魔術師の恋〜力の代償は愛のようです〜

山田ランチ

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40 ヴィルヘルミナ帝国の皇女〈前編〉

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 守護の魔石が埋め込まれた離れの塔は王宮の端にあった。巨大な王宮には不釣り合いな場所にある塔に、ヴィルヘルミナ帝国第一皇女のルイーザは慣れた足取りで塔の最上階へと上がって行く。螺旋階段を登り、最上階に一部屋だけの豪華絢爛とは言い難い質素な作りの部屋へと入っていった。
 部屋の中は寝台とソファ、机もあるが使われてはおらず、全て壁に追いやられている。その机の上には手つかずの食事が乗った盆が置かれていた。とうに冷めきった料理を見てルイーズの眉間の皺が深くなった。

「ネグル? いないの?」

 小さな窓に付けられたカーテンは厚く、部屋の中はまるで夜のように暗い。寝台のある場所へと近づき冷たいシーツに触れて辺りをふと見回しすと、ルイーザはゆっくり近付くとしゃがみ込んだ。

「お腹は減っていないの?」
「……何も食べたくありません」

 ルイーザは部屋の隅で膝を抱えて座り込む弟の頭を撫でると抱き締めた。

「私が食べさせてあげましょうか?」
「こんな弟で申し訳ありません。僕が、あ、あいつのように力があれば、姉上は何もご心配せずにお好きな所に嫁げたはずなのに」
「王家に生まれたのだから好きな所になど嫁げないわ。それにあなたはあなた。他の者と比べる必要なんてないのよ」
「姉上ッ、でも僕は弟には勝てません! 姉上の期待には応えられないのです。もう僕が帝位を継ぐ事は諦めて下さい」
「いいえ、あなたは第二皇太子ですもの。あなたにこそ相応しいわ」

 ネグルは体こそ大きいものの、母親を必要とする幼子のようにルイーザの胸に擦り寄った。母親は同じだが、ルイーザとは違う黒に近い真っ直ぐな髪がさらりと流れる。その髪を掬うとそっと抱き締めた。

「全て私に任せなさい。そうすれば必ずあなたが皇帝になれる。私がずっとそばにいるから何も恐れる事はないのよ」
「でもいずれ姉上もお子を授かるでしょう? そうしたら僕は邪魔者になります。ノイマン卿もいずれ姉上がここに通う事を禁ずるはずです。そうしたら、僕は、僕は……」
「そんな事は絶対にないわ。生涯あなたのそばにいて支えていくと決めているの。だからあなたはしっかりと食事を取り、この私に笑顔を見せて頂戴」

 ネグルは声を出して返事はしなかったが、代わりに小さく頷いてみせた。
 部屋を出て階段を下りていくと、下で騎士が待っていた。

「皇帝陛下が早急に私室へ来るようにと仰せです」

 ルイーザは冷たい視線を金髪の騎士に向けると返事もせずに歩き始めた。

「ルイーザ様、どちらに?」
「息子に怯えて部屋に閉じ籠もっている人には会いたくないわね」
「皇帝陛下のご命令です」

 騎士は細い腕を引いた。ルイーザは面白そうにそれを見下ろしながら、すらりとした指で筋張った甲に触れた。

「私を捕らえようというの?」
「皇帝陛下のご命令に背くのであれば仕方がありません」
「そう、まあいいわ。陛下の元へ行きましょう」

 騎士は腕から手を離すとルイーザの前を歩き出した。
 騎士の足取りは皇帝陛下の私室ではなく、使われていない貴賓室に向かう。中に入った瞬間、騎士は腕を引くと細い腰を抱き締めた。豊満な胸が騎士にぶつかって潰れる。ルイーザは微笑みながら騎士の頬をひと撫ですると、その腕から逃れようとした。最初は冗談かと嫌がる素振りを楽しんでいた騎士も、本当に腕の中から出ようとしたルイーザに眉を顰めた。

「もう私には飽きられたのですか?」

 ルイーザは小さく溜め息をつくと、金色の髪を掻き混ぜるように唇を押し付けた。しばらく激しい口づけをすると、騎士は息を荒げて急速に制服を脱ごうとする。ルイーザはそっと手を置いて止めると、わざとらしく首筋に音を立てて口づけをした。

「皇帝陛下が呼んでいるというのは私を呼び出す為の口実かしら」
「嘘ではございません。でも早急にというのは嘘です」
「王族に嘘をつくなんて極刑ね」

 すると今度は騎士がルイーザの真っ直ぐな髪の間に手を入れて唇を貪りながら押し倒そうとした。しかしその体の下からするりと出たルイーザは、ヒールのある靴で騎士の尻を蹴った。ソファに倒れた騎士は頬を上気させ、欲情を灯した瞳でルイーザを見上げながら一気に制服の下を押し下げた。床に剣の落ちる乱暴な音が響く。ルイーザはドレスを上げて騎士の上に膝立ちになった。

「凶暴なものを持っているのね」
 そそり勃ったものは、先端を冷たい指先で弄られてびくりと跳ねた。

「あなただけの剣です。お収め下さい」

 ルイーザは腰を落とし、尖端と秘部が触れた瞬間、扉が激しく叩かれた。

「ルイーザ様? こちらにいらっしゃいますか?」
「皇帝陛下がお待ちでございます!」

 ルイーザは目を見開くと下にいる騎士の胸ぐらを掴んだ。

「早急にというのは本当だったの?」

 騎士は息を荒立てながら頷く。ルイーザは呆れたように腰を上げ、騎士から降りた。うっすらと蜜を纏ったものが空気に晒されているが、お構いましに扉を開けた。扉を叩いてていた侍女は隙間から見えたものにぎょっとしたが、すぐに頭を下げた。

「皇帝陛下がお呼びでございます。至急お越しくださいませ」




 皇帝の広い私室の中には咽るような酒の臭いが充満していた。四人の侍女達は壁にぴたりと張り付き、置物のように微動だにしない。いつもより一人足りない人数に部屋の中を見渡すと、皇帝の足元で転がっているのが目に入った。ソファには血の付いた剣が立て掛けられている。絨毯は血飛沫を吸い赤く染まっていた。ルイーザはその侍女の死体には気づかない振りをして近づいた。すぐさま胡乱な目が向いたと思うとグラスが飛んでくる。グラスはドレスにぶつかり、繊細なレースは葡萄酒を吸って広がった。ルイーザは汚れた裾を持ち上げて父親に礼を取った。

「至急だと言ったはずだぞ。なぜこんなにも遅いのだ! お前まで私を軽んじているのか!」
「申し訳ございません。ネグルの所に行っておりました。最近食欲がないようでしたので心配で様子を見て参りました」
「あんな出来損ないなど放おっておけ! それよりもあやつの行方はまだ分らないのか!」
「捜索中ですのでもう少しご猶予を頂きたく存じます」
「もうその言葉は聞き飽きたぞ! 私はいつまで閉じ籠もっていればいいのだ!」

 ルイーザは小さく息を吐くと頭を下げた。

「夫も尽力しております。もう少しだけお待ち下さいませ。後宮の女達をお呼び致しましょうか?」
「いらん! そんな気分ではない」
「それでは何か進展がございましたらご報告致します」

 部屋を出たルイーザは扉の護衛をしていた近衛騎士の頬を思い切り平手打ちした。大きな体は平手打ちでは動かない。しかしルイーザの大きな目に射竦められ、分厚い肩が僅かに揺れた。

「私を呼びに来た騎士を牢へ連行しなさい。あの金色の髪のやたらに甘い顔をした騎士よ。名前は分らないわ。間違えたらあなたも同じ場所に入る事になるからそのつもりでね」

 近衛騎士は頭を下げるとその場を走って後にした。少し離れて立っていたルイーザを呼びに来た侍女は、ドレスのしみを見て顔を引き攣らせながら近付いてきた。

「宜しいのですか?」
「何が?」
「あの騎士です。お気に入りでいらしたのに」
「声と体が少し良いから可愛がっていたのに、壊れたおもちゃは片付けなくてはね」
「私はルイーザ様も好意を持っていたようにお見受けしておりました」
「あなたも分かっているかしら? 私達は元々友人だったからそばに置いてあげているのよ。弟に滅茶苦茶にされたあなたを見捨てずに拾って上げたのは誰かしら。ねぇ、イメルダ?」
「ルイーザ様には感謝してもしきれません」
「それならもういいわね? ヘルムートが生きていても忘れられるわね?」

 俯くイメルダの頬を掬うと、冷たい指がぽってりと下唇を指でなぞった。

「あなたのそれは愛ではなく肉欲よ。そんな女はこの王城には沢山いるわ。ほら、例えば……」

 優しく触れていた力を一転させ、力強く頬を掴むと廊下を歩く侍女に向かせた。

「あの大人しそうな使用人も一時期寝所に籠もって出てこなかったわ。それにあの女も」

 廊下から歩いてくる教育係の年嵩の女にも向けさせる。

「あの女はまだヘルムートに幼さがある頃から手を出していたみたいよ。まあ年の割には魅力的ではあるけれど、あなたの方がずっと素敵なのにね?」

 ルイーザの方が背が高く、イメルダは頬を掴む手から逃れるように見上げた。目には涙が溜まり、唇は震えている。ルイーザはわざとらしく眉を下げて溜め息をついた。

「ヘルムートは誰か一人に尽くすような男ではないの。もういい加減に目を覚ましなさい。私ならイメルダを捨てたりなんかしないわ。だって友達だもの」
「……お着替えをご準備致します」

 ルイーザは呆れたように手を離した。

「どこがそんなに良いのかしら。確かに見た目が良いのは認めるわ。でもあれは人ではないの」
「ヘルムート様は素晴らしいお方です」
「何人子供がいるか分らないわよ? ああ汚らわしい。それに魔力を使えばすぐに女を抱く。あなたはそれに耐えられるというの?」
「……私がお相手致します」
「馬鹿ね、兵士でもないあなたが戦場について行ける訳ないでしょう。だからその場で昂りを処理しているのよ。手っ取り早く女兵士か娼婦か奴隷でね。魔力の昂りを発散する為の交わりはそれは濃厚なものだと聞くわ。仕方ない現象だとしても愛する者のそんな行為をあなたは許せるの?」
「我慢すればヘルムート様のお体に障ります」

 もう一度俯く顔を掴み、今にも泣き出しそうな顔を上げさせた。

「それなら、四ヶ月前に結界を解き魔術師の山を落とす程の巨大な魔力を使ったヘルムートは、さぞ昂りを感じたでしょうね。それは一日や二日では収まらないくらいに。その時そばにいた女は誰だったのかしら。きっと何日も、何週間も、ヘルムートの濃い熱を受け止め続けたに違いないわ」

 イメルダの瞳から大粒の涙が溢れ出す。ルイーザはその目元に口付けをした。

「ルイーザ! お前は何故いつも勝手な事をするのだ!」

 廊下の先から大股で歩いて来たのは、第三兵士団を率いる兵団長のノイマン子爵だった。

「あら旦那様、そんなに声を荒げて嫌ですわ」

 清潭な顔を歪ませるとルイーザの腕を乱暴に引き寄せた。白い頬が痛むで歪む。それでも体を更に引き寄せると耳元で囁いた。

「男で遊ぶのは自由だが騎士を勝手に処分するな。たった今騎士団から正式な抗議があったぞ」
「あら、だってあの男は皇帝陛下のご命令に逆らったのよ? それでも処分するなと?」
「逆らったとはどの程度だ」
「皇帝陛下からのご命令を私にきちんと伝えなかったの。そのせいでドレスにお酒を掛けられてしまったわ」
「そうだとしても先に私に報告しろ。お前が私を軽んじているのは分かっているが私にも立場というものがあるのだ」

 するとルイーザは高らかに笑った。

「まさかあなたの口から立場という言葉が出るとは」

 そして掴まれていた腕を一瞥すると冷ややかに言った。

「その手をお離し下さい」

 ノイマンは葛藤してから苛立った様に振り払った。

「……陛下からのご命令でなければお前など娶らなかった」
「残念でしたわね。そうそう、あのご令嬢は先日ようやく懐妊したようね。男爵家の三番目の側室だから相手にされていないのかと案じておりました」
「黙れ! 全てお前のせいだ。なぜ俺だったんだ。他に幾らでも上位貴族の中から相手を選べたはずだろう。なぜ子爵家の、しかも結婚間際の俺だったんだ!」
「なんでと言われましても。強いて言えば王宮を離れたくなかったから、でしょうか。旦那様の子爵家は領地も王都から近いですから。それに私、文官よりも鍛えている体の方が好みなのです。あのご令嬢もいなくなって、私のおもちゃも壊れてしまいましたし、これを機会にしばらく“夫婦”を致しましょうか?」
「誰がお前となど!」

 荒げた声に廊下を通る者の視線が集まる。ルイーザは小さく笑うと、通り過ぎざまに言った。

「それならまた、新しいおもちゃを見つけなくてはいけないのね」
「女はいくら望んでも帝位にはつけないぞ! 哀れだな、お前も男ならばよかったのだ!」

 足を止め、振り返った表情にノイマンは思わず仰け反った。

「あなたも分をわきまえなければどうなるか足りない頭でよく考える事ね。イメルダ、行くわよ」
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