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第二章~自由の先で始める当て馬生活~
40~オーリー~
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常であれば、オーリーは組合に得物を預けた後、町で享楽的に過ごした。
共に過ごす相手はその場限りであったり、もしくは数日間、あるいはそれ以上に同じ相手と過ごす場合も多かった。
それでなくとも、友人たちと酒を酌み交わしているのでも良かった。家にいない理由があれば、何でも良かったのだ。
自分がこうなったのは、ウォーカー家の負う使命が原因だと考えていて、実際きっかけではあった。
オーリーは頻繁に怪我を負う父親の不足を担う為、または、次代の守り人として、幼い頃より森に入り狩りを行ってきた。
エリンの家族とは家族ぐるみで付き合いがあり、魔法具の扱いに長けたエリンは、度々オーリー達の猟に同行していた。
二人の仲は、他の誰よりも親密であったといっても良いだろう。
この頃のオーリーは真面目に狩りに勤しみ、組合に寄った後は、エリンと共にその日を労い合っていた。
いつの事だったか。
父クライブが魔獣から呪いを受け、足が動かなくなってしまったのだ。
誰よりも魔獣に詳しいクライブだ。応急処置は的確だった。
治療の甲斐あり徐々に回復していたものの、到底猟には出られる状態ではない。
クライブが表立って動けなくなり、まだ成人したばかりの、未熟なオーリーに圧し掛かる、守り人としての責務。
責任の重さから、オーリーは次第に荒んでいった。
それでも、道を踏み外さなかったのは、オーリー元来の責任感の強さと、エリンがいたからだ。
クライブが猟に出られなくなってからというもの、以前より頻度を増して猟に同行していたエリン。
彼女の存在は、オーリーの重要な位置を占めていた。
健気にオーリーを支えたエリンと、オーリーとの仲が決別したのは、エリンの一言がきっかけだった。
「本格的に家業の修行に入るから、もう一緒に狩猟にいけない」
この時オーリーは、声を荒げふざけんなと吐き捨てた。
オーリーはエリンがずっと一緒に猟をしていくのだと思ってた。
これは、二人が昔交わした約束があったからだ。
オーリーが幼い頃、森に巣食う魔獣は今よりずっと多く、オーリーは守り人になるのを恐れていた。
エリンが一緒にいると約束しなければ、守り人の修行はもっと難航しただろう。
幼い頃の約束がエリンに対する甘えであったと、オーリーが自覚するのは、もっとずっと未来の話だ。
そして、当時のエリンには、何がオーリーの逆鱗に触れたのかさっぱり理解できなかった。
エリンはずっと家業である、革屋を継ぎたいと考えていた。
照れくさくて誰にも話さなかったが、オーリーが猟で仕留めた得物を自分が解体して、革にまで出来たらどんなに素敵だろうと夢見ていた。
そうすれば、ずっと共にいられると。
エリンもエリンで、初めからそう言っていればここまで仲が拗れなかっただろうと気付くのは 、もっとずっと後になってからだ。
何にせよだ。
互いの思惑がすれ違った結果、広い森で孤独に守り人を務めるオーリーは反動からか、直接的な温もりを求め、エリンは自分の初恋が儚く散ったのだと影で泣いた。
そんな二人に転機が訪れた。
オーリーが森で保護した、見知らぬ女性の存在だ。
ちょうど、オーリーが再び一人で猟をするようになった頃だった。
クライブの足は治療のかいもあり、一時は自由に動かせるまでに回復していた。
そこでクライブは周囲が止めるのを振り切り、猟に復帰したのだ。
だが、無理が祟ったのか再び悪化し動かなくなり、奇しくも、解呪を担当していた魔術師の忠告通りだった。
クライブが無理を通し守り人として復帰したのは、己の未熟さ故と、それほど己を信用できないのかと、オーリーが腐っていた、そんな時にアイに出会ったのだ。
エリンの支えがなくなった後も、一人で守り人を努めてきた自負のあるオーリー。
自尊心を大いに傷つけられ、オーリーは、手柄を立てるつもりでアイを家に連れ帰った。
だが、気が付けばミイラ取りがミイラ状態だ。
アイと名乗ったその女は一見すると、愛くるしい表情の、実に強い人だった。
記憶喪失にしては悲壮感がなく、楽観的でさえある。
物腰は丁寧であるが、魔獣に正通し戦い慣れている。
身の回りの事や掃除などは覚束ず、良家の出かと思われたのに、料理は手慣れた様子で見事な包丁さばきで見せた。
アイのどこを取っても、一庶民と言い切るには難しい。
だが、常に懸命で誠実。
自信過剰で、己の出自を疑われても平然としているのを見ると、寧ろ気高いとすら思えてくる。
そんなアイの人柄と実力がいかんなく発揮されたのが、オーリー達の留守時に、男が自宅に押し入った事件だ。
アイは一人で男を撃退し、見事エリンとイヴを守ったのだ。
称賛さえあれ、誹りを受ける謂れもない。
誇っても良いとすら思うのに、その事件以降、アイの様子がおかしい。
気丈に振舞っていても、ぼんやりする時間が増えた。
本人は隠していたがどこか落ち込んだ様子で、明るくる振舞おうとする様が寧ろ不自然だった。
例の事件の時オーリーは、アイが無事でどれほど安堵したか分からない。
オーリーは気が付いたらアイを抱きしめていた。
いつもは自分よりも勇ましいアイを腕の中に閉じ込め、愛しさと共に湧き上がる独占欲。
その後にアイに油断するなと説教を受けたが、いや、それ故にかもしれない。
オーリーは自分の気持ちに確信を持つ。
戦闘に置いて尊敬すら覚える女性が、今は不安に瞳を揺らしている。
心内に抱えるものを、俺には打ち明けて欲しい。
隣に立ち彼女を支えたいのに、できない己の立場が恨めしい。
ずっと一緒にいたい。彼女を支え、支えられ生きて行けたらどれだけ…………
なんて事まで考える。
ちなみに、森の中でアイの熱を測った時も、歩けないないなら負ぶろうかと声を掛けたのも、ほぼ純粋な気遣いから来た言動であるが、心の片隅に彼女に触れたいという期待があったのは、思春期がなせる業だ。
致し方ないだろう。
ただ、どれだけ心配しても、アイはオーリーを頼ろうとしない。
二人の距離は近い様に見えてその実、果てしなく遠い。
ともかくだ。
これはオーリーに限った事ではないが、次第にアイに対する認識は変わっている。
オーリーは監視と言いつつ、アイと過ごす時間を増やしていった。
必然的に町で過ごす時間も減り、すっかり真っ当な生活に戻っている。
母ジェスもアイを気に入っている節がある。
ただ、父クライブだけは、オーリーがアイに構うのに良い顔をしなかった。
組合に対し、アイに問題なしと報告したのは、他ならぬクライブであるというのにだ。
「アイという娘に、必要以上に構うのを止めろ」
何故そんな事を言うのか不思議に思いながらも、オーリーはアイに構ったし、母ジェスの方は女遊びが止むならこれ幸いと、何も言わず見守っていた。
共に過ごす相手はその場限りであったり、もしくは数日間、あるいはそれ以上に同じ相手と過ごす場合も多かった。
それでなくとも、友人たちと酒を酌み交わしているのでも良かった。家にいない理由があれば、何でも良かったのだ。
自分がこうなったのは、ウォーカー家の負う使命が原因だと考えていて、実際きっかけではあった。
オーリーは頻繁に怪我を負う父親の不足を担う為、または、次代の守り人として、幼い頃より森に入り狩りを行ってきた。
エリンの家族とは家族ぐるみで付き合いがあり、魔法具の扱いに長けたエリンは、度々オーリー達の猟に同行していた。
二人の仲は、他の誰よりも親密であったといっても良いだろう。
この頃のオーリーは真面目に狩りに勤しみ、組合に寄った後は、エリンと共にその日を労い合っていた。
いつの事だったか。
父クライブが魔獣から呪いを受け、足が動かなくなってしまったのだ。
誰よりも魔獣に詳しいクライブだ。応急処置は的確だった。
治療の甲斐あり徐々に回復していたものの、到底猟には出られる状態ではない。
クライブが表立って動けなくなり、まだ成人したばかりの、未熟なオーリーに圧し掛かる、守り人としての責務。
責任の重さから、オーリーは次第に荒んでいった。
それでも、道を踏み外さなかったのは、オーリー元来の責任感の強さと、エリンがいたからだ。
クライブが猟に出られなくなってからというもの、以前より頻度を増して猟に同行していたエリン。
彼女の存在は、オーリーの重要な位置を占めていた。
健気にオーリーを支えたエリンと、オーリーとの仲が決別したのは、エリンの一言がきっかけだった。
「本格的に家業の修行に入るから、もう一緒に狩猟にいけない」
この時オーリーは、声を荒げふざけんなと吐き捨てた。
オーリーはエリンがずっと一緒に猟をしていくのだと思ってた。
これは、二人が昔交わした約束があったからだ。
オーリーが幼い頃、森に巣食う魔獣は今よりずっと多く、オーリーは守り人になるのを恐れていた。
エリンが一緒にいると約束しなければ、守り人の修行はもっと難航しただろう。
幼い頃の約束がエリンに対する甘えであったと、オーリーが自覚するのは、もっとずっと未来の話だ。
そして、当時のエリンには、何がオーリーの逆鱗に触れたのかさっぱり理解できなかった。
エリンはずっと家業である、革屋を継ぎたいと考えていた。
照れくさくて誰にも話さなかったが、オーリーが猟で仕留めた得物を自分が解体して、革にまで出来たらどんなに素敵だろうと夢見ていた。
そうすれば、ずっと共にいられると。
エリンもエリンで、初めからそう言っていればここまで仲が拗れなかっただろうと気付くのは 、もっとずっと後になってからだ。
何にせよだ。
互いの思惑がすれ違った結果、広い森で孤独に守り人を務めるオーリーは反動からか、直接的な温もりを求め、エリンは自分の初恋が儚く散ったのだと影で泣いた。
そんな二人に転機が訪れた。
オーリーが森で保護した、見知らぬ女性の存在だ。
ちょうど、オーリーが再び一人で猟をするようになった頃だった。
クライブの足は治療のかいもあり、一時は自由に動かせるまでに回復していた。
そこでクライブは周囲が止めるのを振り切り、猟に復帰したのだ。
だが、無理が祟ったのか再び悪化し動かなくなり、奇しくも、解呪を担当していた魔術師の忠告通りだった。
クライブが無理を通し守り人として復帰したのは、己の未熟さ故と、それほど己を信用できないのかと、オーリーが腐っていた、そんな時にアイに出会ったのだ。
エリンの支えがなくなった後も、一人で守り人を努めてきた自負のあるオーリー。
自尊心を大いに傷つけられ、オーリーは、手柄を立てるつもりでアイを家に連れ帰った。
だが、気が付けばミイラ取りがミイラ状態だ。
アイと名乗ったその女は一見すると、愛くるしい表情の、実に強い人だった。
記憶喪失にしては悲壮感がなく、楽観的でさえある。
物腰は丁寧であるが、魔獣に正通し戦い慣れている。
身の回りの事や掃除などは覚束ず、良家の出かと思われたのに、料理は手慣れた様子で見事な包丁さばきで見せた。
アイのどこを取っても、一庶民と言い切るには難しい。
だが、常に懸命で誠実。
自信過剰で、己の出自を疑われても平然としているのを見ると、寧ろ気高いとすら思えてくる。
そんなアイの人柄と実力がいかんなく発揮されたのが、オーリー達の留守時に、男が自宅に押し入った事件だ。
アイは一人で男を撃退し、見事エリンとイヴを守ったのだ。
称賛さえあれ、誹りを受ける謂れもない。
誇っても良いとすら思うのに、その事件以降、アイの様子がおかしい。
気丈に振舞っていても、ぼんやりする時間が増えた。
本人は隠していたがどこか落ち込んだ様子で、明るくる振舞おうとする様が寧ろ不自然だった。
例の事件の時オーリーは、アイが無事でどれほど安堵したか分からない。
オーリーは気が付いたらアイを抱きしめていた。
いつもは自分よりも勇ましいアイを腕の中に閉じ込め、愛しさと共に湧き上がる独占欲。
その後にアイに油断するなと説教を受けたが、いや、それ故にかもしれない。
オーリーは自分の気持ちに確信を持つ。
戦闘に置いて尊敬すら覚える女性が、今は不安に瞳を揺らしている。
心内に抱えるものを、俺には打ち明けて欲しい。
隣に立ち彼女を支えたいのに、できない己の立場が恨めしい。
ずっと一緒にいたい。彼女を支え、支えられ生きて行けたらどれだけ…………
なんて事まで考える。
ちなみに、森の中でアイの熱を測った時も、歩けないないなら負ぶろうかと声を掛けたのも、ほぼ純粋な気遣いから来た言動であるが、心の片隅に彼女に触れたいという期待があったのは、思春期がなせる業だ。
致し方ないだろう。
ただ、どれだけ心配しても、アイはオーリーを頼ろうとしない。
二人の距離は近い様に見えてその実、果てしなく遠い。
ともかくだ。
これはオーリーに限った事ではないが、次第にアイに対する認識は変わっている。
オーリーは監視と言いつつ、アイと過ごす時間を増やしていった。
必然的に町で過ごす時間も減り、すっかり真っ当な生活に戻っている。
母ジェスもアイを気に入っている節がある。
ただ、父クライブだけは、オーリーがアイに構うのに良い顔をしなかった。
組合に対し、アイに問題なしと報告したのは、他ならぬクライブであるというのにだ。
「アイという娘に、必要以上に構うのを止めろ」
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