冷酷な悪役令嬢にバッドエンドしか知らない転生ヒロインが助けを求めてきました

この世界がまさかおとぎ話の世界になっているとは、侯爵令嬢リリニーナ・フィアレスは知る由もなかった。

魔王の統治していた魔法帝国が滅びた後に残った、シーザニア王国。ここにはかつて栄えた様々な魔法の文化はなく、風、土、火、水の4種類の魔法だけが使われている。その礎を築き国民に魔法を伝えたのは4人の魔法使い。風の魔法使いは王となり、この国を治めることとなった。

残りの3人のうち、火の魔法使いの子孫であるリリニーナは他の魔法使いとは違った特殊さを持っている。それゆえに王子の婚約者に選ばれたが、彼女のもつ魔力の希少さのみに存在価値を見出されることにリリニーナは虚しく思っていた。

だがそんなある日、この世界に転生してきたというアカデミーの女子生徒セイラによって、この世界の秘密とこれから向かう未来を知らされる。セイラは物語のヒロインだが、どうにもこうにもモテない人生を歩み、恋愛ゲームでも成功しないというバッドエンド続きのヒロインだった。

そんなヒロインが転生してきたために、シーザニア王国は将来滅びてしまうというバッドエンド未来に脅かされることになった。それを回避するため滅多に感情を表に出さないリリニーナはヒロインのセイラに協力するのであった。
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