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「ゲーム3」7
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そもそも、性交どころか他者と付き合った経験すらないのに、どうしてアナル弄りを疑われなくちゃならないんだ! じ、自慰でもこんなところ、触れないのに……!
なぜか疑うルイスには、とにかく頭を振って否定するしかなかった。なのにルイスは、なかなか納得ができないようで……
「そう……しかし、初めてにしては、だいぶ……」
「んんっ……ほ、ほんと、に……ぁ……んっ、く……るし……ひゃんんっ……!?」
「ああ、ここか」
突如、身体の中のとある部分を指で押されて、俺は大きく身体を揺らした。まるで身体の内側から、電気が流れたみたいだ。
身体を回復させてもらったとはいえ、欲を吐き出したばかりだというのに、またもや……それも一気に射精感が込み上げた自分の身体がわからなくなり、俺はこの行為が怖くなった。
「あっ……な、なにっ……やっ……ルイ……んっ……ぁ、やだっ……んっ……やだぁ……ルイスっ……そこっ……そこ、っ、だめっ……っ、ルイスぅっ……!」
中に男が射精するようなスイッチでもあるのか? 前立腺という存在をすっかり忘れてしまっている俺は、指をグリグリと腸壁に擦りつけるルイスへ止めるよう懇願する。
しかしそれは口だけの話で、俺はただ混乱していただけだ。身体はもう、達したくて堪らない。怖いと感じるこの行為は止めて欲しいのに、射精はしたい。外にいるセルとバイロンからは、今の俺が駄々を捏ねた子どものように映っていることだろう。
だからなのか。ルイスは「へぇ」と短く呟いた後、
「駄目なのか。それなら、仕方ないな」
「んあっ……ぇ……え……?」
ルイスはピタリと、指を止めて引き抜いた。もう少しで達しそうだったのに、ふと止んでしまった射精感に、俺は声を裏返しながらルイスへと振り返った。
「な、なん……で……? ど、して……や、やめ……ちゃうの……?」
「何でって、君が言ったんだろう。『嫌だ』、『駄目だ』、って」
「そんな……」
止めた理由を素っ気なく口にするルイスが冷たく見えた。エルフといえど、性別は同じ男だ。なら、ここで我慢しろというのがどれだけ酷なことなのか、わかっているだろうに。というか、あり得ないだろ!
俺は俯き、身体を小さく震わせた。怒りのような、悔しさのような、複雑な感情が内側から込み上げてきたからだ。しかしルイスは、さらに追い打ちをかけるように、残酷な事実を突きつけた。
「これが駄目だとなると、クリアはなかなか難しいな。何せ、先ほどのように君のペニスに触れてはいけないのだから」
「……っ、それ、は……」
このゲームのクリア条件は、生贄のペニスに触れることなくアナルを刺激して射精させることだ。急に人が変わったようなルイスのやり方は、俺にとっては意地悪そのものでも、彼はただゲームのルールに従っているに過ぎない。だからこの状況で、怖いから「嫌だ」と言っている俺の方が、あり得ないことなんだ。
続けてルイスは「やれやれ」といった様子で肩を竦めると、
「君が『いい』と言わないと、このまま放置してゲームオーバーだ。そして君の言う通りなら、私がペナルティを受けることになるが……それでもいいかな?」
と、望んでもいない結末について、あっさりと口にした。
俺は慌てて顔を上げると、ルイスへ振り返った。
「それは、だめだっ……!」
「おやおや……」
すると、ルイスは困ったように、けれどどこか楽しそうに、口端を持ち上げてみせた。
「あれも駄目、これも駄目。ではスグル。この場合、どうしたらいいと思う? その口で、ちゃんと言って?」
「……っ」
そうしてスルリと、俺の唇に親指を当てると、その形を確かめるようになぞった。
そんなの、聞かなくてもわかるじゃないか……! そう言いたいのをぐっと堪えながら、俺はルイスを睨むように見つめた後、僅かに唇を開いた。
「……っ、……れて……くだ、さぃ……」
耳を澄ませないと聞こえないほどの微かな声。当然ながら、意地悪ルイスがそれをよしとするはずもなく……
「何? もう少し、はっきり言いなさい」
まるで教師のような口調で、俺と視線を合わせてきた。
ああ、もう逃げられない。俺はおずおずと、身体ごとルイスの方へ向き直ると、両手でシャツの裾を掴み、それを捲し上げながら、
「お、俺の……お……お尻っ……に……ぃ、挿れて……だめって言ったとこ……こ、擦って……ん……射精……っ……させて、ください……」
局部を晒して、彼にゲームを続けるようお願いした。
これが俺の精一杯だ。もうこれ以上の高度なお願いは言えない。言葉も知らない。無理。無理無理無理! それよりも! その前に! 今すぐ羞恥で死にそうなんだけど……!!
あまりにも顔が真っ赤になっていたからか、それともいつの間にやら涙をポロポロと零していたからか。
ルイスはしばし俺を見つめた後、
「よくできました」
と、満足そうな微笑みを浮かべて、対面となった俺の臀部に手を這わせると、すっかり解れた蕾の中へ、自身の長い指を滑り込ませた。
「ん、ああっ……!」
じゅぷ、じゅぷ、と卑猥な水音を鳴らしながら、ルイスは再び俺が感じてしまう部分を見つけると、そこを執拗に責めて射精を促した。
対して、俺は子どものように、ルイスに抱きつきながら、「ハッ、ハッ」と短くも荒い呼吸を繰り返した。
「あんっ、んっ、る……んっ、るぃす……んんっ、っ、んっ、~っっ!!」
たぶん、これは最短記録だ。俺は尻だけの刺激で呆気なく、果ててしまった。
ルイスの胸の中でぐったりと、今度は長い呼吸を繰り返していると、何かをペロリと舐めるルイスが一言、こう言った。
「ご馳走さま」
なぜか疑うルイスには、とにかく頭を振って否定するしかなかった。なのにルイスは、なかなか納得ができないようで……
「そう……しかし、初めてにしては、だいぶ……」
「んんっ……ほ、ほんと、に……ぁ……んっ、く……るし……ひゃんんっ……!?」
「ああ、ここか」
突如、身体の中のとある部分を指で押されて、俺は大きく身体を揺らした。まるで身体の内側から、電気が流れたみたいだ。
身体を回復させてもらったとはいえ、欲を吐き出したばかりだというのに、またもや……それも一気に射精感が込み上げた自分の身体がわからなくなり、俺はこの行為が怖くなった。
「あっ……な、なにっ……やっ……ルイ……んっ……ぁ、やだっ……んっ……やだぁ……ルイスっ……そこっ……そこ、っ、だめっ……っ、ルイスぅっ……!」
中に男が射精するようなスイッチでもあるのか? 前立腺という存在をすっかり忘れてしまっている俺は、指をグリグリと腸壁に擦りつけるルイスへ止めるよう懇願する。
しかしそれは口だけの話で、俺はただ混乱していただけだ。身体はもう、達したくて堪らない。怖いと感じるこの行為は止めて欲しいのに、射精はしたい。外にいるセルとバイロンからは、今の俺が駄々を捏ねた子どものように映っていることだろう。
だからなのか。ルイスは「へぇ」と短く呟いた後、
「駄目なのか。それなら、仕方ないな」
「んあっ……ぇ……え……?」
ルイスはピタリと、指を止めて引き抜いた。もう少しで達しそうだったのに、ふと止んでしまった射精感に、俺は声を裏返しながらルイスへと振り返った。
「な、なん……で……? ど、して……や、やめ……ちゃうの……?」
「何でって、君が言ったんだろう。『嫌だ』、『駄目だ』、って」
「そんな……」
止めた理由を素っ気なく口にするルイスが冷たく見えた。エルフといえど、性別は同じ男だ。なら、ここで我慢しろというのがどれだけ酷なことなのか、わかっているだろうに。というか、あり得ないだろ!
俺は俯き、身体を小さく震わせた。怒りのような、悔しさのような、複雑な感情が内側から込み上げてきたからだ。しかしルイスは、さらに追い打ちをかけるように、残酷な事実を突きつけた。
「これが駄目だとなると、クリアはなかなか難しいな。何せ、先ほどのように君のペニスに触れてはいけないのだから」
「……っ、それ、は……」
このゲームのクリア条件は、生贄のペニスに触れることなくアナルを刺激して射精させることだ。急に人が変わったようなルイスのやり方は、俺にとっては意地悪そのものでも、彼はただゲームのルールに従っているに過ぎない。だからこの状況で、怖いから「嫌だ」と言っている俺の方が、あり得ないことなんだ。
続けてルイスは「やれやれ」といった様子で肩を竦めると、
「君が『いい』と言わないと、このまま放置してゲームオーバーだ。そして君の言う通りなら、私がペナルティを受けることになるが……それでもいいかな?」
と、望んでもいない結末について、あっさりと口にした。
俺は慌てて顔を上げると、ルイスへ振り返った。
「それは、だめだっ……!」
「おやおや……」
すると、ルイスは困ったように、けれどどこか楽しそうに、口端を持ち上げてみせた。
「あれも駄目、これも駄目。ではスグル。この場合、どうしたらいいと思う? その口で、ちゃんと言って?」
「……っ」
そうしてスルリと、俺の唇に親指を当てると、その形を確かめるようになぞった。
そんなの、聞かなくてもわかるじゃないか……! そう言いたいのをぐっと堪えながら、俺はルイスを睨むように見つめた後、僅かに唇を開いた。
「……っ、……れて……くだ、さぃ……」
耳を澄ませないと聞こえないほどの微かな声。当然ながら、意地悪ルイスがそれをよしとするはずもなく……
「何? もう少し、はっきり言いなさい」
まるで教師のような口調で、俺と視線を合わせてきた。
ああ、もう逃げられない。俺はおずおずと、身体ごとルイスの方へ向き直ると、両手でシャツの裾を掴み、それを捲し上げながら、
「お、俺の……お……お尻っ……に……ぃ、挿れて……だめって言ったとこ……こ、擦って……ん……射精……っ……させて、ください……」
局部を晒して、彼にゲームを続けるようお願いした。
これが俺の精一杯だ。もうこれ以上の高度なお願いは言えない。言葉も知らない。無理。無理無理無理! それよりも! その前に! 今すぐ羞恥で死にそうなんだけど……!!
あまりにも顔が真っ赤になっていたからか、それともいつの間にやら涙をポロポロと零していたからか。
ルイスはしばし俺を見つめた後、
「よくできました」
と、満足そうな微笑みを浮かべて、対面となった俺の臀部に手を這わせると、すっかり解れた蕾の中へ、自身の長い指を滑り込ませた。
「ん、ああっ……!」
じゅぷ、じゅぷ、と卑猥な水音を鳴らしながら、ルイスは再び俺が感じてしまう部分を見つけると、そこを執拗に責めて射精を促した。
対して、俺は子どものように、ルイスに抱きつきながら、「ハッ、ハッ」と短くも荒い呼吸を繰り返した。
「あんっ、んっ、る……んっ、るぃす……んんっ、っ、んっ、~っっ!!」
たぶん、これは最短記録だ。俺は尻だけの刺激で呆気なく、果ててしまった。
ルイスの胸の中でぐったりと、今度は長い呼吸を繰り返していると、何かをペロリと舐めるルイスが一言、こう言った。
「ご馳走さま」
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