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強がり令嬢は失恋の涙を流さない

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「ナイト様」
「どうしたの?」

 私は目の前の公爵家の子息であるナイト様に思いをぶちまけるのだ。

「ナイト様、お慕い申し上げております」
「ん……?」
「好きです」

 やっと言えた。
 ナイト様は驚いた様子で、その蒼い双眸を見開く。
 私は次の言葉を待つ。

「ごめん」

 身体に強い衝撃が走った。

「俺、他に好きな人が居て……」

 その申し訳なさそうな様子を見て私は。

「そうです、のね」

 ニッコリと微笑んだ。
 ナイト様は一瞬固まり、何とも言えない表情になっていた。
 目から涙を零さない様にずっと私は微笑を湛えていた。
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