艶夜に、ほのめく。

篠原愛紀

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四夜、現実はあふれんばかりに攻め込んでくる。

四夜、現実はあふれんばかりに攻め込んでくる。七

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 聞いているこっちが寒くなりそうだったので、聞かないことにした。
 今日は私がソファに寝ようかと思ったけど、泉さんがいないなら泉さんのベッドで遊馬さんが寝た方がいいのかな?


「泉さんって、今連絡しても繋がらない?」
「ん。多分。どして?」
「泉さんの部屋が空いてるなら、熱あるしベッド貸してくれないか聞こうと思って。ベッドで寝ればいいかなって。明日は?」
「俺も用事があるし休み貰ってる。兄貴の部屋は俺は入らないよ。寝るなら美琴のベッド貸してよ」
「美琴さんって呼びなさい」

 私だってえっちする時ぐらいしか泉さんの部屋入らないのに。
 って結婚しても寝室は別なのかな?

「別に兄貴の部屋なんて仕事の道具以外ないだろ。美琴が寝ればいいじゃん」
「……本人に聞かないなら失礼でしょ。今日は私がソファに寝るよ」


 連絡がつかない婚約相手。
 理由も告げずに帰宅しない結婚相手。
 私たちには超えてはいけない線があり、相手を知るには距離が遠すぎる。

 この距離からなら輪郭しかみえない。
 着飾る必要も、偽る必要もない。

 心を触れない距離。
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