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はじまりまして
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森谷は部屋のドアを閉めると、ふかふかなベッドに腰をおろす。
「まじで、大丈夫かな……」
頭を抱え、彼はこの世界に来る前の、真っ暗な空間での出来事を思い出しながら不安感を膨らませていく。
あの時――森谷は初めて、魔力の補充を経験したのだが、その時増えた魔力量が――【22】だった。
それが、何を意味するのか、森谷はそのことについて考える。
【数字】が――“量”に比例にしているのか。
それとも――“質”に比例しているか。
どちらにせよ、森谷にとってそれは、嫌悪の対象でしなかないが、それはともかく。
ちなみに今の魔力量は――、
* 【238】 *
気づけばそれは、白髪の少女から補充してもらった分の、約十倍以上の量まで増えており――【+22】という魔力変動で、その苦しみにわめき散らした記憶が、森谷の不安を煽っていく。
その【数字】が、どのように彼へ影響するのか。
彼自身にも――わかっていないのである。
まるで、返済方法のわからない借金でもしてるような気分だ――と、森谷は大きく溜息をついた。
と、そこへ、
* 【238】――【258】 *
「……!?」
魔力変動の感覚。
それはつまり――となりの部屋で、ファーシルかヴェルゼのどちらかが、『魔力タンク』に向けて、おならをしたということに他ならない。
「ああ……、どうしよう……」
森谷の額から、汗が流れる。
「と……、とにかく、寝よう……」
森谷は汚れひとつない真っ白な靴を脱ぐと、重たい身体を引きずるようにして、布団の中へ身を滑らせた。
眠ることでしか、これ以上の不安は解消されない――と、彼は考えたのである。
なぜなら、森谷が臭いを【先送り】にしたのは――夢の中だったからだ。
それならば――誰に知られることなく臭いを受けることができる。
と――あの時の彼はそう思い、力を使ったのだった。
つまり、森谷が眠った瞬間に――それは、始まるのである。
しかし荒れた気分で睡眠など、とれるはずもなく――。
数十分後。
部屋のランプの消し方がわからず、まだ明るいままの部屋の中。
* 【258】――【286】 *
魔力の変動が、さらに追い込んでくる。
「やばいやばいやばいやばい……」
森谷は脳みそを空っぽにしながら声を漏らす。
と、そんな彼へ、
「――ん? なんだ……」
これ――と言い切る前に、森谷は理解した。
【なにかつかえそう】と、浮かび上がってきた感覚は――ある【力】へと変わっていく。
その感覚に、
「ほんと……、便利な力だぜ……」
融通は利かないけどな――と、森谷はこぼし、自分の中の魔力に、意識を向けた。
そして、
* 【286】――【278】 *
彼は――【強制睡眠】の力を、自分へと発動させたのだった――。
「まじで、大丈夫かな……」
頭を抱え、彼はこの世界に来る前の、真っ暗な空間での出来事を思い出しながら不安感を膨らませていく。
あの時――森谷は初めて、魔力の補充を経験したのだが、その時増えた魔力量が――【22】だった。
それが、何を意味するのか、森谷はそのことについて考える。
【数字】が――“量”に比例にしているのか。
それとも――“質”に比例しているか。
どちらにせよ、森谷にとってそれは、嫌悪の対象でしなかないが、それはともかく。
ちなみに今の魔力量は――、
* 【238】 *
気づけばそれは、白髪の少女から補充してもらった分の、約十倍以上の量まで増えており――【+22】という魔力変動で、その苦しみにわめき散らした記憶が、森谷の不安を煽っていく。
その【数字】が、どのように彼へ影響するのか。
彼自身にも――わかっていないのである。
まるで、返済方法のわからない借金でもしてるような気分だ――と、森谷は大きく溜息をついた。
と、そこへ、
* 【238】――【258】 *
「……!?」
魔力変動の感覚。
それはつまり――となりの部屋で、ファーシルかヴェルゼのどちらかが、『魔力タンク』に向けて、おならをしたということに他ならない。
「ああ……、どうしよう……」
森谷の額から、汗が流れる。
「と……、とにかく、寝よう……」
森谷は汚れひとつない真っ白な靴を脱ぐと、重たい身体を引きずるようにして、布団の中へ身を滑らせた。
眠ることでしか、これ以上の不安は解消されない――と、彼は考えたのである。
なぜなら、森谷が臭いを【先送り】にしたのは――夢の中だったからだ。
それならば――誰に知られることなく臭いを受けることができる。
と――あの時の彼はそう思い、力を使ったのだった。
つまり、森谷が眠った瞬間に――それは、始まるのである。
しかし荒れた気分で睡眠など、とれるはずもなく――。
数十分後。
部屋のランプの消し方がわからず、まだ明るいままの部屋の中。
* 【258】――【286】 *
魔力の変動が、さらに追い込んでくる。
「やばいやばいやばいやばい……」
森谷は脳みそを空っぽにしながら声を漏らす。
と、そんな彼へ、
「――ん? なんだ……」
これ――と言い切る前に、森谷は理解した。
【なにかつかえそう】と、浮かび上がってきた感覚は――ある【力】へと変わっていく。
その感覚に、
「ほんと……、便利な力だぜ……」
融通は利かないけどな――と、森谷はこぼし、自分の中の魔力に、意識を向けた。
そして、
* 【286】――【278】 *
彼は――【強制睡眠】の力を、自分へと発動させたのだった――。
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