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囚われた睦月
しおりを挟む「待って、待って、賢ーっ!」
「待たない」
賢は波々と吸い上げたグリセリンを睦月に呑ませる。
ゆっくりと呑み込ませられるグリセリンが睦月の腸に染み入り、じわじわと腸壁を掻きむしり始めた。
「ふぁっっ! んっ、んんんっ!!」
苦し気な睦月。
だが先程の嬌態から、賢はある事に気づいていた。
「睦月さぁ。初めてじゃないよね?」
びくっと叔父の細い肩が震える。
よくよく考えて見れば、賢が幼い頃から、浴室を使う時以外、睦月が肌をさらす事はなかった。
隠していた訳ではないのだろうが、通常の調教でも、彼は服をはだける程度。
たぶん、無意識。
濡れる状態にならない限り、睦月は肌さらすのを厭うていた。
そして今、確信する。
五百CCものグリセリンなど、素人ならば即決壊する量だ。なのに睦月は苦しそうではあるが耐えていた。
「さっきね。俺の童貞を睦月に貰ってもらったんだよね」
睦月は、ぎょっと眼を見張る。酷く軋むお腹をかかえても余裕のようだ。その姿が賢の雄を煽る。
誰かが睦月をこのように仕込んだ。いったい誰が?
賢の腹の奥で、唸りを上げる嫉妬の焔。
それを顔に出さず、嘲笑うかのように賢は睦月を見下ろした。
「聡子の初花もね。サンクス、睦月」
せせら笑うみたいな賢の囁き。それを耳にして、弾かれたかのように己の股間を凝視した睦月は、一物に薄く絡む鮮明な朱色に眼を震わせた。
しかも、ドロリと絡み付く見慣れた白濁液。
「おま.....っ、え? まさか、俺、聡子に中出しした?」
愕然とした顔で現実を理解する睦月。
その絶望的な顔が堪らない。賢はゾクゾクする背筋に反応し、再び一物が頭をもたげる。
「たっぷりとね。でも、まあ、安心して? あいつ生理きたばかりだし、ピルも飲んでるから」
ニタリとほくそ笑む賢。
それにぞっと全身を凍りつかせ、睦月は意味が分からない。
何故か賢が怒っている。それも半端なく激怒している。
どうして?
その睦月の疑問への答えを、すぐに賢が口にした。
「睦月、男性経験あったんだね。ちょいとほぐしたらすぐにトロトロになったよ?」
賢は睦月を見下ろして、炯眼をすがめる。
そして先程のつけたピンチを軽く弾いた。
「.....つっっ!」
「これも慣れてそうだし? エネマもイケてるし? そういう経験豊富そうだよね?」
睦月の肢体がカタカタと小刻みに震えだす。
屈強な男らに嬲りものにされた過去が、ふっと睦月の脳裏を掠めた。
今の賢と彼らが被る。
「ねぇ? はるかって奴? 睦月の身体を、こんなに深く暴いたのは。俺、怒ってるんだけど? 俺とやった後に、そいつの名前呼ばれてさあっ!!」
そう言うと、賢はバリバリ音をたてる睦月の腹を力任せに掴んだ。
「ーーーぅうあああっっ!!」
喉を仰け反らせて絶叫する睦月。それを無視して賢はさらに苦しめるために睦月の脚の間へ身体を滑り込ませる。
そして猛り狂う己の陽根を睦月の窄みにあてがった。
「待って、賢っっ!」
荒い息の下で涙眼な睦月。その儚い弱々しい顔に劣情を逆撫でられ、残酷に賢は口角をまくりあげた。
「待たない」
ずっ.....っと捩じ込まれる賢の火柱。坩堝と化した体内を必死に堪えていた蕾。それを容赦なく抉じ開けられ、睦月は声ない悲鳴をあげた。
「ーーーーーーーーーっっ!」
はくはくと戦慄く睦月の唇。賢は舌なめずりしながら、睦月の中に、根本までずっぷりと己を呑み込ませた。
「くっぁぁあっ、悦いぃっ、睦月の中、最高っ!!」
出したいモノを押し込め、無理やり貫く賢の一物。それに激しく抵抗する睦月の肉壁が堪らない。
「ぁ.....っ、ひっ、ぁっ」
微かな嗚咽が睦月の唇からまろびる。そのか弱い動きがまた、賢の情欲を煽りまくった。
「答えて? はるかって誰?」
「いっ..... 従姉妹っ、だっ」
ポロポロ涙を溢して、浮かされたように答える睦月。
彼は再び悪夢に囚われかかりながらも、必死に意識を繋ぎ止めていた。
「そいつに何されたの? こうして串刺しにされて、ひぃひぃ佳がってたわけ?」
「レイ.....プされ.....っ、ひあっ?!」
耳にした単語に、賢の一物が爆発寸前まで膨れ上がる。
己を圧迫する凶器の凄まじさで睦月が悲鳴をあげた。
ふるふると痙攣する獲物を信じられない眼差しで見つめ、賢は憮然と呟く。
「レイプだって?」
コクコク必死に頷く睦月。
追い詰め過ぎたのだろう。この乱れようではまともに話も出来まい。
涙にまみれて虚ろな眼差しの睦月からベルトを外し、賢は貫いたまま抱き上げて、トイレの便座に座らせた。
「抜くよ」
朦朧とした睦月から反応はない。
酷い罪悪感に苛まれ、賢は睦月の後始末を終えると、そのまま睦月をベッドに寝かせた。
そして抱き締めて頭を撫でる。
こんなに細くて柔らかい人だったなんて知らなかった。
レイプか.....
その事実が賢を打ちのめす。本人にはどうしようもなかったであろう事に嫉妬し、被害者な睦月を無理やり追い詰めてしまった。
酷く憔悴し、青白い顔の叔父を見て、賢の胸は張り裂けんばかりに痛む。
「ごめん、睦月」
後悔の残滓にまみれて、賢は睦月の頭を抱き締め、彼が起きるまで優しく撫で続けた。
「正直、口にも出したくないんだけど..... 知らないとお前、暴走しそうだから」
しばらくして意識を取り戻した睦月は、ぐったりとベッドに沈み込み、恨みがましい眼で賢を見つめた。
「うん、暴走するね。レイプって聞いてキレかけたし」
睦月の頭を抱え、キスの雨を降らせながらキッパリ断言する中学生様。
はあっと大仰な溜め息をつき、睦月は遥にされた事をポツポツと話し出した。
バイブでのレイプや売りの時にされた嗜虐。賢にした事以上を容赦なく叩き込まれた事。
「フィストファックとか、一物に針とかね。だから、まあ、大抵の事には動じないかも」
期間は数ヶ月なれど性奴隷のように散々嬲られた濃い期間だった。
ぶっちゃけ遥はキチガイだったと思う。
彼女の手を無理やり捩じ込まれた時は、死を覚悟した睦月だ。
「こう、手首の上まで入れてきてさ。内側からまさぐられるおぞましさは筆舌に尽くしがたかったよ」
意思をもって蠢く何かが腹の中を這い回る。
今思い出しても冷や汗が出る激痛とおぞましさだった。
あれで心折れなかった自分を誉めてやりたい睦月である。
「も、いい」
「賢?」
睦月を撫でていた賢の指が震えていた。
そしてぐぐっと拳を握ったかと思うと、昏く地を這うような声で呟いた。
「.....殺す。そいつ見つけて、死にたくなるような目に合わせてから五寸刻みにして、ぶっ殺す.....っ!!」
深い陰を落とした賢の顔に、ギラギラと輝く獰猛な眼。その鋭角に上がった口の端が、ピクピクしてるのが倍怖い。
「まっ、賢? 昔の話だからねっ? ねっ?」
「はっ?! そんなん関係あるかっ!! 俺の睦月にやらかしてくれたんだぞっ?! 絶対に殺すっ!!」
激昂した賢を抱き締めて、睦月は死に物狂いで止める。
コイツ、本当に殺りかねんっ!!
「大丈夫だからっ! こうして話せるのも賢のおかげだからっ!!」
睦月の言葉に、暴れていた賢がピタリと止まった。
「俺の.....?」
「そうだよ。覚えてない? 前に小さいころ街の大型スーパーへ行った時さ。お前が撃退した女がいただろう? あれが遥だ」
「あいつかっ!!」
「ふふっ、お前に、変態ババアって言われた時の遥の顔。今思い出しても笑えるよ」
本当に何でもない事のように語る睦月。
それに毒気を抜かれ、賢はベッドに座り直した。
「憎くないの? 睦月をめちゃくちゃにした奴でしょ?」
「憎くないかとか、もうどうでも良いんだよ。アレのことなんか思い出しもしないし。こうやって聞かれなければ、すっかり忘れていたよ」
「忘れてないでしょ? さっき名前呼んでたじゃん」
「あれは.....」
どう言ったものか。
「シチュがね。うん」
口ごもりながらも睦月は説明した。たぶんだけどと。
睦月が覚えてるのは、賢に拘束されたところまで。そこからは遥の悪夢に囚われていた。
拘束され、服をはだけられ、女の手が迫る。そこからスイッチが入ったかのように悪夢に沼った。
「だから、似たようなシチュが鬼門なんだと思う。普段は思い出しもしない。これ本当。お前が記憶を上書きしたみたいで」
「なら、それも上書きしようぜ」
「はい?」
きょんっと呆ける睦月に微笑み、賢はサムズアップする。
「まかせろっ! 俺らが、そっちも上書きしてやるっ!!」
「俺.....ら?」
物凄く良い笑顔の賢に抗えず、後日、睦月は兄妹に悶絶させられるはめになる。
「叔父さん、気持ち良い?」
睦月の一物にねっとり舌を這わせ、聡子は執拗に聞いてくる。
「ひっ、.....ぁあ、聡子。気持ち悦ぃ、よっ」
あれから記憶の上書きと称して、賢&聡子の調教に翻弄される睦月。
事情を聡子にも暴露され、睦月は涙目な姪っ子に詰め寄られた。
「アタシは睦月に酷いことなんかしないよっ?! そんな女、忘れさせてあげるっ!!」
その凄まじい剣幕。賢の言うリハビリとやらに難色を示していた睦月も頷くほかはない。
こうして二人による、リハビリと言う名の睦月調教が始まったのだ。
いつもの椅子に拘束され、二人から丁寧に愛されて、泣きを入れつつも受け入れる睦月。
未だに女の手というシチュに、彼は身体が怯えすくんだ。
カタカタ震える睦月にキスの雨を降らせながら、優しく撫でる賢。
「聡子だよ、睦月。可愛いだろ? 優しくしてくれるよ?」
拘束されるだけで固まる睦月を辛抱強く宥め、意識が混濁しないよう、賢がずっと話しかけてくれる。
今では何とか正気を保ちながら、聡子の愛撫を受け入れられるように睦月はなった。
そして別の問題が発生する。
睦月の弱いところを知る賢仕込みだ。聡子のフェラチオはべらぼうに上手い。さすがの睦月も、娘同然な少女の口淫で喘ぎ極まる事が恥ずかしかった。
どこで覚えたの、聡子ぉぉっ、こんな事っっ!
限界が迫り、蕩ける喘ぎに眉を寄せ、睦月は慌てて聡子を止める。
「ぁ.....、聡子、ダメだっ、離れて?」
「大丈夫? まだ怖い?」
「大丈夫、少し休めば落ち着くから」
力無く笑う睦月に含むモノを感じた賢が、悪い笑みを浮かべて睦月の唇に指を突っ込んだ。
「賢? ふっ.....んっ」
「聡子、続けろ」
「んんっ? んーっ」
賢の指が睦月の舌を掴んで嬲り、拒絶の言葉を封じる。
「睦月、イキそうになったんでしょ? 逃げんなよ、アレは聡子だ。おまえをレイプした淫乱じゃない」
びくっと睦月の身体が跳ねる。
恥ずかしいとかは、ただの言い訳だ。このシチュで極まるのが怖い睦月の怖じけを、賢は的確に見抜いていた。
未だに遥の恐怖は睦月の心に深く穿たれている。
「そういう事かぁ、サービスしちゃうよ♪」
恐ろしい事を口にする小学生様。
怖じけて震える睦月を押さえ込み、賢は口づけた。
「逃げんな、大丈夫だ。俺らが守るから。絶対に。睦月は俺らのモノだ。他の誰にも触らせない」
ぬちゅぬちゅと睦月の口内全てを犯し、賢は睦月の舌が痺れるほど吸い上げた。
聡子は睦月を極まらせるべく、喉の奥まで、その猛りを呑み込んでいる。
イラマチオとかっ! 誰に教わったんだ、聡子ぉぉっ!!
姪の口淫に翻弄され、睦月は眼の奥に火花が散った。
「ん.....ぅっ、んっ、んんんんーーーっっ!!」
ビクンビクンっ身体を大きく跳ねさせて、彼は聡子の口の中で爆発する。
「イケたな、睦月っ! えらいぞ、良く出来たなっ!!」
満面の笑みで睦月をチョコラータ撫でする賢。
その横で満足げに睦月の精を飲み干す聡子。
げんなりと荒い呼吸で胸を上下させる睦月は、賢の称賛を訝しげに思い浮かべた。
いつか何処かで聞いたような?
そして失笑する。
ああ、賢に自分が言っていた言葉だ。いつの間に、こんなに大きくなったのか。
心地好い疲労感にウトウトする睦月は、そのまま睡魔に身を任せた。
疲れはてて眠る叔父を賢と聡子が抱き締める。
トラウマ克服は生易しくない。それでも、この愛しい人には幸せであって欲しい。
微笑み合う兄妹は、睦月のためならなんでもやる。
長々と二人からリハビリと称した調教を受け、しだいに睦月の記憶は上書きされていった。
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