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ボーナス 2(※)
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※以下、主人公以外の凌辱描写があります。苦手な方はご注意ください。
「見ろ。えいしゃまくとやらの下に、文字が表れた」
バイロンの声にハッとして、俺は映写幕へと目を細めた。そこには、依然として日本語の……
「ぼ、『ボーナス』?」
しかもカタカナで一言、そう記されていた。ボーナスっていったら、賞与とか特別手当とか、そういった意味合いの単語だけど、ここでの「ボーナス」とはいったい何なんだろう?
俺が首を傾げるや否や、辺りが一瞬で暗くなり、壁面の映写幕だけが白く光った。また後方からカラカラと、まるで映写機が回っているかのような音とともに、「それ」は俺達の前で上映された。
『んっ……んんっ……ぷあっ……はあっ……はあっ……ん、はげ、し……んひぃぃ!!?』
突如として始まったその内容は、俺の予想を遥かに超えていた。
「なっ……!?」
そこには、成人はしているであろう若い男が、大きな蛸のような無数の触手に四肢の自由を奪われた状態で、人外のものによって犯されている姿が、くっきりとした音声とともに映し出されていた。
「あれは……」
男は目元を黒い布で覆い隠されており、それ以外は肌に何も身につけていない状態で、茶色の髪を振り乱しながら抵抗の様を見せている。
しかし、奪われた手足はバタつくことも許されず、先端がフジツボのようなグロテスクな形状の触手を、割り開かれた脚の間にある肛門へと挿し込まれていた。
遠目からでもわかる。人外のそれは乱暴に抽挿を繰り返し、男の肛門を犯している。そして本当に同じ人間なのかと疑ってしまうほど、彼の肛門は歪み、拡げられていた。
顔は自身から流れ出る涙や唾液や鼻水やらの体液によってか、それとも人外のものによる何らかの液体によってか、いずれにせよ多量の粘液に塗れてグチャグチャになっている。
この残忍な仕打ちを受けているのは、いったい誰なのか。それは考えるまでもなかった。
「み、雅……!?」
映写幕が下りてきた時、もしかしたら、を抱いた。でも、こんな内容は、微塵も望んでいない。
『あっ、あっ、んはあっ、ん、んっ、んんあっ……! はあっ、あっ、んっ……ぉ、れはぁ……んんっ……者ぁ、だぞ……こん、な……んっ、と、して……っ、あひっ!? んっ、ゆ、ゆる……され……んぃぃ!?』
喘いで、叫んで、ほとんど言葉になっていないような声をあげていても、それが俺の弟だということははっきりとわかった。
雅は三人が言うように生きていた。生きていた、けれど……
あまりにも残酷な光景に、俺の身体は自然と震えていた。それを感じ取ったらしいセルが、心配そうに俺を呼んだ。
「スグル。大丈夫か?」
「……ぁ、せ……セル……み、み……雅が……」
彼を見上げるも、それ以上のことは口にできなかった。セルもまた、それ以上は話さなくていいと、目を細めることで俺に伝えた。
どうしてこんなことに……。雅は「ゲーム1」で、ゲームを放棄したことにより敗北し、俺の目の前で痛ましい罰を受けた。なのにまだ、罰が足りないというのか?
やがて粘液に塗れた太い触手は雅の口の中に侵入すると、酷いことをされているというのになぜか隆々と勃起している彼のペニスを、口とは別の触手で扱き始めた。
すでに幾度か射精したのか、ペニスからは色の薄い精液がピュッ、ピュッと飛び出ている。その度に雅は身体を震わせ達しているようだった。
弟の変わり果てた姿を目にすることになろうとは、つい数時間前までは思いもしなかった。
堪らなくなった俺は、目線を映写幕から逸らした。きっとここにいる全員がそうだろうと、俺は思っていた。だが……
「これはこれは。なかなかだな」
「ああ、まったくだ」
「ルイ、ス? バイロン……?」
彼らはどこか感心するような、どこか呆れたような、そんな口ぶりで、映写幕を見上げたまま呟いた。てっきり彼らは、憤っているものだとばかり思っていたのに、どうしてこんなにも冷静なんだ? 帝国になくてはならない国宝ともいえる聖者が、化け物によって犯されているというのに。
もしやセルも? と、顔を上げると、彼も二人同様に……いや、二人以上に冷めた目でこの光景を眺めていた。嘘……俺以外、全員冷静? な、何で?
しかも……
「となると、この一連の『ゲーム』とやらは……」
「ああ、お前達が考えている通りだろうな」
「なるほど」
困惑する俺と違って、三人は互いに顔を見合わせながら、何かを理解したように言い出した。しかし肝心な部分を言ってくれない。言ってくれないけれど、これはもしや……
「まさか三人とも……黒幕が誰なのか、わかったの……?」
恐る恐るそう尋ねると、三人はやはり互いに顔を合わせてから、静かに頷いた。
何てことだ。この映像から、まさか犯人がわかってしまうなんて。俺はセルの腕の中で、やや前のめりになりながら彼らに尋ねた。
「いったい、誰なんだ? 雅をこんな目に遭わせている黒幕は!?」
俺はてっきり、すぐさま答えが返ってくるものだと思っていた。だが予想に反して、彼らは一様に俺から視線を逸らしたんだ。
「何で? どうして黙っちゃうんだよ?」
「今はお前に……それを伝えることができないからだ」
バイロンが静かにそう言った。やけに冷静な彼らが薄情に見えた俺は、つい声を荒らげてしまった。
「どうしてそんなに冷静なんだよ? というか、どうして三人とも平気でいられるの? 雅があんな目に遭っているんだよ! 酷いと思わないの!?」
「だが、助けることはできない」
「そんな……!」
端的に答えたセルの後に、ルイスが俺をあやすように微笑んだ。
「大丈夫。今は助けることができないけれど、あの程度でなら人は死なないさ。何より本人が喜んでいるようだからね。慌てる必要はないよ」
「よ、喜んでいるって……」
『んんあぁっ!? しょれっ、おぐっ……おぐっ、んんっ、ひぐっ、んっ、ぎ、ぎもぢぃぃぃ……!!?』
あ、あれ……喜んでいるのか? アヒィ! とか、ヒグウ! とか言っちゃってるけれど、そんな奇声を上げながら喜んじゃうことってあるの!? それに、尻のっ……おお、お尻っ、のっ、あそこがっ……あ、あ、あ、あんなに拡がるもんなのか!?
「残念だが、俺達が束になってかかったところで、奴には敵わないんだ」
「バイロン……」
最高位のビーストテイマーからきっぱり「敵わない」と断言され、俺はゴクリと喉を鳴らした。
「そんなに……強敵、なのか? 俺達をここへ閉じ込めた……黒幕は……」
すると、間髪入れずに、「ああ」と短い言葉が返ってきた。
「見ろ。えいしゃまくとやらの下に、文字が表れた」
バイロンの声にハッとして、俺は映写幕へと目を細めた。そこには、依然として日本語の……
「ぼ、『ボーナス』?」
しかもカタカナで一言、そう記されていた。ボーナスっていったら、賞与とか特別手当とか、そういった意味合いの単語だけど、ここでの「ボーナス」とはいったい何なんだろう?
俺が首を傾げるや否や、辺りが一瞬で暗くなり、壁面の映写幕だけが白く光った。また後方からカラカラと、まるで映写機が回っているかのような音とともに、「それ」は俺達の前で上映された。
『んっ……んんっ……ぷあっ……はあっ……はあっ……ん、はげ、し……んひぃぃ!!?』
突如として始まったその内容は、俺の予想を遥かに超えていた。
「なっ……!?」
そこには、成人はしているであろう若い男が、大きな蛸のような無数の触手に四肢の自由を奪われた状態で、人外のものによって犯されている姿が、くっきりとした音声とともに映し出されていた。
「あれは……」
男は目元を黒い布で覆い隠されており、それ以外は肌に何も身につけていない状態で、茶色の髪を振り乱しながら抵抗の様を見せている。
しかし、奪われた手足はバタつくことも許されず、先端がフジツボのようなグロテスクな形状の触手を、割り開かれた脚の間にある肛門へと挿し込まれていた。
遠目からでもわかる。人外のそれは乱暴に抽挿を繰り返し、男の肛門を犯している。そして本当に同じ人間なのかと疑ってしまうほど、彼の肛門は歪み、拡げられていた。
顔は自身から流れ出る涙や唾液や鼻水やらの体液によってか、それとも人外のものによる何らかの液体によってか、いずれにせよ多量の粘液に塗れてグチャグチャになっている。
この残忍な仕打ちを受けているのは、いったい誰なのか。それは考えるまでもなかった。
「み、雅……!?」
映写幕が下りてきた時、もしかしたら、を抱いた。でも、こんな内容は、微塵も望んでいない。
『あっ、あっ、んはあっ、ん、んっ、んんあっ……! はあっ、あっ、んっ……ぉ、れはぁ……んんっ……者ぁ、だぞ……こん、な……んっ、と、して……っ、あひっ!? んっ、ゆ、ゆる……され……んぃぃ!?』
喘いで、叫んで、ほとんど言葉になっていないような声をあげていても、それが俺の弟だということははっきりとわかった。
雅は三人が言うように生きていた。生きていた、けれど……
あまりにも残酷な光景に、俺の身体は自然と震えていた。それを感じ取ったらしいセルが、心配そうに俺を呼んだ。
「スグル。大丈夫か?」
「……ぁ、せ……セル……み、み……雅が……」
彼を見上げるも、それ以上のことは口にできなかった。セルもまた、それ以上は話さなくていいと、目を細めることで俺に伝えた。
どうしてこんなことに……。雅は「ゲーム1」で、ゲームを放棄したことにより敗北し、俺の目の前で痛ましい罰を受けた。なのにまだ、罰が足りないというのか?
やがて粘液に塗れた太い触手は雅の口の中に侵入すると、酷いことをされているというのになぜか隆々と勃起している彼のペニスを、口とは別の触手で扱き始めた。
すでに幾度か射精したのか、ペニスからは色の薄い精液がピュッ、ピュッと飛び出ている。その度に雅は身体を震わせ達しているようだった。
弟の変わり果てた姿を目にすることになろうとは、つい数時間前までは思いもしなかった。
堪らなくなった俺は、目線を映写幕から逸らした。きっとここにいる全員がそうだろうと、俺は思っていた。だが……
「これはこれは。なかなかだな」
「ああ、まったくだ」
「ルイ、ス? バイロン……?」
彼らはどこか感心するような、どこか呆れたような、そんな口ぶりで、映写幕を見上げたまま呟いた。てっきり彼らは、憤っているものだとばかり思っていたのに、どうしてこんなにも冷静なんだ? 帝国になくてはならない国宝ともいえる聖者が、化け物によって犯されているというのに。
もしやセルも? と、顔を上げると、彼も二人同様に……いや、二人以上に冷めた目でこの光景を眺めていた。嘘……俺以外、全員冷静? な、何で?
しかも……
「となると、この一連の『ゲーム』とやらは……」
「ああ、お前達が考えている通りだろうな」
「なるほど」
困惑する俺と違って、三人は互いに顔を見合わせながら、何かを理解したように言い出した。しかし肝心な部分を言ってくれない。言ってくれないけれど、これはもしや……
「まさか三人とも……黒幕が誰なのか、わかったの……?」
恐る恐るそう尋ねると、三人はやはり互いに顔を合わせてから、静かに頷いた。
何てことだ。この映像から、まさか犯人がわかってしまうなんて。俺はセルの腕の中で、やや前のめりになりながら彼らに尋ねた。
「いったい、誰なんだ? 雅をこんな目に遭わせている黒幕は!?」
俺はてっきり、すぐさま答えが返ってくるものだと思っていた。だが予想に反して、彼らは一様に俺から視線を逸らしたんだ。
「何で? どうして黙っちゃうんだよ?」
「今はお前に……それを伝えることができないからだ」
バイロンが静かにそう言った。やけに冷静な彼らが薄情に見えた俺は、つい声を荒らげてしまった。
「どうしてそんなに冷静なんだよ? というか、どうして三人とも平気でいられるの? 雅があんな目に遭っているんだよ! 酷いと思わないの!?」
「だが、助けることはできない」
「そんな……!」
端的に答えたセルの後に、ルイスが俺をあやすように微笑んだ。
「大丈夫。今は助けることができないけれど、あの程度でなら人は死なないさ。何より本人が喜んでいるようだからね。慌てる必要はないよ」
「よ、喜んでいるって……」
『んんあぁっ!? しょれっ、おぐっ……おぐっ、んんっ、ひぐっ、んっ、ぎ、ぎもぢぃぃぃ……!!?』
あ、あれ……喜んでいるのか? アヒィ! とか、ヒグウ! とか言っちゃってるけれど、そんな奇声を上げながら喜んじゃうことってあるの!? それに、尻のっ……おお、お尻っ、のっ、あそこがっ……あ、あ、あ、あんなに拡がるもんなのか!?
「残念だが、俺達が束になってかかったところで、奴には敵わないんだ」
「バイロン……」
最高位のビーストテイマーからきっぱり「敵わない」と断言され、俺はゴクリと喉を鳴らした。
「そんなに……強敵、なのか? 俺達をここへ閉じ込めた……黒幕は……」
すると、間髪入れずに、「ああ」と短い言葉が返ってきた。
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