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第26話
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「――と、コレットは言ってるけど、あんたはどうなのよ、王子様?」
『アアア……違う、そうじゃない……そうじゃない……ワタシは知っていた。知っていたんだ。コレットとの婚約を解消することを……。破棄じゃない。ワタシが認めたのだから……』
「え?」
「は?」
「ど、どういうことなの、ベルディナットっ!?」
コレットさんが驚きの表情で王子に詰め寄った。
『ワタシは……コレットの父親と話した。ワタシの好意が、コレットの重荷になっていると。ワタシがいてはコレットが幸せになれないと諭された。その通りだと思い、婚約解消に同意した……』
「そんな……だったら、だったらどうしてずっと1人で、どうして私を待ち続けるなんてバカなことを……」
『それでも……やっぱり好きだったから。変われなかったから。会いたかった。君だけを愛していたから。いなくなって余計にわかってしまった。どんなに無様でも、君を手放さなければよかった。コレット……ワタシは君を……いつまでも……いつまでも……愛している……好きなんだ……』
「ベルディナット……」
コレットさんが、自ら聖印に足を踏み入れた。
彼女の体もまた――生者とは違う――白銀の光を浴びると、背景が見えるほど薄く透けていく。
『アアアアアアアアッ……コレット……』
「おいで、ベルディナット……」
床の上で正座をすると、少し足を横にずらした。
昔よくやっていたのだろう。
王子も横になると、自然な動作でコレットさんの膝の上に頭を乗せた。
「本当に……本当にあなたはあのころと何も変わっていないのね……」
頭を優しくなでる。
たった……たったそれだけのことで、あれだけ強大な力を誇った黒衣の王子の闇が、薄まっていく。
コレットさんが顔を上げた。
「ユースフィアさん、お願いします」
「ええ、わかったわ――」
姉さんが再び聖印に魔力を走らせた。
『アアア……違う、そうじゃない……そうじゃない……ワタシは知っていた。知っていたんだ。コレットとの婚約を解消することを……。破棄じゃない。ワタシが認めたのだから……』
「え?」
「は?」
「ど、どういうことなの、ベルディナットっ!?」
コレットさんが驚きの表情で王子に詰め寄った。
『ワタシは……コレットの父親と話した。ワタシの好意が、コレットの重荷になっていると。ワタシがいてはコレットが幸せになれないと諭された。その通りだと思い、婚約解消に同意した……』
「そんな……だったら、だったらどうしてずっと1人で、どうして私を待ち続けるなんてバカなことを……」
『それでも……やっぱり好きだったから。変われなかったから。会いたかった。君だけを愛していたから。いなくなって余計にわかってしまった。どんなに無様でも、君を手放さなければよかった。コレット……ワタシは君を……いつまでも……いつまでも……愛している……好きなんだ……』
「ベルディナット……」
コレットさんが、自ら聖印に足を踏み入れた。
彼女の体もまた――生者とは違う――白銀の光を浴びると、背景が見えるほど薄く透けていく。
『アアアアアアアアッ……コレット……』
「おいで、ベルディナット……」
床の上で正座をすると、少し足を横にずらした。
昔よくやっていたのだろう。
王子も横になると、自然な動作でコレットさんの膝の上に頭を乗せた。
「本当に……本当にあなたはあのころと何も変わっていないのね……」
頭を優しくなでる。
たった……たったそれだけのことで、あれだけ強大な力を誇った黒衣の王子の闇が、薄まっていく。
コレットさんが顔を上げた。
「ユースフィアさん、お願いします」
「ええ、わかったわ――」
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