11 / 46
第11話 生まれてくる命
しおりを挟む
「お嬢様! そのように歩かれては危ないですよ!」
エルザは支払いを済ませてお店から出ると、随分先へ進んでしまっていたカトリーヌの背中を追って走り出した。
カトリーヌの腹は妊娠八ヶ月目になり大分目立つようになってきていたが、つわりがあった頃よりもずっと快適に過ごす事が出来ていた。何よりお腹の中から感じる胎動はカトリーヌを確実に“母”へと変えていっていた。
ふと、足を止めたカトリーヌに追いついたエルザは、急に足を止めたカトリーヌの顔を覗き込んだ。
「いかがなさいました? お嬢様?」
不安そうなエルザの顔にカトリーヌは小さく微笑んだ。
「……しゃっくりしているわ」
「しゃっくり、ですか? 誰がです?」
そのまま視線はカトリーヌが触れているお腹に向いていく。そしてエルザは驚いたようにカトリーヌを見た。
「もしやお腹の中でですか?」
「そうよ。変な感じ」
カトリーヌはそっとお腹を撫でて目を閉じた。
「お嬢様ったらすっかりお母さんのお顔をしておられますよ」
「……本当に?」
「本当ですとも。でもまだまだ気を抜かないでくださいね! 無事に誕生するまで私は気が気ではありません!」
カトリーヌの腕を掴み、支えるようにして歩き出すエルザに寄り添いながらカトリーヌも歩き出した。
「そう言えば買えたの?」
するとエルザは得意そうに袋を持ち上げた。
「もちろんです! これでルイス坊っちゃまも喜びますね!」
「まだルイス坊っちゃまなんて呼んだら嫌がられるわよ。というか私の事も今だにお嬢様と呼ぶんだもの」
「いいんです! 私にはいつまで経ってもお嬢様に坊ちゃまなんですから」
「あなたがモンフォール家に来てから長いものね。エルザもそろそろ結婚を考える年でしょう?」
「私はいいんです。お嬢様方のそばにいるのが幸せなんですから」
貴族の結婚は早いが、平民女性の結婚も十八から二十二歳くらいには結婚している者も多いらしく、エルザはその適齢期を少し過ぎた二十三歳になろうとしていた。見た目も悪くないし侍女としても技量も申し分ない。それにエルザの良さは何よりその明るさにあった。エルザがいるだけで周りは明るくなるし、元気になれる。それなのに今だに結婚しないのは正直気になるところだった。
「そういえばカールは元気にしている?」
そう言ってちらりと盗み見るようにしエルザに視線を送ると、僅かに顔が強張った気がした。いつも笑顔のエルザの顔が曇るのはカールの話を出した時と決まっている。そう気がついたのは王都に来てからだった。ジェニーが事ある毎にカールの話ばかりをするものだから、モンフォール領を出てから会っていないというのに、カールを身近に感じるから不思議なものだ。
「どうでしょうか。私も連絡は取っていませんから」
「そうなの? でもきっと忙しいのよね。今モンフォール領はどうなっているのかしら」
「旦那様もほとんど屋敷には帰られないのでお身体が心配です」
父親は王都に来てからというもの、ベルトラン侯爵に紹介された仕事の他にモンフォール領復興の為、寝る間を惜しんで働く日々だった。最後に顔を見たのはいつだったかも思い出せない。エルザは時折着替えや近況報告の為に城へ行っているようで、父親の最近の様子もエルザから聞く事の方が多くなっていた。
「私達には私達に出来る事をするだけよね」
「そうですよ。奥様もようやく外出する機会が増えてきましたし、ルイス様も晴れて騎士団へ入団されました。後はお嬢様が元気なお子をご出産されるだけですね! 皆首を長くして……」
そうしてエルザははっと口を噤んだ。
「……申し訳ございません」
「大丈夫よ。気にしていないわ」
そういってカトリーヌは街の端に停めてあった馬車へと乗り込んだ。
アルベルトに妊娠したと手紙を出してからかなりの月日が過ぎようとしていた。手紙を書いている間はどんな返事が来るのか心配で仕方なかった。喜んでくれるだろうか、短く素っ気ない手紙が届いたらどうしようか、名前の事や子供に関する事を定期的に手紙に書いた方がいいだろうか。そんな事を考えて過ごし二週間が過ぎ、一ヶ月が過ぎ、三ヶ月が過ぎ……、ついにカトリーヌは返事が来る事を諦めた。
どんなに考えも全ては無意味で、アルベルトは手紙の返事をくれる事はなかった。
「少しお腹が減ったから、帰ったらそのお土産でお茶にしましょう」
「そうですね、そうしましょう! ルイス様が騎士団に入られてから奥様もすっかり退屈しているようですし、ジェニー様もお呼びして女子会ですね」
「でもルドルフがいるわよ?」
「そうですね、それでは……侍女の格好でもお願いしましょうか」
カトリーヌは想像してしまった妄想に吹き出しかけて口を閉じた。
モンフォール家での楽しいひとときを過ごし、カトリーヌとルドルフが屋敷に戻った時だった。玄関の方が騒がしいと思ったのも束の間、「ゆっくり来て下さい!」と言い残してルドルフは走り出していた。
遅れて玄関に辿り着いた瞬間、中から出てきたその姿にカトリーヌは息を止めた。アルベルトと同じ濃い青色の髪には少し白髪が交じっている。階段の上から見下ろしてくるその姿に、カトリーヌは思わずびくりと身体を縮こめてしまった。結婚式では何度か言葉を交わした記憶がある。でもそれはとても事務的で、顔もよく見る事が出来なかった。すらりとした身長に、少し痩けた頬。とっさに階段を降りてきたベルトラン当主を怖いと思ってしまい、身を横にずらした。
「お久し振りですお義父様」
「すぐに行くからそう固くなるな」
「そんな! ゆ、ゆっくりしていって下さい」
「我が家なのだから好きにするさ。まだ腹はあまり出ていないのだな」
「お腹はこんなものだと先生も仰っておりました」
「それならいいが、大事なベルトラン家の跡取りなのだから無理はしないでくれ」
「承知しております」
怖いと思いながらもそのまま通り過ぎていく背中をとっさに追いかけて声を掛けていた。
「あのッ! アルベルト様はご無事でしょうか。連絡がありませんので心配しておりました」
不意に呼び止めたせいで今度は見下げる格好になってしまう。見上げてきた無表情な顔に、カトリーヌは思わず腹を守るように抱えた。
「あれの事は気にせずに、お前は丈夫な子を産む事だけに集中すればよい。どうせ心配する程夫らしい事もしていないのだろう?」
「もちろんこの子の事を第一に考えております。大事な我が子ですから」
するとベルトラン侯爵は不思議そうに眉を潜めた。
「子の誕生というのは、そのように嬉しいものなのか?」
その時初めて自分が無意識に微笑んでいるのだと思った。
「皆がそうかは分かりませんが、私はこの子を授かったと聞いた時、不安もありましたが嬉しい気持ちになりました」
「愛していない男の子供でもか?」
義父に言われてしまえばどう答えるのが正解なのか分からない。それでも嘘だけは吐けないと思った。
「“私の子”です。私もモンフォールの者達も、この子を愛しています」
返事はなく、正解も質問の意図も全く分からなかった。緊張で心臓がバクバクとなるのを耐えていると、すぐに見送りに出ていたルドルフが戻ってきた。
「奥様? 大丈夫ですか?」
「平気よ。お義父様は何をしにいらしたのかしら」
するとルドルフは困ったように視線を下げた。
「たまに大旦那様の遺品を整理しにいらっしゃるのです」
「アルベルト様のお祖父様は結婚する前にお亡くなりになられたのよね。ご葬儀はお身内のみでされるからと出席は出来なかったけれど、時間を掛けてご自身で遺品整理だなんて、余程愛してらしたのね」
「……モンフォール家は本当に愛に溢れたご家族なのですね。ですが旦那様の遺品整理はそれとは少し違うとうに思います」
「お手伝いしようかしら? 幸い私は時間を持て余しているもの」
「埃っぽい場所はお体に障りますよ」
「……そうね。それに知らない者にあれこれ触られたくないでしょうしね」
「知らない者ではありませんが、奥様はまずお体を第一にお考え下さい」
「みんな二言目にはそればかりなんだから。それにしてもアルベルト様が心配だわ」
心の声が出てしまうと、ルドルフが驚いたように振り返ってきた。
「おそらくお忙しいだけで奥様の事は気にされていると思います」
「そうよね。この子の為にも私がしっかりしないと」
お腹の中でお腹が蹴られた感覚に、はっとして足を止めた。
「あなたもそう思うわよね」
もごもごと腹の中で動く感覚に微笑みながら、静かな屋敷の中を歩き出した。
エルザは支払いを済ませてお店から出ると、随分先へ進んでしまっていたカトリーヌの背中を追って走り出した。
カトリーヌの腹は妊娠八ヶ月目になり大分目立つようになってきていたが、つわりがあった頃よりもずっと快適に過ごす事が出来ていた。何よりお腹の中から感じる胎動はカトリーヌを確実に“母”へと変えていっていた。
ふと、足を止めたカトリーヌに追いついたエルザは、急に足を止めたカトリーヌの顔を覗き込んだ。
「いかがなさいました? お嬢様?」
不安そうなエルザの顔にカトリーヌは小さく微笑んだ。
「……しゃっくりしているわ」
「しゃっくり、ですか? 誰がです?」
そのまま視線はカトリーヌが触れているお腹に向いていく。そしてエルザは驚いたようにカトリーヌを見た。
「もしやお腹の中でですか?」
「そうよ。変な感じ」
カトリーヌはそっとお腹を撫でて目を閉じた。
「お嬢様ったらすっかりお母さんのお顔をしておられますよ」
「……本当に?」
「本当ですとも。でもまだまだ気を抜かないでくださいね! 無事に誕生するまで私は気が気ではありません!」
カトリーヌの腕を掴み、支えるようにして歩き出すエルザに寄り添いながらカトリーヌも歩き出した。
「そう言えば買えたの?」
するとエルザは得意そうに袋を持ち上げた。
「もちろんです! これでルイス坊っちゃまも喜びますね!」
「まだルイス坊っちゃまなんて呼んだら嫌がられるわよ。というか私の事も今だにお嬢様と呼ぶんだもの」
「いいんです! 私にはいつまで経ってもお嬢様に坊ちゃまなんですから」
「あなたがモンフォール家に来てから長いものね。エルザもそろそろ結婚を考える年でしょう?」
「私はいいんです。お嬢様方のそばにいるのが幸せなんですから」
貴族の結婚は早いが、平民女性の結婚も十八から二十二歳くらいには結婚している者も多いらしく、エルザはその適齢期を少し過ぎた二十三歳になろうとしていた。見た目も悪くないし侍女としても技量も申し分ない。それにエルザの良さは何よりその明るさにあった。エルザがいるだけで周りは明るくなるし、元気になれる。それなのに今だに結婚しないのは正直気になるところだった。
「そういえばカールは元気にしている?」
そう言ってちらりと盗み見るようにしエルザに視線を送ると、僅かに顔が強張った気がした。いつも笑顔のエルザの顔が曇るのはカールの話を出した時と決まっている。そう気がついたのは王都に来てからだった。ジェニーが事ある毎にカールの話ばかりをするものだから、モンフォール領を出てから会っていないというのに、カールを身近に感じるから不思議なものだ。
「どうでしょうか。私も連絡は取っていませんから」
「そうなの? でもきっと忙しいのよね。今モンフォール領はどうなっているのかしら」
「旦那様もほとんど屋敷には帰られないのでお身体が心配です」
父親は王都に来てからというもの、ベルトラン侯爵に紹介された仕事の他にモンフォール領復興の為、寝る間を惜しんで働く日々だった。最後に顔を見たのはいつだったかも思い出せない。エルザは時折着替えや近況報告の為に城へ行っているようで、父親の最近の様子もエルザから聞く事の方が多くなっていた。
「私達には私達に出来る事をするだけよね」
「そうですよ。奥様もようやく外出する機会が増えてきましたし、ルイス様も晴れて騎士団へ入団されました。後はお嬢様が元気なお子をご出産されるだけですね! 皆首を長くして……」
そうしてエルザははっと口を噤んだ。
「……申し訳ございません」
「大丈夫よ。気にしていないわ」
そういってカトリーヌは街の端に停めてあった馬車へと乗り込んだ。
アルベルトに妊娠したと手紙を出してからかなりの月日が過ぎようとしていた。手紙を書いている間はどんな返事が来るのか心配で仕方なかった。喜んでくれるだろうか、短く素っ気ない手紙が届いたらどうしようか、名前の事や子供に関する事を定期的に手紙に書いた方がいいだろうか。そんな事を考えて過ごし二週間が過ぎ、一ヶ月が過ぎ、三ヶ月が過ぎ……、ついにカトリーヌは返事が来る事を諦めた。
どんなに考えも全ては無意味で、アルベルトは手紙の返事をくれる事はなかった。
「少しお腹が減ったから、帰ったらそのお土産でお茶にしましょう」
「そうですね、そうしましょう! ルイス様が騎士団に入られてから奥様もすっかり退屈しているようですし、ジェニー様もお呼びして女子会ですね」
「でもルドルフがいるわよ?」
「そうですね、それでは……侍女の格好でもお願いしましょうか」
カトリーヌは想像してしまった妄想に吹き出しかけて口を閉じた。
モンフォール家での楽しいひとときを過ごし、カトリーヌとルドルフが屋敷に戻った時だった。玄関の方が騒がしいと思ったのも束の間、「ゆっくり来て下さい!」と言い残してルドルフは走り出していた。
遅れて玄関に辿り着いた瞬間、中から出てきたその姿にカトリーヌは息を止めた。アルベルトと同じ濃い青色の髪には少し白髪が交じっている。階段の上から見下ろしてくるその姿に、カトリーヌは思わずびくりと身体を縮こめてしまった。結婚式では何度か言葉を交わした記憶がある。でもそれはとても事務的で、顔もよく見る事が出来なかった。すらりとした身長に、少し痩けた頬。とっさに階段を降りてきたベルトラン当主を怖いと思ってしまい、身を横にずらした。
「お久し振りですお義父様」
「すぐに行くからそう固くなるな」
「そんな! ゆ、ゆっくりしていって下さい」
「我が家なのだから好きにするさ。まだ腹はあまり出ていないのだな」
「お腹はこんなものだと先生も仰っておりました」
「それならいいが、大事なベルトラン家の跡取りなのだから無理はしないでくれ」
「承知しております」
怖いと思いながらもそのまま通り過ぎていく背中をとっさに追いかけて声を掛けていた。
「あのッ! アルベルト様はご無事でしょうか。連絡がありませんので心配しておりました」
不意に呼び止めたせいで今度は見下げる格好になってしまう。見上げてきた無表情な顔に、カトリーヌは思わず腹を守るように抱えた。
「あれの事は気にせずに、お前は丈夫な子を産む事だけに集中すればよい。どうせ心配する程夫らしい事もしていないのだろう?」
「もちろんこの子の事を第一に考えております。大事な我が子ですから」
するとベルトラン侯爵は不思議そうに眉を潜めた。
「子の誕生というのは、そのように嬉しいものなのか?」
その時初めて自分が無意識に微笑んでいるのだと思った。
「皆がそうかは分かりませんが、私はこの子を授かったと聞いた時、不安もありましたが嬉しい気持ちになりました」
「愛していない男の子供でもか?」
義父に言われてしまえばどう答えるのが正解なのか分からない。それでも嘘だけは吐けないと思った。
「“私の子”です。私もモンフォールの者達も、この子を愛しています」
返事はなく、正解も質問の意図も全く分からなかった。緊張で心臓がバクバクとなるのを耐えていると、すぐに見送りに出ていたルドルフが戻ってきた。
「奥様? 大丈夫ですか?」
「平気よ。お義父様は何をしにいらしたのかしら」
するとルドルフは困ったように視線を下げた。
「たまに大旦那様の遺品を整理しにいらっしゃるのです」
「アルベルト様のお祖父様は結婚する前にお亡くなりになられたのよね。ご葬儀はお身内のみでされるからと出席は出来なかったけれど、時間を掛けてご自身で遺品整理だなんて、余程愛してらしたのね」
「……モンフォール家は本当に愛に溢れたご家族なのですね。ですが旦那様の遺品整理はそれとは少し違うとうに思います」
「お手伝いしようかしら? 幸い私は時間を持て余しているもの」
「埃っぽい場所はお体に障りますよ」
「……そうね。それに知らない者にあれこれ触られたくないでしょうしね」
「知らない者ではありませんが、奥様はまずお体を第一にお考え下さい」
「みんな二言目にはそればかりなんだから。それにしてもアルベルト様が心配だわ」
心の声が出てしまうと、ルドルフが驚いたように振り返ってきた。
「おそらくお忙しいだけで奥様の事は気にされていると思います」
「そうよね。この子の為にも私がしっかりしないと」
お腹の中でお腹が蹴られた感覚に、はっとして足を止めた。
「あなたもそう思うわよね」
もごもごと腹の中で動く感覚に微笑みながら、静かな屋敷の中を歩き出した。
594
お気に入りに追加
2,263
あなたにおすすめの小説
余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめる事にしました 〜once again〜
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
【アゼリア亡き後、残された人々のその後の物語】
白血病で僅か20歳でこの世を去った前作のヒロイン、アゼリア。彼女を大切に思っていた人々のその後の物語
※他サイトでも投稿中
【完結】捨てられた双子のセカンドライフ
mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】
王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。
父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。
やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。
これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。
冒険あり商売あり。
さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。
(話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)
あなたの愛が正しいわ
来須みかん
恋愛
旧題:あなたの愛が正しいわ~夫が私の悪口を言っていたので理想の妻になってあげたのに、どうしてそんな顔をするの?~
夫と一緒に訪れた夜会で、夫が男友達に私の悪口を言っているのを聞いてしまった。そのことをきっかけに、私は夫の理想の妻になることを決める。それまで夫を心の底から愛して尽くしていたけど、それがうっとうしかったそうだ。夫に付きまとうのをやめた私は、生まれ変わったように清々しい気分になっていた。
一方、夫は妻の変化に戸惑い、誤解があったことに気がつき、自分の今までの酷い態度を謝ったが、妻は美しい笑みを浮かべてこういった。
「いいえ、間違っていたのは私のほう。あなたの愛が正しいわ」

初めから離婚ありきの結婚ですよ
ひとみん
恋愛
シュルファ国の王女でもあった、私ベアトリス・シュルファが、ほぼ脅迫同然でアルンゼン国王に嫁いできたのが、半年前。
嫁いできたは良いが、宰相を筆頭に嫌がらせされるものの、やられっぱなしではないのが、私。
ようやく入手した離縁届を手に、反撃を開始するわよ!
ご都合主義のザル設定ですが、どうぞ寛大なお心でお読み下さいマセ。

初耳なのですが…、本当ですか?
あおくん
恋愛
侯爵令嬢の次女として、父親の仕事を手伝ったり、邸の管理をしたりと忙しくしているアニーに公爵家から婚約の申し込みが来た!
でも実際に公爵家に訪れると、異世界から来たという少女が婚約者の隣に立っていて…。

妾に恋をした
はなまる
恋愛
ミーシャは22歳の子爵令嬢。でも結婚歴がある。夫との結婚生活は半年。おまけに相手は子持ちの再婚。 そして前妻を愛するあまり不能だった。実家に出戻って来たミーシャは再婚も考えたが何しろ子爵領は超貧乏、それに弟と妹の学費もかさむ。ある日妾の応募を目にしてこれだと思ってしまう。
早速面接に行って経験者だと思われて採用決定。
実際は純潔の乙女なのだがそこは何とかなるだろうと。
だが実際のお相手ネイトは妻とうまくいっておらずその日のうちに純潔を散らされる。ネイトはそれを知って狼狽える。そしてミーシャに好意を寄せてしまい話はおかしな方向に動き始める。
ミーシャは無事ミッションを成せるのか?
それとも玉砕されて追い出されるのか?
ネイトの恋心はどうなってしまうのか?
カオスなガストン侯爵家は一体どうなるのか?

婚約破棄をされた悪役令嬢は、すべてを見捨てることにした
アルト
ファンタジー
今から七年前。
婚約者である王太子の都合により、ありもしない罪を着せられ、国外追放に処された一人の令嬢がいた。偽りの悪業の経歴を押し付けられ、人里に彼女の居場所はどこにもなかった。
そして彼女は、『魔の森』と呼ばれる魔窟へと足を踏み入れる。
そして現在。
『魔の森』に住まうとある女性を訪ねてとある集団が彼女の勧誘にと向かっていた。
彼らの正体は女神からの神託を受け、結成された魔王討伐パーティー。神託により指名された最後の一人の勧誘にと足を運んでいたのだが——。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる