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第21話
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「こんなの呪いのアイテムじゃない!」
「大事な思い出の品を投げ捨てたら、それこそ怒り心頭でしょ!?」
「じゃ、どーするのよ!?」
わずかに考える。
「……ひょっとしたら、追いかけてくるだけで、攻撃はされないとか?」
「な、なるほど……。よしトール、宝石はあなたが持ちなさい」
血色の宝石をパスしてくる。
「またこういうのばっか……ていうか姉さん浄化、浄化! 追いかけてくるならむしろ浄化のチャンスだって!」
「そ、そうだったわ! わたしにはこの聖女の拳があるんだった」
「拳っ!?」
姉さんは急に足を止めると、オモチャのようにクルリと片足で回転した。
反転。
踏みこんで、
「わたしの右手が聖なる光で輝き満ちる――」
「それ必ず言わないとダメなのぉぉ!?」
詠唱じゃないよねぇぇ!
「気分の問題よ! たぶん効果が1・3倍くらい違う!」
「妙にリアルな数値!?」
「ベルディナット王子、今、あなたを光明神ルクスベルの御許へ導いてあげるから、この一撃をおとなしく食らいなさい!」
姉さんの右拳が、これまでにないくらい白銀の魔力に包まれていく。
いつものヒールとは桁が違う。
ひょっとしてこれは!?
「今必殺のぉぉ――っ、セイクリッド・ナックルゥゥ~~~~ッッ!」
「聖女パンチじゃない!?」
……だと?
「大事な思い出の品を投げ捨てたら、それこそ怒り心頭でしょ!?」
「じゃ、どーするのよ!?」
わずかに考える。
「……ひょっとしたら、追いかけてくるだけで、攻撃はされないとか?」
「な、なるほど……。よしトール、宝石はあなたが持ちなさい」
血色の宝石をパスしてくる。
「またこういうのばっか……ていうか姉さん浄化、浄化! 追いかけてくるならむしろ浄化のチャンスだって!」
「そ、そうだったわ! わたしにはこの聖女の拳があるんだった」
「拳っ!?」
姉さんは急に足を止めると、オモチャのようにクルリと片足で回転した。
反転。
踏みこんで、
「わたしの右手が聖なる光で輝き満ちる――」
「それ必ず言わないとダメなのぉぉ!?」
詠唱じゃないよねぇぇ!
「気分の問題よ! たぶん効果が1・3倍くらい違う!」
「妙にリアルな数値!?」
「ベルディナット王子、今、あなたを光明神ルクスベルの御許へ導いてあげるから、この一撃をおとなしく食らいなさい!」
姉さんの右拳が、これまでにないくらい白銀の魔力に包まれていく。
いつものヒールとは桁が違う。
ひょっとしてこれは!?
「今必殺のぉぉ――っ、セイクリッド・ナックルゥゥ~~~~ッッ!」
「聖女パンチじゃない!?」
……だと?
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