2 / 20
2 愛しの婚約者
しおりを挟む
レティシアは息抜きも兼ねて、メイドのアンナと兵の二人を連れて領地内にある町へと来ていた。
領主の娘達が療養の為に来ているとだけ聞かされていては領民も不安が募ってしまうだろうと、安心させる為の意味も込め、この四ヶ月定期的に町へと通っていた。とはいっても、領主の娘であり貴族の令嬢に気安く話しかけてくる者はいないだろう、最初はそんな風に思っていた。
「レティシア様! これを見ていってくださいな、この間行商から仕入れた果物なんです。ぜひミランダ様に持っていって下さい!」
野菜や果物を多く取り扱っている店から声を掛けてきたのは、恰幅のいい年上の女性だった。
「マリー! 一週間振りね。元気だった?」
そう言いながらマリーの差し出して果物を手に取る。それは掌程の大きさの皮が厚い果物だった。マリーは豪快にそれを二つに割ってみせる。すると中にはポロポロとした小さな赤い粒の実がぎっしりと詰まっていた。レティシアが差し出されるままにその実を口にしようとした瞬間、アンナがさっとその間に割って入った。
「お嬢様、まずは私から……」
毒味をしようとするその身体を避けるようにひょいと先に腕を伸ばすと、その実を口に入れた。
「すッ」
「お嬢様! いかがなさいました!」
アンナが叫び、兵士が剣の柄に手を伸ばしかけた時大きな笑い声が上がった。マリーは腰に手を当てて笑うと、自身も手に持っていた実を口にした。
「これはちょっとまだ早かったみたいですね」
酸っぱそうに顔を顰めながらレティシアを見る。するとレティシアも笑い出してしまった。
「ちょっとなんてものじゃないわ」
「異国の果物なのでまだ完熟具合が見極めにくいんですよ。ごめんなさいね」
驚いているアンナにもその実を渡すと、怪訝そうにその実を見ながらその赤い粒を口にした。
「酸っぱッ」
アンナは思わず口を抑えると、涙目でレティシアを見た。
「これは何なのです?」
するとマリーは割っていない果物を見せてくれた。
「暑い国の果物らしいですよ。なんでも女性にはとっても効果抜群なんだとか」
「効果抜群とは?」
「お肌に張りが出て若々しさを保てるって話ですよ」
「そんな物をお嬢様に? お嬢様はまだまだお若いんですからね!」
「知ってますよぉ、そんなの。これを持ってきたのは異国の行商だったんですけどね、他にも珍しい果物を沢山扱っていておもしろそうだから……」
そう言いながら軒先にある籠を出そうとした時だった。
「お嬢様! 大変です! お嬢様!」
遠くから名を呼ぶ声がする。馬が単騎で駆けてくるその姿に、町の人々は驚きながら道を開けている。乗っていたのは王都から連れてきた使用人ではなく、もともと屋敷の管理の為に雇われていた使用人だった。使用人は息を上げながら馬から滑り降りた。足は泥のついたブーツを履き、サスペンダーで押さえているにも関わらずシャツが飛び出している。どれだけ急いで来たのかがよく分かった。
「大変です! 今屋敷にヴィンター侯爵家のご子息がいらしております!」
「ユリウスが?」
レティシアは急いで馬車に乗り込むと、屋敷まで戻った。
逸る気持ちを押さえて屋敷に戻った瞬間、庭の方から楽しげな笑い声が聞こえてきた。
庭に回り込んだ瞬間、テラスでお茶を飲む二人の姿があった。ミランダは療養という名目でこの地に来ているにも関わらず、全く病弱には見えない。それどころか楽しそうに笑い、何を話しているのか時よりユリウスの腕に触れるか触れないかの距離で手を動かしていた。ユリウスも楽しそうに話をしている。石畳の上をわざと靴音を立てて近付いて行くと、ユリウスが振り返った。
「レティシア!」
ミランダと談笑していたユリウスはレティシアの姿を見留めた途端立ち上がると、駆け出して抱き締めてきた。その瞬間たった今までもやもやとしていた感情が静まり、その代わりに一気に恥ずかしさと嬉しさが込み上げてくる。動揺したままシャツを掴むと、ユリウスは更にその腕の力を強めてくる。そして抱き上げられた。くるくると上げて回され、そしてもう一度その広い胸の中にすっぽりと抱き締められた。
「会いたかったよ、レティシア!」
「ユ、ユリウス降ろしてッ」
その瞬間、小さな咳払いと共にミランダがお茶を飲みながら冷静な顔でこちらを見ていた。
「ほんっとうにあなた達二人は変わらないわね。婚約してもう七年も経つっていうのに」
ユリウスと婚約したのはレティシアが十一歳の時、ユリウスが十二歳の時だった。それから変わらずに同じ想いを向けてくれるユリウスが愛しくて堪らなかった。
「何年経っても気持ちは出会った頃のまま、変わらずに同じなんだよ」
そう言ってユリウスは蕩けるような視線を向けてくる。薄茶の瞳が細められて、レティシアは思わず胸が苦しくなってしまった。黒い短い髪がとても男性ぽいのに、その表情は色気が含まれており直視できなくてなってしまう。最近のユリウスは格好良さの中に色気が混じる時があり、レティシアの心臓は会う度に激しく高鳴ってしまう。何よりユリウスに会うのが数ヶ月振りというのも胸の高鳴りの原因だった。
「可愛いな俺のレティシアは。それにしてもミランダが思いのほか元気そうで良かったよ。空気のいい領地での療養が効いたのかな?」
ミランダは得に病弱な素振りを見せる訳でもなく、好きにお菓子を食べ好きにお茶を飲んでいる。それでいて絵になるのだから得な容姿だと思いながら見ていると、ミランダはそっと口元を拭いて立ち上がった。
「あなた達を見ていたら胸焼けを起こしてしまいそうだわ。お先に失礼するわね」
ユリウスは嬉しそうに再び視線をレティシアに戻してきた。
「あの様子なら君が王都に戻って来る日も近いかな。この四ヶ月、離れていて本当に苦しかったんだ」
「大げさね。たった四ヶ月じゃない」
するとユリウスはむくれたように眉を顰めた。
「君は寂しくなかったみたいだな? 俺から離れて自由を謳歌していたのか。そうかそうか」
わざとらしくそう言って拗ねてくるユリウスが可愛いと感じてしまうのはいけない事だろうか。そっと指先を絡めると、恥ずかしさを押し込んで呟いた。
「……寂しかったわよ」
「どのくらい?」
「も、物凄く」
その瞬間勢いよく抱き上げられ、ぐるりと大きく回される。大きな笑い声は庭から屋敷の中まで聞こえる程だった。
しかしふと、ユリウスの表情が真顔になる。手は握りしめられたまま。それでもその表情はどこか硬い。
「どうかしたの? 何かあったの?」
それでもユリウスは動こうとしない。堪らずその頬に触れると、弾かれたように顔が上がった。
「俺が学園を卒業してから、アレン殿下のお側で働いていたのは知っているよね」
「もちろんよ。ねぇ、何があったの?」
ユリウスは溜め込んでいた物を深く吐き出すように息を吐いた。
「ラウンデル王国への留学を命じられたんだ。期間は二年」
言葉の意味についていけなくて、レティシアは聞いた言葉を繰り返した。
「留学、ラウンデル王国に?」
「留学するのはラウンデル王国にだけど、最後はレナール王国にも滞在する予定なんだ。近隣諸国を実際に自分の目で見てくるようにとの陛下からのお達しなんだよ。何も俺だけじゃないんだ。実は今はイヴがその留学に行っていて、あと少しで帰って来る。イヴと入れ替わるように今度は俺の番らしい」
「でもイヴ様は確か半年程前までは王都にいらしたわよね?」
「ヴァルト家は元々輸入業に関わっているからね。ご当主と共に幼い頃から色々回っていたから、期間も短かったんだよ」
「でも、それでもユリウスが二年もだなんて……」
その時、膝を上で握りしめていた手に熱い手が覆い被さってきた。
「二年経ったらもっと立派な男になって帰ってくるよ。そうしたら結婚しよう」
「ユリウスッ」
レティシアは腕を引かれるままその腕に飛び込んだ。
「誰もいないの? ミランダ?」
薄暗い部屋には泣き声が響いている。屋敷には必要最低限の使用人しかおらず、得に奥の部屋付近は人払いをしている為、使用人達はこの声に気が付いていないようだった。
覗き込んだ部屋の中、窓は開いており最近めっきりと涼しくなった風が吹き込んできている。レティシアは恐る恐るベビーベッドを覗き込むと、そこには赤ん坊が泣き叫んでいた。思わず目を離し、ミランダの部屋へと入って行く。しかしベッドは綺麗なまま。その上に一通の手紙が置いてある。嫌な予感がして恐る恐る手紙を開けると、その瞬間窓辺に走っていた。窓の下を見てももちろん何も見えない。ここは二階。飛び降りられる高さではない。それでも窓には降りる為のロープや梯子なども見当たらなかった。レティシアはただ風に髪を攫われるまま、しばらく立ち尽くした。
「んぎゃーー! あぎゃーー!」
ハッとして隣りの部屋に戻っていく。誰もいない部屋の中、震える指で手を伸ばすと、高い体温の小さな塊が指先をぐっと握り締めてきた。小さな手が握り締めてくるその力はとても強く、湿っている。どうしていいのか分からずに指先を握り締められたまま、ずるりとその場に座り込んだ。
領主の娘達が療養の為に来ているとだけ聞かされていては領民も不安が募ってしまうだろうと、安心させる為の意味も込め、この四ヶ月定期的に町へと通っていた。とはいっても、領主の娘であり貴族の令嬢に気安く話しかけてくる者はいないだろう、最初はそんな風に思っていた。
「レティシア様! これを見ていってくださいな、この間行商から仕入れた果物なんです。ぜひミランダ様に持っていって下さい!」
野菜や果物を多く取り扱っている店から声を掛けてきたのは、恰幅のいい年上の女性だった。
「マリー! 一週間振りね。元気だった?」
そう言いながらマリーの差し出して果物を手に取る。それは掌程の大きさの皮が厚い果物だった。マリーは豪快にそれを二つに割ってみせる。すると中にはポロポロとした小さな赤い粒の実がぎっしりと詰まっていた。レティシアが差し出されるままにその実を口にしようとした瞬間、アンナがさっとその間に割って入った。
「お嬢様、まずは私から……」
毒味をしようとするその身体を避けるようにひょいと先に腕を伸ばすと、その実を口に入れた。
「すッ」
「お嬢様! いかがなさいました!」
アンナが叫び、兵士が剣の柄に手を伸ばしかけた時大きな笑い声が上がった。マリーは腰に手を当てて笑うと、自身も手に持っていた実を口にした。
「これはちょっとまだ早かったみたいですね」
酸っぱそうに顔を顰めながらレティシアを見る。するとレティシアも笑い出してしまった。
「ちょっとなんてものじゃないわ」
「異国の果物なのでまだ完熟具合が見極めにくいんですよ。ごめんなさいね」
驚いているアンナにもその実を渡すと、怪訝そうにその実を見ながらその赤い粒を口にした。
「酸っぱッ」
アンナは思わず口を抑えると、涙目でレティシアを見た。
「これは何なのです?」
するとマリーは割っていない果物を見せてくれた。
「暑い国の果物らしいですよ。なんでも女性にはとっても効果抜群なんだとか」
「効果抜群とは?」
「お肌に張りが出て若々しさを保てるって話ですよ」
「そんな物をお嬢様に? お嬢様はまだまだお若いんですからね!」
「知ってますよぉ、そんなの。これを持ってきたのは異国の行商だったんですけどね、他にも珍しい果物を沢山扱っていておもしろそうだから……」
そう言いながら軒先にある籠を出そうとした時だった。
「お嬢様! 大変です! お嬢様!」
遠くから名を呼ぶ声がする。馬が単騎で駆けてくるその姿に、町の人々は驚きながら道を開けている。乗っていたのは王都から連れてきた使用人ではなく、もともと屋敷の管理の為に雇われていた使用人だった。使用人は息を上げながら馬から滑り降りた。足は泥のついたブーツを履き、サスペンダーで押さえているにも関わらずシャツが飛び出している。どれだけ急いで来たのかがよく分かった。
「大変です! 今屋敷にヴィンター侯爵家のご子息がいらしております!」
「ユリウスが?」
レティシアは急いで馬車に乗り込むと、屋敷まで戻った。
逸る気持ちを押さえて屋敷に戻った瞬間、庭の方から楽しげな笑い声が聞こえてきた。
庭に回り込んだ瞬間、テラスでお茶を飲む二人の姿があった。ミランダは療養という名目でこの地に来ているにも関わらず、全く病弱には見えない。それどころか楽しそうに笑い、何を話しているのか時よりユリウスの腕に触れるか触れないかの距離で手を動かしていた。ユリウスも楽しそうに話をしている。石畳の上をわざと靴音を立てて近付いて行くと、ユリウスが振り返った。
「レティシア!」
ミランダと談笑していたユリウスはレティシアの姿を見留めた途端立ち上がると、駆け出して抱き締めてきた。その瞬間たった今までもやもやとしていた感情が静まり、その代わりに一気に恥ずかしさと嬉しさが込み上げてくる。動揺したままシャツを掴むと、ユリウスは更にその腕の力を強めてくる。そして抱き上げられた。くるくると上げて回され、そしてもう一度その広い胸の中にすっぽりと抱き締められた。
「会いたかったよ、レティシア!」
「ユ、ユリウス降ろしてッ」
その瞬間、小さな咳払いと共にミランダがお茶を飲みながら冷静な顔でこちらを見ていた。
「ほんっとうにあなた達二人は変わらないわね。婚約してもう七年も経つっていうのに」
ユリウスと婚約したのはレティシアが十一歳の時、ユリウスが十二歳の時だった。それから変わらずに同じ想いを向けてくれるユリウスが愛しくて堪らなかった。
「何年経っても気持ちは出会った頃のまま、変わらずに同じなんだよ」
そう言ってユリウスは蕩けるような視線を向けてくる。薄茶の瞳が細められて、レティシアは思わず胸が苦しくなってしまった。黒い短い髪がとても男性ぽいのに、その表情は色気が含まれており直視できなくてなってしまう。最近のユリウスは格好良さの中に色気が混じる時があり、レティシアの心臓は会う度に激しく高鳴ってしまう。何よりユリウスに会うのが数ヶ月振りというのも胸の高鳴りの原因だった。
「可愛いな俺のレティシアは。それにしてもミランダが思いのほか元気そうで良かったよ。空気のいい領地での療養が効いたのかな?」
ミランダは得に病弱な素振りを見せる訳でもなく、好きにお菓子を食べ好きにお茶を飲んでいる。それでいて絵になるのだから得な容姿だと思いながら見ていると、ミランダはそっと口元を拭いて立ち上がった。
「あなた達を見ていたら胸焼けを起こしてしまいそうだわ。お先に失礼するわね」
ユリウスは嬉しそうに再び視線をレティシアに戻してきた。
「あの様子なら君が王都に戻って来る日も近いかな。この四ヶ月、離れていて本当に苦しかったんだ」
「大げさね。たった四ヶ月じゃない」
するとユリウスはむくれたように眉を顰めた。
「君は寂しくなかったみたいだな? 俺から離れて自由を謳歌していたのか。そうかそうか」
わざとらしくそう言って拗ねてくるユリウスが可愛いと感じてしまうのはいけない事だろうか。そっと指先を絡めると、恥ずかしさを押し込んで呟いた。
「……寂しかったわよ」
「どのくらい?」
「も、物凄く」
その瞬間勢いよく抱き上げられ、ぐるりと大きく回される。大きな笑い声は庭から屋敷の中まで聞こえる程だった。
しかしふと、ユリウスの表情が真顔になる。手は握りしめられたまま。それでもその表情はどこか硬い。
「どうかしたの? 何かあったの?」
それでもユリウスは動こうとしない。堪らずその頬に触れると、弾かれたように顔が上がった。
「俺が学園を卒業してから、アレン殿下のお側で働いていたのは知っているよね」
「もちろんよ。ねぇ、何があったの?」
ユリウスは溜め込んでいた物を深く吐き出すように息を吐いた。
「ラウンデル王国への留学を命じられたんだ。期間は二年」
言葉の意味についていけなくて、レティシアは聞いた言葉を繰り返した。
「留学、ラウンデル王国に?」
「留学するのはラウンデル王国にだけど、最後はレナール王国にも滞在する予定なんだ。近隣諸国を実際に自分の目で見てくるようにとの陛下からのお達しなんだよ。何も俺だけじゃないんだ。実は今はイヴがその留学に行っていて、あと少しで帰って来る。イヴと入れ替わるように今度は俺の番らしい」
「でもイヴ様は確か半年程前までは王都にいらしたわよね?」
「ヴァルト家は元々輸入業に関わっているからね。ご当主と共に幼い頃から色々回っていたから、期間も短かったんだよ」
「でも、それでもユリウスが二年もだなんて……」
その時、膝を上で握りしめていた手に熱い手が覆い被さってきた。
「二年経ったらもっと立派な男になって帰ってくるよ。そうしたら結婚しよう」
「ユリウスッ」
レティシアは腕を引かれるままその腕に飛び込んだ。
「誰もいないの? ミランダ?」
薄暗い部屋には泣き声が響いている。屋敷には必要最低限の使用人しかおらず、得に奥の部屋付近は人払いをしている為、使用人達はこの声に気が付いていないようだった。
覗き込んだ部屋の中、窓は開いており最近めっきりと涼しくなった風が吹き込んできている。レティシアは恐る恐るベビーベッドを覗き込むと、そこには赤ん坊が泣き叫んでいた。思わず目を離し、ミランダの部屋へと入って行く。しかしベッドは綺麗なまま。その上に一通の手紙が置いてある。嫌な予感がして恐る恐る手紙を開けると、その瞬間窓辺に走っていた。窓の下を見てももちろん何も見えない。ここは二階。飛び降りられる高さではない。それでも窓には降りる為のロープや梯子なども見当たらなかった。レティシアはただ風に髪を攫われるまま、しばらく立ち尽くした。
「んぎゃーー! あぎゃーー!」
ハッとして隣りの部屋に戻っていく。誰もいない部屋の中、震える指で手を伸ばすと、高い体温の小さな塊が指先をぐっと握り締めてきた。小さな手が握り締めてくるその力はとても強く、湿っている。どうしていいのか分からずに指先を握り締められたまま、ずるりとその場に座り込んだ。
259
お気に入りに追加
832
あなたにおすすめの小説

【完結】私の事は気にせずに、そのままイチャイチャお続け下さいませ ~私も婚約解消を目指して頑張りますから~
山葵
恋愛
ガルス侯爵家の令嬢である わたくしミモルザには、婚約者がいる。
この国の宰相である父を持つ、リブルート侯爵家嫡男レイライン様。
父同様、優秀…と期待されたが、顔は良いが頭はイマイチだった。
顔が良いから、女性にモテる。
わたくしはと言えば、頭は、まぁ優秀な方になるけれど、顔は中の上位!?
自分に釣り合わないと思っているレイラインは、ミモルザの見ているのを知っていて今日も美しい顔の令嬢とイチャイチャする。
*沢山の方に読んで頂き、ありがとうございます。m(_ _)m

忙しい男
菅井群青
恋愛
付き合っていた彼氏に別れを告げた。忙しいという彼を信じていたけれど、私から別れを告げる前に……きっと私は半分捨てられていたんだ。
「私のことなんてもうなんとも思ってないくせに」
「お前は一体俺の何を見て言ってる──お前は、俺を知らな過ぎる」
すれ違う想いはどうしてこうも上手くいかないのか。いつだって思うことはただ一つ、愛おしいという気持ちだ。
※ハッピーエンドです
かなりやきもきさせてしまうと思います。
どうか温かい目でみてやってくださいね。
※本編完結しました(2019/07/15)
スピンオフ &番外編
【泣く背中】 菊田夫妻のストーリーを追加しました(2019/08/19)
改稿 (2020/01/01)
本編のみカクヨムさんでも公開しました。

私と彼の恋愛攻防戦
真麻一花
恋愛
大好きな彼に告白し続けて一ヶ月。
「好きです」「だが断る」相変わらず彼は素っ気ない。
でもめげない。嫌われてはいないと思っていたから。
だから鬱陶しいと邪険にされても気にせずアタックし続けた。
彼がほんとに私の事が嫌いだったと知るまでは……。嫌われていないなんて言うのは私の思い込みでしかなかった。


【完結済】侯爵令息様のお飾り妻
鳴宮野々花@書籍2冊発売中
恋愛
没落の一途をたどるアップルヤード伯爵家の娘メリナは、とある理由から美しい侯爵令息のザイール・コネリーに“お飾りの妻になって欲しい”と持ちかけられる。期間限定のその白い結婚は互いの都合のための秘密の契約結婚だったが、メリナは過去に優しくしてくれたことのあるザイールに、ひそかにずっと想いを寄せていて─────
誰にも言えないあなたへ
天海月
恋愛
子爵令嬢のクリスティーナは心に決めた思い人がいたが、彼が平民だという理由で結ばれることを諦め、彼女の事を見初めたという騎士で伯爵のマリオンと婚姻を結ぶ。
マリオンは家格も高いうえに、優しく美しい男であったが、常に他人と一線を引き、妻であるクリスティーナにさえ、どこか壁があるようだった。
年齢が離れている彼にとって自分は子供にしか見えないのかもしれない、と落ち込む彼女だったが・・・マリオンには誰にも言えない秘密があって・・・。

【完結済】政略結婚予定の婚約者同士である私たちの間に、愛なんてあるはずがありません!……よね?
鳴宮野々花@書籍2冊発売中
恋愛
「どうせ互いに望まぬ政略結婚だ。結婚までは好きな男のことを自由に想い続けていればいい」「……あらそう。分かったわ」婚約が決まって以来初めて会った王立学園の入学式の日、私グレース・エイヴリー侯爵令嬢の婚約者となったレイモンド・ベイツ公爵令息は軽く笑ってあっさりとそう言った。仲良くやっていきたい気持ちはあったけど、なぜだか私は昔からレイモンドには嫌われていた。
そっちがそのつもりならまぁ仕方ない、と割り切る私。だけど学園生活を過ごすうちに少しずつ二人の関係が変わりはじめ……
※※ファンタジーなご都合主義の世界観でお送りする学園もののお話です。史実に照らし合わせたりすると「??」となりますので、どうぞ広い心でお読みくださいませ。
※※大したざまぁはない予定です。気持ちがすれ違ってしまっている二人のラブストーリーです。
※この作品は小説家になろうにも投稿しています。
【完結】探さないでください
仲 奈華 (nakanaka)
恋愛
私は、貴方と共にした一夜を後悔した事はない。
貴方は私に尊いこの子を与えてくれた。
あの一夜を境に、私の環境は正反対に変わってしまった。
冷たく厳しい人々の中から、温かく優しい人々の中へ私は飛び込んだ。
複雑で高級な物に囲まれる暮らしから、質素で簡素な物に囲まれる暮らしへ移ろいだ。
無関心で疎遠な沢山の親族を捨てて、誰よりも私を必要としてくれる尊いこの子だけを選んだ。
風の噂で貴方が私を探しているという話を聞く。
だけど、誰も私が貴方が探している人物とは思わないはず。
今、私は幸せを感じている。
貴方が側にいなくても、私はこの子と生きていける。
だから、、、
もう、、、
私を、、、
探さないでください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる