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和の国サクラギとミズキ姫
ゼントクへの報告
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アデルと茶店に向かって歩いていると、町の様子を目にすることができた。
地震の余波はいくらかあるものの、町の人たちは平穏な日常を送っているように見える。
日本の宿場町を連想させるような通りを移動して、ミズキの待つ茶店に到着した。
「お待たせしました」
「あっ、おふぁえり」
ミズキは団子をお伴にお茶を飲んでいるところだった。
小皿の上の薄紅色に目が留まる。
「さくらあんの団子がお気に入りなんですね」
「お母さんが生きていた頃、よく一緒に食べた味でね」
「……あっ、すみません」
ゼントクの存在感はあるものの、彼女の母親を目にすることはなかった。
話の流れからして、すでに亡くなっているのだろう。
「だいぶ前のことだし、気にしてなくていいよ」
「いえ、何だかすみません」
ミズキは表情を変えることなく、団子を続けて頬張った。
本当に気にしていないようで、彼女の様子に安心した。
「私ものどが渇いたわ。少し休憩させて」
「それじゃあ、俺も何か飲もうかな」
俺とアデルは店先の椅子に腰を下ろす。
そこへ店の主人がやってきてお品書きを見せてくれた。
「姫様の飲まれている冷えたお茶もよいですが、冷たい甘酒もようございますよ」
「へえ、美味しそうですね。それにしよっと」
「私も同じものをもらえるかしら」
「はい、かしこまりました」
主人は注文を受けて、店の中へ戻っていった。
「何度か城下町で飲んだけれど、あの甘酒って美味しいのよね」
「うんうん、そうでしょ! サクラギのお米は美味しいから、甘酒も美味しくなるんだよ」
「たしかに何度か食べましたけど、美味しいお米ですね」
「やっぱり、マルクくんは話の分かる人だよ。アデルは米だろうが小麦だろうが気にしないって感じだなんだよね」
ミズキは皮肉というよりも少し残念そうに言った。
おそらく、アデルは小麦が主食の文化で育ち、一方の俺は日本の記憶の影響で米の味が分かるため、反応に違いが出ているのだろう。
ミズキとの会話が盛り上がったところで、甘酒が手元に運ばれてきた。
味見をしてみると、適度に冷えていて甘すぎない飲みやすい味わいだった。
「これはいいですね」
「冷えた甘酒は初めてだけれど、なかなかいけるわ」
俺とアデルの感想は好意的なものだった。
それが聞こえたようで、店の主人が話に加わる。
「これはこれは気に入って頂けたようで」
「はい、飲みやすくていいです」
彼は満足そうに少し話をしてから、仕事の続きがあるようで戻っていった。
「そういえば、ゼントクさんは元気ですかね」
「ちょっとやそっとの揺れぐらいじゃ、びくともしないよ。お父さんは丈夫なだけが取り柄だから」
「姫様、他にもいいところはあるはずですよ……」
ミズキの隣に座るアカネが少し寂しげに言った。
それから俺たちの休憩タイムは終わり、ゼントクのところへ向かうことになった。
四人で城下町を歩いて、サクラギ城を目指す。
遠目に見たことはあるものの、こうして近くに行くのも中に入るのも初めてだ。
しばらく歩くうちに民家が途切れて、道の先に緩やかな傾斜が続いていた。
そのまま足を進めていくと、今度は城門が現れる。
そこには二人の兵士が見張りとして立っていた。
片方の兵士に見覚えがあり、サクラギに着いた日に出会ったユキマルという青年であることを思い出した。
「姫様、よくぞご無事で。猿人族を退けることができたのですね」
ユキマルはミズキに近づき、家臣のように話しかけた。
「ユッキー、お疲れ様。ヒフキ山なら何とかなったよ。これからは平和だねー」
「城内にご用でしたら、どうぞお通りください」
「はいはい、見張りよろしくね」
「承知しました」
二人のやりとりが終わり、俺たちは城門をくぐった。
少し歩いたところで、どこか懐かしい香りがして周囲を見渡す。
美しさと郷愁を感じさせる花を見て、思わず立ち止まった。
「サクラギのサクラは桜の花からきてるんですね」
俺は咲き誇る花を見ながら、ミズキに向けて言った。
「そうそう、よく分かったね。桜はよその国にはないと思うんだけど」
「これだけきれいな花なら、遠い国まで美しさは知れ渡りますよ」
「えへへっ、そうかなー」
適当な言い訳なのだが、ミズキは自分が褒められたように喜んでいる。
「それに桜の淡い紅色と城の白い外壁は見映えのいい組み合わせですね」
本心から出た言葉だが、これ以上褒めたらミズキが喜びすぎてしまわないかと思ったところで、別のところから声がした。
「マルク殿ー、そんなに褒められたら、わし照れちゃう……ぽっ」
「あれ、あなたは……」
いつの間にかゼントクが近くに立っていた。
本気か冗談か分からないが、頬に手を当てて照れたような仕草をしている。
「はいはい、ただいま。それじゃあ、お父さんに報告があるから」
「ええ、もうおしまい?」
残念がるゼントクにアカネまでもが引き気味になっている。
そこから報告のために別の場所へ移動した。
城内へ向かうと予想したが、城内の庭園を歩いて茶室のようなところに上がった。
和の趣きがあり、畳の香りにどこか懐かしさを覚える。
「よしっ、早速聞かせてもらおう。宝刀はどうなった?」
ゼントクが上座に陣取り、それ以外の四人は適当な位置に腰を下ろしている。
「みんなに力を借りながら、火口に投げられたよ」
「そうか、よくやった! さすがは我が娘だ」
ゼントクはわしの胸に飛びこんでこいと言いたげに両腕を開いたが、ミズキは目を合わせようとしなかった。
彼は何ごともなかったように仕切り直して、続きの話題について話し始めた。
地震の余波はいくらかあるものの、町の人たちは平穏な日常を送っているように見える。
日本の宿場町を連想させるような通りを移動して、ミズキの待つ茶店に到着した。
「お待たせしました」
「あっ、おふぁえり」
ミズキは団子をお伴にお茶を飲んでいるところだった。
小皿の上の薄紅色に目が留まる。
「さくらあんの団子がお気に入りなんですね」
「お母さんが生きていた頃、よく一緒に食べた味でね」
「……あっ、すみません」
ゼントクの存在感はあるものの、彼女の母親を目にすることはなかった。
話の流れからして、すでに亡くなっているのだろう。
「だいぶ前のことだし、気にしてなくていいよ」
「いえ、何だかすみません」
ミズキは表情を変えることなく、団子を続けて頬張った。
本当に気にしていないようで、彼女の様子に安心した。
「私ものどが渇いたわ。少し休憩させて」
「それじゃあ、俺も何か飲もうかな」
俺とアデルは店先の椅子に腰を下ろす。
そこへ店の主人がやってきてお品書きを見せてくれた。
「姫様の飲まれている冷えたお茶もよいですが、冷たい甘酒もようございますよ」
「へえ、美味しそうですね。それにしよっと」
「私も同じものをもらえるかしら」
「はい、かしこまりました」
主人は注文を受けて、店の中へ戻っていった。
「何度か城下町で飲んだけれど、あの甘酒って美味しいのよね」
「うんうん、そうでしょ! サクラギのお米は美味しいから、甘酒も美味しくなるんだよ」
「たしかに何度か食べましたけど、美味しいお米ですね」
「やっぱり、マルクくんは話の分かる人だよ。アデルは米だろうが小麦だろうが気にしないって感じだなんだよね」
ミズキは皮肉というよりも少し残念そうに言った。
おそらく、アデルは小麦が主食の文化で育ち、一方の俺は日本の記憶の影響で米の味が分かるため、反応に違いが出ているのだろう。
ミズキとの会話が盛り上がったところで、甘酒が手元に運ばれてきた。
味見をしてみると、適度に冷えていて甘すぎない飲みやすい味わいだった。
「これはいいですね」
「冷えた甘酒は初めてだけれど、なかなかいけるわ」
俺とアデルの感想は好意的なものだった。
それが聞こえたようで、店の主人が話に加わる。
「これはこれは気に入って頂けたようで」
「はい、飲みやすくていいです」
彼は満足そうに少し話をしてから、仕事の続きがあるようで戻っていった。
「そういえば、ゼントクさんは元気ですかね」
「ちょっとやそっとの揺れぐらいじゃ、びくともしないよ。お父さんは丈夫なだけが取り柄だから」
「姫様、他にもいいところはあるはずですよ……」
ミズキの隣に座るアカネが少し寂しげに言った。
それから俺たちの休憩タイムは終わり、ゼントクのところへ向かうことになった。
四人で城下町を歩いて、サクラギ城を目指す。
遠目に見たことはあるものの、こうして近くに行くのも中に入るのも初めてだ。
しばらく歩くうちに民家が途切れて、道の先に緩やかな傾斜が続いていた。
そのまま足を進めていくと、今度は城門が現れる。
そこには二人の兵士が見張りとして立っていた。
片方の兵士に見覚えがあり、サクラギに着いた日に出会ったユキマルという青年であることを思い出した。
「姫様、よくぞご無事で。猿人族を退けることができたのですね」
ユキマルはミズキに近づき、家臣のように話しかけた。
「ユッキー、お疲れ様。ヒフキ山なら何とかなったよ。これからは平和だねー」
「城内にご用でしたら、どうぞお通りください」
「はいはい、見張りよろしくね」
「承知しました」
二人のやりとりが終わり、俺たちは城門をくぐった。
少し歩いたところで、どこか懐かしい香りがして周囲を見渡す。
美しさと郷愁を感じさせる花を見て、思わず立ち止まった。
「サクラギのサクラは桜の花からきてるんですね」
俺は咲き誇る花を見ながら、ミズキに向けて言った。
「そうそう、よく分かったね。桜はよその国にはないと思うんだけど」
「これだけきれいな花なら、遠い国まで美しさは知れ渡りますよ」
「えへへっ、そうかなー」
適当な言い訳なのだが、ミズキは自分が褒められたように喜んでいる。
「それに桜の淡い紅色と城の白い外壁は見映えのいい組み合わせですね」
本心から出た言葉だが、これ以上褒めたらミズキが喜びすぎてしまわないかと思ったところで、別のところから声がした。
「マルク殿ー、そんなに褒められたら、わし照れちゃう……ぽっ」
「あれ、あなたは……」
いつの間にかゼントクが近くに立っていた。
本気か冗談か分からないが、頬に手を当てて照れたような仕草をしている。
「はいはい、ただいま。それじゃあ、お父さんに報告があるから」
「ええ、もうおしまい?」
残念がるゼントクにアカネまでもが引き気味になっている。
そこから報告のために別の場所へ移動した。
城内へ向かうと予想したが、城内の庭園を歩いて茶室のようなところに上がった。
和の趣きがあり、畳の香りにどこか懐かしさを覚える。
「よしっ、早速聞かせてもらおう。宝刀はどうなった?」
ゼントクが上座に陣取り、それ以外の四人は適当な位置に腰を下ろしている。
「みんなに力を借りながら、火口に投げられたよ」
「そうか、よくやった! さすがは我が娘だ」
ゼントクはわしの胸に飛びこんでこいと言いたげに両腕を開いたが、ミズキは目を合わせようとしなかった。
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