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冬に咲く花
オマケ(追加分・一人称視点)
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俺は今悩んでいる。でも答えのない問題は苦手で、一向に解決しない。
ソコトラ村に着いた初めの晩。
ルイとカダンは魔法剣作りを、カウルとマリーは晩御飯作り。そして俺は周囲を誤魔化す偽の、偽の呪文を作ると言う仕事を課せられてしまった。
でも違和感のない呪文なんて、まったく思いつかない。
水の魔法を練習していた時は杖を使っていた。
俺が思いつく呪文なんてメラとか、ホイミとかくらいだ。
それをカウルに言うと、変な顔をされた。ゲームの呪文だからな。当然かもしれない。
「魔法を使うのに大切なのは、術式を理解しているかどうか。呪文はそれを発動させる鍵で、想像を補うものだから、ある程度の決まりのはあるけど、割と人によってバラバラだから」
というありがたい助言を、何故かマリーから頂きました。同じ地球人としては差を付けられているようで、面白くないんですが。
言い訳じゃあないけど、マリーと鈴木さんが、魔法事に詳しいのはちゃんとした理由がある。
この世界の知識も言葉もなかった二人。
ルイは魔法で百科辞典の中身を、そのまま二人の頭に移した……らしい。本を○〇一冊移植すれば言葉も喋れるようになるし、知識も付くから一石二鳥というわけだ。
だから一人に付き百科事典一つを使った……と言っていた。
よって、言葉の喋れた俺には、その魔法を使わなかったという事らしいが、でもそれは建前で、きっと理由は別にあると思っている。
この国でも百科事典は決して安くない。
俺の場合、言葉が喋れても魔法の知識まである訳じゃない。だから二人に差を付けられて当然なんだ。
「ルイが使っているのを適当に真似すればいいだろう。大概師匠の真似してるやつがほとんどだしな。ルイは母さんのを真似てるんだよ。気負う必要はないさ」
カウルはそう言うけど、その適当が分からないから困っているんだけど、でもそれを訴えても、奴等に俺を手伝う余裕はないだろうな。
なぜなら、中で魔剣(仮)を作る為、集中しているルイに気遣って外に出たけど、俺と同じように外にいる二人が、相変わらずマジでかなり鬱陶しいからだ。
「ねえ、この野菜こんな切り方で良い?もっと小さい方が良い?」
「そうだな、大小より、揃える方が大事かな。マリーって本当は料理苦手?」
「うう、カウルは意地悪ね」
「拗ねるなよ。俺が教えてやるよ。って言っても、俺も簡単な物しか作れないけどな。内で一番料理が上手なのはカダンなんだ」
「そうなの?………でも教わるのはカウルが良いな」
「何でだよ。カダンの方が上手いぞ?」
「何でって……何で聞くのよ?バカね」
あいつらの中に、俺の存在はすでに無いだろうな。だからこいつらと一緒にいるの嫌なんだ。こっちは会いたくても会えないって言うのに。
今思ったんだが?まさかとは思うけど?この会話、車の中にまで聞こえてるんじゃないか?
俺は音を立てないよう、車の中をそっと覗いてみた。
ルイは今まさに、魔剣を完成させようとしている所だった。
剣をいろんな角度でランプにかざし、たぶん術式を確認している……のか。
俺の腕輪を作っていた時より、表情がヤバい。すごい集中力だ。よし、外の会話は聞こえてないかもしれない。うん、大丈夫だろ、たぶん。
ルイの横で、カダンが散らばった本を片付けていた。車の中を覗く俺に気が付いて、ほほ笑んで、というか苦笑いをして、人差し指を口に縦に当てた。
やっぱり今邪魔するのは不味いな。あの二人にも静かにいるよう、言っておこう。
ってキスしてるううううううううううううう!!!???
俺がいなくなったからか!?うっそだろう!?何でそうなる?
マジで勘弁してくれ。料理してたんじゃないのかよ。周囲に気を使えよ。ああ、いよいよ出づらくなってしまった。
仕方ないから、俺は車の陰に座り込んだ。 本当はたき火の側が良いんだけど、出て行きづらい。
しまったな、呪文まったく思いつかない。
どうしよう……っていうか、マリーの為に一所懸命なルイの立場って………いや、考えないでおこう。
ああ、もう。本当に答えのない問題って苦手だ。
ソコトラ村に着いた初めの晩。
ルイとカダンは魔法剣作りを、カウルとマリーは晩御飯作り。そして俺は周囲を誤魔化す偽の、偽の呪文を作ると言う仕事を課せられてしまった。
でも違和感のない呪文なんて、まったく思いつかない。
水の魔法を練習していた時は杖を使っていた。
俺が思いつく呪文なんてメラとか、ホイミとかくらいだ。
それをカウルに言うと、変な顔をされた。ゲームの呪文だからな。当然かもしれない。
「魔法を使うのに大切なのは、術式を理解しているかどうか。呪文はそれを発動させる鍵で、想像を補うものだから、ある程度の決まりのはあるけど、割と人によってバラバラだから」
というありがたい助言を、何故かマリーから頂きました。同じ地球人としては差を付けられているようで、面白くないんですが。
言い訳じゃあないけど、マリーと鈴木さんが、魔法事に詳しいのはちゃんとした理由がある。
この世界の知識も言葉もなかった二人。
ルイは魔法で百科辞典の中身を、そのまま二人の頭に移した……らしい。本を○〇一冊移植すれば言葉も喋れるようになるし、知識も付くから一石二鳥というわけだ。
だから一人に付き百科事典一つを使った……と言っていた。
よって、言葉の喋れた俺には、その魔法を使わなかったという事らしいが、でもそれは建前で、きっと理由は別にあると思っている。
この国でも百科事典は決して安くない。
俺の場合、言葉が喋れても魔法の知識まである訳じゃない。だから二人に差を付けられて当然なんだ。
「ルイが使っているのを適当に真似すればいいだろう。大概師匠の真似してるやつがほとんどだしな。ルイは母さんのを真似てるんだよ。気負う必要はないさ」
カウルはそう言うけど、その適当が分からないから困っているんだけど、でもそれを訴えても、奴等に俺を手伝う余裕はないだろうな。
なぜなら、中で魔剣(仮)を作る為、集中しているルイに気遣って外に出たけど、俺と同じように外にいる二人が、相変わらずマジでかなり鬱陶しいからだ。
「ねえ、この野菜こんな切り方で良い?もっと小さい方が良い?」
「そうだな、大小より、揃える方が大事かな。マリーって本当は料理苦手?」
「うう、カウルは意地悪ね」
「拗ねるなよ。俺が教えてやるよ。って言っても、俺も簡単な物しか作れないけどな。内で一番料理が上手なのはカダンなんだ」
「そうなの?………でも教わるのはカウルが良いな」
「何でだよ。カダンの方が上手いぞ?」
「何でって……何で聞くのよ?バカね」
あいつらの中に、俺の存在はすでに無いだろうな。だからこいつらと一緒にいるの嫌なんだ。こっちは会いたくても会えないって言うのに。
今思ったんだが?まさかとは思うけど?この会話、車の中にまで聞こえてるんじゃないか?
俺は音を立てないよう、車の中をそっと覗いてみた。
ルイは今まさに、魔剣を完成させようとしている所だった。
剣をいろんな角度でランプにかざし、たぶん術式を確認している……のか。
俺の腕輪を作っていた時より、表情がヤバい。すごい集中力だ。よし、外の会話は聞こえてないかもしれない。うん、大丈夫だろ、たぶん。
ルイの横で、カダンが散らばった本を片付けていた。車の中を覗く俺に気が付いて、ほほ笑んで、というか苦笑いをして、人差し指を口に縦に当てた。
やっぱり今邪魔するのは不味いな。あの二人にも静かにいるよう、言っておこう。
ってキスしてるううううううううううううう!!!???
俺がいなくなったからか!?うっそだろう!?何でそうなる?
マジで勘弁してくれ。料理してたんじゃないのかよ。周囲に気を使えよ。ああ、いよいよ出づらくなってしまった。
仕方ないから、俺は車の陰に座り込んだ。 本当はたき火の側が良いんだけど、出て行きづらい。
しまったな、呪文まったく思いつかない。
どうしよう……っていうか、マリーの為に一所懸命なルイの立場って………いや、考えないでおこう。
ああ、もう。本当に答えのない問題って苦手だ。
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