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三、過去と未来と嘘つきな、
三、過去と未来と嘘つきな、⑤
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「?」
お義母さんは意味深な言葉を言うが顔はこちらを見なかった。
それがわざとらしくて。私は首を傾げる。
「いつか、ね。だって貴方達、生まれた時からずっと一緒にいるんだもの」
貴方達?
ずっと一緒?
そんな言葉を拾い集めたら、思い浮かぶのは私と晴哉と――。
お義母さんは、私が気付いていないと笑う。
でも、私もそこまで馬鹿じゃないわ。
言葉をくれないなら、私は気付かない。気づいてはいけない。
このままでいいの。
このまま、太陽という後ろ盾が無くなった月を見上げるの。
後ろから光をくれてい太陽がいなくなったら、――居なくなっても。
月は夜空でほんのりと浮かび上がるのかしら。
月の表面が冷たいのかなんて気にならない。
月は、太陽が必要なくても本当は輝けたのかもしれない。
そう思うと、私の体温が低下していくの。
お義母さんは意味深な言葉を言うが顔はこちらを見なかった。
それがわざとらしくて。私は首を傾げる。
「いつか、ね。だって貴方達、生まれた時からずっと一緒にいるんだもの」
貴方達?
ずっと一緒?
そんな言葉を拾い集めたら、思い浮かぶのは私と晴哉と――。
お義母さんは、私が気付いていないと笑う。
でも、私もそこまで馬鹿じゃないわ。
言葉をくれないなら、私は気付かない。気づいてはいけない。
このままでいいの。
このまま、太陽という後ろ盾が無くなった月を見上げるの。
後ろから光をくれてい太陽がいなくなったら、――居なくなっても。
月は夜空でほんのりと浮かび上がるのかしら。
月の表面が冷たいのかなんて気にならない。
月は、太陽が必要なくても本当は輝けたのかもしれない。
そう思うと、私の体温が低下していくの。
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