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7歳

おじいちゃん

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「体調は大丈夫かい?」

「あ、はい」

「好きな食べ物はなんだい?」

「えっと、」

「この家は楽しいかい?」

外に出てからずっとこの調子で少し戸惑ってしまうけれど、心配そうに俺を見る顔は普通のおじいちゃんそのもので、少し肩の力が抜けた気がした。


「はい!楽しいです!」

  
「……そうか。良かった」


嬉しそうに微笑んだお爺様を見て、またもやイケおじのスマイルにドキッとしてしまったのは内緒にしておくことにする…。

あの日から一週間経ってやっと部屋から出れた俺はお爺様と庭へ散歩に来ていた。


   部屋に軟禁されていた1週間は、ほぼいつも通りと言うか前に戻ったと言うか…変わった事と言えば俺の部屋から全部本が撤去された事。撤去された時は絶望でしかなかったが、なんと1日に1冊読んだことがない本を持ってきてくれる事になったのだ。

読める時間は決まっているし、寝る前には本を没収されるし仮眠も必要だしと決まりは多々ある…

でも
 
部屋に新しい本を持ってきてくれて部屋で美味しいご飯を食べれて好きな時間に寝れてって思うと最高の生活すぎて、ずっとこのままでも良いかなぁなんて思ってしまった程俺にとってはただただ楽しい軟禁生活だった。

言わばこれも兄様達の作戦なのかな?
……だとすると大当たりすぎて流石としか言いようがない。



お爺様はと言うと、その後もずっと俺に質問攻めで…俺に気を使っているような、どこか俺を確かめているようなそんな気がした。



「あ!ソーダブルーのバラ!」

バラ園を少し入ったところにひっそりと咲いているこの花を見つけたあの日からこの花が大好きで毎年開花時期を待っているのだ。

男の俺でもうっとりするような綺麗な花でずっと見てられる。

……本当は部屋に持って帰りたいし、みんなに言えば買ってきてくれるだろうけど、バラが欲しい!なんて恥ずかしくて言えないし、ここにある数少ないこの色のバラを持って帰るのも気が引けるし、持って帰ったところでバレるのも時間の問題だし……

と毎年これを1人で考えている。

「……優、このバラが好きなのかい?」

ソーダブルーのバラに夢中になって目をキラキラさせていたせいかお爺様の事を完全に忘れていた。
き、聞かれてた、は恥ずかしい!!!
えっとなんか答えなきゃえっと……
……もういいや!!どうにでもなれ!!

「はい!!このバラが大しゅきなんです!!!」

……

……

終わった。また大事な所で噛んだよ。

……


「ぷっ…はっははははっ!」

…え

「クククそんなに好きなのかっ!可愛いなあ本当に。」

笑いながら俺の頭を雑に撫でているお爺様にの笑顔つられて俺も笑顔になってしまう

「俺の知り合いもこの花が好きだったから俺の家に沢山あるんだ。……そうだ今度俺の家に遊びに来ないかい?優のおばあちゃんも喜ぶよ」

ソーダブルーの花がいっぱい!!!!!
行きたい!!!!!!

「いきたいです!」

「そうか。楽しみにしているよ」

行きたいって言ったもののあの両親と兄達が許してくれるか…????
絶対ダメって言われる気がする…。

「?どうした?難しい顔をして」

「い、いえ!なんでもないです!」

咄嗟にそう答えて顔を上げるとお爺様は何故かかなしい顔をしていた。

…初めて会った時にみせた哀しい顔。


「お、お爺様!あそこのベンチに座りませんか?」

「?あ、あぁ。」


やっぱりここのベンチはなんかいいな。
薔薇の木に囲まれているこのコンクリートベンチ。

なんか落ち着く。


「…優。もし良ければ俺の前ではおじいちゃんって呼んでくれないかい?」


「え?」


「おじいちゃんって呼ばれるの好きなんだ。…直哉達も物心ついたら呼んでくれなくなったし……特に優が産まれてから……」

チラッチラッと俺の顔を見るお爺様は可愛くて



「はい!もちろんですおじいちゃん!」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



その後は少し経ってから屋敷に戻っておじいちゃんと別れた。


部屋に戻ると月都兄様が俺を笑顔、いやブラックスマイルで待っていて、何故か兄様に抱きつかれてお昼寝をする事になってしまったのだ。…なぜ?











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