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飛竜探しの旅
予想外の反撃
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兵士たちは男の形相にたじろいだものの、捕縛された者に何ができるのかという余裕がにじんでいた。
アデルとハンクは警戒を解かずにいるようだが、それでも魔法が使えない男にそこまでのことはできないと見なしている様子だった。
その表情だけでなく、全身から世界を否定するような空気が放たれているようにさえ感じられたが、口をふさがれて両手を縛られた魔法使いに何ができるだろう。
俺は形容しがたい不吉な感覚を拭うように口を開いた。
「捕まえることができたので、次の目的地に向かいましょうか」
「ああっ、そうだな」
この場を後にしようとした直後、悪寒めいたものが全身を駆け抜けた。
何が起きたのか分からないまま、時間だけがすぎていった。
ふと、我に返ると柔らかな感触と咲き誇る花のような香りに意識が向いた。
俺はアデルに抱きとめられていた。
「……大丈夫? まさか、自爆するなんて」
それは滅多に見せない表情だった。
彼女がこんなふうに戸惑うことなど多くはない。
安心感を与えるような温もりが離れていくと、次第に状況が把握できた。
捕縛されていた男が顔から地面に倒れこんでいる。
呼吸ができる状態ではなく、絶命していることは明らかだった。
「……あれ、ハンクは?」
思わず口からこぼれる信頼した男の名前。
彼は異変が起きたとしても、変わらぬ表情で周りを安心させる。
しかし、いつものような軽口が聞こえてこない。
焦燥に駆られて周りに視線を走らせると、その姿があった。
「ハンク!?」
ハンクは苦しげな表情で立っていた。
魔法使いの男が何かしたことだけは分かるが、具体的なことは何も分からない。
「……あれは何だったんだ」
ハンクが自問自答するようにこぼす。
俺が心配していると、アデルと二人の兵士も近くに集まった。
「ハンク殿が我々をかばって……」
兵士の一人が泣きそうな声で言った。
もう一人の兵士も沈痛な表情になっている。
「あの魔法使いは魔力を体内で暴走させて自爆したみたいね。それだけなら、問題ないのだけれど……」
アデルの声に力はなかった。
それはハンクの状態と関係しているように見えた。
「魔力を暴発するだけでなく、同時に呪詛の類を放ったのよ。私はエルフの魔力で人の呪詛は効果が薄いけれど、ハンクはいくら丈夫でも身体は人間だから」
彼女の言葉が理解できると、無性に怒りがこみ上げた。
俺に幻覚魔法をかけるだけでなく、ハンクにまで厄介なことを。
身勝手な行動を踏まえれば、ベヒーモスの封印を破ったのもこの男だろう。
すでに命なき者を蹴りつけるわけにもいかず、行き場を失った感情が苦しかった。
「なあ、どうなってる……?」
ハンクが誰にともなく問いかけた。
息も絶え絶えに崩れ落ちてしまいそうな姿が目に焼きつけられる。
「ダメで元々、今はこうするしかないわね」
アデルが何かを決意するように言った。
彼女はベヒーモスの魔石を取り出すと、ハンクの背中にそれを近づけた。
魔石が掃除機のように見えない何かを吸いこんでいくのが見えた。
少しの間、その状態が続いた後、魔石に亀裂が入って砕け散った。
「……身体が楽になった。何かしてくれたのか」
「ベヒーモスの魔石に呪詛を吸い取らせたの。この続きはエルフの村にでも行かないとできそうにないわ……馬に乗れそう?」
「ああっ、何とかな」
「ハンクの分も馬を用意するので、少し休んでください」
ハンクは無言で頷き、兵士の肩を借りて近くの地面に腰を下ろした。
俺は馬のところに向かって順番に縄を解いた後、出発できるように準備を進めた。
「この男が自害したことを含めて、必ず王都に報告します」
「あとは頼みました」
俺たちは関所の前を離れて、再び馬を走らせた。
ハンクの状態は心配だが、かろうじて馬には乗れる状態だった。
国境に向かうまでは自分が気遣われていたのに、今では短時間で立場が逆転している。
自爆という卑劣な手段ではあるが、ハンクにここまでのダメージを与えたという意味では腕の立つ魔法使いだったのだろう。
苦々しい感情を持て余したまま、なるべく考えないように馬を走らせた。
ハンクの負傷もあり、速度を上げらない状態で移動していると、次第に上空の雲が多くなってきた。
この状況で足を止めるようなことになるのは避けたい。
不安になりながら空を見上げていたが、小雨がぱらつく程度で済んだ。
そこからさらに馬を走らせると、一気に雲が晴れて前方に民家が見えてきた。
ランス王国で見かけるものとは雰囲気の異なる建築様式。
直感的にあそこがエルフの村だと思った。
先頭のアデルは村の手前で馬の速度を緩めて、歩くようなペースにした。
俺とハンクも同じようにして、彼女のところに近づいた。
「人の町と違って、このまま馬で入っても問題ないわ。さあ、ついてきて」
状況が状況なだけに、アデルにも焦りの色が見て取れた。
すぐに村の中へと馬を進めていった。
アデルに続いて村の中に入ると、彼女は一軒の民家の前で馬を下りた。
「ここに治療できる者がいるわ」
アデルは扉を開いて、足早に中に入っていった。
その民家は周囲の建物に比べると、少し大きく立派に見えた。
俺も馬を下りて、アデルがそうしたように近くの木に手綱を繋いだ。
「ハンク、大丈夫ですか?」
「……ああっ、何とかな」
ハンクが馬から下りるのを手助けする。
通常であれば考えられない状況だった。
彼の馬の手綱も民家の近くで繋いでおく。
彼に肩を貸しながら民家に歩いていくと、口論のような声が中から聞こえた気がした。
ほんの少しだけ入るかどうかを考えて立ち止まってしまったが、この状況でためらっている場合ではない。
俺は扉を開いて、ハンクと二人で中に入った。
アデルとハンクは警戒を解かずにいるようだが、それでも魔法が使えない男にそこまでのことはできないと見なしている様子だった。
その表情だけでなく、全身から世界を否定するような空気が放たれているようにさえ感じられたが、口をふさがれて両手を縛られた魔法使いに何ができるだろう。
俺は形容しがたい不吉な感覚を拭うように口を開いた。
「捕まえることができたので、次の目的地に向かいましょうか」
「ああっ、そうだな」
この場を後にしようとした直後、悪寒めいたものが全身を駆け抜けた。
何が起きたのか分からないまま、時間だけがすぎていった。
ふと、我に返ると柔らかな感触と咲き誇る花のような香りに意識が向いた。
俺はアデルに抱きとめられていた。
「……大丈夫? まさか、自爆するなんて」
それは滅多に見せない表情だった。
彼女がこんなふうに戸惑うことなど多くはない。
安心感を与えるような温もりが離れていくと、次第に状況が把握できた。
捕縛されていた男が顔から地面に倒れこんでいる。
呼吸ができる状態ではなく、絶命していることは明らかだった。
「……あれ、ハンクは?」
思わず口からこぼれる信頼した男の名前。
彼は異変が起きたとしても、変わらぬ表情で周りを安心させる。
しかし、いつものような軽口が聞こえてこない。
焦燥に駆られて周りに視線を走らせると、その姿があった。
「ハンク!?」
ハンクは苦しげな表情で立っていた。
魔法使いの男が何かしたことだけは分かるが、具体的なことは何も分からない。
「……あれは何だったんだ」
ハンクが自問自答するようにこぼす。
俺が心配していると、アデルと二人の兵士も近くに集まった。
「ハンク殿が我々をかばって……」
兵士の一人が泣きそうな声で言った。
もう一人の兵士も沈痛な表情になっている。
「あの魔法使いは魔力を体内で暴走させて自爆したみたいね。それだけなら、問題ないのだけれど……」
アデルの声に力はなかった。
それはハンクの状態と関係しているように見えた。
「魔力を暴発するだけでなく、同時に呪詛の類を放ったのよ。私はエルフの魔力で人の呪詛は効果が薄いけれど、ハンクはいくら丈夫でも身体は人間だから」
彼女の言葉が理解できると、無性に怒りがこみ上げた。
俺に幻覚魔法をかけるだけでなく、ハンクにまで厄介なことを。
身勝手な行動を踏まえれば、ベヒーモスの封印を破ったのもこの男だろう。
すでに命なき者を蹴りつけるわけにもいかず、行き場を失った感情が苦しかった。
「なあ、どうなってる……?」
ハンクが誰にともなく問いかけた。
息も絶え絶えに崩れ落ちてしまいそうな姿が目に焼きつけられる。
「ダメで元々、今はこうするしかないわね」
アデルが何かを決意するように言った。
彼女はベヒーモスの魔石を取り出すと、ハンクの背中にそれを近づけた。
魔石が掃除機のように見えない何かを吸いこんでいくのが見えた。
少しの間、その状態が続いた後、魔石に亀裂が入って砕け散った。
「……身体が楽になった。何かしてくれたのか」
「ベヒーモスの魔石に呪詛を吸い取らせたの。この続きはエルフの村にでも行かないとできそうにないわ……馬に乗れそう?」
「ああっ、何とかな」
「ハンクの分も馬を用意するので、少し休んでください」
ハンクは無言で頷き、兵士の肩を借りて近くの地面に腰を下ろした。
俺は馬のところに向かって順番に縄を解いた後、出発できるように準備を進めた。
「この男が自害したことを含めて、必ず王都に報告します」
「あとは頼みました」
俺たちは関所の前を離れて、再び馬を走らせた。
ハンクの状態は心配だが、かろうじて馬には乗れる状態だった。
国境に向かうまでは自分が気遣われていたのに、今では短時間で立場が逆転している。
自爆という卑劣な手段ではあるが、ハンクにここまでのダメージを与えたという意味では腕の立つ魔法使いだったのだろう。
苦々しい感情を持て余したまま、なるべく考えないように馬を走らせた。
ハンクの負傷もあり、速度を上げらない状態で移動していると、次第に上空の雲が多くなってきた。
この状況で足を止めるようなことになるのは避けたい。
不安になりながら空を見上げていたが、小雨がぱらつく程度で済んだ。
そこからさらに馬を走らせると、一気に雲が晴れて前方に民家が見えてきた。
ランス王国で見かけるものとは雰囲気の異なる建築様式。
直感的にあそこがエルフの村だと思った。
先頭のアデルは村の手前で馬の速度を緩めて、歩くようなペースにした。
俺とハンクも同じようにして、彼女のところに近づいた。
「人の町と違って、このまま馬で入っても問題ないわ。さあ、ついてきて」
状況が状況なだけに、アデルにも焦りの色が見て取れた。
すぐに村の中へと馬を進めていった。
アデルに続いて村の中に入ると、彼女は一軒の民家の前で馬を下りた。
「ここに治療できる者がいるわ」
アデルは扉を開いて、足早に中に入っていった。
その民家は周囲の建物に比べると、少し大きく立派に見えた。
俺も馬を下りて、アデルがそうしたように近くの木に手綱を繋いだ。
「ハンク、大丈夫ですか?」
「……ああっ、何とかな」
ハンクが馬から下りるのを手助けする。
通常であれば考えられない状況だった。
彼の馬の手綱も民家の近くで繋いでおく。
彼に肩を貸しながら民家に歩いていくと、口論のような声が中から聞こえた気がした。
ほんの少しだけ入るかどうかを考えて立ち止まってしまったが、この状況でためらっている場合ではない。
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