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第三話 蒼き剣 (Aパート)
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「バカ野郎!カッコつけやがって....」
「なんでこんな....、こんな姿になっちゃうんだよ」
「我々の立場でこんなことを言うのはおかしいかもしれませんが....、なんとか、なんとかなりませんか!」
3人の兵士から出た心からの言葉であった。3人は両腕を拘束され、さらに3人1組に繋がれて歩くことすら困難な状態にされている。しかし、肉体の苦痛など既に頭の中から消え去っていた。3人は今まさに精神の苦痛に苛まれているところだ。3人の目の前にはガラス越しに仲間がベッドの上で眠っている。体中を拘束され頭に包帯が巻かれている弘中である。
「捕虜だからといって手を抜いているわけではありませんよ!」
3人の気迫に圧され、返す言葉に怒気を孕ませてしまった。普段は心優しき医師であるが、自分はベストを尽くしたんだ、立場や身分で患者を差別するような不誠実を行ったわけではないのだと、そう伝えようとする意思があまりにも強くなってしまった。
「くっ」
医師に詰め寄った内藤はやり場のない憤りを胸に燻らせながら、瞼を強く閉じ下を向いた。
「下手くそが無茶しやがって、俺たちのことなんか気にせず本国に逃げ帰りゃよかったんだよ、オメェなんかよ」
江良は感情が高ぶると口が悪くなる妙な癖がある。日常生活においてはどちらかというと消極的で口数も少ない。
「う、う....弘中ぁあああ」
大きな背中で両肩を震わせながら咽び泣いているのは吉見だ。直情型の人間で嘘の無い人間である。
「あの4人の中で彼、弘中が一番操縦技術において劣っていたのか?」
3人の捕虜を映すカメラのライブ映像をモニターで見ていて、小早川司令は江良という捕虜の言葉に違和感を覚えた。学校で紅介と戦った3人よりも、最後に基地で戦った弘中の方が圧倒的に動きが良かったからだ。
「確実な判断材料がありませんので断定はできませんが、彼らの口振りからするとそのようですな」
火威博士にもそれは判断できないことだった。
延識兵器の操縦技術はいわゆる「運動神経」に左右される。自らの手足を扱うように機械の四肢を操作するには、言葉で説明できないセンスのようなものが要求されるのだ。それが優れているかどうか確かめるにはできるだけ同じ条件で比べる必要がある。
初めて自分の息子である紅介が操るエンキ1号と対峙した時、弘中は遠間から銃を乱射して逃げただけだった。先の3人のパイロットのように紅介と近接戦闘を行ったわけではないのだ。弘中もそのまま格闘に身を投じていれば多少なりとも比較できた可能性はあった。
しかし、次に紅介と相見えた時は脳に直接インターフェースを埋め込んだ後で、通常の「美作」のスペックを遥かに超える動きを見せたが、それは3人と比較できるデータ足り得ない。
「やはり、侵略式のインターフェースは桁違いということか」
「彼らの場合、中枢神経を繋いでいるわけではないので、紅介とは入力する情報量がそもそも違うのです。少ないのです。しかし、弘中のように同じ機体でも脳の情報をダイレクトで得られれば話はまた違ってきます」
「なるほど、おれという強敵に対抗するために危険な手術をして自身を強化したということか、仲間の仇を討つために」
父と上司の会話に口を挟んだ。なんだか自分を除け者にしているように思えたし、話を聞きつつ自分と彼らの関係性がだんだんと分かってきたからだ。
これで前回、弘中が叫んでいた内容がすんなりと理解できる。親子喧嘩の最中でそれどころではなかったが、よく聞いておけば燃えるバトルを演ずることができたのだと悔しい気持ちになった。
「こういう展開....泣けるっ」
紅介は自分が主人公の前に立ちはだかる強敵のようなポジションにいたことにある種の充実感を感じながらも、敵兵である弘中に同情した。
1人の少年がコーヒーを啜っている。座席の背もたれに体重を預け、ラフな格好でリラックスしてはいるものの、眼鏡から覗く眼の鋭さは彼が怠惰という性質とは縁がないことを示している。
「体調はいかがでしょうか?」
少年がコーヒーから口を離し見上げると、軍服に身を包んだ男が敬礼していた。
「問題ありませんよ」
無機質に言葉を返した。親子ほど年の離れた2人であるにも関わらず、若い方が上官なのだろうか。その光景は奇妙だ。
「あと1時間ほどで着陸しますので、それまで何かあればなんなりとお申し付け下さい」
ああ、と頷くと少年はその軍服の男性に、では軽食をと答えた。
「僕のような子供に礼を尽くさねばならぬとは」
先ほどの軍人は奥に向かった後、少年が1人でボヤいた。その若く瑞々しい肌とは似合わない物言いが彼の性格を如実に表している。
窓に目をやると破壊された高校が上空から見えた。彼の乗る航空機が飛んでいるちょうどこの辺りは先日敵襲を受けた地域である。空から見ると被害はそこまで酷くないように思えるが、敵は昼間授業中の学校を襲撃したのだ。死傷者は日本中を恐怖のどん底に突き落とすには十分な数に上った。
「僕が調整に手間取らなければ....」
少年は自らへの不満に拳を握りしめた。その不満が自らの胸に溜まり義憤となって新たな力となる。
「水城殿!」
突然、先ほどの軍人が血相変えて戻ってきた。
「敵か!?」
「はいっ」
水城と呼ばれた少年は飛ぶように立ち上がり駆けると、軽やかに軍人を避けて狭い通路を奥へ向かった。
「だっしゃぁああああ!」
エンキ1号の拳が美作1機を打ち倒した。それを見て複数の敵機が距離をとる。
「間合いはあけさせねぇ」
飛び上がりながら、胴回し回転蹴りでそのうちの1機の脳天を割った。
「くっそ、埒があかねぇぞ」
すぐ立ち上がり辺りを見回すと、また距離を取られてしまった。敵機来襲のスクランブルに駆けつけてからというもの、こんなことを何回も繰り返している。敵はエンキ1号の攻撃パターンを把握しミドルレンジを保ち射撃を続ける戦法に出た。紅介はなんとか間合いを詰めて1機づつ仕留めてきたが、疲労を隠せなくなっていた。
「腐らないでっ、徐々に敵戦力は減少してるわ」
「分かってるけどよ」
オペレーターの女性がTCDで紅介を励ました。彼女は紅介の高校にも来た、あのオペレーターである。弘中の銃撃で梯子付きの通信車がひっくり返っていたがなんとか無事だったらしい。ちなみにあの黒服のおっさんも無事で紅介は入院している彼を見舞いに行った。
「一回だけでいいから、あなたならできるわって言ってくれない?」
「はあ?」
紅介はビルの影に入って敵の射撃から身を隠すと、とりあえず状況を楽しもうとした。
「お願いします~、夢なんです!」
「....あ、あなたならできるわ」
テンションが上がった紅介は意を決してビルから姿を晒し敵機に突っ込んだ。
「おだてないでください、セ◯ラさん!....ぐはっ」
「ちょっ、なにやってんのよ」
ビルに向かって放たれた威嚇射撃とエンキ1号が飛び出したタイミングがドンピシャだった。ノーガードで銃弾を顔面に受けたエンキ1号はもんどり打って後ろに倒れるともがき苦しみ始めた。
「早く立ちなさいっ」
苦しむエンキ1号を敵機が囲むように動き始めたのをモニターで確認すると、オペレーターが叫んだ。
「はっはっはっは、こういうピンチにこそ主人公補正を持つおれの真価が問われ....、痛テテテテテ!」
同士討ちを避けるために地面に寝転ぶエンキ1号を空中で囲むと、敵は集中砲火を浴びせた。体中を串刺しにされているような感覚が紅介を襲う。死が紅介の頭をよぎる。先ほど見た、ベッドで意識を失った弘中がフラッシュバックした、その時である。
「無様だなっ!」
何者かの外部スピーカーからの声が聞こえると同時に、エンキ1号を囲む敵の1機が衝撃音を発して墜ちた。
敵の一群はパニックになり辺りを見回すが、そのうちにもう1機も墜ちた。
「なんだ?影が高速で動いているのか」
下からその様子を俯瞰する紅介には状況がよく見えた。
「今、連絡が入ったわ、輸送中の2号機が助けに来たのよ」
「え、2号機、空飛んでるじゃん、ずり~よおれも飛びてえ」
などと、やりとりをしている間に敵は退いた。
2号機がゆっくりと1号機の前に降り立つ。その姿は赤い1号機とは対照的に青いカラーリングがなされている。さらに違うところは背中、ふくらはぎにスラスターが付いているところと刀のような武器を右手に握りしめている点である。
「これから僕の足を引っ張るなよ」
唐突に2号機の外部スピーカーが音声を発すると、紅介の返事を待たずにまた飛んで行ってしまった。
「....な、なんだとっ」
「待て、このやろう降りてこい」
紅介の怒鳴り声が虚しく響いた。
「なんでこんな....、こんな姿になっちゃうんだよ」
「我々の立場でこんなことを言うのはおかしいかもしれませんが....、なんとか、なんとかなりませんか!」
3人の兵士から出た心からの言葉であった。3人は両腕を拘束され、さらに3人1組に繋がれて歩くことすら困難な状態にされている。しかし、肉体の苦痛など既に頭の中から消え去っていた。3人は今まさに精神の苦痛に苛まれているところだ。3人の目の前にはガラス越しに仲間がベッドの上で眠っている。体中を拘束され頭に包帯が巻かれている弘中である。
「捕虜だからといって手を抜いているわけではありませんよ!」
3人の気迫に圧され、返す言葉に怒気を孕ませてしまった。普段は心優しき医師であるが、自分はベストを尽くしたんだ、立場や身分で患者を差別するような不誠実を行ったわけではないのだと、そう伝えようとする意思があまりにも強くなってしまった。
「くっ」
医師に詰め寄った内藤はやり場のない憤りを胸に燻らせながら、瞼を強く閉じ下を向いた。
「下手くそが無茶しやがって、俺たちのことなんか気にせず本国に逃げ帰りゃよかったんだよ、オメェなんかよ」
江良は感情が高ぶると口が悪くなる妙な癖がある。日常生活においてはどちらかというと消極的で口数も少ない。
「う、う....弘中ぁあああ」
大きな背中で両肩を震わせながら咽び泣いているのは吉見だ。直情型の人間で嘘の無い人間である。
「あの4人の中で彼、弘中が一番操縦技術において劣っていたのか?」
3人の捕虜を映すカメラのライブ映像をモニターで見ていて、小早川司令は江良という捕虜の言葉に違和感を覚えた。学校で紅介と戦った3人よりも、最後に基地で戦った弘中の方が圧倒的に動きが良かったからだ。
「確実な判断材料がありませんので断定はできませんが、彼らの口振りからするとそのようですな」
火威博士にもそれは判断できないことだった。
延識兵器の操縦技術はいわゆる「運動神経」に左右される。自らの手足を扱うように機械の四肢を操作するには、言葉で説明できないセンスのようなものが要求されるのだ。それが優れているかどうか確かめるにはできるだけ同じ条件で比べる必要がある。
初めて自分の息子である紅介が操るエンキ1号と対峙した時、弘中は遠間から銃を乱射して逃げただけだった。先の3人のパイロットのように紅介と近接戦闘を行ったわけではないのだ。弘中もそのまま格闘に身を投じていれば多少なりとも比較できた可能性はあった。
しかし、次に紅介と相見えた時は脳に直接インターフェースを埋め込んだ後で、通常の「美作」のスペックを遥かに超える動きを見せたが、それは3人と比較できるデータ足り得ない。
「やはり、侵略式のインターフェースは桁違いということか」
「彼らの場合、中枢神経を繋いでいるわけではないので、紅介とは入力する情報量がそもそも違うのです。少ないのです。しかし、弘中のように同じ機体でも脳の情報をダイレクトで得られれば話はまた違ってきます」
「なるほど、おれという強敵に対抗するために危険な手術をして自身を強化したということか、仲間の仇を討つために」
父と上司の会話に口を挟んだ。なんだか自分を除け者にしているように思えたし、話を聞きつつ自分と彼らの関係性がだんだんと分かってきたからだ。
これで前回、弘中が叫んでいた内容がすんなりと理解できる。親子喧嘩の最中でそれどころではなかったが、よく聞いておけば燃えるバトルを演ずることができたのだと悔しい気持ちになった。
「こういう展開....泣けるっ」
紅介は自分が主人公の前に立ちはだかる強敵のようなポジションにいたことにある種の充実感を感じながらも、敵兵である弘中に同情した。
1人の少年がコーヒーを啜っている。座席の背もたれに体重を預け、ラフな格好でリラックスしてはいるものの、眼鏡から覗く眼の鋭さは彼が怠惰という性質とは縁がないことを示している。
「体調はいかがでしょうか?」
少年がコーヒーから口を離し見上げると、軍服に身を包んだ男が敬礼していた。
「問題ありませんよ」
無機質に言葉を返した。親子ほど年の離れた2人であるにも関わらず、若い方が上官なのだろうか。その光景は奇妙だ。
「あと1時間ほどで着陸しますので、それまで何かあればなんなりとお申し付け下さい」
ああ、と頷くと少年はその軍服の男性に、では軽食をと答えた。
「僕のような子供に礼を尽くさねばならぬとは」
先ほどの軍人は奥に向かった後、少年が1人でボヤいた。その若く瑞々しい肌とは似合わない物言いが彼の性格を如実に表している。
窓に目をやると破壊された高校が上空から見えた。彼の乗る航空機が飛んでいるちょうどこの辺りは先日敵襲を受けた地域である。空から見ると被害はそこまで酷くないように思えるが、敵は昼間授業中の学校を襲撃したのだ。死傷者は日本中を恐怖のどん底に突き落とすには十分な数に上った。
「僕が調整に手間取らなければ....」
少年は自らへの不満に拳を握りしめた。その不満が自らの胸に溜まり義憤となって新たな力となる。
「水城殿!」
突然、先ほどの軍人が血相変えて戻ってきた。
「敵か!?」
「はいっ」
水城と呼ばれた少年は飛ぶように立ち上がり駆けると、軽やかに軍人を避けて狭い通路を奥へ向かった。
「だっしゃぁああああ!」
エンキ1号の拳が美作1機を打ち倒した。それを見て複数の敵機が距離をとる。
「間合いはあけさせねぇ」
飛び上がりながら、胴回し回転蹴りでそのうちの1機の脳天を割った。
「くっそ、埒があかねぇぞ」
すぐ立ち上がり辺りを見回すと、また距離を取られてしまった。敵機来襲のスクランブルに駆けつけてからというもの、こんなことを何回も繰り返している。敵はエンキ1号の攻撃パターンを把握しミドルレンジを保ち射撃を続ける戦法に出た。紅介はなんとか間合いを詰めて1機づつ仕留めてきたが、疲労を隠せなくなっていた。
「腐らないでっ、徐々に敵戦力は減少してるわ」
「分かってるけどよ」
オペレーターの女性がTCDで紅介を励ました。彼女は紅介の高校にも来た、あのオペレーターである。弘中の銃撃で梯子付きの通信車がひっくり返っていたがなんとか無事だったらしい。ちなみにあの黒服のおっさんも無事で紅介は入院している彼を見舞いに行った。
「一回だけでいいから、あなたならできるわって言ってくれない?」
「はあ?」
紅介はビルの影に入って敵の射撃から身を隠すと、とりあえず状況を楽しもうとした。
「お願いします~、夢なんです!」
「....あ、あなたならできるわ」
テンションが上がった紅介は意を決してビルから姿を晒し敵機に突っ込んだ。
「おだてないでください、セ◯ラさん!....ぐはっ」
「ちょっ、なにやってんのよ」
ビルに向かって放たれた威嚇射撃とエンキ1号が飛び出したタイミングがドンピシャだった。ノーガードで銃弾を顔面に受けたエンキ1号はもんどり打って後ろに倒れるともがき苦しみ始めた。
「早く立ちなさいっ」
苦しむエンキ1号を敵機が囲むように動き始めたのをモニターで確認すると、オペレーターが叫んだ。
「はっはっはっは、こういうピンチにこそ主人公補正を持つおれの真価が問われ....、痛テテテテテ!」
同士討ちを避けるために地面に寝転ぶエンキ1号を空中で囲むと、敵は集中砲火を浴びせた。体中を串刺しにされているような感覚が紅介を襲う。死が紅介の頭をよぎる。先ほど見た、ベッドで意識を失った弘中がフラッシュバックした、その時である。
「無様だなっ!」
何者かの外部スピーカーからの声が聞こえると同時に、エンキ1号を囲む敵の1機が衝撃音を発して墜ちた。
敵の一群はパニックになり辺りを見回すが、そのうちにもう1機も墜ちた。
「なんだ?影が高速で動いているのか」
下からその様子を俯瞰する紅介には状況がよく見えた。
「今、連絡が入ったわ、輸送中の2号機が助けに来たのよ」
「え、2号機、空飛んでるじゃん、ずり~よおれも飛びてえ」
などと、やりとりをしている間に敵は退いた。
2号機がゆっくりと1号機の前に降り立つ。その姿は赤い1号機とは対照的に青いカラーリングがなされている。さらに違うところは背中、ふくらはぎにスラスターが付いているところと刀のような武器を右手に握りしめている点である。
「これから僕の足を引っ張るなよ」
唐突に2号機の外部スピーカーが音声を発すると、紅介の返事を待たずにまた飛んで行ってしまった。
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