【完結】これはゲームオーバーから始まる、罰ゲームのお話

天白

文字の大きさ
上 下
6 / 10

罰ゲーム 2

しおりを挟む


 ドズンが触手を尻に這わせると、割れ目の間に潜む孔をパックリと割り開いた。ひやりとした空気が、普段は閉ざされたそこから入り込む感覚が、気持ち悪い。

「ん、んんーっ!」

 続けて、ガッポがたっぷり湿らせた俺の親指ほどもある右手の小指を、開いた肛門にピタリとくっつけると、俺の顔からたちまち血の気が引いていった。

 ああ、もう駄目だと、諦めかけたその時……

「待て」

「何だ? ここまできて、ナシはできねえぜ」

 それまで黙っていたワイアットが口を開いた。行動を止められ、ドワーフ二人がキッと、彼を睨み上げる。

 助かった? 俺はいつの間にか目に溜まっていた涙を零して、縋るようにワイアットを見つめた。

「いや……」

 しかし、滲む視界に飛び込んできたのは、俺を絶望へと叩き落とすには充分な光景だった。

「ルールには従うつもりだ。だが、最初の……マサルの初めてを奪う役目は、俺にさせて欲しい」

 そう話すワイアットは、その身から鎧を外した。普段は厳重に守っている身体、そして急所の局部からも装甲を取り去り、ズボンだけの姿となった彼は、雄の象徴ともいえるペニスを衣類の上からくっきりと浮かせていた。

 俺はギョッとした。旅の間、沐浴などでワイアットのペニスは何度か目にしたことがある。だがそれは平常時のサイズだ。その時でさえ、「うっ」と顔を顰めてしまうほどの大きさだと思っていたが、何だこれは。隆々と勃起するやつのペニスは、今や子どもの腕ほどもあるじゃないか。こんな極悪なものを、俺の中に挿れろって? 無理だろ。絶対に無理だ。入るかよ、そんな凶器。よしんば入ったとしても、絶対に裂ける。無理無理無理! ほんとに無理!! というか、何ですでに勃起してんだよ! よくこんな状況で勃起できるな……こいつ、変態かよ!

「うぐ……ぅぐうぅ~!」

「あー、なるほどなるほど。そういうことか」

「ククッ。勇者様、早かれ遅かれアンタのケツはメス孔にされてたぜ?」

 何かを悟ったらしいドワーフ共は、下卑た笑みをそれぞれ顔に貼り付けながら俺を見た。こいつら、俺が魔法を使えないからって好き勝手にしやがって……許さねえ。外に出たら、全員八つ裂きにしてやる!

 俺が心の中でそう誓っているとは、露ほども知らないだろう三人。その内の一人、ガッポはワイアットに向かうと、やつを追い払うように手をヒラヒラと振った。

「だが、にーちゃんの要望は断るぜ」

「何……?」

 ワイアットが眉を上げると、すぐに「そうじゃねえ」と、ガッポは断った理由を続けた。

「意地悪で言ってんじゃねえよ。この中でスライムを持っているのは俺だけなんだ。なら、その俺がまず勇者様の処女孔を開通させねえとだろ?」

「しかし……!!」

「生贄を傷つける行為が駄目だって壁に書いてあんだよ。それともにーちゃん……アンタ死にてえのか?」

「……っ」

 加勢したドズンが凄むと、ワイアットは悔しそうに下唇を噛んだ。ワイアットがなぜ、そんな顔を浮かべたのかわからない俺が眉を中央に寄せると、ガッポは切実そうに言った。

「俺達はただ、ここから出たいだけだ。だから勇者様も、協力しな。なに、なるべく早く終わらせてやるからよ」

「何が早く終わらせる、だ。お前、遅漏じゃねえか」

「うるせえよ」

 そんじゃ、と。ガッポは俺に向き直ると、一度肛門に当てた小指じゃなく、人差し指をそこに這わせて、

「ほれ、勇者様。まずは一本だ」

 ズブッ、と指の付け根まで一気に突っ込んだ。

「んんんぅー!!」

 俺は触手を咥えたまま叫んだ。まるで全身が裂けるような痛みに、背を仰け反らせて悶えた。すぐに「あ、やべっ」と、俺の中に突っ込んだ自分の指を見ながら、ガッポがそう漏らした。

「小指のつもりが……いや、悪い、悪い。あと、処女相手にしたことねえから、加減がわかんねえんだよ。そんなに痛えか?」

「んぐ……ん、ぅぐうぅぅ……!」

 何を聞きやがる。痛いなんてものじゃない。串刺しにでもされたかのようだ。元々、何かを挿れるようにはできていない排泄器官だ。クソ以外のものが通るわけがないことは、わかってやがるだろうに。それをこいつら、ヘラヘラと笑いやがって……!

 俺は自分がノアにすることを棚に上げて、ボロボロと涙を零しながらドワーフ共を睨んだ。その間、こいつらは……

「おい、ドズン。その触手でなんとかならねえか?」

「そうはいってもな……触手はお前の指よりも細くはなんねえしよ」

「んじゃ、乳首でも弄るか。そのイソギンチャクみてぇなイボイボで擽ってやれよ」

「おお」

 ドズンはガッポに言われて、新たに触手を生やすと、無数の毛のような先端を俺の乳首に這わせて、クリクリと擽るように弄り出した。

「んっ……んんぅ……んんっ……!」

 しまった。そこはノアがセックスの際によく舐めるから、とっくに開発されてたんだ……!
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

悪役令息物語~呪われた悪役令息は、追放先でスパダリたちに愛欲を注がれる~

トモモト ヨシユキ
BL
魔法を使い魔力が少なくなると発情しちゃう呪いをかけられた僕は、聖者を誘惑した罪で婚約破棄されたうえ辺境へ追放される。 しかし、もと婚約者である王女の企みによって山賊に襲われる。 貞操の危機を救ってくれたのは、若き辺境伯だった。 虚弱体質の呪われた深窓の令息をめぐり対立する聖者と辺境伯。 そこに呪いをかけた邪神も加わり恋の鞘当てが繰り広げられる? エブリスタにも掲載しています。

異世界転生先でアホのふりしてたら執着された俺の話

深山恐竜
BL
俺はよくあるBL魔法学園ゲームの世界に異世界転生したらしい。よりにもよって、役どころは作中最悪の悪役令息だ。何重にも張られた没落エンドフラグをへし折る日々……なんてまっぴらごめんなので、前世のスキル(引きこもり)を最大限活用して平和を勝ち取る! ……はずだったのだが、どういうわけか俺の従者が「坊ちゃんの足すべすべ~」なんて言い出して!?

親友と同時に死んで異世界転生したけど立場が違いすぎてお嫁さんにされちゃった話

gina
BL
親友と同時に死んで異世界転生したけど、 立場が違いすぎてお嫁さんにされちゃった話です。 タイトルそのままですみません。

王子なのに戦場の聖域で好き勝手ヤってたら獣人に飼われました

サクラギ
BL
戦場で共に戦う者たちを慰める場所、聖域がある。そこでは国も身分も関係なく集うことができた。 獣人と戦士が書きたいだけで始めました。独りよがりなお話をお許し下さいます方のみお進みください。

つまりそれは運命

える
BL
別サイトで公開した作品です。 以下登場人物 レオル 狼獣人 α 体長(獣型) 210cm 〃 (人型) 197cm 鼻の効く警察官。番は匿ってドロドロに溺愛するタイプ。めっちゃ酒豪 セラ 人間 Ω 身長176cm カフェ店員。気が強く喧嘩っ早い。番限定で鼻が良くなり、番の匂いが着いているものを身につけるのが趣味。(帽子やシャツ等)

当て馬的ライバル役がメインヒーローに喰われる話

屑籠
BL
 サルヴァラ王国の公爵家に生まれたギルバート・ロードウィーグ。  彼は、物語のそう、悪役というか、小悪党のような性格をしている。  そんな彼と、彼を溺愛する、物語のヒーローみたいにキラキラ輝いている平民、アルベルト・グラーツのお話。  さらっと読めるようなそんな感じの短編です。

男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。

カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。 今年のメインイベントは受験、 あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。 だがそんな彼は飛行機が苦手だった。 電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?! あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな? 急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。 さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?! 変なレアスキルや神具、 八百万(やおよろず)の神の加護。 レアチート盛りだくさん?! 半ばあたりシリアス 後半ざまぁ。 訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前 お腹がすいた時に食べたい食べ物など 思いついた名前とかをもじり、 なんとか、名前決めてます。     *** お名前使用してもいいよ💕っていう 心優しい方、教えて下さい🥺 悪役には使わないようにします、たぶん。 ちょっとオネェだったり、 アレ…だったりする程度です😁 すでに、使用オッケーしてくださった心優しい 皆様ありがとうございます😘 読んでくださる方や応援してくださる全てに めっちゃ感謝を込めて💕 ありがとうございます💞

何も知らない人間兄は、竜弟の執愛に気付かない

てんつぶ
BL
 連峰の最も高い山の上、竜人ばかりの住む村。  その村の長である家で長男として育てられたノアだったが、肌の色や顔立ちも、体つきまで周囲とはまるで違い、華奢で儚げだ。自分はひょっとして拾われた子なのではないかと悩んでいたが、それを口に出すことすら躊躇っていた。  弟のコネハはノアを村の長にするべく奮闘しているが、ノアは竜体にもなれないし、人を癒す力しかもっていない。ひ弱な自分はその器ではないというのに、日々プレッシャーだけが重くのしかかる。  むしろ身体も大きく力も強く、雄々しく美しい弟ならば何の問題もなく長になれる。長男である自分さえいなければ……そんな感情が膨らみながらも、村から出たことのないノアは今日も一人山の麓を眺めていた。  だがある日、両親の会話を聞き、ノアは竜人ですらなく人間だった事を知ってしまう。人間の自分が長になれる訳もなく、またなって良いはずもない。周囲の竜人に人間だとバレてしまっては、家族の立場が悪くなる――そう自分に言い訳をして、ノアは村をこっそり飛び出して、人間の国へと旅立った。探さないでください、そう書置きをした、はずなのに。  人間嫌いの弟が、まさか自分を追って人間の国へ来てしまい――

処理中です...