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7歳

(ある日)寿人兄様の悩み

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最近寿人兄様がおかしい。



ここ1ヶ月寿人兄様に会うと俺の顔を見てため息をつくのだ。少し前から元気が無かったのは気づいていたのだが、最近特に元気がない。
元々無口な兄様がもっと無口になってしまったので心配でならないのだ。

……やっぱ失恋か……?

いや、男の俺でも惚れてしまいそうになる容姿で運動神経抜群。そんな人が失恋なんてするわけ無い……が、逆に他の理由が思いつかない。


コンコン

「失礼致します。昼食をお持ちしました」
……もうこんな時間か…
今日は勉強の日じゃないから朝ごはんを食べ終わってダラダラしてたら昼になっていたらしい。

「ありがとうみくさん。」

「今日のメニューはコーンポタージュスープ、冷しゃぶのサラダです。サラダの方はポン酢をかけてお食べ下さい。」

「はーい。」
美紅さんに寿人兄様の事、聞いてみるか…?

「ね!みくさん!」

「はい」

「さいきん寿人兄様何かあったの?」

「……いえ、特に私は存じ上げないです。寿人様に直接聞いてみてはいかがでしょうか……?」

美紅さんでも知らないのか…

「うん。そうするよ!」
今日庭に付いてきてくれるのは寿人兄様だからその時にでも聞こう。
今日兄様は部活がないので授業が終わったら直ぐに帰ってくると言っていた。

その時間まで宿題してよーっと


ーーーーーーーー


「んー!!!!」
教科書と近くなっていた体を起こして背を伸ばす。

勉強に関しては全く心配はないのですらすらと宿題を解いていく。
前世の復習になってるので割と楽しかったりするんだよな~


「優」

「わっ!!!!!!!!」
び、びびっくりしたあ

「ひ、寿人兄様……?」

「…ごめん。驚かせたか」

「は、はい。少し……」
ドキドキしている心臓の音が耳にまで届いている。

まじでびっくりした…いつからそこに……

「優を呼びに来たのだがすごい集中していて声をかけれなかったんだ…」

「いえ!大丈夫です!」
あ、もうこんな時間だったんだ
勉強を始めて3時間も経っている。

「そうだ、寿人兄様おかえりなさい!」
そう言うと兄様はニコッと嬉しそうな顔をして頭を撫でてくれた。

「ただいま。庭いくか?」

「はい!」

そうすると兄様は座っている僕の脇に手を入れて持ち上げて兄様の方に向きを変える。

「に、にいさま?!」

「大丈夫だ。このまま連れてく」
いや、そゆことじゃないんだけどな…下ろして欲しいんだけど兄様嬉しそうだし…もうこのままでいいや…

観念して兄様に抱きつくとふわりと良い香りが漂った

すんすん

「いいにおぃ」
お風呂に入ったのだろうかいつものボディーソープの匂いがする。

「ゆ、ゆぅ……やめてくれ……恥ずかしい////」

「ごめんなさい!」
いい匂いで嗅ぎすぎた、嫌だったよな…

顔を見ると耳まで真っ赤になっている兄様が可愛くて笑ってしまう

「兄様かわいい…ふふっ」

「……やめてくれ////」


ーーーーー

「ありがとうございます兄様」

「ああ」
俺を下ろして向かいの席に座る寿人兄様。

「……最近どうだ」
びっくりした。だいたい俺が話し始めて始まるのだが今日は寿人兄様が話しかけてくれた。

「えっと、楽しいです!」

「そうか、それは良かった。」

「あの寿人兄様!最近元気がないですよね…?なにかあったんですか?」

「……」

「大丈夫です!ないしょにします!」

「……………クラスの女子に告白されたんだ。」

「そ、そうなんですね?!」
失恋じゃなくて告白されたのか……!中2で凄いな……流石だ……

「そこまではいつもの事なんだが相手がなかなか引かなくて困ってるんだ。」
い、い、いつもの事だと……?!非リアの敵だな…

「俺には好きな人が居ると言っているのに…」
兄様はテーブルに肘をつきながらずっと左の庭園を見ていたのに急に俺をチラチラみてくる。
……?そんなに困っていたのか……
というか兄様が好きになる人、どんな人なんだろう……気になる……

「兄様の好きな人ってどんな人なんですか??気になります!!」
前のめりになっていつものキラキラ上目遣いをする。

「……男のすごい可愛い子だ……」

兄様も男が好きなんだな~

……やっぱりこの世界は前世と少し違うのか。昔から気になってはいた。
使用人が結婚した後に写真を見せてもらったことが何度かあるのだがほぼ男性同士の結婚だった。
勉強をし始めて女性の出生率が年々少しずつ下がっていて、男性同士の結婚が増えたと言うのを聞いてびっくりしている。複数での結婚もあるらしい。
法律はよく分からないので知らないがそう言う結婚も良くなっているのだろう。

前世ではあまり見たことが無かったのでびっくりはしたが何しろ前世の親友が腐男子だったもんで俺にも度々布教されていた。だから別に何とも思わない。

それより前の家族が気になる。やっぱり外に出れるようにならないとな。

「その子に告白しないのですか??」

「ぶはっ」
兄様が口に含んでいだ紅茶を吹いた。
禁句だったか

まぁあお年頃の男の子はこんなもんだよな。もうやめておこう。

「ごめんなさい、僕がことわる方法をお教えします!!」

「……頼む。」


ーーーー

「分かった。そうするよありがとう」

あれから1時間断り方を兄様に伝授した。
前世でモテた兄貴がいつもやっていた事をただ教えただけだが上手くいくだろう。






その数日後上手くいったそうでいつもの寿人兄様に戻ったのは言うまでもない。








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書きたかった寿人のおはなし
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