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買われ(飼われ?)ました。
しおりを挟む「ちょっ?! 待って、なにしてっ?!」
「洗ってやってんだよ。汗とローションでベタベタじゃねぇか。おら、脚開け」
きゃあきゃあ嫌がる風月が面白く、豪はわざと淫猥に指先を滑らせた。背後から抱え込み、少年の身体全体にシャンプーを泡立てる。
頭から首筋、脇腹や胸。がしがし洗うふりをして、敏感な部分を、つ……と指の腹で撫でた。
「ひゃっ? やだっ! やだってーっ!」
「ああん? なにがだ? ここか? 随分硬くしてっけどぉ?」
後ろから回された手にぬちぬちと乳首を捏ねられて風月は顔を赤らめる。散々虐め抜かれた肉粒は可哀想なくらい熟れ、摘む豪の指の間で痛いほど勃ちあがっていた。
乳輪ごと扱かれ、なんとも言えない熱さが、ぞわぞわと風月の中心に溜まっていく。
それにほくそ笑み、くっと喉の奥で嗤う豪
「カチカチじゃねぇか。ん? 悪いことは覚えんの早えなあ? ああ?」
するりと腕を下げて、豪は少年の半勃ちな御立派様を撫でてやった。
「ひぐぅっ! う……っ! ううぅぅっ!」
「キレイキレイしようなぁ? ここの中も洗ってやろうかぁ? 玩具でさあ?」
片手でおおえる慎ましやかな一物を握り込み、豪は親指先を立て、抉じ開けるように鈴口を撫で回す。ぬるぬる滑る指に刺激され、風月の口が熱い吐息を震わせた。
……面白えぇー。楽しいな、コレ。
無垢な子供を己の言いなりに躾ける愉悦。雄の支配欲。完全に平伏すまで、徹底的に踏みにじりたい獰猛な劣情。
こういった欲は、誰でも少なからず持ってはいる。……が、豪のソレは底なしだった。
ひとしきり少年を嬲って泣かせ、綺麗に隅々まで洗ってやると、豪は風月をタオルで簀巻きにして再び椅子に座らせた。
「……ふぇぇ、ぅえっ、ごめ……っ、な…さいぃぃ」
風呂から出ても泣きっぱなしな風月の頬を撫で、豪は真摯な眼で少年を見つめる。
「俺ぁな? 真っ当にお前の面倒を見てきた。このまま、家に置いてやっても良いと思っている。なんならウチに就職させて仕事を叩き込んでやろうともな?」
そう。卓越した家事能力を披露し、心地好い家を仕切ってくれる風月を可愛く思い始めていた豪。
学校に通わせ、三者面談に顔を出し、風月の将来を共に考えたりしていれば情だって湧く。毎日、にこにこ笑って美味しい御飯を作ったり掃除をしたり。少年の存在は豪の中で日に日に大きくなっていた。
『だからあっ! ピーマン避けんなっ! 大人だろーっ!』
『パプリカで良い。ピーマンなんか買うな、俺の金だ』
こんなくだらない言い争いが楽しい。すっかり慣れた風月も、豪に言いたい放題でお互いに気のおけない仲になった。
……そのつもりだったのに。
「……こんなさあ? お前が身を切り売りするようなことをさあ? なんで黙ってた? なあ?」
可愛さ余って憎さ百倍とは、よく言ったものだ。まさに、その通りだと実感する。
豪は、自身を軽んじた少年が憎くて仕方がない。八つ裂きにしてやりたいくらい、自分でも驚くほどの怒りが体内を逆流していく。
自殺は本人のよる殺人だと言ったのは誰だったか。被害者でもあり加害者でもあると。それに倣えば、風月は豪の大切な少年に春をひさがせようとした加害者だ。憎んで当たり前だった。
散々弄ばれ、息も絶え絶えな風月。イかされ過ぎて、熱の鎮まらない身体が、今もビクビク痙攣している。
「……これからは許さないぞ? なんでも俺に相談しろ。なんとかしてやるから。良いな?」
優しく髪を掻き混ぜる指に胸が一杯になり、風月はコクコク必死に頷いた。
悪いことをした。馬鹿なことをやった。考えなしだった。叔父に唆されたとはいえ、こんな無体に耐えられたとは思えない。浅はか過ぎたと自戒で押し潰されそうな少年。
「ごめ…っ、ごめんなさいっ、ふぐ……っ! うえぇえん、僕が馬鹿でしたぁぁ…… …ぁあっ」
風月は心から反省して泣きじゃくる。
それを仕方なさげに見つめ、豪は風月を許した。
「誰だって間違いはあるもんだ。でもな? その間違いの中には、取り返しのつかないモノもあるんだよ。万一、薬なんかを使われて抜けられない泥沼に引き込まれたらどうする? 今どきの日本では有り得ない話じゃないんだぞ? お前がそんなんなって遺骨を守ったとして、死んだ両親は喜ぶと思うか? お前がボロ雑巾みたいになって守ったと知ったら、二人は草葉の陰で泣くに泣けんぞ? たぶん」
豪の的確な指摘に、風月は頭をぶん殴られた気分になる。
……その通りだった。止めてもらえて良かった。本当に……。
風月の愕然とした顔を見て、豪は少年が自分の言葉を理解してくれただろうと胸を撫で下ろした。
そして簀巻きにしたタオルごと抱きしめ、入れ替わりに椅子に座って、持ち上げた風月を膝にのせる。
ほんのり香るシャンプーの匂い。
何も起きなくて良かったと、豪こそがようやく安心した。そんな彼の安堵を感じたのだろう。風月は申し訳なくて顔をあげられないようだ。
大切にされている。そう思って、ちょっと擽ったくなった少年の耳に、あっけらかんとした豪の声が聞こえた。
「そんなに金が欲しいなら俺が買ってやるから。まあ、そういうことには慣れてるし。良いことも悪いことも、きっちり教えてやるよ、毎週末の夜にな」
………は?
思わず反射的に上がった風月の眼に映ったのは、卑らしく口角を歪めた豪。
……結局は身体かっ! 売れるのは良いけど、大切にされてると少し感動したのにっ! 僕の純情を返せっ!!
憤慨も顕な顔で、口を開こうとした少年の口元に指を当て、豪は舐めるように甘やかな声で囁いた。
「毎週末、一晩五万、月二十万ちょい。年にしたら二百万以上だ。お前が高校を卒業する頃には借金終わってんぜ? ん? どうよ」
「あ………」
してやったりな顔で微笑みかける豪。
「俺も甘いよなぁ~? ああ……、ほんと」
信じられない幸運。風月は筆舌に尽くしがたい何かで胸が一杯になり、言葉も出て来ない。
そんな少年の健気な姿に眼を細める豪。
借金をチャラにするのは簡単だ。しかし、それを風月はよしとすまい。ここに置いて世話をしてやった恩もある。きっと働ける年齢になったら身を粉にして働き、返そうとするだろうことは目に見えていた。
それこそ、昼夜問わずに働いて。
これまでの真面目な少年の姿が物語っている。今だって、葛藤しているのが見え見えだ。歓喜と困惑。それを縁取る強固な罪悪感。
対価として身柄を要求しておらねば、豪から施しを受けることを風月は即拒絶したはずだ。
しかも額面通りにしか分かっておるまい。獲物を屈伏させ支配したがる男の劣情など、微塵も想像もしていないだろう。
……ほんと、可愛いねぇ。買われるの意味を、まだ理解しちゃいねぇんだろうなぁ。三年もあれば、みっちり躾けられるぜ。……俺なしでいられない雌犬にな。
枯れたと思っていた豪の情欲。それを引きずり出した風月に彼は興味津々だった。
……俺もセフレの一人くらいいて良いしな。いつもなら商売女で済ませてるコトだし。それに払う金を思えば、専属で好みに育てられるコイツはめっけ物だ。
誰にも触れられていない新雪を踏み荒らし、好きな色に染められる。ある意味、男の夢だろう。
悪い大人の欲望に呑み込まれたとも知らず、初心な仔犬のセフレ教育が始まった。
そして、セフレにと思って抱き込んだ少年に、逆に骨抜きにされるとは思いもしない悪い男。
「遅えっ!! 何時だと思ってやがるんだっ!!」
「……まだ六時だけど? お腹空いたの? イラついてるね?」
「…………っっ! ああ、減ってるわっ!! 来いっ! 骨までしゃぶってやるっ!!」
「えっ? ちょっ?!」
けたたましい音をたてて寝室に引きずり込まれ、もはや週末も関係なしに抱き潰される明るい未来が待ち受けているなど、この時の二人は予想もしていない。
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