魂吸鬼 プロトタイプ

春先 黒木

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1章 父との暮らし

1話 リーン=アズガルド

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僕はリーン=アズガルド、8歳だ

この世界には怖い魔物や、魂吸鬼がいる

魔物って言うのは無差別に人を襲う動物の事で、魂吸鬼って言うのは人の魂を食べる鬼のことらしい

昔は魂吸鬼を倒すことは出来なかったけど、今はレインハイム街にある魂吸鬼対策局C     A     O(Contre Ame Ogre)って所が魂吸鬼を何体も倒している、僕のお母さんは魂吸鬼に食べられちゃったからいないって知ってから、お父さんには止められてるけど魂吸鬼対策局に入るって決めたんだ

「ただいま、リーン、大人しくしてたか?」

お父さんが帰ってきた

「うん!ねーねーお父さんのアムアルムを見せてよ!」

「はぁー、またか、まさかCAOに入ろうとしてるんじゃないだろうな?」

「そんなんじゃないよ、お父さんのアムアルムはカッコイイんだもん!」

「そ、そうか?うーん、それじゃ、明日魔物退治があるからその時にな」

「うん!明日は早く起きてよね!」

「ああ、分かったそれじゃ、おやすみ」

「おやすみなさい」






*************************

僕はお父さんよりも早く起きてお父さんの部屋に入った

「お父さん!お父さん!起きて!」

「あと…5分だけ…」

「はやくー!約束だよ!」

「分かった分かった、父さん支度するからリーンも支度してこい」

「分かった!二度寝はしないでよね?」

「わ、分かってるさ」

「それじゃ早く支度済ましてよね」







*************************

「リーン、終わったぞー!そっちは終わったか?」

「もう終わってるよ」

「父さんがいるからと言って安心は出来ないんだからな?魂吸鬼よりも強い魔物だっているんだからな?」

「分かってるよ」

「それじゃ、出発するぞ」






*************************

「今日は何の魔物を退治するの?」

「ん?今日はゴブリンだ」

「あー、あの緑色の小さい人か」

「ああ、だが、見た目と違って力がとても強いんだ気おつけろよ?」

「うん、分かってるよ」

そうして森を数分歩くとゴブリンが2体いた

「いたぞ!気を抜くなよ?」

「うん」

「ギィ?」

向こうも気づいたみたいだ

「ギギィィー!」

ゴブリンが父さんに真っ直ぐ突進した

父さんはそれを左に躱した

「来い、黒震剣こくしんけん

キィーーーーーン

父さんがアムアルムを出すと音が聞こえる

父さんのアムアルムは常に震動してるかららしい、単純に切れ味がすごい

そしてあっという間にゴブリンを倒した

「ふぅ、やっぱりこれはうるさいな」

「やっぱりカッコイイなー」

「そうか?よし、あと8体か、俺から離れるなよ?」

「うん」






*************************

予想外のことが起きたのはゴブリンを8体退治して街に帰ろうとした時だ

「へっへへ!今日はラッキーだぜぇ、」

目の前に大柄の魂吸鬼が現れた

「魂吸鬼か…リーン、俺から離れるなよ」

「うん」

まさかリーンがいる時に魂吸鬼と会うなんてな、強い魂吸鬼でないことを祈ろう

「随分と余裕みたいだな?」

「来い、黒震剣」

「ああ?アムアルムか?そりゃ?」

「アムウヴリール」

「無視かよ、だがお前の魂を食えば俺も中級魂吸鬼だ!」

こいつ、気になることを言ったな?

ダンッ!

魂吸鬼が襲いかかってくる

こいつは弱い魂吸鬼だな、スピードが遅い、俺は避けるとリーンが危ないからそのまま魂吸鬼の武器である右手を切り飛ばした

「グフッ!な、何なんだよ!テメェは!」

「そんなことは関係ない、俺の魂を食えば中級魂吸鬼になれるというのはどういう事だ?」

「へっへへ、口を滑らしちまったか、これじゃクエル様に殺されちまうなぁ」

「どういう事だ?」

「じゃあな!『エクスプロージョン』!」

これは魂吸鬼の自爆か?

「まずい、リーン!来い!」

振り返るとリーンがしゃがみこんでなにかしていたが今はそんな場合じゃない

「え?うん」

俺はリーンを抱き抱えると全速力でその場から離れた

ドンッ!








*************************

さっきの父さんの戦い凄かったな、目で追うことが出来なかった

「リーン、大丈夫か?」

「うん、怪我はないよ」

「そうか、お前を危険な目にあわせて悪かったな」

「ううん!僕が勝手についてきただけだから、お父さんのせいじゃないよ」

「すまないな、それと、明日CAOに報告することが出来たから明日は留守を頼んだぞ」

「うん、分かったよ」








*************************

家に着いた

「リーン、今日は疲れただろう、もう寝なさい」

「分かったよ、おやすみなさい」

「おやすみ」

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