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5,解決策

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真夜中。テーブルランプを灯した鏡の前。

「はぁ………」
リオンは肩を大きく上下し大きなため息をついた。


明かり一つだけではよく見えないが微かに輝く金色の髪。長いまつげに縁取られた大きな瞳。
そして極めつけはその瞳の下にある星型の小さな黒子。

間違いない、、、この顔は…前世で僕がプレイした『ヤミを纏った薔薇』通称ヤミばらのルークルートで登場する悪役令息、リオン・ジェンキンソンだ。



しかし、顔だけ見ると悪役ではなく天使にしか見えないな……
自分の顔を眺めながらそんなことを思う。

まぁ、リオンはこの顔があっての悪役なのだが、、、



ゲーム中の悪役令息リオンはこのきれいな顔を使って周囲の人間を誘惑し、その誘惑した人間を悪事の主導者へと陥れる、
自分の手を汚さず足跡を残さない、そんな頭のいいキャラだった。


あるときは、屋敷の人間を誘惑し、ルークにろくに食事も与えず部屋に閉じ込めるように仕向けたり、またあるときはルークからイジメられているという嘘の悪評を広め、同級生を味方につけたのちいじめるよう煽ったり。。。。

なんてずる賢いんだ、と思う。

そんなリオンの破滅は大きく分けて2つある。

一つ目は、殺害エンド。
どんなにいじめても無反応なルークに苛立つリオンは、ルークが夢中になっている主人公にまで手を出すようになる。リオンの周囲の人間が主人公をいじめる訳だが、リオンが裏で手を引いていると分かったルークは逆上し、リオンを殺すというものだ。

そして2つめは、追放エンド
リオンが主人公のいじめの主犯格だとルークにバレ、それに加えて今までの様々な悪事が暴かれ、国外追放されるものである

どちらも、ルークいじめる→主人公にまで手を出す→ルーク激おこ→破滅
といった流れである

それでふと僕は思った。

ルークをいじめなければいいのでは、と


え?頓珍漢だって??的外れな考えだって?

だって、それ以外の考えが思い浮かばないのである。そもそもの原因はルークをしつこくいじめたからであり、ならいじめなければいいではないか。

それに乙女ゲームの中のリオンはこの時期から悪役ぶりを発揮していたみたいだが、今の僕は前世の記憶をもっていたおかげか、普通に真面目な貴族の子息として生きてきた。

ならば、そのまま今の状態を貫いていきていくだけだ。

ヤンデレキャラなので怖いから、あくまでいじめないというていで、必要最低限は関わるが深くは関わらない方向で行こう。
そうだ。そうしよう、
それに、もしもこの作戦がだめならば他の案をあとから考えればいい。

んーーーなんか、色々と考えたからか疲れたな。それにトイレに行きたい。


よし、もう考えるのはやめ!そう言って、鏡の前からたち上がりトイレへ向かった



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