ……あっ、ああっ……!」
頭がおかしくなる。もはや自分が何を言っているのかわからなかった。
「んっ……や、やらぁ……も、るぃ……んんっ……ら、め……っく……ぃ……イっちゃ……で、んっ……んんぁ……ちゃぅ……で、でちゃう、っ、ん……でちゃ………………っ、~~~~っ!!」
「これでワンカウントだ」
ペロリと、何かを舐め取るルイスが、ほくそ笑みながらそう言った。
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