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14 夫への疑惑
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「奥様、お客様がいらっしゃいました」
庭の片隅で庭師の真似事をしていたアナスタシアは、落ち着きのないルネを不思議に見た。
「誰かしら?」
「お客様はミレーユ・ベルナンド侯爵夫人でいらっしゃいます。応接間に通しておりますが、お会いになられますか?」
「おかしな事を聞くのね。すぐに土を落としてくるからそう伝えておいて」
応接間に入った途端、ミレーユは抱きついてきた。泣きながら肩を震わせている。アナスタシアはどうしていいのか分からずに、ミレーユの肩越しにルネと目を合わせた。
「あのミレーユ様? いかがなさいました?」
「アナスタシア様は私の友人よね? そうよね?」
正直、先日茶会に誘われた以外接点のなかった侯爵夫人に友人と言われても恐れ多いだけなのだが、震えている身体があまりにも可哀想で気がつくと頷いていた。夜の花が咲いたような美しい顔が目の前に迫った。
「アナスタシア様にご相談があるの。二人きりで」
アナスタシアはとっさにルネを見ると、ルネは拒んでいるように見えた。もちろん態度には出ていない。それでも少し細まった目に力を感じた。
「……私の夫の事よ」
アナスタシアは震えるような声に頷くと、ルネに部屋を出ているように伝えた。力の籠もっていないミレーユの身体を支えながらソファへ移動すると細い手を握った。
「これで二人きりです。何があったのです?」
今目の前にいるのはいつも威厳に満ちて美しく、非の打ち所のないベルナンド侯爵の妻とはかけ離れた、弱々しい少女のようだった。その手がアナスタシアの手首を思い切り掴んだ。
「あの人が離婚しようとしているの。私を捨てようとしているのよ!」
「まさか、噂の愛妾を妻にしようとしているのですか?」
ミレーユは首を振った。
「私とフレデリックの逢瀬が夫に知られてしまったの」
言葉が出てこなかった。頭が真っ白になり答える事が出来ない。するとミレーユは大きな瞳からぽつりと涙を流した。
「私とフレデリックが元婚約者だった事は知っているわね? 父に無理やりベルナンド家に嫁がされなければ今頃は私が妻だったのよ、でもそれはもういいの。でも再会した私達は互いの気持ちを止める事が出来なかった。アナスタシア様は別にフレデリックでなくても良かったのよね? ……ベルナンド家から逃れられるのなら。そうしてギレム侯爵家の資産を実家の事業の為に使ったのでしょう?」
違うと言いたい。それでもフレデリックとミレーユとの関係がそこまで進んでいるかもしれないという事実に思考は全く働かなかった。
「……私は、フレデリック様を信じております」
「本当に真っ直ぐなのね。昨日の夜会は一足先に帰られたようね? フレデリックが言っていたわ。あの人、朝早くに帰って来たでしょう? 私と共にいたのよ。証人が必要なら用意出来るわ。といってもうちの使用人だからアナスタシア様は信じないかもしれないわ」
「ミレーユ様はどうされたいのですか?」
「私は正しくあるべき場所に戻りたいと思っているの。すれ違った運命を元に戻したいのよ。このままではもし妊娠したとしても私は不義の子を身籠った事になってしまう。そんなの誰も幸せにはならないでしょう?」
「不義の子……」
「国の英雄が世間から叩かれるなんて、あなたも嫌でしょう?」
「信じられません」
するとミレーユはその場でドレスを半身脱いだ。アナスタシアは目のやり場に困りながらもミレーユの身体に散る赤い花びらに釘付けになっていた。それはまさに付けたてのような生々しいものだった。ふと、今朝のフレデリックの喉元を思い出す。
「もちろんこれがフレデリックのものだという証明は出来ないわ。でも昨晩どうしていたのか聞いてみてもいいのよ。さすがの私も朝までフレデリックといてすぐに屋敷に帰ったから、他の人につけてもらうのは難しいわね」
腿の上で握り締めていた手は力が入り過ぎて白くなっている。心臓がすり潰されているのでは思う程に痛い。目眩がする。もう何も考えたくなかった。
「私の願いはただ一つよ。フレデリックを幸せにしたいの。記憶のない今、フレデリックは婚約解消後の傷ついた心のまま過ごしているわ。それを癒せるのは婚約破棄をした私だけだと思うの。記憶のない知らない女性と夫婦ごっこを続けるよりも、ずっと記憶を取り戻せる機会は多いはずよ」
「ご言い分は承知しました。それでも今は私がフレデリック様の妻です。ですからこの事はフレデリック様とお話をしてから決めたいと思います」
「フレデリックがもし離婚を望んだら? アナスタシア様はどうなさるの?」
「その時は……その時はフレデリック様の良きように致します」
するとミレーユはにこりと微笑んだ。
「それならお任せするわ。傷つき過ぎたフレデリックには心穏やかに過ごして欲しいもの。アナスタシア様はフレデリックにとって一番いい方法を取られると信じているわ」
アナスタシアはミレーユに引き取ってもらうようルネを呼ぶと、一人自室に戻った。
それからは、一人で何をするでもなく過ごした。泣き叫びたい訳ではない。
――悲しい。
――辛い。
――苦しい。
――羨ましい。
――妬ましい。
――でも愛しい。
心の中を湧いてくるぐちゃぐちゃに絡まった感情が流れていくのをただ傍観者の様に眺めていた。時が刻々と流れていく。昼間の明るい光が次第に沈み、西日が強くなっていく。そこで始めて立ち上がった。鏡の前で髪を巻き、化粧をする。悲しいかな、田舎貴族の出の自分は使用人にしてもらわなくても自分で出来てしまう。それなりに見れるようになった顔で、鏡の向こうの顔にほほえんでみる。そこにはちゃんと笑えている自分がいた。薄紫色のドレスに袖を通し、一階に降りていくと家族同然に接しているこの家の使用人達は心配したように見上げてきた。ミレーユが来て言った事はもちろん誰にも話していない。それでも何かを察しているのか、皆落ち着きのない様子だった。
「そろそろフレデリック様がおかえりになる頃かしら?」
一人落ち着いていたマルクは頷いた。
「もうすぐお夕食のお時間になりますのでお掛け下さい」
「私も手伝うわ。少し身体を動かしたいの」
「なりません! 今の旦那様がご覧になられたら驚かれますよ」
「でも……」
「でもではありません。絶対に駄目です。駄目ったら駄目です」
アナスタシアがつまらなそうにマルクを見た時だった。玄関の扉が叩かれる。全員が嬉しそうに扉を見たが、入ってきたのはモルガンだった。なぜか一同にがっかりされた表情を向けられたフレデリックの腹心の部下は、訳が分らないまま謝ってきた。
「突然申し訳ありません。フレデリック様からのご伝言があり急ぎ参りました」
「なにかしら?」
モルガンは小さく息を吐くと、濡れた髪を掻き上げた。
「その前に何か拭くものをモルガンさんに」
マルクは素早くタオルを持ってくるとモルガンに手渡した。
「宜しければ着替えもお持ち致します」
「またすぐに城に戻りますのでお気遣いなく。フレデリック様からのご伝言なのですが、急ぎ立ち寄る所が出来たので夕食は先に食べていてくれとの事でした。全く、フレデリック様も勝手ですよね。まあ勝手なのはベルナンド侯爵でしょうか」
「フレデリック様が向かったのはベルナンド家ですか?」
「はい。どうかなさいましたか?」
「ベルナンド侯爵夫人ではなく?」
「侯爵の方です。奥様?」
するとアナスタシアはすぐにモルガンに詰め寄った。
「それなら危険です! すぐに行って差し上げて下さい!」
「アナスタシア様? 危険とはどういう事でしょうか?」
「ベルナンド侯爵は訳あってフレデリック様を恨んでおられるかもしれません。このままではフレデリック様の御身が心配です」
「……分かりました、すぐにベルナンド侯爵家に向かいます。すみませんが騎士団に連絡をお願い致します!」
アナスタシアは頷きながら、モルガンを見送った。
庭の片隅で庭師の真似事をしていたアナスタシアは、落ち着きのないルネを不思議に見た。
「誰かしら?」
「お客様はミレーユ・ベルナンド侯爵夫人でいらっしゃいます。応接間に通しておりますが、お会いになられますか?」
「おかしな事を聞くのね。すぐに土を落としてくるからそう伝えておいて」
応接間に入った途端、ミレーユは抱きついてきた。泣きながら肩を震わせている。アナスタシアはどうしていいのか分からずに、ミレーユの肩越しにルネと目を合わせた。
「あのミレーユ様? いかがなさいました?」
「アナスタシア様は私の友人よね? そうよね?」
正直、先日茶会に誘われた以外接点のなかった侯爵夫人に友人と言われても恐れ多いだけなのだが、震えている身体があまりにも可哀想で気がつくと頷いていた。夜の花が咲いたような美しい顔が目の前に迫った。
「アナスタシア様にご相談があるの。二人きりで」
アナスタシアはとっさにルネを見ると、ルネは拒んでいるように見えた。もちろん態度には出ていない。それでも少し細まった目に力を感じた。
「……私の夫の事よ」
アナスタシアは震えるような声に頷くと、ルネに部屋を出ているように伝えた。力の籠もっていないミレーユの身体を支えながらソファへ移動すると細い手を握った。
「これで二人きりです。何があったのです?」
今目の前にいるのはいつも威厳に満ちて美しく、非の打ち所のないベルナンド侯爵の妻とはかけ離れた、弱々しい少女のようだった。その手がアナスタシアの手首を思い切り掴んだ。
「あの人が離婚しようとしているの。私を捨てようとしているのよ!」
「まさか、噂の愛妾を妻にしようとしているのですか?」
ミレーユは首を振った。
「私とフレデリックの逢瀬が夫に知られてしまったの」
言葉が出てこなかった。頭が真っ白になり答える事が出来ない。するとミレーユは大きな瞳からぽつりと涙を流した。
「私とフレデリックが元婚約者だった事は知っているわね? 父に無理やりベルナンド家に嫁がされなければ今頃は私が妻だったのよ、でもそれはもういいの。でも再会した私達は互いの気持ちを止める事が出来なかった。アナスタシア様は別にフレデリックでなくても良かったのよね? ……ベルナンド家から逃れられるのなら。そうしてギレム侯爵家の資産を実家の事業の為に使ったのでしょう?」
違うと言いたい。それでもフレデリックとミレーユとの関係がそこまで進んでいるかもしれないという事実に思考は全く働かなかった。
「……私は、フレデリック様を信じております」
「本当に真っ直ぐなのね。昨日の夜会は一足先に帰られたようね? フレデリックが言っていたわ。あの人、朝早くに帰って来たでしょう? 私と共にいたのよ。証人が必要なら用意出来るわ。といってもうちの使用人だからアナスタシア様は信じないかもしれないわ」
「ミレーユ様はどうされたいのですか?」
「私は正しくあるべき場所に戻りたいと思っているの。すれ違った運命を元に戻したいのよ。このままではもし妊娠したとしても私は不義の子を身籠った事になってしまう。そんなの誰も幸せにはならないでしょう?」
「不義の子……」
「国の英雄が世間から叩かれるなんて、あなたも嫌でしょう?」
「信じられません」
するとミレーユはその場でドレスを半身脱いだ。アナスタシアは目のやり場に困りながらもミレーユの身体に散る赤い花びらに釘付けになっていた。それはまさに付けたてのような生々しいものだった。ふと、今朝のフレデリックの喉元を思い出す。
「もちろんこれがフレデリックのものだという証明は出来ないわ。でも昨晩どうしていたのか聞いてみてもいいのよ。さすがの私も朝までフレデリックといてすぐに屋敷に帰ったから、他の人につけてもらうのは難しいわね」
腿の上で握り締めていた手は力が入り過ぎて白くなっている。心臓がすり潰されているのでは思う程に痛い。目眩がする。もう何も考えたくなかった。
「私の願いはただ一つよ。フレデリックを幸せにしたいの。記憶のない今、フレデリックは婚約解消後の傷ついた心のまま過ごしているわ。それを癒せるのは婚約破棄をした私だけだと思うの。記憶のない知らない女性と夫婦ごっこを続けるよりも、ずっと記憶を取り戻せる機会は多いはずよ」
「ご言い分は承知しました。それでも今は私がフレデリック様の妻です。ですからこの事はフレデリック様とお話をしてから決めたいと思います」
「フレデリックがもし離婚を望んだら? アナスタシア様はどうなさるの?」
「その時は……その時はフレデリック様の良きように致します」
するとミレーユはにこりと微笑んだ。
「それならお任せするわ。傷つき過ぎたフレデリックには心穏やかに過ごして欲しいもの。アナスタシア様はフレデリックにとって一番いい方法を取られると信じているわ」
アナスタシアはミレーユに引き取ってもらうようルネを呼ぶと、一人自室に戻った。
それからは、一人で何をするでもなく過ごした。泣き叫びたい訳ではない。
――悲しい。
――辛い。
――苦しい。
――羨ましい。
――妬ましい。
――でも愛しい。
心の中を湧いてくるぐちゃぐちゃに絡まった感情が流れていくのをただ傍観者の様に眺めていた。時が刻々と流れていく。昼間の明るい光が次第に沈み、西日が強くなっていく。そこで始めて立ち上がった。鏡の前で髪を巻き、化粧をする。悲しいかな、田舎貴族の出の自分は使用人にしてもらわなくても自分で出来てしまう。それなりに見れるようになった顔で、鏡の向こうの顔にほほえんでみる。そこにはちゃんと笑えている自分がいた。薄紫色のドレスに袖を通し、一階に降りていくと家族同然に接しているこの家の使用人達は心配したように見上げてきた。ミレーユが来て言った事はもちろん誰にも話していない。それでも何かを察しているのか、皆落ち着きのない様子だった。
「そろそろフレデリック様がおかえりになる頃かしら?」
一人落ち着いていたマルクは頷いた。
「もうすぐお夕食のお時間になりますのでお掛け下さい」
「私も手伝うわ。少し身体を動かしたいの」
「なりません! 今の旦那様がご覧になられたら驚かれますよ」
「でも……」
「でもではありません。絶対に駄目です。駄目ったら駄目です」
アナスタシアがつまらなそうにマルクを見た時だった。玄関の扉が叩かれる。全員が嬉しそうに扉を見たが、入ってきたのはモルガンだった。なぜか一同にがっかりされた表情を向けられたフレデリックの腹心の部下は、訳が分らないまま謝ってきた。
「突然申し訳ありません。フレデリック様からのご伝言があり急ぎ参りました」
「なにかしら?」
モルガンは小さく息を吐くと、濡れた髪を掻き上げた。
「その前に何か拭くものをモルガンさんに」
マルクは素早くタオルを持ってくるとモルガンに手渡した。
「宜しければ着替えもお持ち致します」
「またすぐに城に戻りますのでお気遣いなく。フレデリック様からのご伝言なのですが、急ぎ立ち寄る所が出来たので夕食は先に食べていてくれとの事でした。全く、フレデリック様も勝手ですよね。まあ勝手なのはベルナンド侯爵でしょうか」
「フレデリック様が向かったのはベルナンド家ですか?」
「はい。どうかなさいましたか?」
「ベルナンド侯爵夫人ではなく?」
「侯爵の方です。奥様?」
するとアナスタシアはすぐにモルガンに詰め寄った。
「それなら危険です! すぐに行って差し上げて下さい!」
「アナスタシア様? 危険とはどういう事でしょうか?」
「ベルナンド侯爵は訳あってフレデリック様を恨んでおられるかもしれません。このままではフレデリック様の御身が心配です」
「……分かりました、すぐにベルナンド侯爵家に向かいます。すみませんが騎士団に連絡をお願い致します!」
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