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【番外編1】ゴブリンの独白

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まおーさまはやさしい。

エンでごひゃく。まえのシュジン、そういってた。

そんなボク、まおーさまはかった。かわれてから、ボクはまおーさまのジューシャになった。

まおーさまのエサ、まおーさまのネドコ、まおーさまのくつみがき。ボクにシゴトをあたえてくれる。

まおーさまはボクにエンをくれる。キューキンっていう。もらったキューキン、ハチミツにかえられる。ボク、ハチミツがすき。

まおーさまはボクをほめてくれる。シゴトでしっぱいしても、たたかないし、けらない。まちがったこと、おしえてくれる。

ボクはまおーさま、すき。だからシゴト、いっぱいやる。ハチミツ、いっぱいかえる。

シゴトはボクのやること。そのシゴト、いっこふえた。

まおーさま、おーくしょんからかえってきて、えーしをつれてきた。

えーし、さいしょはすごくおびえてた。ボクのかおみて、「ひいっ!」とさけんだ。

ボク、かおこわい? まおーさま、ちがうっていった。

みなれてないだけだって。ボクのかお、さとにいけば、いっぱいいる。でも、えーしは、みたことないっていう。

えーし、きおくがこんらんしてる。だから、えーしのせわをまかせたぞって。

まおーさまがシゴト、くれた。ボク、えーしのせわがかりになった。

えーし、だんだんとなれてきた。でも、まおーさまのこと、きらい。

まおーさま、えーしがすき。ボクのすきとちがう。えーし、おきにいり。

おきにいりだから、えーしにえさ、たくさんつくった。こなをみずでこねて、まるめて、あぶらであげて、さとうをまぶしたもの、えーしはすきっていった。

えさとえさのあいだに、えさがふえた。

えーし、ボクのかおをみて、ひめいをあげなくなった。まおーさまといるときより、ボクといるとほっといきをはく。

まおーさま、やさしいのに。えーし、まだまおーさまのこと、きらい。

えーし、どーしてまおーさま、きらい?

えーし、なにがすき?

あるひ、えーし。そとへでた。へやにいないの、みつけた。

ボク、えーしのにおい、おった。

えーし、おーくにつかまっていた。

えーし、たすけなきゃ。

えーしはまおーさまのもの。えーし、きずつけたらだめ。

でも、オークはボクをけった。ぽんぽんけった。

ボクのからだ、かるい。オーク、おもい。

えーし、ボクをみて、なきそう。なんで?

えーし、なんでなきそう?

えーし。オークにかてない。だから、にげて。

にげて、えーし。

でも、えーし。オークをぶった。さけんだ。おこった。

なんで? なんで?

えーし、まおーさま、よんだ。

まおーさま、なまえよばれてショーカンされた。

えーし、ボクにあやまった。えーし、なんでないてる?

えーし、ボクといっしょに、おうちかえった。

まおーさまといっしょに。

ボク、うれしい。

まおーさま、すき。えーしもすき。

だから、すきがふたつでうれしい。

へや、かえった。ボク、おちゃいれる。

えーし、ボクのあたま、なでた。

ボク、こわくない? えーし、ボクがすき?

もうでていかない?

「もうどこにも行かない。だからゴブリン、また俺におやつを作ってくれる?」






ボクはごぶりん。

すきのえーしの、せわがかり。

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