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〈番外編 母達の物語〉1 先視の力
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「……ナ様、リナ様!」
まだ夜明けには早い部屋の中。
煌々と瞼を焼く光に目を開けると、無意識に毛布の端を掴んでいた。そして、甲の上に重なっていた温かいものがよく知っている手だと分かる頃には、意識は深淵の縁からようやく引き上げられようとしていた。今思えば何を視ていたのかさえ分からない。それでも良くない恐ろしいものだった事は確かで、それはいつか来る未来なのだと、それだけはいつも分かっていた。
「またあの夢ですか?」
返事が出来る程には回復していない。それでも心配そうに覗くその顔を見てぎこちなく微笑んだ。心配させないとしたはずの行為だったが、覗き込むその顔は更に歪んで見えた。
「リナ様、力が溢れております」
無意識に散らしていた力で満ちた部屋には、小鳥のような姿で赤い光を放つものが幾つも飛び回っている。
リナは目を閉じて深呼吸すると、少しずつ息を吸っていく。そうして呼吸を落ち着かせていく度に、室内を飛び回っていた光達は除々に薄くなりリナの口元に吸い込まれていく。そして全てが消え去った室内は、カーテンの隙間から満月の光のみに支配された薄闇に戻っていた。
「もしかして廊下まで?」
「いいえ、お部屋から少しだけ光が溢れていたものですから」
「もう大丈夫よ。お前も部屋に戻ってお休み」
「もう少しだけこちらにいても宜しいでしょうか?」
リナは起き上がらないまま視線だけをローザに向けると、小さく頷いた。
「大丈夫だと言ったでしょう」
「分かっています。それでも少しだけ。もう少しだけです、リナ様。後少ししたら私も眠りますから」
「好きになさい」
「寝不足か?」
ローザはカートを押しながら欠伸を噛み殺していた所を後ろから声を掛けられ、とっさに足を止めた。振り返ると、アルヴァが苦笑いをしながら立っていた。
「アルヴァ殿下! 申し訳ございません!」
カートを脇に避けて頭を下げたが、アルヴァはローザよりもずっと高い背を屈ませて覗き込んできた。ローザはとっさに後ろに飛び退いたが、すぐ後ろは壁ですぐに止まってしまった。
「顔が疲れているな、酷い顔だ」
「お見苦しいものをお見せしてしまい申し訳ございません」
その瞬間、カートを押す手を掴まれた。
「アルヴァ殿下? あの……」
「いつまでアルヴァと呼ぶつもりかな?」
「ですが、アルヴァ殿下はアルヴァ殿下です」
「アルと。もうそう呼んではくれないのか?」
廊下の先から声が聞こえてくる。ローザはカートを押す手に力を込めたが、アルヴァの力はそれよりも強かった。
「アルヴァ様! 人が来ますッ」
「アルと呼んでくれたら離すよ」
「お止め下さい。人に見られてしまいます」
しかしアルヴァは人の良さそうな微笑みを浮かべたまま、首を傾けているだけ。さらりと動いた前髪の隙間から優しい瞳と目がかち合った。
「……アル様、ご容赦ください」
震える声でそう言った瞬間、パッと手が離された。
「うん、まぁ今日はいいか。実は君にお願いがあって来たんだよ」
「何でしょうか?」
「ははッ、そう構えなくても大丈夫だよ。今からリナの所に行くのなら、礼拝堂に来るように言っておいてくれないか?」
「それはもしや新しい神官長様の件でしょうか」
「さすがローザ。先月の任命式で母上は身重で欠席、リナも体調不良で欠席。もちろん事情は伝えているけれど、ずっと会わないというのも王族側として体面が良くないという訳さ」
「ですがリナ様はこの所ご体調が優れませんので、外出出来るかどうか分かりません」
「短い時間で構わないよ。新しい神官長殿もリナに会いたいと言っていてね。おそらく簡単な挨拶で済むだろうからそう時間は取らないだろうし、ローザが一緒なら問題ないだろう?」
「お伝えしてみます」
アルヴァは手を振りながらローザを見送った。
「お兄様が? そう……」
「もしご体調が優れないようでしたら私が出向き、ご事情をお話して参ります」
「大丈夫よ。最近はずっと部屋から出ていなかったから気分転換にはなるわね」
「ご無理をなさらないで下さい」
「大丈夫よ。準備を手伝ってくれる?」
その瞬間、ローザは思わず手を伸ばしていた。窓辺に立ち振り返った色の白いリナは、今にも陽の光に解けて消えてしまいそうに見えた。
「お兄様、お待たせ致しました」
女神像の前で神官と思わしき男性と話をしていたアルヴァは、少し驚いた顔をしてこちらを見てきていた。
「お前少し痩せたんじゃないか? それに部屋に籠もりきりで陽の光を浴びていないから、そんなに真っ白で……」
「私は元々こういう肌の色なのです。それにお兄様も同じではないですか。男性とは思えない程の美白ですこと」
「それだけ話せれば心配ないな。食事は取っているのか? まあローザが側にいるからちゃんと気を使っているだろうけど、ローザに心配を掛けてはいけないよ」
「お兄様! 私を呼ばれた理由があったのですよね?」
アルヴァの少し後ろでずっと微笑ましそうに笑みを浮かべていた神官は、リナの視線を受けるとやうやうしく頭を下げてきた。
「こちらはロウ神官長だ。お前は任命式典の時に欠席をしたから初めてだろう。これから顔を合わせる事になるのだからご挨拶をしなさい」
「初めまして。この度はご挨拶が遅くなり申し訳ございませんでした。リナ・エミルと申します」
「ご体調の事はお伺いしておりましたが、王女様のお部屋にお伺いする訳にもいかず、アルヴァ様にこのような場を設けて頂いた次第でございます。リナ様にお会いでき、至極光栄にございます」
「宜しくお願いしますね、ロウ神官長。でも珍しいお名前ですね。お生まれはどちらなのですか?」
するとロウは自分の頬を撫でて見せた。肌の色は浅黒いくらいで、陽に焼けたというよりはもともとの肌色のように見えた。
「故郷は滅び、名乗る名はもうございません」
その糸目を三日月型にして笑った顔は、笑っているのに何の表情も読み取れなかった。名乗る故郷がないという事はすでに滅んでいるという事。このエミル王国でさえ幾つかの部族が集まって出来上がったもの。それでもこの国に住む者達は少なくとも滅んだという感覚はない。とすれば、ロウの故郷は滅ぼされたという事になるのだろう。
――ギルベアト帝国に。
この大陸で巨大な帝国を作り上げたギルベアト帝国のツーファール一族は、近隣の小国を蹂躙してきた。言葉通りに従うか滅ぼすかの二択のみで、この十数年で完全に滅ぼされた国は一つ。そして敗戦国として名は残されたが支配下に置かれた国が三つあった。エミル王国はその前の時代にギルベアト帝国の属国となった為、今を生きる人々はギルベルト帝国に侵攻されたという意識すら薄いかもしれない。
「そうでしたか。お辛い事をお伺いしてしまいました」
気の毒だが、同情するには同じ境遇の者達が多過ぎた。
「せっかくですから祈りを捧げて行かれませんか?」
「私ですか? 結構です」
にこりと微笑むと、微笑み返される。
「そう仰らずに」
「私はさほど信仰心はないのです。がっかりされましたか?」
するとロウは糸目を少し開けたが、それでも口元は笑っていた。
「いいえ、むしろ納得致しました。それでは今日お会い出来たのは女神様の気まぐれという訳ですね」
「どうでしょうか。少なくとも、女神様は私には気まぐれのようです」
今度こそ振り向かずに進んでいく。その時、頭の中が一気に熱くなり意識が飛びそうになった。誰かが身体を支えてくれる。薄めで目を開けると、そこには見知らぬ男性が立っていた。
印象的なのは金色の瞳。そしてそこに宿る意志の強い、強い眼差し。男性の周囲は輝いていて他には何も見えない。
「リナ様?! いかがなさいました? リナ様ッ!」
我に返ったようにもう一度そこを見ると、ローザが心配そうに覗き込んでいた。がっちりと掴まれた手は僅かに震えている。白昼夢を見たのだと、そう理解するのに時間はかからなかった。
「リナ様? 宜しければ落ち着くまで神殿の部屋で休まれて行かれますか?」
後ろからの声にぞくりと背筋が寒くなる。振り返らないまま立ち上がり、“平気です”と出来るだけ気丈に聞こえるよう、声に力を入れた。
まだ夜明けには早い部屋の中。
煌々と瞼を焼く光に目を開けると、無意識に毛布の端を掴んでいた。そして、甲の上に重なっていた温かいものがよく知っている手だと分かる頃には、意識は深淵の縁からようやく引き上げられようとしていた。今思えば何を視ていたのかさえ分からない。それでも良くない恐ろしいものだった事は確かで、それはいつか来る未来なのだと、それだけはいつも分かっていた。
「またあの夢ですか?」
返事が出来る程には回復していない。それでも心配そうに覗くその顔を見てぎこちなく微笑んだ。心配させないとしたはずの行為だったが、覗き込むその顔は更に歪んで見えた。
「リナ様、力が溢れております」
無意識に散らしていた力で満ちた部屋には、小鳥のような姿で赤い光を放つものが幾つも飛び回っている。
リナは目を閉じて深呼吸すると、少しずつ息を吸っていく。そうして呼吸を落ち着かせていく度に、室内を飛び回っていた光達は除々に薄くなりリナの口元に吸い込まれていく。そして全てが消え去った室内は、カーテンの隙間から満月の光のみに支配された薄闇に戻っていた。
「もしかして廊下まで?」
「いいえ、お部屋から少しだけ光が溢れていたものですから」
「もう大丈夫よ。お前も部屋に戻ってお休み」
「もう少しだけこちらにいても宜しいでしょうか?」
リナは起き上がらないまま視線だけをローザに向けると、小さく頷いた。
「大丈夫だと言ったでしょう」
「分かっています。それでも少しだけ。もう少しだけです、リナ様。後少ししたら私も眠りますから」
「好きになさい」
「寝不足か?」
ローザはカートを押しながら欠伸を噛み殺していた所を後ろから声を掛けられ、とっさに足を止めた。振り返ると、アルヴァが苦笑いをしながら立っていた。
「アルヴァ殿下! 申し訳ございません!」
カートを脇に避けて頭を下げたが、アルヴァはローザよりもずっと高い背を屈ませて覗き込んできた。ローザはとっさに後ろに飛び退いたが、すぐ後ろは壁ですぐに止まってしまった。
「顔が疲れているな、酷い顔だ」
「お見苦しいものをお見せしてしまい申し訳ございません」
その瞬間、カートを押す手を掴まれた。
「アルヴァ殿下? あの……」
「いつまでアルヴァと呼ぶつもりかな?」
「ですが、アルヴァ殿下はアルヴァ殿下です」
「アルと。もうそう呼んではくれないのか?」
廊下の先から声が聞こえてくる。ローザはカートを押す手に力を込めたが、アルヴァの力はそれよりも強かった。
「アルヴァ様! 人が来ますッ」
「アルと呼んでくれたら離すよ」
「お止め下さい。人に見られてしまいます」
しかしアルヴァは人の良さそうな微笑みを浮かべたまま、首を傾けているだけ。さらりと動いた前髪の隙間から優しい瞳と目がかち合った。
「……アル様、ご容赦ください」
震える声でそう言った瞬間、パッと手が離された。
「うん、まぁ今日はいいか。実は君にお願いがあって来たんだよ」
「何でしょうか?」
「ははッ、そう構えなくても大丈夫だよ。今からリナの所に行くのなら、礼拝堂に来るように言っておいてくれないか?」
「それはもしや新しい神官長様の件でしょうか」
「さすがローザ。先月の任命式で母上は身重で欠席、リナも体調不良で欠席。もちろん事情は伝えているけれど、ずっと会わないというのも王族側として体面が良くないという訳さ」
「ですがリナ様はこの所ご体調が優れませんので、外出出来るかどうか分かりません」
「短い時間で構わないよ。新しい神官長殿もリナに会いたいと言っていてね。おそらく簡単な挨拶で済むだろうからそう時間は取らないだろうし、ローザが一緒なら問題ないだろう?」
「お伝えしてみます」
アルヴァは手を振りながらローザを見送った。
「お兄様が? そう……」
「もしご体調が優れないようでしたら私が出向き、ご事情をお話して参ります」
「大丈夫よ。最近はずっと部屋から出ていなかったから気分転換にはなるわね」
「ご無理をなさらないで下さい」
「大丈夫よ。準備を手伝ってくれる?」
その瞬間、ローザは思わず手を伸ばしていた。窓辺に立ち振り返った色の白いリナは、今にも陽の光に解けて消えてしまいそうに見えた。
「お兄様、お待たせ致しました」
女神像の前で神官と思わしき男性と話をしていたアルヴァは、少し驚いた顔をしてこちらを見てきていた。
「お前少し痩せたんじゃないか? それに部屋に籠もりきりで陽の光を浴びていないから、そんなに真っ白で……」
「私は元々こういう肌の色なのです。それにお兄様も同じではないですか。男性とは思えない程の美白ですこと」
「それだけ話せれば心配ないな。食事は取っているのか? まあローザが側にいるからちゃんと気を使っているだろうけど、ローザに心配を掛けてはいけないよ」
「お兄様! 私を呼ばれた理由があったのですよね?」
アルヴァの少し後ろでずっと微笑ましそうに笑みを浮かべていた神官は、リナの視線を受けるとやうやうしく頭を下げてきた。
「こちらはロウ神官長だ。お前は任命式典の時に欠席をしたから初めてだろう。これから顔を合わせる事になるのだからご挨拶をしなさい」
「初めまして。この度はご挨拶が遅くなり申し訳ございませんでした。リナ・エミルと申します」
「ご体調の事はお伺いしておりましたが、王女様のお部屋にお伺いする訳にもいかず、アルヴァ様にこのような場を設けて頂いた次第でございます。リナ様にお会いでき、至極光栄にございます」
「宜しくお願いしますね、ロウ神官長。でも珍しいお名前ですね。お生まれはどちらなのですか?」
するとロウは自分の頬を撫でて見せた。肌の色は浅黒いくらいで、陽に焼けたというよりはもともとの肌色のように見えた。
「故郷は滅び、名乗る名はもうございません」
その糸目を三日月型にして笑った顔は、笑っているのに何の表情も読み取れなかった。名乗る故郷がないという事はすでに滅んでいるという事。このエミル王国でさえ幾つかの部族が集まって出来上がったもの。それでもこの国に住む者達は少なくとも滅んだという感覚はない。とすれば、ロウの故郷は滅ぼされたという事になるのだろう。
――ギルベアト帝国に。
この大陸で巨大な帝国を作り上げたギルベアト帝国のツーファール一族は、近隣の小国を蹂躙してきた。言葉通りに従うか滅ぼすかの二択のみで、この十数年で完全に滅ぼされた国は一つ。そして敗戦国として名は残されたが支配下に置かれた国が三つあった。エミル王国はその前の時代にギルベアト帝国の属国となった為、今を生きる人々はギルベルト帝国に侵攻されたという意識すら薄いかもしれない。
「そうでしたか。お辛い事をお伺いしてしまいました」
気の毒だが、同情するには同じ境遇の者達が多過ぎた。
「せっかくですから祈りを捧げて行かれませんか?」
「私ですか? 結構です」
にこりと微笑むと、微笑み返される。
「そう仰らずに」
「私はさほど信仰心はないのです。がっかりされましたか?」
するとロウは糸目を少し開けたが、それでも口元は笑っていた。
「いいえ、むしろ納得致しました。それでは今日お会い出来たのは女神様の気まぐれという訳ですね」
「どうでしょうか。少なくとも、女神様は私には気まぐれのようです」
今度こそ振り向かずに進んでいく。その時、頭の中が一気に熱くなり意識が飛びそうになった。誰かが身体を支えてくれる。薄めで目を開けると、そこには見知らぬ男性が立っていた。
印象的なのは金色の瞳。そしてそこに宿る意志の強い、強い眼差し。男性の周囲は輝いていて他には何も見えない。
「リナ様?! いかがなさいました? リナ様ッ!」
我に返ったようにもう一度そこを見ると、ローザが心配そうに覗き込んでいた。がっちりと掴まれた手は僅かに震えている。白昼夢を見たのだと、そう理解するのに時間はかからなかった。
「リナ様? 宜しければ落ち着くまで神殿の部屋で休まれて行かれますか?」
後ろからの声にぞくりと背筋が寒くなる。振り返らないまま立ち上がり、“平気です”と出来るだけ気丈に聞こえるよう、声に力を入れた。
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