28 / 40
28 婚約者と聖女
しおりを挟む
騒がしい食堂の前を通り過ぎたハイスは、凍りついたように後ろ足のまま食堂の前に戻った。ゆっくり中を見るとその渦中には神殿に着くなり置き去りにしてきた婚約者候補の姿があった。
ルイーズは神官達に囲まれて和やかに話をしている。周りを囲む神官達も美しいルイーズを前に神官らしからぬだらしない表情をしていた。
「待たせてすまなかった」
何気なく近づいていくと、ルイーズは満面の笑みを浮かべて微笑んだ。ハイスは一瞬身震いをするとぎこちなく微笑み返した。
「皆様がお話相手になってくださいましたから、私ちっとも退屈なんてしておりません。それよりも大変興味深いお話も聞けましたしむしろ有意義でしたわ」
「とりあえず部屋へ案内しよう。本来なら我が家へ招くつもりだったが、事情があってしばらくは神殿に滞在してもらう事になりそうなのだがいいだろうか」
「私の意見は通りますか?」
「すまないが今は通らない。しばらくはここに居てもらう事になりそうだ」
「それならそうと仰ってくだされば宜しいのですよ」
「ルイーズ様は寛容でいらっしゃる! こんなに美しくてお優しいお方を伴侶に持てるなんて神官長が羨ましいです!」
がやがやと騒がしくなる食堂をルイーズを促して足早に出ると、ふと廊下で足を止めた。
「すまないルイーズ。どうしても急ぎの用があったとはいえ、君をあの場に置き去りにしてしまったのは本当に悪かったと思っている」
しかし返事はなく、ルイーズはじっとハイスを見つめていた。
「ルイーズ?」
「私の名前まで忘れてしまいましたの?」
「だからルイーズと」
「ルウと呼んで下さいと申し上げました」
「あ、ああそうだったな。ルウ、本当にすまなかった」
するとルイーズは小さく溜息を付いた後に、周りを見渡して言った。
「置き去りにされたのは正直面白くありませんでしたが、事情は先程神官の皆様にお伺い致しました。聖女様が戻られたとか。私もハイス様がずっと聖女様を探されていたのは存じ上げております。たまたま状況が重なってしまったのだと納得しております」
「君は本当に出来た人だな。大抵の貴族令嬢はこんな事をしたら怒り狂ってしまうというのに」
「そうなのですか?」
「私もよくは分からないが、友人から聞いた話だと機嫌を取るのがとても大変だそうだよ。美味しい食事を出したり贈り物をしたり、毎日花を送ったり、詩を書いたりする者もいるらしい」
するとルイーズはわざとらしくぷいっとそっぽを向いてしまった。
「私本当はとても怒っているのです! そうですね、ハイス様の詩を送って頂けますか?」
「……今の中から選んだのは詩なのか? 宝石などではなく?」
「正直言って夜会にも出ない私には宝石など必要ございません。それよりも娯楽が少ないのでどちらかというと詩や本の贈り物の方が私としては嬉しいのですね」
そう言い切ったあと、ルイーズと二人顔を見合わせて笑った。
「ルウみたいな令嬢は初めてだ」
「本当は怒ってなどおりませんからご心配なく。それと豪華な部屋も必要ございませんよ。愛馬と共に厩で寝た事もございますからね」
しかし案内した部屋を見てルイーズはしばらく立ち尽くしていた。
「ルウ? どうかしたか?」
ハイスは蝋燭の火を燭台に灯していきながら、立ち尽くしているルイーズを見た。
「やはりもっと綺麗な部屋がいいだろうがここではこれが限界……」
その瞬間、ルイーズは部屋の中に飛び込んできた。そのままクルクルと部屋の中を見て回ると、嬉しそうにハイスの前に来た。
「凄く素敵です! こんなに昔の物が揃ったお部屋があるなんて私、感動しています!」
「昔の物? 確かに神殿の歴史は古いからいつからあるのか分からない年代物がごろごろしているし、使える物は今でも使用しているから私達には馴染みのある物だが、そうした考えもあるかもしれない」
「あるかもしれないですって? 大ありですよ! この寝台だってこれだけ巧妙な細工、果たして今でも出来るかどうか。模様からするに大体二百年くらい前ではないでしょうか。その頃がよく彫刻でこの百合の花を好んで取り入れていた時代なのです。それからこの燭台もかなり年代物のように見えます。実家に持ち帰ってちゃんと調べたいくらいです!」
「ルウは骨董品が好きなのか?」
「そうですね、先程のお詫びの品の件は訂正致します。こういった類いの物でしたら喜んで受け取りますよ」
「検討しておくよ。後で侍女代わりの者に食事を持って来させるから、必要な物があればその者に言ってくれ。勝手が違くて申し訳ないが、少しの間辛抱してほしい」
「ハイス様はどちらへ?」
若干目の泳いだハイスを見据えてルイーズは真正面に立った。
「最初が肝心ですからちゃんとお話しておきましょう。ハイス様、私の目的はここへ来る前にお話致しましたね。ハイス様とお会いしてみて、愛情がなくとも友情として関係を築いていけるのでは思っておりました。ですがもしハイス様が心にお決めになったお方がいるのなら、決して手放してはなりません。私は結婚よりも今はやるべき事がございます。ですが勝手を言って申し訳ないのですが、その道が見えるまでは王都に滞在したいと思っております」
「それは、もし私に相手がいたとしたらそちらにいけという事か? ルウはそれでいいのか? 貴族女性で未婚だと後々生きづらくなるだろう?」
するとルイーズは声を上げて笑った。
「その時は何か事業でも致しますのでご安心ください。これでもしっかりと根回しはしているんですから」
「それはまあ、なんとなく想像出来るな」
「まあ! 短期間でそこまで私の事を分かってくださったのはハイス様が初めてです。くれぐれもこの婚約が仮だという事を周囲には知られませんように。宜しいですね?」
「お父上はどうする気だ?」
「お父様が一番厄介なのです! 絶対にこの結婚を成立させようとしているのですから。でも婚約してしまえばきっと安堵して監視の目も緩むはずですから、その時に探し人をなんとしても見つけ出したいと思います」
「私に出来る事であれば協力しよう」
ハイスは手を前に出すと、薄明かりの中で凛々しく微笑むルイーズと握手を交わした。
ルイーズは神官達に囲まれて和やかに話をしている。周りを囲む神官達も美しいルイーズを前に神官らしからぬだらしない表情をしていた。
「待たせてすまなかった」
何気なく近づいていくと、ルイーズは満面の笑みを浮かべて微笑んだ。ハイスは一瞬身震いをするとぎこちなく微笑み返した。
「皆様がお話相手になってくださいましたから、私ちっとも退屈なんてしておりません。それよりも大変興味深いお話も聞けましたしむしろ有意義でしたわ」
「とりあえず部屋へ案内しよう。本来なら我が家へ招くつもりだったが、事情があってしばらくは神殿に滞在してもらう事になりそうなのだがいいだろうか」
「私の意見は通りますか?」
「すまないが今は通らない。しばらくはここに居てもらう事になりそうだ」
「それならそうと仰ってくだされば宜しいのですよ」
「ルイーズ様は寛容でいらっしゃる! こんなに美しくてお優しいお方を伴侶に持てるなんて神官長が羨ましいです!」
がやがやと騒がしくなる食堂をルイーズを促して足早に出ると、ふと廊下で足を止めた。
「すまないルイーズ。どうしても急ぎの用があったとはいえ、君をあの場に置き去りにしてしまったのは本当に悪かったと思っている」
しかし返事はなく、ルイーズはじっとハイスを見つめていた。
「ルイーズ?」
「私の名前まで忘れてしまいましたの?」
「だからルイーズと」
「ルウと呼んで下さいと申し上げました」
「あ、ああそうだったな。ルウ、本当にすまなかった」
するとルイーズは小さく溜息を付いた後に、周りを見渡して言った。
「置き去りにされたのは正直面白くありませんでしたが、事情は先程神官の皆様にお伺い致しました。聖女様が戻られたとか。私もハイス様がずっと聖女様を探されていたのは存じ上げております。たまたま状況が重なってしまったのだと納得しております」
「君は本当に出来た人だな。大抵の貴族令嬢はこんな事をしたら怒り狂ってしまうというのに」
「そうなのですか?」
「私もよくは分からないが、友人から聞いた話だと機嫌を取るのがとても大変だそうだよ。美味しい食事を出したり贈り物をしたり、毎日花を送ったり、詩を書いたりする者もいるらしい」
するとルイーズはわざとらしくぷいっとそっぽを向いてしまった。
「私本当はとても怒っているのです! そうですね、ハイス様の詩を送って頂けますか?」
「……今の中から選んだのは詩なのか? 宝石などではなく?」
「正直言って夜会にも出ない私には宝石など必要ございません。それよりも娯楽が少ないのでどちらかというと詩や本の贈り物の方が私としては嬉しいのですね」
そう言い切ったあと、ルイーズと二人顔を見合わせて笑った。
「ルウみたいな令嬢は初めてだ」
「本当は怒ってなどおりませんからご心配なく。それと豪華な部屋も必要ございませんよ。愛馬と共に厩で寝た事もございますからね」
しかし案内した部屋を見てルイーズはしばらく立ち尽くしていた。
「ルウ? どうかしたか?」
ハイスは蝋燭の火を燭台に灯していきながら、立ち尽くしているルイーズを見た。
「やはりもっと綺麗な部屋がいいだろうがここではこれが限界……」
その瞬間、ルイーズは部屋の中に飛び込んできた。そのままクルクルと部屋の中を見て回ると、嬉しそうにハイスの前に来た。
「凄く素敵です! こんなに昔の物が揃ったお部屋があるなんて私、感動しています!」
「昔の物? 確かに神殿の歴史は古いからいつからあるのか分からない年代物がごろごろしているし、使える物は今でも使用しているから私達には馴染みのある物だが、そうした考えもあるかもしれない」
「あるかもしれないですって? 大ありですよ! この寝台だってこれだけ巧妙な細工、果たして今でも出来るかどうか。模様からするに大体二百年くらい前ではないでしょうか。その頃がよく彫刻でこの百合の花を好んで取り入れていた時代なのです。それからこの燭台もかなり年代物のように見えます。実家に持ち帰ってちゃんと調べたいくらいです!」
「ルウは骨董品が好きなのか?」
「そうですね、先程のお詫びの品の件は訂正致します。こういった類いの物でしたら喜んで受け取りますよ」
「検討しておくよ。後で侍女代わりの者に食事を持って来させるから、必要な物があればその者に言ってくれ。勝手が違くて申し訳ないが、少しの間辛抱してほしい」
「ハイス様はどちらへ?」
若干目の泳いだハイスを見据えてルイーズは真正面に立った。
「最初が肝心ですからちゃんとお話しておきましょう。ハイス様、私の目的はここへ来る前にお話致しましたね。ハイス様とお会いしてみて、愛情がなくとも友情として関係を築いていけるのでは思っておりました。ですがもしハイス様が心にお決めになったお方がいるのなら、決して手放してはなりません。私は結婚よりも今はやるべき事がございます。ですが勝手を言って申し訳ないのですが、その道が見えるまでは王都に滞在したいと思っております」
「それは、もし私に相手がいたとしたらそちらにいけという事か? ルウはそれでいいのか? 貴族女性で未婚だと後々生きづらくなるだろう?」
するとルイーズは声を上げて笑った。
「その時は何か事業でも致しますのでご安心ください。これでもしっかりと根回しはしているんですから」
「それはまあ、なんとなく想像出来るな」
「まあ! 短期間でそこまで私の事を分かってくださったのはハイス様が初めてです。くれぐれもこの婚約が仮だという事を周囲には知られませんように。宜しいですね?」
「お父上はどうする気だ?」
「お父様が一番厄介なのです! 絶対にこの結婚を成立させようとしているのですから。でも婚約してしまえばきっと安堵して監視の目も緩むはずですから、その時に探し人をなんとしても見つけ出したいと思います」
「私に出来る事であれば協力しよう」
ハイスは手を前に出すと、薄明かりの中で凛々しく微笑むルイーズと握手を交わした。
100
お気に入りに追加
803
あなたにおすすめの小説
最愛の側妃だけを愛する旦那様、あなたの愛は要りません
abang
恋愛
私の旦那様は七人の側妃を持つ、巷でも噂の好色王。
後宮はいつでも女の戦いが絶えない。
安心して眠ることもできない後宮に、他の妃の所にばかり通う皇帝である夫。
「どうして、この人を愛していたのかしら?」
ずっと静観していた皇后の心は冷めてしまいう。
それなのに皇帝は急に皇后に興味を向けて……!?
「あの人に興味はありません。勝手になさい!」
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
【完結】私だけが知らない
綾雅(要らない悪役令嬢1/7発売)
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
罠にはめられた公爵令嬢~今度は私が報復する番です
結城芙由奈
ファンタジー
【私と私の家族の命を奪ったのは一体誰?】
私には婚約中の王子がいた。
ある夜のこと、内密で王子から城に呼び出されると、彼は見知らぬ女性と共に私を待ち受けていた。
そして突然告げられた一方的な婚約破棄。しかし二人の婚約は政略的なものであり、とてもでは無いが受け入れられるものではなかった。そこで婚約破棄の件は持ち帰らせてもらうことにしたその帰り道。突然馬車が襲われ、逃げる途中で私は滝に落下してしまう。
次に目覚めた場所は粗末な小屋の中で、私を助けたという青年が側にいた。そして彼の話で私は驚愕の事実を知ることになる。
目覚めた世界は10年後であり、家族は反逆罪で全員処刑されていた。更に驚くべきことに蘇った身体は全く別人の女性であった。
名前も素性も分からないこの身体で、自分と家族の命を奪った相手に必ず報復することに私は決めた――。
※他サイトでも投稿中
幼馴染に振られたので薬学魔法士目指す
MIRICO
恋愛
オレリアは幼馴染に失恋したのを機に、薬学魔法士になるため、都の学院に通うことにした。
卒院の単位取得のために王宮の薬学研究所で働くことになったが、幼馴染が騎士として働いていた。しかも、幼馴染の恋人も侍女として王宮にいる。
二人が一緒にいるのを見るのはつらい。しかし、幼馴染はオレリアをやたら構ってくる。そのせいか、恋人同士を邪魔する嫌な女と噂された。その上、オレリアが案内した植物園で、相手の子が怪我をしてしまい、殺そうとしたまで言われてしまう。
私は何もしていないのに。
そんなオレリアを助けてくれたのは、ボサボサ頭と髭面の、薬学研究所の局長。実は王の甥で、第二継承権を持った、美丈夫で、女性たちから大人気と言われる人だった。
ブックマーク・いいね・ご感想等、ありがとうございます。
お返事ネタバレになりそうなので、申し訳ありませんが控えさせていただきます。
ちゃんと読んでおります。ありがとうございます。
アルバートの屈辱
プラネットプラント
恋愛
妻の姉に恋をして妻を蔑ろにするアルバートとそんな夫を愛するのを諦めてしまった妻の話。
『詰んでる不憫系悪役令嬢はチャラ男騎士として生活しています』の10年ほど前の話ですが、ほぼ無関係なので単体で読めます。
婚約破棄をされた悪役令嬢は、すべてを見捨てることにした
アルト
ファンタジー
今から七年前。
婚約者である王太子の都合により、ありもしない罪を着せられ、国外追放に処された一人の令嬢がいた。偽りの悪業の経歴を押し付けられ、人里に彼女の居場所はどこにもなかった。
そして彼女は、『魔の森』と呼ばれる魔窟へと足を踏み入れる。
そして現在。
『魔の森』に住まうとある女性を訪ねてとある集団が彼女の勧誘にと向かっていた。
彼らの正体は女神からの神託を受け、結成された魔王討伐パーティー。神託により指名された最後の一人の勧誘にと足を運んでいたのだが——。
政略より愛を選んだ結婚。~後悔は十年後にやってきた。~
つくも茄子
恋愛
幼い頃からの婚約者であった侯爵令嬢との婚約を解消して、学生時代からの恋人と結婚した王太子殿下。
政略よりも愛を選んだ生活は思っていたのとは違っていた。「お幸せに」と微笑んだ元婚約者。結婚によって去っていた側近達。愛する妻の妃教育がままならない中での出産。世継ぎの王子の誕生を望んだものの産まれたのは王女だった。妻に瓜二つの娘は可愛い。無邪気な娘は欲望のままに動く。断罪の時、全てが明らかになった。王太子の思い描いていた未来は元から無かったものだった。後悔は続く。どこから間違っていたのか。
他サイトにも公開中。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる