英雄の末裔も(語り継がれないけど)英雄

E.ARS(アリサ)

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二章 ―少年から青年へ― (読み飛ばしOK)

―ドラゴンの初恋― 2

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 二人は二頭を労いながら素早く丁寧に手入れを終わらせて、自分達もシャワー室で汗を流した。
「じゃ、また後でな~」
「あぁ」
 リオとドラゴンはそれぞれ今日の式典の準備をするために別れて、ドラゴンは自分の部屋に急いだ。
 そして式典用に新調した王家の紋章入りの黒いシャツを着て、これも新調した黒いパンツを履いて姿見の前に立つと、椅子の背に掛けていたベストを取ってきっちりとベストを着た。そして髪を整えて身だしなみに乱れがないか確認すると、近衛騎士団で統一されている剣を腰に差して部屋を出た。
 普段は愛用の剣を各々使用しているのだが、式典の時は統一された剣を腰に差して近衛騎士団の統率力を表していた。
 部屋を出たドラゴンはまずデルトアの所に行き、今まで後見人となって守ってくれていた事の感謝を伝えた。デルトアもエストも大人になったドラゴンを祝福し、目に涙を浮かべてドラゴンを式典の会場に送り出した。
 そして制服授与式が行われる第一訓練場に着くと、思いがけない人物が入り口に立っていた。
「ユリーゼ団長!」
 いつも無表情なその顔に、珍しく驚きの表情を浮かべてその名を呼ぶドラゴンに、ユリーゼは苦笑を向けた。
「今は『前』だろう。…大きくなったな」
「はい。ラエル団長に鍛えられました。ユリーゼ前団長は今は何をなさっているのですか?」
「今は街の人達やご令嬢に護身術を教える、教室を開いて教えている。いざという時に自分で自分の身を守れるようにな」
 ユリーゼは騎士団長時代に決して見られることのなかった穏やかな表情と声でそう言い、その姿から今の生活はとても充実しているのだとドラゴンは感じ取った。
「そうでしたか。元気そうで何よりです。それで、今日はなぜここに?」
「一ヶ月前にラエルから連絡があって、ドラゴンが正式に近衛騎士団に入団するからその姿を見に来いと言われてな。俺はもう近衛騎士団を去った人間だからやめておくと言っても暇を見ては俺の所に来て誘ってくるものだから陛下の許しを得てここに来た。ドラゴン、近衛騎士団入り、おめでとう。ささやかだが、俺からの祝いの品だ。受け取りなさい」
 ユリーゼはそう言うと投擲用のダガーが十本入った箱をドラゴンに差し出した。その十本は普通の投擲用のダガーとは少し違うようで、どのダガーも普通のダガーより刃が鋭く、やいばの輝きが一味違った。
「ラエルから最近のお前の様子を聞いていたから、装飾品よりも武器の方がいいだろうと思ってこれにした」
「これは…そこら辺に売ってるダガーじゃないですね。もしかして、ラフォレオン横丁の一流の職人が作ったダガーですか?」
「あぁ、俺が団長だった頃、よく世話になっていた職人が作ってくれた」
「こんなにいい品を俺に贈ってくださりありがとうございます。大切に使います」
 ドラゴンは深々と頭を下げると、扉のわきに控えていた騎士にダガーを預かってもらい、中から聞こえてくるナレーションに呼ばれてドラゴンは背筋を伸ばして訓練場に入った。
 訓練場に入ると先輩騎士たちに拍手で迎えられ、一番奥には副団長であるトレイシーと制服を授与する王妃がドラゴンを待っていた。
 ドラゴンは王妃とトレイシーに一礼し、拍手の中を凛とした表情で進んでいった。
 そして王妃の前に来ると、ドラゴンは再び王妃に頭を下げてその場に跪いた。それを始まりの合図とし、王妃が高らかに宣誓をした。
「これより、ドラゴン・ロディアノスの制服授与式を行います。この場にいる全ての騎士達よ、の者の新たなる門出をしっかりと見届け、新たな仲間を温かく迎えよ」
 王妃の言葉に会場にいたすべての騎士が跪いて最敬礼を取り、それを確認してから王妃が祝福の歌をおもむろに歌い始めた。
 王妃の歌声は大空を優雅に羽ばたく鳥のように伸びやかで、これから徐々に芽吹いてくる新緑のように希望に満ち溢れていた。
 その幻想的な歌声に皆聞き入り、訓練場内が神聖な空気に変わると、トレイシーは台の上に置いてある近衛騎士団の臙脂えんじ色の制服を持って恭しく王妃に差し出した。王妃は綺麗にたたまれている制服に祝福の金粉を一つまみ振りかけて守護の祈りを唱えると、留められているボタンを丁寧に外してからドラゴンにも金粉を振りかけた。
わたくし、リオレル・アナスタ・ロイスト・ゾルアーナは新たなる近衛騎士、ドラゴン・ロディアノスに惜しみない祝福を与え、近衛騎士である証となる制服を授与いたします。この制服を受け取る意味とその重さを理解し、近衛騎士として恥じることのない振る舞いをしてください。ドラゴン、これからも変わらずリオの良き友でいてくださいね。あなたのおかげでリオはとてもイキイキしているのです。感謝していますよ」
 跪くドラゴンの肩に制服を掛けながら優しい声でそう言う王妃に、ドラゴンは深く頭を垂れて「はっ。ありがとうございます」と答えて顔を上げた。そして王妃が体を起こすと腕を広げ、笑顔で再び声を上げた。
「さあ、陛下のもとへお行きなさい。そこで誓いを立て、誇り高き近衛騎士となるのです」
「はっ!」
 ドラゴンが返事をすると近衛騎士達は一気に立ち上がり、ドラゴンも一拍遅れて立ち上がると制服に袖を通してボタンを留め、トレイシーから渡されたベルトを制服のベルト穴に通してベルトを締めると、剣を腰に差して王妃とその場にいたすべての騎士にそれぞれ首を垂れるとすぅっと息を吸っておもむろに言葉を紡ぎ始めた。
「…本日は俺のために盛大な式を執り行ってくださりありがとうございます。俺はまだまだ未熟ですがこれからさらに精進し、この国の為に働く所存です。改めて、これからよろしくお願いします」
 ドラゴンの言葉に騎士達は盛大な拍手をドラゴンに向け、ドラゴンは深く頭を下げると任命式に行くために拍手の中を再び凛と背筋を伸ばして通り、城内の謁見の間に急いだ。
 道すがら、使用人や城内警備中の近衛騎士に祝福の言葉をもらいながら謁見の間に到着すると、千人隊長のリカルドが扉の前の警護をしていた。
「よう、ドラゴン。その制服、よく似合ってるじゃねぇか。見た目は立派な騎士様だぜ」
「……リカルド千人隊長は着崩している制服をきちんと着たらどうですか? だらしない」
「俺はいいんだよ、反面教師だからな。だから俺みたいになるんじゃねぇぞ~」
 わずかに眉をひそめるドラゴンに、リカルドはニィッと笑ってからかうようにそう言うと、繊細な模様が彫られている大きな扉を開けてドラゴンに道を開けた。
 扉の先は相変わらず、息を呑むほど美しいステンドグラスと柱が謁見の間の荘厳さと清らかさを演出していて、玉座に座る王の威厳をより一層引き出すような雰囲気が謁見の間に満ち満ちていた。
 そして王の傍らには近衛騎士団長のラエルが控え、その反対側にはきっちりと衣装を着ているリオがすでに涙ぐんでドラゴンを見つめていた。そして王座の一段下には徽章きしょうを乗せているトレーを持ったデルトアが穏やかな表情でドラゴンを見つめ、王座に続く道のわきには侯爵以上の有力貴族達が見届け人として並んでいた。
「人間王陛下。ドラゴン・ロディアノス、ただいま参上いたしました」
「うむ。入室を許可する」
「失礼いたします」
 「親」として接する時の優しい声ではない、この世界に住む全ての人間の「王」としてドラゴンに接する王に、ドラゴンは緊張しつつも全くそれを表に出さずに堂々と、しかし優雅に立ち上がり、王座まで歩いて行った。そして、王座の前まで来ると王と王子であるリオ、近衛騎士団長のラエルに一度礼をしてから最敬礼を取った。
「これより、ドラゴン・ロディアノスの近衛騎士団への入団及び任命の式を行う。この場にいる我が忠臣達よ、この者がこれから歩む道を見届け、我が王家への忠誠の言葉の証人者となれ」
 王の言葉に、控えていた貴族達は品よくゆったりと最敬礼をとり、王の言葉を受け入れた。それを見た王は鷹揚と頷き、ドラゴンに視線を戻した。
「これより、宣誓の儀を行なう。我が問に答えよ」
「はっ」
 ドラゴンが返事をすると、王は静かだが威風堂々とした声でドラゴンに問いかけた。
「答えよ。汝、いかなる時も其の身を国と民のために捧げ、国と民に危機迫る時は其の脅威から身を挺して守ると誓うか」
「誓います」
「答えよ。汝、近衛騎士であることを常に自覚し、非行・非道などを行い、民に不安を与えるような事をしないことを誓うか」
「誓います」
「答えよ。汝、この国の最後の砦としての自覚を持ち、慢心することなく己の力を磨き続けることを誓うか」
「誓います」
「答えよ。汝、この国の為とあらばどのような場所にでも恐れずに向かうと誓うか」
「誓います」
「答えよ。汝、我が王家に絶対に忠誠を誓い、決して裏切るよな真似はしないと誓うか」
「……恐れながら陛下。私は絶対の忠誠を誓う相手をもう決めております」
 ドラゴンの言葉に、謁見の間に動揺するような空気が流れたが、王は態度を変えることなく静かに言葉を返した。
「…申してみよ」
「はっ。私が絶対の忠誠を誓う相手は、リオ・ルディン・アークス=ナヴァル殿下ただ一人。「王家」ではなく、リオ殿下個人に絶対の忠誠を誓うことをお許しください」
 下げている頭をさらに、床に着くのではないかというくらい低く下げて許しを請うドラゴンに、王は一度ドラゴンから視線を外はずして隣で驚いているリオに顔を向けた。
「リオ。この者の誓いを受ける覚悟はあるか」
「えっ!? あ、あの、いいんですか?」
 突然のことで動揺するリオに王は「リオ」と少し強く名を呼び、冷静になるように視線で咎めると、リオはハッとして気を引き締め、動揺した心を落ち着かせて頭を下げた。
「失礼しました、陛下。我、リオ・ルディン・アークス=ナヴァルは陛下の許しさえあればドラゴン・ロディアノスの誓いを受ける覚悟があります」
「ならば我は、王家ではなく我が息子、リオに絶対の忠誠を誓う事を許そう」
「ありがとうございます」
 ドラゴンが礼を述べると王は一つ頷いて玉座から立ち上がり息子にその場所を譲った。場所を譲られたリオは王に一礼をしてから玉座の前に立ち、深く頭を下げるドラゴンを見下ろし、緊張でかすかに震える手をギュッと握るとすぅっと息を吸い、堂々とした声で言葉を発した。
「ドラゴン・ロディアノス。誓いの言葉を我に示せ」
「はっ。我、ドラゴン・ロディアノスはこの命果てるその瞬間までリオ・ルディン・アークス=ナヴァル殿下に忠誠を誓い、その忠誠はたとえ殿下が我を見限ったとしても変わらない事を我が魂にかけて誓います」
「汝の誓い、しかと受け止めた。リオ・ルディン・アークス=ナヴァル、我も汝が魂をかけて誓うにふさわしい王となることをここで誓おう。それまで、我と我が王家に尽くしてくれ」
 リオは王座の階段を下りてドラゴンの前まで来ると手をドラゴンの前に出し、ドラゴンはリオの指にはめられている指輪に忠誠のキスをして頭を下げた。
 そしてリオが王座に戻り王に玉座の前を空けると、王はゆったりと玉座の前に立ち、高らかに宣言した。
「我、ライメティア・イーゼ・オズウェル・ルディン・アークス=ナヴァルの名において、ドラゴン・ロディアノスを近衛騎士に任命し、近衛騎士団へ正式に入団することを許可する」
「ドラゴン・ロディアノス、拝命します。これからも己の力を磨き、近衛騎士団の、しいては王家の威光を陰らせぬように努めます」
 ドラゴンの言葉を聞き終わると王は、ラエルが恭しく持つ金の鞘に収められている剣を抜いてドラゴンの肩に置いた。そして各種族の全王のみが使うことを許されている古代の言葉で、ドラゴンに祝福の言葉をささやくと剣を引いて剣を鞘に戻した。
「ドラゴン・ロディアノス、顔を上げよ」
「はっ」
 王の言葉にドラゴンは顔を上げて王を見上げると、王はデルトアが持っているトレーから近衛騎士団の団員である証の徽章きしょうを受け取った。そして王座の階段を下りてきて、ドラゴンの胸に徽章きしょうを付けると、その顔に笑みを浮かべて高らかと声を上げた。
「今ここに、新たな近衛騎士が誕生した。皆の者、新たな騎士の誕生を祝い、この者に惜しみない拍手を送りたまえ」
 王の言葉に謁見の間にいた者たちがドラゴンに祝福の拍手を送り、ドラゴンはその温かい拍手に感謝の念を込めて深く頭を下げて、任命、および入団式が無事終わりを告げたのだった。
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