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バッドエンド回避計画
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今から遡ること数年前の、熱い夏の季節。
幼き日のリリニーナとその一家は、避暑目的にと領地にほど近い高原にある、とある貴族の屋敷を訪れていた。
そこは山の麓にある森林を拓いた場所で、王都に立ち並ぶような物珍しい品を置く店は無いものの、牧場や農地が近いこともありそこからの食材を、楽しめることと、また気候も随分と穏やかな所でリリニーナはここを訪れるのをいつも楽しみにしていた。
外の遊びが苦手なリリニーナはバルコニーに座りながら、そこの家の幼い貴族の子達が広大な庭でボールゲームに興じているのを眺めていた。リリニーナの両親を含めた大人は大人で、庭の一角に置いたテーブルセットにチーズやらハムやら用意して昼間からワインパーティーを楽しんでいる。
そろそろ本でも取ってこようかしら、と思案していたリリニーナの顔を、一つの影が覗き込んだ。
「リリニーナ、僕とカードゲームしない? 下の兄弟の追いかけっこに疲れたんだ」
そう言って話しかけてきたのは、公爵家の長男である幼き日のカイルヴァンだ。この地は公爵家の領地の端にある。そしてフィアレス家の領地が近いことや、公爵がワインパーティー好きなことから避暑の時期にはフィアレス家や他の貴族が招かれることが頻繁にあった。
カイルヴァンはあーあ疲れた、と面倒臭そうにしながら、ちらちらとリリニーナを見やる。
この頃のリリニーナはまだ王子の婚約者となっておらず、まだカイルヴァンは小姑のような存在にはなっていない。そして2人は外で体を動かすより本を読む方が好きな者同士、楽しく会話したり共に遊んだりする仲だった。
「静かで涼しいところでなら、ぜひそうしたいわ」
それを聞いたカイルヴァンは僅かに目を輝かせると、屋敷から庭を隔てた場所にある野鳥観察を兼ねた小屋へと案内した。去年はなかったその場所に、リリニーナはそわそわと近づき小屋を見渡した。
屋根とテーブルセットだけがある簡素な作りだが、喧騒を離れて落ち着くにはもってこいの場所のようだ。
そこは小川にも近いのか、水のせせらぎが聞こえてくる。
子ども達の声が遠くなり、微かに聞こえる鳥の声が森の静けさをも感じさせる。
「気に入ったかな?」
「素敵。最近建てたの?」
「う、うん。僕も静かな所が欲しいなって思ってたから」
「……? 他にもそう言ってた人がいらしたの?」
「い、いや、その。君ももこういう所好きそうだなって」
顔を少し赤らめながら告げるカイルヴァンに、リリニーナは首を傾げた。
「よくご存知ね?」
「も、もういいよ……! ほら、カード配るよ!」
(さて、今回は負けないわよ)
この頃からすでに口数が少ないリリニーナだったが、この頃はまだ仲が良かったこともあり、カイルヴァンはその表情から彼女が考えていることを少しは読み取れていたらしい。こちらも負けないぞ、と挑戦的な笑みを浮かべてリリニーナを見つめている。
屋敷の方からこちらに向かってくる人影が見える。
既にこの頃からリリニーナに仕えていた、当時は侍女見習いのポネットが二人分のクランベリーとレモネードを運んでくる。傍にはカイルヴァンの従者らしき男性もいる。
カイルヴァンがテーブルの上にカードを丁寧な所作で並べるのを眺めながら、リリニーナは心地よい小川のせせらぎや鳥の声に耳を澄ませていた。
「ラーラララ~、ラーラララ~♪」
「……?」
どこからともなく、聞き慣れない歌を歌う声が聞こえてきたのだった。
カイルヴァンにもその声は聞こえたらしい。カードを配る手を止め、リリニーナと顔を見合わせる。そして少し離れて控えている従者やポネットを見やると、彼らは気がついていないのか穏やかな表情でこちらを見ているだけだった。
そのことにリリニーナも気づき、カイルヴァンに顔を近づけるとひそひそ声を出した。
「もしかしたら妖精かしら?」
妖精は魔力がある者にしか見えず、リリニーナはその可能性を話すがカイルヴァンはう~ん、と懐疑的な表情を浮かべる。
「妖精は静かな場所を好む。こんな風に大人や子どもの笑い声が聞こえるような賑やかな場所に来るかな。妖精のフリをした高度な魔物かもしれないよ」
「じゃあ、どうする?」
「考えがある。ちょっと待って」
カイルヴァンはカードを仕舞うと、自身の従者であるラッシュに声を掛ける。
「いかがしました、カイル坊ちゃま」
「グリフォンにリリニーナを乗せたいんだけど、いい?」
「え!!」
驚いた声を上げたのは従者でなくリリニーナだった。だがここは話を合わせて、という目配せにより意図を理解する。
「そ、そうです。一度乗ってみたいと思っておりまして」
クラウディーオ家では紋章にもなっているグリフォンを数頭所有しており、こちらにも一頭連れてきていた。
「さすがです、カイル坊ちゃま! 武勇伝が増えますね。リリニーナ嬢もさぞ喜ばれることでしょう!」
カイルヴァンがもっと幼いころからずっと、この男性の従者が付き沿っているのを見てきた。おそらく将来はカイルヴァンの側近となるのだろう。
「ですが武勇伝を増やす前に、リリニーナ嬢のご両親に許可を得ねばなりません」
そう言うとラッシュはポネットを見やる。
ポネットは心得たように直ぐ様、庭でワインパーティーを楽しんでいるリリニーナの両親に許可を得に行った。
両親はすでに酔いが回っているのか、高笑いがここまで聞こえてくる。今の両親にまともな判断は出来るのだろうかとリリニーナは心配になる。
そうして待っている間にも、不思議な歌声は聞こえてきた。
「ラーラララ~、おっさかな~」
(なんだか楽しそう……)
リリニーナは相変わらず無表情ながらも、その声に無意識のうちに魅了されていた。
ややあって2人は庭に向かっていたポネットからのOKサインを遠目に確認し、カイルヴァンは待っていたとばかりに口笛を吹いた。
やがて屋敷の裏側に位置する森から一頭のグリフォンが鳴き声を上げながら大きな翼を広げて飛んでくる。そして2人の前に優雅に降り立つと、恭しく頭を近づけるのだった。
その体格の高さは大人の2倍はあるだろうか。以前にもカイルヴァンに案内されグリフォンを遠目に見たことはあるが、こんなに間近に接するのはリリニーナは初めてのことであった。リリニーナがやや緊張した面持ちでグリフォンを見上げると、その目はとても可愛らしく穏やかな目をしていた。
「この子は穏やかだから安心していいよ。さぁリリニーナ、乗って」
カイルヴァンは慣れた様子でグリフォンに跨り、嘴から繋がる手綱を掴むとその前にリリニーナを座らせる。
グリフォンは主の意図を得ているかのように2人が背に座ったのを確認するとやがて嬉しそうにひと鳴きすると小屋の前から羽音を立てて飛び立ち、小川のやや上空へと登り始めた。
「わぁ」
飛び立つ瞬間は少し怖いと思って目を瞑っていたが、ゆっくりと旋回するグリフォンの背中から見る高原の景色に目を輝かせ、リリニーナは息を呑む。その様子にカイルヴァンは満足気になっている。
「フィアレス家は聖獣を所持してないんだっけ? うちの父上はあちこち探し回ってようやくこのグリフォンと出会ったんだよ。さて、声の方向だけども……」
「小川の上流に向かってみましょう」
「了解!」
「おっさかな~、にっじいろーのーおっさかな~、ラーラララ~」
その頃、リリニーナ達が向かう川の上流では。
艶やかな黒い被毛を風に靡かせた小さな魔物が川岸の岩に伏せ、楽しげに歌を歌っていた。三角の耳をピンと尖らせ、金色の目をキラキラと光らせ、魚の泳ぐ小川の水面をウキウキと眺めていたのであった。
幼き日のリリニーナとその一家は、避暑目的にと領地にほど近い高原にある、とある貴族の屋敷を訪れていた。
そこは山の麓にある森林を拓いた場所で、王都に立ち並ぶような物珍しい品を置く店は無いものの、牧場や農地が近いこともありそこからの食材を、楽しめることと、また気候も随分と穏やかな所でリリニーナはここを訪れるのをいつも楽しみにしていた。
外の遊びが苦手なリリニーナはバルコニーに座りながら、そこの家の幼い貴族の子達が広大な庭でボールゲームに興じているのを眺めていた。リリニーナの両親を含めた大人は大人で、庭の一角に置いたテーブルセットにチーズやらハムやら用意して昼間からワインパーティーを楽しんでいる。
そろそろ本でも取ってこようかしら、と思案していたリリニーナの顔を、一つの影が覗き込んだ。
「リリニーナ、僕とカードゲームしない? 下の兄弟の追いかけっこに疲れたんだ」
そう言って話しかけてきたのは、公爵家の長男である幼き日のカイルヴァンだ。この地は公爵家の領地の端にある。そしてフィアレス家の領地が近いことや、公爵がワインパーティー好きなことから避暑の時期にはフィアレス家や他の貴族が招かれることが頻繁にあった。
カイルヴァンはあーあ疲れた、と面倒臭そうにしながら、ちらちらとリリニーナを見やる。
この頃のリリニーナはまだ王子の婚約者となっておらず、まだカイルヴァンは小姑のような存在にはなっていない。そして2人は外で体を動かすより本を読む方が好きな者同士、楽しく会話したり共に遊んだりする仲だった。
「静かで涼しいところでなら、ぜひそうしたいわ」
それを聞いたカイルヴァンは僅かに目を輝かせると、屋敷から庭を隔てた場所にある野鳥観察を兼ねた小屋へと案内した。去年はなかったその場所に、リリニーナはそわそわと近づき小屋を見渡した。
屋根とテーブルセットだけがある簡素な作りだが、喧騒を離れて落ち着くにはもってこいの場所のようだ。
そこは小川にも近いのか、水のせせらぎが聞こえてくる。
子ども達の声が遠くなり、微かに聞こえる鳥の声が森の静けさをも感じさせる。
「気に入ったかな?」
「素敵。最近建てたの?」
「う、うん。僕も静かな所が欲しいなって思ってたから」
「……? 他にもそう言ってた人がいらしたの?」
「い、いや、その。君ももこういう所好きそうだなって」
顔を少し赤らめながら告げるカイルヴァンに、リリニーナは首を傾げた。
「よくご存知ね?」
「も、もういいよ……! ほら、カード配るよ!」
(さて、今回は負けないわよ)
この頃からすでに口数が少ないリリニーナだったが、この頃はまだ仲が良かったこともあり、カイルヴァンはその表情から彼女が考えていることを少しは読み取れていたらしい。こちらも負けないぞ、と挑戦的な笑みを浮かべてリリニーナを見つめている。
屋敷の方からこちらに向かってくる人影が見える。
既にこの頃からリリニーナに仕えていた、当時は侍女見習いのポネットが二人分のクランベリーとレモネードを運んでくる。傍にはカイルヴァンの従者らしき男性もいる。
カイルヴァンがテーブルの上にカードを丁寧な所作で並べるのを眺めながら、リリニーナは心地よい小川のせせらぎや鳥の声に耳を澄ませていた。
「ラーラララ~、ラーラララ~♪」
「……?」
どこからともなく、聞き慣れない歌を歌う声が聞こえてきたのだった。
カイルヴァンにもその声は聞こえたらしい。カードを配る手を止め、リリニーナと顔を見合わせる。そして少し離れて控えている従者やポネットを見やると、彼らは気がついていないのか穏やかな表情でこちらを見ているだけだった。
そのことにリリニーナも気づき、カイルヴァンに顔を近づけるとひそひそ声を出した。
「もしかしたら妖精かしら?」
妖精は魔力がある者にしか見えず、リリニーナはその可能性を話すがカイルヴァンはう~ん、と懐疑的な表情を浮かべる。
「妖精は静かな場所を好む。こんな風に大人や子どもの笑い声が聞こえるような賑やかな場所に来るかな。妖精のフリをした高度な魔物かもしれないよ」
「じゃあ、どうする?」
「考えがある。ちょっと待って」
カイルヴァンはカードを仕舞うと、自身の従者であるラッシュに声を掛ける。
「いかがしました、カイル坊ちゃま」
「グリフォンにリリニーナを乗せたいんだけど、いい?」
「え!!」
驚いた声を上げたのは従者でなくリリニーナだった。だがここは話を合わせて、という目配せにより意図を理解する。
「そ、そうです。一度乗ってみたいと思っておりまして」
クラウディーオ家では紋章にもなっているグリフォンを数頭所有しており、こちらにも一頭連れてきていた。
「さすがです、カイル坊ちゃま! 武勇伝が増えますね。リリニーナ嬢もさぞ喜ばれることでしょう!」
カイルヴァンがもっと幼いころからずっと、この男性の従者が付き沿っているのを見てきた。おそらく将来はカイルヴァンの側近となるのだろう。
「ですが武勇伝を増やす前に、リリニーナ嬢のご両親に許可を得ねばなりません」
そう言うとラッシュはポネットを見やる。
ポネットは心得たように直ぐ様、庭でワインパーティーを楽しんでいるリリニーナの両親に許可を得に行った。
両親はすでに酔いが回っているのか、高笑いがここまで聞こえてくる。今の両親にまともな判断は出来るのだろうかとリリニーナは心配になる。
そうして待っている間にも、不思議な歌声は聞こえてきた。
「ラーラララ~、おっさかな~」
(なんだか楽しそう……)
リリニーナは相変わらず無表情ながらも、その声に無意識のうちに魅了されていた。
ややあって2人は庭に向かっていたポネットからのOKサインを遠目に確認し、カイルヴァンは待っていたとばかりに口笛を吹いた。
やがて屋敷の裏側に位置する森から一頭のグリフォンが鳴き声を上げながら大きな翼を広げて飛んでくる。そして2人の前に優雅に降り立つと、恭しく頭を近づけるのだった。
その体格の高さは大人の2倍はあるだろうか。以前にもカイルヴァンに案内されグリフォンを遠目に見たことはあるが、こんなに間近に接するのはリリニーナは初めてのことであった。リリニーナがやや緊張した面持ちでグリフォンを見上げると、その目はとても可愛らしく穏やかな目をしていた。
「この子は穏やかだから安心していいよ。さぁリリニーナ、乗って」
カイルヴァンは慣れた様子でグリフォンに跨り、嘴から繋がる手綱を掴むとその前にリリニーナを座らせる。
グリフォンは主の意図を得ているかのように2人が背に座ったのを確認するとやがて嬉しそうにひと鳴きすると小屋の前から羽音を立てて飛び立ち、小川のやや上空へと登り始めた。
「わぁ」
飛び立つ瞬間は少し怖いと思って目を瞑っていたが、ゆっくりと旋回するグリフォンの背中から見る高原の景色に目を輝かせ、リリニーナは息を呑む。その様子にカイルヴァンは満足気になっている。
「フィアレス家は聖獣を所持してないんだっけ? うちの父上はあちこち探し回ってようやくこのグリフォンと出会ったんだよ。さて、声の方向だけども……」
「小川の上流に向かってみましょう」
「了解!」
「おっさかな~、にっじいろーのーおっさかな~、ラーラララ~」
その頃、リリニーナ達が向かう川の上流では。
艶やかな黒い被毛を風に靡かせた小さな魔物が川岸の岩に伏せ、楽しげに歌を歌っていた。三角の耳をピンと尖らせ、金色の目をキラキラと光らせ、魚の泳ぐ小川の水面をウキウキと眺めていたのであった。
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