24 / 24
24 幸せの瞬間
しおりを挟む
王都の掲示板には六年前に城内で発見された物に関わる事件の真相が、最近になって動いた事を示す内容が書かれていた。
集まった人々は口々に貴族達の横暴を罵り、悪態を吐いている。その群衆から小さな荷物を持った一人の青年が抜け出ると、反対側に歩き出した。人通りの少なくなった脇道に立っていたモルガンはすれ違い様に、小さな袋を押し渡した。
「とある高貴な御方からです」
男は袋に触れかけて中に入っている物に気が付いたのか、手を引っ込めた。
「そんなものもらえない! あんた達一体何を考えているんだ」
「私も下層の生まれですから、高貴なお方のお心は分かりません。ですがどんな運命の悪戯か爵位を賜ったものですからこれから領地に出発します。あなたも共に来ますか? 今までのあなたは死んだのです。もし共に来るのなら新たな名を与えますよ?」
「あんた達、本当に何を考えているんだよ! 俺を恨んでいないのか?」
「怒ってはいます。私の大切な主を危険に晒したのですから。でも幸いな事に生きています。今までの私なら許さなかったでしょうが、人は変わるものです」
男は眉を寄せて荷物を抱くように歩き出した。モルガンはその荷物の上に小袋を乗せた。
「いつか必要になる辺境伯領への旅費だとでも思って下さい」
淡々と言うとモルガンは踵を返して、暗い路地から騒がしく明るい大通りへと出ていった。
ディミトリ・ギレム侯爵家の大広間には大きな笑い声が響いていた。この大豪邸の女主人であるアイリスは、全員の戸惑いを物ともせず両脇に子供達を抱えてながら涙を流して笑っていた。その後に背後霊のように立っているディミトリはニコニコとアイリスの肩を撫でている。
フレデリックは意識を遠くに飛ばしたい思いで笑い声が収まるのを待っていた。今にして思えば何故ディミトリがアナスタシアと男女の関係になるのではと不安だったのか分からない。この二人は幼馴染で恋愛結婚だった。そもそもアイリスに熱を上げているのはディミトリの方で、それは何年経っても変わる事なく、現にアイリスはすでに四人目を妊娠中だった。すでに三人産んでいるはずのアイリスの見た目は変わらずにずっと美しい。だからこの喋り出した時の違いが誰をも困惑させるのだった。
「まさか旦那様とアンちゃんの仲を疑うなんて戦い過ぎて頭まで筋肉になってしまったみたいね」
「……面目ない」
「私もこのお腹だから会いに行けなくて、あなた達の力になれなかった事が悔やまれるわ。ごめんなさいね」
「そんな事ありません! ディミトリ様がお気に掛けて下さっていたので本当に心強かったです」
隣りでフレデリックがぎくりとしているのが横目に入り、アナスタシアは焦ったように横を振り見た。
「あの、フレデリック様がお側にいて下さったのもとても心強くて、その……」
その時大きな手が頭を撫でてくる。そして困ったように笑われた。
「気を使わせてすまない。本当の事だから大丈夫だ」
「そうよ! ずっと寂しい思いをさせられたんだからどんどん我儘を言って好きな物を沢山買って貰うといいわ」
「フレデリック様からは十分過ぎる物を頂いております! それに私はフレデリック様がいて下さるだけで本当に幸せなんです」
尻すぼみになってしまって俯くと、ぎゅっと肩を抱き締められた。
「兄上、もう部屋に戻ってもいいですか?」
「あ? あぁ構わないが夕食までは出てくるだろう?」
「分かりません。おそらく無理だと思います。でもアンが食べられる軽食の準備はお願いします」
そう言うや否やアナスタシアを横抱きにすると大広間を出て行った。
「まだまだ新婚という訳だね、羨ましいよ」
「結婚してすぐに戦場に向かったんだから少しくらい大目に見ないと駄目よ。いつまでも仲が良いのは喜ばしい事じゃない。ねぇ、旦那様?」
そう上目遣いでディミトリを見上げたアイリスは、艷やかな黒髪から覗く細い首元から豊かな胸元までを撫でてみせた。
「アイリス、僕達も……」
「お母様! 叔父様達どこに行ったの? つまんないよ!」
「馬鹿だな、お前は。叔父様達は子供を作りに行ったんだよ。だからそんなにすぐは戻って来ないんだ」
アイリスの両脇を陣取っていた兄弟達はマセた会話をしながら兄は本を読み、弟の方はブラブラと足を動かしている。そして遠くからはお昼寝から目覚めた長女の泣き声が響いていた。
「奥様、お嬢様がどうしても奥様がいいと仰っております」
足早に向かえに来た侍女は困ったように頭を下げた。
「という事で旦那様は夜までお預けですね」
アイリスは妖艶な笑みを浮かべると、ディミトリの頬を撫でながら大広間を出て行く。
「お父様、僕はこれ以上兄弟達が増えるのは望んでいませんからね」
長男は本のページを捲りながらそう呟いた。
「……お前は何を読んでいるんだい?」
おもむろに長男が呼んでいる本の背表紙を覗き込んだ。
――侯爵家当主の座を巡る骨肉の争い~四女の私が当主になる方法~
「……その本はどこで?」
「お母様の本棚です。自由に読んでいいと言われているので」
「そうか。お母様はそんな本も読んでいるのか」
「お父様も読まれますか?」
「いや、いいよ。良かったら私の書斎にある本も読んでいいからね?」
「お母様の本棚の方が面白い本があるので結構です」
ディミトリは長男の頭を撫でると、自分は撫でられなかったと騒ぐ次男を足に絡めながら大広間を出て行った。
ウトウトと浅い眠りを繰り返し、ふと珍しくフレデリックの寝顔が目に入る。夜なのか朝になったのかも分からない薄暗い部屋の中で、アナスタシアの心は幸せで震えていた。
モルガンが辺境伯領に旅立ってからというもの、フレデリックはどこか気が抜けたような元気のない様子に、こうしてディミトリの所に遊びに来たのは数日前。それでもそのほとんどをこうして部屋で過ごしてしまっているが、この家の者達は生暖かい目で見てくるだけで何も言ってはこない。何も考えず、ただフレデリックの事だけを考えて過ごす日々がこんなに幸せなのかと噛み締めていた。
「アン? どうした」
寝ぼけているのか薄目を開けたままぐいっと引き寄せられればあっという間にフレデリックの胸に埋められてしまう。その湿って熱い肌の感覚に、アナスタシアは目を瞑った。
「こんなに幸せでいいのでしょうか」
「俺達は幸せになる為に生きているんだ。アンといてそう思えるようになったよ」
「私もフレデリック様から沢山の幸せを頂いたので、これからもっと頑張れるような気がします。ヴァレリー家の協力もなくなった今、事業をこのままお父様だけに任せる訳には……」
その瞬間、ぐいっと上に持ち上げられてしまった。外気に触れた素肌が寒さで震える。しかしフレデリックの大きな掌で撫でてくると体は一気に熱くなった。
「まずは何も考えずにもっと俺の事だけを考えてくれ」
促されるままフレデリックの上に覆い被さると、全ての隙間がなくなるように抱き合った。
集まった人々は口々に貴族達の横暴を罵り、悪態を吐いている。その群衆から小さな荷物を持った一人の青年が抜け出ると、反対側に歩き出した。人通りの少なくなった脇道に立っていたモルガンはすれ違い様に、小さな袋を押し渡した。
「とある高貴な御方からです」
男は袋に触れかけて中に入っている物に気が付いたのか、手を引っ込めた。
「そんなものもらえない! あんた達一体何を考えているんだ」
「私も下層の生まれですから、高貴なお方のお心は分かりません。ですがどんな運命の悪戯か爵位を賜ったものですからこれから領地に出発します。あなたも共に来ますか? 今までのあなたは死んだのです。もし共に来るのなら新たな名を与えますよ?」
「あんた達、本当に何を考えているんだよ! 俺を恨んでいないのか?」
「怒ってはいます。私の大切な主を危険に晒したのですから。でも幸いな事に生きています。今までの私なら許さなかったでしょうが、人は変わるものです」
男は眉を寄せて荷物を抱くように歩き出した。モルガンはその荷物の上に小袋を乗せた。
「いつか必要になる辺境伯領への旅費だとでも思って下さい」
淡々と言うとモルガンは踵を返して、暗い路地から騒がしく明るい大通りへと出ていった。
ディミトリ・ギレム侯爵家の大広間には大きな笑い声が響いていた。この大豪邸の女主人であるアイリスは、全員の戸惑いを物ともせず両脇に子供達を抱えてながら涙を流して笑っていた。その後に背後霊のように立っているディミトリはニコニコとアイリスの肩を撫でている。
フレデリックは意識を遠くに飛ばしたい思いで笑い声が収まるのを待っていた。今にして思えば何故ディミトリがアナスタシアと男女の関係になるのではと不安だったのか分からない。この二人は幼馴染で恋愛結婚だった。そもそもアイリスに熱を上げているのはディミトリの方で、それは何年経っても変わる事なく、現にアイリスはすでに四人目を妊娠中だった。すでに三人産んでいるはずのアイリスの見た目は変わらずにずっと美しい。だからこの喋り出した時の違いが誰をも困惑させるのだった。
「まさか旦那様とアンちゃんの仲を疑うなんて戦い過ぎて頭まで筋肉になってしまったみたいね」
「……面目ない」
「私もこのお腹だから会いに行けなくて、あなた達の力になれなかった事が悔やまれるわ。ごめんなさいね」
「そんな事ありません! ディミトリ様がお気に掛けて下さっていたので本当に心強かったです」
隣りでフレデリックがぎくりとしているのが横目に入り、アナスタシアは焦ったように横を振り見た。
「あの、フレデリック様がお側にいて下さったのもとても心強くて、その……」
その時大きな手が頭を撫でてくる。そして困ったように笑われた。
「気を使わせてすまない。本当の事だから大丈夫だ」
「そうよ! ずっと寂しい思いをさせられたんだからどんどん我儘を言って好きな物を沢山買って貰うといいわ」
「フレデリック様からは十分過ぎる物を頂いております! それに私はフレデリック様がいて下さるだけで本当に幸せなんです」
尻すぼみになってしまって俯くと、ぎゅっと肩を抱き締められた。
「兄上、もう部屋に戻ってもいいですか?」
「あ? あぁ構わないが夕食までは出てくるだろう?」
「分かりません。おそらく無理だと思います。でもアンが食べられる軽食の準備はお願いします」
そう言うや否やアナスタシアを横抱きにすると大広間を出て行った。
「まだまだ新婚という訳だね、羨ましいよ」
「結婚してすぐに戦場に向かったんだから少しくらい大目に見ないと駄目よ。いつまでも仲が良いのは喜ばしい事じゃない。ねぇ、旦那様?」
そう上目遣いでディミトリを見上げたアイリスは、艷やかな黒髪から覗く細い首元から豊かな胸元までを撫でてみせた。
「アイリス、僕達も……」
「お母様! 叔父様達どこに行ったの? つまんないよ!」
「馬鹿だな、お前は。叔父様達は子供を作りに行ったんだよ。だからそんなにすぐは戻って来ないんだ」
アイリスの両脇を陣取っていた兄弟達はマセた会話をしながら兄は本を読み、弟の方はブラブラと足を動かしている。そして遠くからはお昼寝から目覚めた長女の泣き声が響いていた。
「奥様、お嬢様がどうしても奥様がいいと仰っております」
足早に向かえに来た侍女は困ったように頭を下げた。
「という事で旦那様は夜までお預けですね」
アイリスは妖艶な笑みを浮かべると、ディミトリの頬を撫でながら大広間を出て行く。
「お父様、僕はこれ以上兄弟達が増えるのは望んでいませんからね」
長男は本のページを捲りながらそう呟いた。
「……お前は何を読んでいるんだい?」
おもむろに長男が呼んでいる本の背表紙を覗き込んだ。
――侯爵家当主の座を巡る骨肉の争い~四女の私が当主になる方法~
「……その本はどこで?」
「お母様の本棚です。自由に読んでいいと言われているので」
「そうか。お母様はそんな本も読んでいるのか」
「お父様も読まれますか?」
「いや、いいよ。良かったら私の書斎にある本も読んでいいからね?」
「お母様の本棚の方が面白い本があるので結構です」
ディミトリは長男の頭を撫でると、自分は撫でられなかったと騒ぐ次男を足に絡めながら大広間を出て行った。
ウトウトと浅い眠りを繰り返し、ふと珍しくフレデリックの寝顔が目に入る。夜なのか朝になったのかも分からない薄暗い部屋の中で、アナスタシアの心は幸せで震えていた。
モルガンが辺境伯領に旅立ってからというもの、フレデリックはどこか気が抜けたような元気のない様子に、こうしてディミトリの所に遊びに来たのは数日前。それでもそのほとんどをこうして部屋で過ごしてしまっているが、この家の者達は生暖かい目で見てくるだけで何も言ってはこない。何も考えず、ただフレデリックの事だけを考えて過ごす日々がこんなに幸せなのかと噛み締めていた。
「アン? どうした」
寝ぼけているのか薄目を開けたままぐいっと引き寄せられればあっという間にフレデリックの胸に埋められてしまう。その湿って熱い肌の感覚に、アナスタシアは目を瞑った。
「こんなに幸せでいいのでしょうか」
「俺達は幸せになる為に生きているんだ。アンといてそう思えるようになったよ」
「私もフレデリック様から沢山の幸せを頂いたので、これからもっと頑張れるような気がします。ヴァレリー家の協力もなくなった今、事業をこのままお父様だけに任せる訳には……」
その瞬間、ぐいっと上に持ち上げられてしまった。外気に触れた素肌が寒さで震える。しかしフレデリックの大きな掌で撫でてくると体は一気に熱くなった。
「まずは何も考えずにもっと俺の事だけを考えてくれ」
促されるままフレデリックの上に覆い被さると、全ての隙間がなくなるように抱き合った。
569
お気に入りに追加
1,176
この作品は感想を受け付けておりません。
あなたにおすすめの小説
【掌編集】今までお世話になりました旦那様もお元気で〜妻の残していった離婚受理証明書を握りしめイケメン公爵は涙と鼻水を垂らす
まほりろ
恋愛
新婚初夜に「君を愛してないし、これからも愛するつもりはない」と言ってしまった公爵。
彼は今まで、天才、美男子、完璧な貴公子、ポーカーフェイスが似合う氷の公爵などと言われもてはやされてきた。
しかし新婚初夜に暴言を吐いた女性が、初恋の人で、命の恩人で、伝説の聖女で、妖精の愛し子であったことを知り意気消沈している。
彼の手には元妻が置いていった「離婚受理証明書」が握られていた……。
他掌編七作品収録。
※無断転載を禁止します。
※朗読動画の無断配信も禁止します
「Copyright(C)2023-まほりろ/若松咲良」
某小説サイトに投稿した掌編八作品をこちらに転載しました。
【収録作品】
①「今までお世話になりました旦那様もお元気で〜ポーカーフェイスの似合う天才貴公子と称された公爵は、妻の残していった離婚受理証明書を握りしめ涙と鼻水を垂らす」
②「何をされてもやり返せない臆病な公爵令嬢は、王太子に竜の生贄にされ壊れる。能ある鷹と天才美少女は爪を隠す」
③「運命的な出会いからの即日プロポーズ。婚約破棄された天才錬金術師は新しい恋に生きる!」
④「4月1日10時30分喫茶店ルナ、婚約者は遅れてやってきた〜新聞は星座占いを見る為だけにある訳ではない」
⑤「『お姉様はズルい!』が口癖の双子の弟が現世の婚約者! 前世では弟を立てる事を親に強要され馬鹿の振りをしていましたが、現世では奴とは他人なので天才として実力を充分に発揮したいと思います!」
⑥「婚約破棄をしたいと彼は言った。契約書とおふだにご用心」
⑦「伯爵家に半世紀仕えた老メイドは伯爵親子の罠にハマり無一文で追放される。老メイドを助けたのはポーカーフェイスの美女でした」
⑧「お客様の中に褒め褒めの感想を書ける方はいらっしゃいませんか? 天才美文感想書きVS普通の少女がえんぴつで書いた感想!」
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。

麗しのラシェール
真弓りの
恋愛
「僕の麗しのラシェール、君は今日も綺麗だ」
わたくしの旦那様は今日も愛の言葉を投げかける。でも、その言葉は美しい姉に捧げられるものだと知っているの。
ねえ、わたくし、貴方の子供を授かったの。……喜んで、くれる?
これは、誤解が元ですれ違った夫婦のお話です。
…………………………………………………………………………………………
短いお話ですが、珍しく冒頭鬱展開ですので、読む方はお気をつけて。

「君の為の時間は取れない」と告げた旦那様の意図を私はちゃんと理解しています。
あおくん
恋愛
憧れの人であった旦那様は初夜が終わったあと私にこう告げた。
「君の為の時間は取れない」と。
それでも私は幸せだった。だから、旦那様を支えられるような妻になりたいと願った。
そして騎士団長でもある旦那様は次の日から家を空け、旦那様と入れ違いにやって来たのは旦那様の母親と見知らぬ女性。
旦那様の告げた「君の為の時間は取れない」という言葉はお二人には別の意味で伝わったようだ。
あなたは愛されていない。愛してもらうためには必要なことだと過度な労働を強いた結果、過労で倒れた私は記憶喪失になる。
そして帰ってきた旦那様は、全てを忘れていた私に困惑する。
※35〜37話くらいで終わります。
とまどいの花嫁は、夫から逃げられない
椎名さえら
恋愛
エラは、親が決めた婚約者からずっと冷淡に扱われ
初夜、夫は愛人の家へと行った。
戦争が起こり、夫は戦地へと赴いた。
「無事に戻ってきたら、お前とは離婚する」
と言い置いて。
やっと戦争が終わった後、エラのもとへ戻ってきた夫に
彼女は強い違和感を感じる。
夫はすっかり改心し、エラとは離婚しないと言い張り
突然彼女を溺愛し始めたからだ
______________________
✴︎舞台のイメージはイギリス近代(ゆるゆる設定)
✴︎誤字脱字は優しくスルーしていただけると幸いです
✴︎なろうさんにも投稿しています
私の勝手なBGMは、懐かしすぎるけど鬼束ちひろ『月光』←名曲すぎ

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です

〈完結〉【書籍化&コミカライズ・取り下げ予定】記憶を失ったらあなたへの恋心も消えました。
ごろごろみかん。
恋愛
婚約者には、何よりも大切にしている義妹がいる、らしい。
ある日、私は階段から転がり落ち、目が覚めた時には全てを忘れていた。
対面した婚約者は、
「お前がどうしても、というからこの婚約を結んだ。そんなことも覚えていないのか」
……とても偉そう。日記を見るに、以前の私は彼を慕っていたらしいけれど。
「階段から転げ落ちた衝撃であなたへの恋心もなくなったみたいです。ですから婚約は解消していただいて構いません。今まで無理を言って申し訳ありませんでした」
今の私はあなたを愛していません。
気弱令嬢(だった)シャーロットの逆襲が始まる。
☆タイトルコロコロ変えてすみません、これで決定、のはず。
☆商業化が決定したため取り下げ予定です(完結まで更新します)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる