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お題 フィストファック 〜後編〜
しおりを挟む「了解。壊すぞ、千鶴」
毅は恐る恐る下ろしていた千鶴のロープを容赦なく緩めていく。
みちっと指が締まり、ずくずく柔肉の中へ毅の手が呑み込まれていった。
自身の体重で穿たれる毅の手。ぬちぬち拡がる肉や骨の激痛が千鶴の全身貫いていく。
「ひぎいっ!! が.....っ! あああーーーーーーーっっ!!」
……入ってくれっ! 頼むっ!!
祈るように固く眼をつぶり、毅は千鶴の苦痛が早く終わることを願った。
顔を仰け反らせて絶叫する千鶴。それが途切れた瞬間、がぽっと毅の手が千鶴の中に呑み込まれる。
一斉に息を呑む観客達。
冷や汗を浮かべた毅が獰猛に口角を歪め、大きくサムズアップした。
《お題、完遂ぃぃぃーーーーっっ!! 有り得ませんっっ!! 調教を始めたばかりの奴隷と雌犬ですよっ?! まさかのフィストファックっ!! お見事ですっ!! 皆様、奇跡の奴隷と雌犬に拍手ーーーーっっ!!》
途端、絶叫にも近い雄叫びが観客席から上がった。それを掻き消すかのような怒濤の拍手も。
ピューピューと吹き鳴らされる口笛も鳴りやまず、いつまでも毅らの上に降り注いでいた。
一番大きな部分を呑み込めたとは言え、毅の手首も結構な太さである。ピクピクと痙攣する千鶴から、慌てて手を抜こうとして、ふと毅の好奇心が頭をもたげた。
そして、ぬちゅっと最奥のポルチオを指で揉む。
ぬちぬちと中を掻き回して蠢く毅の手に、千鶴が悲痛な悲鳴を上げるが、お構いなしに毅は掴めるだけの奥を掴み、指の間で刺激した。
「ひうぅ! ひぐっ! ぎぃぃ.....っ、.....ぃぃっ?」
最初は激痛に身悶えていた千鶴だが、その呻き声が少しずつ熱く蕩けてくる。
その反応にホッとして、中指と人差し指を突き出すように拳を作り、毅は千鶴の中を突き上げた。
一物では与えられない硬質な突き上げ。グリグリとポルチオを弄りまくり、入り口近くまで下げては最奥を穿たれ、中で動く拳に千鶴は凄まじい愉悦を覚える。
「ひあっ?! ひぐぐぅっ! ひっ?! ああぁぁんっ!!」
ギリギリ裂けはしなかったみたいだが、未だに酷い激痛が千鶴を悶絶させた。だが、それを上回る愉悦の波に彼女は恍惚と溺れる。
「せっかく二度とないチャンスかもしれない。やれる事はやっておくぜ、千鶴! ホントに壊すかもしれんがなっ!!」
ギラギラと輝く毅の瞳。興奮して上ずる声が舐めるかのように千鶴の鼓膜を刺激した。
うっとりと夢中で中を責める毅に胸を打ち抜かれ、千鶴の得る愉悦が凄絶に高まっていく。
……股間の痛みより、胸の痛みで死にそうぅぅーーーっっ! 毅様、可愛いすぎるわーーーっっ!!
それに触発され、奥を抉る毅の拳にも追い詰められ、千鶴の子宮が爆発した。
佳がり狂う雌犬がイッたのを見て、大興奮な観客達。
《これまた、なんともはやーーーっっ、この状態でイカせますかっ、毅氏ーーーっっ?! 貴方、実は鬼なんじゃないですかぁぁーーーっっ!!》
ブギーマンの揶揄など耳にも入らない。
ヌルヌルと温かく滑ってきた柔肉に毅は夢中である。女の子特有の律動が、直に触る毅の手に伝わってきた。
「イッた? イッたのか?! 俺の手でっ?! すげぇよ、お前ぇぇっっ!! すっげぇ嬉しいっっ!! なあっ? 気持ち悦いかっ? なあっっ?」
子供のように無邪気な眼で再び奥を弄る毅。
……もっ..... 悶え死ぬ.....っ! 私の御主人様、可愛いがすぎるわーーーっっ!!
身体を割るような痛みにも慣れ、千鶴は毅の望むままに喘ぎ、高まり、果て続けた。感動に満ち溢れた少年の笑顔が尊すぎて直視出来ない彼女。
《完璧なフィストファァァーーーック!! 初のフィストファックでイク奴隷も初見ですが、佳がり狂わせる調教奴隷も初見ですよ、わたくしぃぃーーーーっっ!! もう、天性の調教師としか思えませんねっ!!》
どっと沸く観客達。
そこで毅はようやく正気に返り、そっと千鶴から腕を引き抜くと、優しくロープを下ろして拘束を解いた。
「ああああ、もうっ! すっげぇ素敵だったよ、千鶴っっ!! 俺、ギンギンでアレが痛えぇぇっ!」
言われて毅の股に視線を振った千鶴は、猛り狂い、ピクピクと雫を溢す彼の一物に眼を見張る。
うっとりと瞳を蕩けさせて千鶴を見つめる毅。その蕩け具合が半端ない。
未だ興奮覚めやらず、夢心地で千鶴を抱きしめ、頭を撫でまくる彼に、千鶴の胸がキュンキュンと疼いた。
そんな温かで甘い一時を余所に、再びブギーマンの声が聞こえる。
《さーてぇとぉ。見事な調教を披露して下さった毅氏以外は完遂者ゼロぉぉっ!! お題失敗と見なし、全員所持金没収&奴隷落ち決定ーーーーっっ!!》
「なっ?!」
一瞬で頭の冷えた毅が、大きく叫んだ。
「どういう事だ、ブギーマンっ!!」
《んふ~~? 覚えてませんか? 毅氏ぃ? 以前、貴方が棄権を申し出た時、わたくしの言った言葉を~~♪》
「え?」
あの時、ブギーマンは何と言った?
『所持金全額没収で良ければ棄権を認めましょう』
「あ..........っ!」
《そういう事で~~す♪ お題をしない、あるいは出来なかった場合、所持金全額没収なのですよ~~♪ そして今日は裁定の日ですっ!! 毅氏以外は全員所持金ゼロっ!! 同率最下位! 全員奴隷落ちでーーーすっっ!!》
愕然とする参加者達。
わあああぁぁっっと歓声をあげる視聴者達。
そこで、はっと毅はある事に気づいた。
「ブギーマンっ!! 賭け金はっっ?!」
画面に映るブギーマンの顔から、すんっと表情が消える。
「賭け金はゲームの後に配布されてたよなっ!! ってことは、お題完遂出来なくて所持金を没収されても、その後に配られる賭け金は残るはずだっ!! 所持金じゃないんだからっ!!」
《ああああっ、もうぅぅーーーーっっ!! 何でそんなに敏いんですかっ、君はぁぁぁっっ!!》
忌々しげに顔を歪め、ブギーマンは賭けの配当を改めて分配した。
結果、半数のペアが生き残る。片方が所持金ゼロでも、パートナーが持っていれば最下位ではなくなるのだ。
運の悪いことに、今回は当てた奴隷が少なかったようである。五組のペアが奴隷落ちとなった。
「.....ブギーマン、お前、何で黙っていたんだ? あ?」
獰猛に眼をすがめる毅に、しれっと手を振るブギーマン。
《聞かれなかったから答えなかっただけですよ? 嘘をついたわけでも、騙していたわけでもありませ~~ん♪》
どっと笑いだす観客達。
コイツら..........っ!!
頭が沸騰し、悪態をつこうと毅が口を開いた瞬間。
『リクエスト、十本』
地を穿つような低い声が聞こえた。
今回はお題がお題だ。さすがに千鶴に無理はさせられない。
断ると言おうとした毅の耳に信じられない言葉が聞こえる。
『わたしから毅氏に祝福のキスを。あのブギーマンを唸らせるとは。久々に愉しいモノを見せてもらったよ。ありがとう』
そう言い、画面の男性らしき人物の影が、ちゅっと毅にキスを投げて寄越した。
それを境にリクエストの嵐が乱舞し、無数の画面から毅にキスが送られる。
唖然としている内にショーが終わりそうになり、慌てて毅が叫んだ。
肝心な事が残っている。
「待った、ブギーマンっ!! 売買だっ!! 雌犬全部っ!! 一人一千万でっ!!」
《君は~~っ! 最後の最後までーーーーっ!! 雌犬の皆様っ!! お答えはっ?!》
当然、全員YES。売買成立。
観客らの大爆笑を残し、舞台は暗転した。
毅は安堵の溜め息をつくと、千鶴を抱き上げて部屋に戻っていく。
毅の胸に抱かれながら、この時間がずっと続けば良いのにと、こっそりすり寄る千鶴だった。
後日、増えた雌犬らの調教に奔走する自分を、今の千鶴は知らない。
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