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第5話

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「ならないよ!? それとぱふぱふってなに!?」

「ぱふぱふは……そう、ぱふぱふよ。とにかくぱふぱふじゃないならいいでしょ、少しくらい見せてくれたって!」

「もう少しぱふぱふについて詳しく知りたいところだけど! ね、姉さんが聖女なんて凄いクラスになっちゃたから、それと比べると恥ずかしいというか……」

「そんなことないよっ! どんなクラスでもわたしは受け入れる。だって、遊び人だって賢者になれる世の中だよ!」

「……姉さん、遊び人は賢者になれないと思うよ。いっぱい勉強しないと」

「あれ~?」


 姉さんは「でもゲームでは~」とおかしなことを口走っている。

 とりあえずこの職業欄は他の人には見せられないよ。
 特に彼女には……。


「そんなことより姉さん、あっちで偉そうな神官様が呼んでるよ。たぶん、赤い色鮮やかな衣装からいって、司祭様よりもっと上の司教様だと思うんだけど」


 多くの神官を引き連れて近づいてくる。
 そして、姉さんの前でうやうやしく頭を垂れた。


「ユースフィア様。これからぜひ私共と一緒に王都にある王城へ赴き、国王陛下に謁見していただきたいのですが、よろしいでしょうか?」

「えっ……」

「魔王討伐が目的であるというなら、国王陛下の元を度々訪れる勇者様とパーティを組むとよろしいかと存じます。勇者様は常に各地を回っておられます。捜し出し、追いつくのは困難かと」

 姉さんが勇者パーティに……?

 ……勧誘?

 悔しいけど……悔しいけど、司教様の言い分は正しい。

 悔しいけど理に適っている!


「でも! お断りだよっ!」


「ちょっと待って姉さん!? 司教様は間違ったこと言ってるかな? 姉さんは魔王を倒す使命があるんでしょ!? だったら勇者パーティ最善だよねっ!?」

「そ、それはそうなんだけどね~」


 目が泳いでる。


「やっぱり前世の記憶とか使命って……」

「嘘じゃない、嘘じゃないから! わたしを信じてぇぇ! 10年も一緒に暮らしてきた家族でしょ! 仲間でしょ! いわばずっとパーティを組んできたようなもの!」

「でも、順番からいったら前世の記憶を思い出す前に、子供のころの失った記憶を思い出す方が先じゃない?」


 辛い記憶かもしれないけど。


「うっ……それはそうなんだけど。そっちはちっとも思い出せないし、おいおいということで。と・に・か・く、このまま神殿にいたら、強制イベントで勇者の元に連れて行かれそうだから、さっさと出ましょう!」


 う~ん。
 姉さんのためには、このまま勇者の元へ送りこんだ方がいいような気が……。


「わたしがいないと思って、しょっちゅうわたしのベッドでコロコロ・もふもふしてるのは黙っておいてあげるから、ね?」



「うひゃぁぁぁぁぁ~~~~~っ!?」



「「「なんと哀れな……。思春期少年のささやかな秘めごとが……。クラスベル様、かの少年に祝福を!」」」
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