10 / 11
*本編*
*テリーヌとグイド+αの話。“Tagrio capelli”
しおりを挟む
*Taglio capelli*
「今日もいい天気ね」
くせ毛の長い金髪を右肩で三つ編みにして垂らし、右目を前髪で隠した女性は羽並みの白い手で愛しの“首”を手に取り、愛しい我が子を抱くかの様に頭を撫でながら、シロップの味と同じくらいに甘い声で囁く。
ロゼッタ・テリーヌ・ソプラノにとって、ベリンダ・リッチ・ソプラノは劣等感の塊のような存在である。熾天使の翼の王族には羽の名があるが、テリーヌの羽の名はそのままなのでテリーヌのままで書く。
テリーヌは過去にお付き合いした男性が多くいるが、男性は必ずテリーヌから別の女性へ移り離れていった。王族である彼女から個人的感情で別の女性に移るなどとんでもない事なのだが、自分の立場が危うくなってもかまわず“移りたいと思わせる魅力”を持つのが、第三王女であり実の妹ライチだった。
次第にテリーヌは、“全ての男性が自分の元から去るのなら、そうなる前に完全に自分のものにすれば良い。”という思考になっていき、恋人になった者は全て彼女の手により首だけに切断されていった。
首は全て彼女の“首倉庫”と呼んでいる部屋へ運ばれていき、首が並ぶ棚に飾られる。首が腐らないのは彼女の持つ天使能力“死体維持”が発揮されているためで、その名の通り、死体維持は死体等を腐らせない力だ。
まるで押し花扱い。気に入った花を新鮮な内に切り取り、分厚い本にティッシュを敷いて植物が重ならないように配置し、植物の上にさらにティッシュを被せて本を閉じる。押した植物を紙袋に入れて乾燥剤と一緒にプラスチック容器の中に入れて保存する様に、恋人になっている内に首を切断し、棚に飾っては乾燥剤を使うかの様に死体維持を発揮するのだ。
「私の天使能力は衰えていないわね。」
両手で首を持ち顔を見つめ、たまに切断面を覗いては自分の能力を再確認する。この首の種族は同じ天使、死んではいないので眠っているだけ、それでも生身の体に傷口ができると虫がわいてしまう。テリーヌの天使能力のおかげで、虫一匹もいない切断面はとても綺麗だった。能力のおかげか、血は見えるが零れてこない。
「……そうジロジロと切断面を見つめられては、恥ずかしいです。」
「あらグイド、目を閉じたままだから眠っているのかと思ったわ。」
眠っていたと思われる首が目蓋を閉じたまま口を開き、少し恥ずかしそうにぽつりと言った。熾天使の翼の天使達は半不死身なため、首だけに切断されても死なない。テリーヌはその事は当然知ってはいるが、寝ていたと思っていたのでパチリと瞬きを一つして目を丸くする。
「……それにしても貴方、もう髪が伸びたのね。」
グイドと呼ばれた男性の金髪はさらりとしていて、テリーヌの指の間から垂れ下がっている。両手で水を掬い指の間から零れて流れている様な絵になる光景だろう。
テリーヌ愛用のギロチンで恋人の首を切断する時、苦しみを少なくするため髪は短く切り、首を斬りやすくする。切断されても生きているため、暫く見ない内に少しだけ髪が伸びていた。グイドの髪は長髪という程ではなかったが、首が隠れるくらいの長さはあったので、切断する前におかっぱにカットしていた。
「あの時思ったのだけれど、貴方中途半端に髪を伸ばしているよりおかっぱが似合う。またあのくらいまでカットする?」
「あっ……ひぁい」
テリーヌがグイドと顔を合わせるために両手で少し持ち上げると、顔が思ったより鼻と鼻が付きそうなくらいまで近く、グイドは驚き照れてしまい変な声が出てしまう。あまりの間抜けな声にテリーヌは「それは返事?」と怪訝な顔をしながら聞くと、グイドは「……そういう事で」と小声で答えた。
白い円型のサイドテーブルにグレーのクッションが置かれ、その上にグイドの首は乗せられていた。水の様に流れるさらりとした金髪は、テリーヌが手に持つ鋏によって短く切られパラパラと床に散らばる。
首倉庫には沢山の恋人達がおり、テリーヌは責任持って一人一人のメンテナンスを行っている。恋人になった者達を見境なく切断している訳ではなく、きちんと一人一人の名前は憶え、メンテナンスも怠らず愛している。首倉庫に来れば毎日全員ではないが日常会話もする今日のメンテナンスと話し相手はグイドだった。
「さっぱりしたわね……ほら、やっぱり似合う。」
毎日首の誰かをメンテナンスしていればヘアカットもそこそこ上手くなる。中途半端に伸びていた髪は量も軽くなり、綺麗におかっぱに揃えられていた。テリーヌは近くに用意してあった二面鏡を手に持ち開き、綺麗にカットされた姿をグイドに見せる。何事にも丁寧なテリーヌがカットするのだから心配はなかったのだが、グイドは目を丸くして固まった。
驚いた様子のまま固まっているグイドに、気に入らないのだろうかと少し不安になったテリーヌは、眉間に皺を寄せて口の形をへの字にさせながら「ちょっと……」と声をかける。
「何か言ってくれないと困るわ?」
「……ぁ、とても、素敵に仕上がっていて……。」
自分の世界から帰ってきたグイドは慌てて答える。本当にお世辞ではなく、予想以上に出来も見た目も良い事に驚いての感想だった。口の形が漫画の一コマの様にギザギザになりながら、照れた様子で言うグイドの顔を隣で覗き込んだテリーヌは、彼が嘘をついていない事を確認すると気分を良くしたのかにんまりと笑った。
最近テリーヌには新しいお気に入りの男性ができた。いつもおどおどとしていて、テリーヌに対して怯えた様子だった。テリーヌは「私もモノにならない?」と聞くと男性は血の気が引いた顔になり、慌てた様子でどう断ろうかと口をパクパクさせながら脳内をグルグルさせ考えた。
テリーヌはそんな男性におかまいなく、返事も聞かずに男性の右腕に抱きつき、ギロチンが設置されている部屋へ連れて行った。
「あら?」
男性を首だけに切断し、両手で持ち上げて話しかけてみたが返事がなかった。……そして漸く気づく。
「……あぁ、この子……。」
熾天使の翼の天使達は半不死身故で生きているが、それ以外の種族はそうではない。首だけとなった男性の髪は黒髪、自分達のようにトウモロコシ色の金髪ではなかった。
「熾天使の翼の天使じゃなかったわ。」
テリーヌは両目を閉じ、カクンと俯く。お気に入りの男性を目にすると、相手が何の種族か確認するのをついつい忘れてしまいがちだ。あの時男性が慌てた様子で断ろうとしていたのは、自分は熾天使の翼の天使ではないので、首だけに切断してしまったら死んでしまうとわかっていたからだ。
テリーヌの首コレクション癖は多くの者が知っていた。誰だって、よっぽどの理由がない限り死にたいとは思わない。相手は王族故、どう断れば良かったのだろうと彼なりに考えていたのだろう。
少しテリーヌは申し訳ないと思いつつ、男性の首を両腕で我が子を抱くように優しく抱き締める……彼女の薄い桃色のドレスは、男性の生きていた証拠である首から流れた血で染まっていた。
「寂しいわ? お話ができない子は、でも大丈夫……捨てたりしないから。ずっと、ずっと保管してあげる。」
目蓋をゆっくりと開き、首をそっと持ち上げて顔を見つめながら愛しそうに囁いた。男性の目蓋は先程テリーヌがそっと閉じさせたので、まるで眠っているようだ。テリーヌはその半開きの唇に、自分の唇を重ねた。
「今日もいい天気ね」
くせ毛の長い金髪を右肩で三つ編みにして垂らし、右目を前髪で隠した女性は羽並みの白い手で愛しの“首”を手に取り、愛しい我が子を抱くかの様に頭を撫でながら、シロップの味と同じくらいに甘い声で囁く。
ロゼッタ・テリーヌ・ソプラノにとって、ベリンダ・リッチ・ソプラノは劣等感の塊のような存在である。熾天使の翼の王族には羽の名があるが、テリーヌの羽の名はそのままなのでテリーヌのままで書く。
テリーヌは過去にお付き合いした男性が多くいるが、男性は必ずテリーヌから別の女性へ移り離れていった。王族である彼女から個人的感情で別の女性に移るなどとんでもない事なのだが、自分の立場が危うくなってもかまわず“移りたいと思わせる魅力”を持つのが、第三王女であり実の妹ライチだった。
次第にテリーヌは、“全ての男性が自分の元から去るのなら、そうなる前に完全に自分のものにすれば良い。”という思考になっていき、恋人になった者は全て彼女の手により首だけに切断されていった。
首は全て彼女の“首倉庫”と呼んでいる部屋へ運ばれていき、首が並ぶ棚に飾られる。首が腐らないのは彼女の持つ天使能力“死体維持”が発揮されているためで、その名の通り、死体維持は死体等を腐らせない力だ。
まるで押し花扱い。気に入った花を新鮮な内に切り取り、分厚い本にティッシュを敷いて植物が重ならないように配置し、植物の上にさらにティッシュを被せて本を閉じる。押した植物を紙袋に入れて乾燥剤と一緒にプラスチック容器の中に入れて保存する様に、恋人になっている内に首を切断し、棚に飾っては乾燥剤を使うかの様に死体維持を発揮するのだ。
「私の天使能力は衰えていないわね。」
両手で首を持ち顔を見つめ、たまに切断面を覗いては自分の能力を再確認する。この首の種族は同じ天使、死んではいないので眠っているだけ、それでも生身の体に傷口ができると虫がわいてしまう。テリーヌの天使能力のおかげで、虫一匹もいない切断面はとても綺麗だった。能力のおかげか、血は見えるが零れてこない。
「……そうジロジロと切断面を見つめられては、恥ずかしいです。」
「あらグイド、目を閉じたままだから眠っているのかと思ったわ。」
眠っていたと思われる首が目蓋を閉じたまま口を開き、少し恥ずかしそうにぽつりと言った。熾天使の翼の天使達は半不死身なため、首だけに切断されても死なない。テリーヌはその事は当然知ってはいるが、寝ていたと思っていたのでパチリと瞬きを一つして目を丸くする。
「……それにしても貴方、もう髪が伸びたのね。」
グイドと呼ばれた男性の金髪はさらりとしていて、テリーヌの指の間から垂れ下がっている。両手で水を掬い指の間から零れて流れている様な絵になる光景だろう。
テリーヌ愛用のギロチンで恋人の首を切断する時、苦しみを少なくするため髪は短く切り、首を斬りやすくする。切断されても生きているため、暫く見ない内に少しだけ髪が伸びていた。グイドの髪は長髪という程ではなかったが、首が隠れるくらいの長さはあったので、切断する前におかっぱにカットしていた。
「あの時思ったのだけれど、貴方中途半端に髪を伸ばしているよりおかっぱが似合う。またあのくらいまでカットする?」
「あっ……ひぁい」
テリーヌがグイドと顔を合わせるために両手で少し持ち上げると、顔が思ったより鼻と鼻が付きそうなくらいまで近く、グイドは驚き照れてしまい変な声が出てしまう。あまりの間抜けな声にテリーヌは「それは返事?」と怪訝な顔をしながら聞くと、グイドは「……そういう事で」と小声で答えた。
白い円型のサイドテーブルにグレーのクッションが置かれ、その上にグイドの首は乗せられていた。水の様に流れるさらりとした金髪は、テリーヌが手に持つ鋏によって短く切られパラパラと床に散らばる。
首倉庫には沢山の恋人達がおり、テリーヌは責任持って一人一人のメンテナンスを行っている。恋人になった者達を見境なく切断している訳ではなく、きちんと一人一人の名前は憶え、メンテナンスも怠らず愛している。首倉庫に来れば毎日全員ではないが日常会話もする今日のメンテナンスと話し相手はグイドだった。
「さっぱりしたわね……ほら、やっぱり似合う。」
毎日首の誰かをメンテナンスしていればヘアカットもそこそこ上手くなる。中途半端に伸びていた髪は量も軽くなり、綺麗におかっぱに揃えられていた。テリーヌは近くに用意してあった二面鏡を手に持ち開き、綺麗にカットされた姿をグイドに見せる。何事にも丁寧なテリーヌがカットするのだから心配はなかったのだが、グイドは目を丸くして固まった。
驚いた様子のまま固まっているグイドに、気に入らないのだろうかと少し不安になったテリーヌは、眉間に皺を寄せて口の形をへの字にさせながら「ちょっと……」と声をかける。
「何か言ってくれないと困るわ?」
「……ぁ、とても、素敵に仕上がっていて……。」
自分の世界から帰ってきたグイドは慌てて答える。本当にお世辞ではなく、予想以上に出来も見た目も良い事に驚いての感想だった。口の形が漫画の一コマの様にギザギザになりながら、照れた様子で言うグイドの顔を隣で覗き込んだテリーヌは、彼が嘘をついていない事を確認すると気分を良くしたのかにんまりと笑った。
最近テリーヌには新しいお気に入りの男性ができた。いつもおどおどとしていて、テリーヌに対して怯えた様子だった。テリーヌは「私もモノにならない?」と聞くと男性は血の気が引いた顔になり、慌てた様子でどう断ろうかと口をパクパクさせながら脳内をグルグルさせ考えた。
テリーヌはそんな男性におかまいなく、返事も聞かずに男性の右腕に抱きつき、ギロチンが設置されている部屋へ連れて行った。
「あら?」
男性を首だけに切断し、両手で持ち上げて話しかけてみたが返事がなかった。……そして漸く気づく。
「……あぁ、この子……。」
熾天使の翼の天使達は半不死身故で生きているが、それ以外の種族はそうではない。首だけとなった男性の髪は黒髪、自分達のようにトウモロコシ色の金髪ではなかった。
「熾天使の翼の天使じゃなかったわ。」
テリーヌは両目を閉じ、カクンと俯く。お気に入りの男性を目にすると、相手が何の種族か確認するのをついつい忘れてしまいがちだ。あの時男性が慌てた様子で断ろうとしていたのは、自分は熾天使の翼の天使ではないので、首だけに切断してしまったら死んでしまうとわかっていたからだ。
テリーヌの首コレクション癖は多くの者が知っていた。誰だって、よっぽどの理由がない限り死にたいとは思わない。相手は王族故、どう断れば良かったのだろうと彼なりに考えていたのだろう。
少しテリーヌは申し訳ないと思いつつ、男性の首を両腕で我が子を抱くように優しく抱き締める……彼女の薄い桃色のドレスは、男性の生きていた証拠である首から流れた血で染まっていた。
「寂しいわ? お話ができない子は、でも大丈夫……捨てたりしないから。ずっと、ずっと保管してあげる。」
目蓋をゆっくりと開き、首をそっと持ち上げて顔を見つめながら愛しそうに囁いた。男性の目蓋は先程テリーヌがそっと閉じさせたので、まるで眠っているようだ。テリーヌはその半開きの唇に、自分の唇を重ねた。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
〈社会人百合〉アキとハル
みなはらつかさ
恋愛
女の子拾いました――。
ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?
主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。
しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……?
絵:Novel AI
豪華地下室チートで異世界救済!〜僕の地下室がみんなの憩いの場になるまで〜
自来也
ファンタジー
カクヨム、なろうで150万PV達成!
理想の家の完成を目前に異世界に転移してしまったごく普通のサラリーマンの翔(しょう)。転移先で手にしたスキルは、なんと「地下室作成」!? 戦闘スキルでも、魔法の才能でもないただの「地下室作り」
これが翔の望んだ力だった。
スキルが成長するにつれて移動可能、豪華な浴室、ナイトプール、釣り堀、ゴーカート、ゲーセンなどなどあらゆる物の配置が可能に!?
ある時は瀕死の冒険者を助け、ある時は獣人を招待し、翔の理想の地下室はいつのまにか隠れた憩いの場になっていく。
※この作品は小説家になろう、カクヨムにも投稿しております。
底辺おっさん異世界通販生活始めます!〜ついでに傾国を建て直す〜
ぽっちゃりおっさん
ファンタジー
学歴も、才能もない底辺人生を送ってきたアラフォーおっさん。
運悪く暴走車との事故に遭い、命を落とす。
憐れに思った神様から不思議な能力【通販】を授かり、異世界転生を果たす。
異世界で【通販】を用いて衰退した村を建て直す事に成功した僕は、国家の建て直しにも協力していく事になる。
家ごと異世界ライフ
ねむたん
ファンタジー
突然、自宅ごと異世界の森へと転移してしまった高校生・紬。電気や水道が使える不思議な家を拠点に、自給自足の生活を始める彼女は、個性豊かな住人たちや妖精たちと出会い、少しずつ村を発展させていく。温泉の発見や宿屋の建築、そして寡黙なドワーフとのほのかな絆――未知の世界で織りなす、笑いと癒しのスローライフファンタジー!
神様のミスで女に転生したようです
結城はる
ファンタジー
34歳独身の秋本修弥はごく普通の中小企業に勤めるサラリーマンであった。
いつも通り起床し朝食を食べ、会社へ通勤中だったがマンションの上から人が落下してきて下敷きとなってしまった……。
目が覚めると、目の前には絶世の美女が立っていた。
美女の話を聞くと、どうやら目の前にいる美女は神様であり私は死んでしまったということらしい
死んだことにより私の魂は地球とは別の世界に迷い込んだみたいなので、こっちの世界に転生させてくれるそうだ。
気がついたら、洞窟の中にいて転生されたことを確認する。
ん……、なんか違和感がある。股を触ってみるとあるべきものがない。
え……。
神様、私女になってるんですけどーーーー!!!
小説家になろうでも掲載しています。
URLはこちら→「https://ncode.syosetu.com/n7001ht/」
とある高校の淫らで背徳的な日常
神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。
クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。
後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。
ノクターンとかにもある
お気に入りをしてくれると喜ぶ。
感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。
してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。
旦那の真実の愛の相手がやってきた。今まで邪魔をしてしまっていた妻はお祝いにリボンもおつけします
暖夢 由
恋愛
「キュリール様、私カダール様と心から愛し合っておりますの。
いつ子を身ごもってもおかしくはありません。いえ、お腹には既に育っているかもしれません。
子を身ごもってからでは遅いのです。
あんな素晴らしい男性、キュリール様が手放せないのも頷けますが、カダール様のことを想うならどうか潔く身を引いてカダール様の幸せを願ってあげてください」
伯爵家にいきなりやってきた女(ナリッタ)はそういった。
女は小説を読むかのように旦那とのなれそめから今までの話を話した。
妻であるキュリールは彼女の存在を今日まで知らなかった。
だから恥じた。
「こんなにもあの人のことを愛してくださる方がいるのにそれを阻んでいたなんて私はなんて野暮なのかしら。
本当に恥ずかしい…
私は潔く身を引くことにしますわ………」
そう言って女がサインした書類を神殿にもっていくことにする。
「私もあなたたちの真実の愛の前には敵いそうもないもの。
私は急ぎ神殿にこの書類を持っていくわ。
手続きが終わり次第、あの人にあなたの元へ向かうように伝えるわ。
そうだわ、私からお祝いとしていくつか宝石をプレゼントさせて頂きたいの。リボンもお付けしていいかしら。可愛らしいあなたととてもよく合うと思うの」
こうして一つの夫婦の姿が形を変えていく。
---------------------------------------------
※架空のお話です。
※設定が甘い部分があるかと思います。「仕方ないなぁ」とお赦しくださいませ。
※現実世界とは異なりますのでご理解ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる