旦那様は獣 〜比喩でなく〜

一 千之助

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 運命との遭遇

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「君を身受けしたい」

 惚ける兎獣人。
 
 唖然とする周りの人々。

 元々、教会から押し付けられた首輪なしだ。娼館主も快く譲ってくれ、熊獣人は兎獣人を片腕に載せて我が家へと連れて行った。そしてプロポーズ。



「君の名前は?」

「アントンです」

「可愛い名前だ。私はウォーバル、見てのとおり熊系でね。良い番に巡り会えなかった。兄弟らも同じだ」

 居間に座るアントンとウォーバルの周りで佇む別の熊獣人。その二人は少し遠い位置からウォーバルらを窺っていた。
 ウォーバルの毛並みが黒なのに対し、他の二人は鈍色と鳶色。気の合う三人だ。ラルフ達同様、その相性も似ている。
 しかし、あまりに小さなアントンを見て、他の二人は困惑げに顔を見合わせた。

「俺はジャッキーという……が、その…… 本当に、この子が番になれるのか?」

「私はリグルドです。……うん。怖いね。壊してしまいそうだ。私の治癒で治せるとはいえ、なるべくなら、もっと大きい獣人のが良くない? バル」

 おずおず問いかける二人に眼を細め、ウォーバルはアントンの服を脱がせた。手際よく真っ裸にされ、慌てる暇もなしに、少年はウォーバルの足を跨いで抱えあげられる。

「見てろよ? なあ? アントン。これを覚えてくれているか?」

 寛げたウォーバルの股間にそそり勃つ御立派様。それの先端をアントンの蕾に押し付け、ウォーバルは何度も先走りを塗った。
 すると条件反射のごとく最奥でスライムが暴れ、その激しい律動に小さな悲鳴をあげつつ、アントンが背を撓らせる。少年の細い背中を支えながら、ウォーバルの太い指が、滴り始めた粘液を丁寧に蕾へ塗り込んでいった。
 ぬちゅ……っと淫らな音が室内に響き、ジャッキーらの顔色が変わる。劣情を帯びた獰猛な顔に。

「……やめろ、バル。止まらなくなるぞ」

「さすがに、こんな小さな子には…… 使い捨ての玩具を娼館から買ってきたら良いじゃないですか」

 ぬちぬちと根本まで指を埋めて中を掻き回しながら、可愛い悲鳴を引き出そうとするウォーバル。その蕩けた眼差しを見て、ジャッキーらは言葉を失った。
 
「あっ! あひっ、ひっ……っ!」

「悦いか? 君、悦んでいたもんなあ? ここに私のを咥えて…… 奥まで突き上げるたびにイってたなあ」

「は……?」

「え? まさか、そんな……」

 蕩けた顔で夢心地なウォーバル。彼は丁寧にアントンの蕾を解すと己のモノの上に充てがい、一気に落とし込んだ。
 ぐぶっと大きな音をたて、黒光りしていたウォーバルの先端がアントンの中に消える。それを何度も往復させて、彼はうっとり呟いた。

「あああ、これだ……。ねっとり絡みつく狭い肉孔……。君の初めてを得られなかったのは残念だが、他の男達の手垢など微塵も残さず消してあげるよ」

「あーっ!! ぁ……っ、ぁ…うう、ひぃぃーっ!!」

 ぐるりと掻き回しながら抜かれ、すぐにまた捩じ込まれ、アントンは悲鳴をあげる。凶悪に反り返ったエラが柔らかな孔を内に外にと巻き込み、徐々に解していった。
 そのねちっこい悪戯を目にして、ジャッキーとリグルドは限界まで眼を見張る。

「入……るのか? 俺達のがっ?」

「……入ってますね。ええええーっ?!」

 思わず駆け寄り、二人はウォーバルとアントンの結合部を凝視した。メリメリ薄く伸び切った孔。それでもアントンのお尻は、ウォーバルの極悪な一物を健気に呑み込んでいる。

「……な? 夢みたいだろ? 私達の妻だ。番にしよう」

 信じられない面持ちでガン見する二人の前で、ウォーバルは悪戯げに眉をあげ、アントンの中に己を沈めた。
ぐぷぷと滑った音をたて、みるみる捩じ込まれていく巨大な一物。
 それが最奥を穿ったとき、アントンが絶叫する。

「きゃーーーっ!! あひいっ! あっ!! あああぁぁーーっ!!」

 白い喉を限界まで反らせて喘ぐ小さな子供に、ジャッキーらは一瞬狼狽えた。ひょっとして壊してしまったのではないかと危惧したのだ。
 しかし、その不安は杞憂に終わる。

「おぉ……うっ! 締めすぎだ、かあぁぁっ!」  

 苦しげなウォーバルの声。その声は苦しそうでありながら、甘い吐息のような声だった。
 彼は泣きじゃくる少年の顎を掴み、背後から抱きしめる。そして耳に舌を這わせながら、その舌先を捩じ込むよう呟いた。

「ほら、ここ…… 届いてるだろう? ふふ、スライムが大暴れしてるな。悦過ぎて泣いちゃうなんて…… やらしい子だなぁ?」
  
 激しく首を打ち振るい、飛び散る涙の飛沫は随喜の涙。真っ赤に染まったアントンの全身が、その快感を周りに物語っている。
 くるくる臍のあたりを撫で回し、時折強く押してやると、内部で悶絶するスライムが押し返してきた。

「んう……っ! んっ! んんんぅ!! んーーーっ?!」

 四肢を強張らせて足の指まで反らし、気をやらぬよう必死に身悶える少年。アントンは性交渉を初めて経験したばかりである。まだまだ怖いし、辛い。
 幸いウォーバルは動いていないため、なんとか気は逸らせた。しかし体内奥深くで暴れるスライムが、否応無しにアントンの体内を火照らせていく。

「ふあ……っ! にゃ……っ! やだ、やあっ! ふえぇぇっっ!!」

「……おっ勃ってるな」

「はい…… 真っ赤で可愛らしいモノがぷるぷると」

 背後からウォーバルを跨ぐように捩じ込まれたアントンの足はおっ広げだ。そこでイキり勃つ小さな御立派様に少年は気づいていない。
 体内を駆け巡る愉悦に追い詰められ、少年は一杯一杯。もはや逃げ道もなく、アントンは中でイきながら吐精した。
 ぷしゃっと弾ける幼い陰茎。それを呆然と鑑賞し、ジャッキーとリグルドは満足げなウォーバルを見上げた。

「番……だな?」

「妻です……よね?」

 自分達にも権利はあるな? と、真摯に問いかける二人の瞳。それに苦笑し、ウォーバルは何度も激しく突き上げて己の精を最奥に注ぎ込む。

「うわあぁぁんっ! あーっ! ひぐっ! ひっ……っ!」

 ごちゅごちゅ穿たれて泣きじゃくるアントン。滑らかな少年の腹が変形するほど突き上げるウォーバルの獰猛さにジャッキーとリグルドが眼を見張った。
 よほど気持ち悦いのだろう。今までまともな睦みをしてきたことがない三人だ。兎獣人は身体が柔らかいことで有名。それゆえの柔軟さか、アントンの腹は突き破られることもなくウォーバルの精を受け止めていた。

「……っはぁ……、はぁ……、……次は?」

 にやりと悪い笑みを浮かべる兄弟。

 それに喉を鳴らし、ジャッキーとリグルドが睨み合った。

「次は俺だ。次兄だしな。当然だよな?」

「序列で強さは決まりませんよ? 男なら力づくでいきませんか?」

 今にも破裂しそうに昂っていく不穏な空気を察知し、長兄たるウォーバルが声をあげる。

「ストップっ! そうして力尽きる気か? 二人共。こんな良い吉日に家を半壊させられてはたまらんぞっ!」

 どんっと仁王立ちするウォーバルは御立派を抜くことなくアントンを抱きかかえていた。それを一瞥し、二人は気炎をおさめる。
 
 そう。三人の蜜月は、これからだった。
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