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25・地方
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私はイツキと一緒に、小さなホームセンターに入り、大量の殺虫剤を購入する。
イツキが不安そうに呟く。
「こんな物で役に立つかな?」
「ないよりかはましだろう」
そして 私たちは、マツヤマの家に到着した。
外に出てきたマツヤマは、息子の顔を見ると、怒りの表情を見せる。
「イツキ! 学校はどうした!? またサボったのか!」
「父さん、それどころじゃない。早く この村から逃げないと」
「なんの話だ!?」
「このままだと 父さんは殺される」
「あのカルト教団の連中になにか言われたのか? 問題ない。警察に連絡すればいい」
「警察なんて役に立たないよ。奴らは蟲を使う。呪いをかけたんだ」
「おまえは そんな迷信を信じているのか!? 呆れたな」
まるで信じていないマツヤマ氏に、私も説得に加わる。
「マツヤマさん。本当なんだ。どうやら本当に蟲を使った殺人なんだ。工業団地建設を阻止するために。
今、奴らを止めるために彼女が動いている。
解決できるまで、あなたはとにかく避難するんだ」
その時だった。
イツキが手で我々に沈黙するよう合図した。
「みんな、待って。静かに。この音はなに?」
物凄まじい羽音が遠くから聞こえてきた。
そして、太陽の光が仄暗くなり始め、私は天気が曇りになったのかと思った。
だが違った。
空を覆っているのは、雲ではない。
蟲だ。
おびただしい数の蟲が飛来してきた。
私は告げる。
「もう 逃げるのは間に合わない。家の中に入れ! 家を封鎖しろ!」
マツヤマ氏も事態の異常性を理解し、家に入った。
奥さんが台所から出てくる。
「あなた、どうしたの?」
「窓を全部 閉めるんだ!」
奥さんは、なにかが起きているのかわからないようだったが、夫の剣幕に押され、窓を閉め始めた。
私とイツキも、窓を閉める。
「マツヤマさん。この家の密閉に関しては、どうなってる?」
「大丈夫だ。新築の家で、蟲一匹 隙間から入ることは出来ないはずだ」
だが、窓に無数の蟲が体当たりしてきた。
物凄い衝撃で、とても小さな蟲とは思えなかった。
私は殺虫剤をマツヤマ氏にも渡す。
「蟲が侵入してきたら、これで応戦するぞ」
「こんな物で倒せるのか?!」
「ないよりましだ」
ピシリッ。
窓ガラスに亀裂が走った。
ピシピシピシ……
窓ガラスに次々と亀裂が広がっていき、そして、
バリンッ!
一斉に割れた。
「二階だ! 二階へ避難しろ!」
私は殺虫剤を撒き散らしながら叫ぶ。
奥さんを先に行かせ、次にイツキ、そしてマツヤマの順で、二階へ。
二階の部屋のドアを閉める。
ここはイツキの部屋らしい。
「ここも長くはもたないよ」
イツキが不安そうに呟く。
そして、その言葉は私も同意だった。
ブラインド レディが、早く事態を収めてくれることを祈るしかなかった。
カリカリカリ……
なにか削る音が聞こえ始めた。
イツキが青ざめる。
「シロアリだ。物凄い数のシロアリが木材を囓ってる」
おが屑が壁や天井から、少しずつ落ち始めてきた。
ここを破られたら、もう終わりだ。
ブラインド レディ、早くしてくれ。
その頃 ブラインド レディは、土着宗教団体の長と面会していた。
長はブラインド レディに告げる。
「残念ながら、呪いをかけたのは、私たちではない。
遙か数百年前のことだ。
当時の権力者、朝廷の使いが、この村の支配を進めようとした。
それに対抗するために、我らのご先祖さまが、この土地に八十八の蠱毒の壺を埋め、呪いをかけた。
この土地を不当に荒らす者に、災いをもたらすために。
そして、お前さんの言う能力者は、数百年前のご先祖さま。当然、もう亡くなられておられる。呪いを解く方法はない。
強いていうなら、この土地に埋められた全ての蠱毒の壺を見つけ出し、破壊することだ。
だが、現実的に考えて、そんなことは不可能だろう」
「マツヤマ氏が蟲に殺されるのを防ぐ手段はないというの?」
「一時的に呪いを鎮める方法はある。しかし、それは あくまで一時しのぎにすぎん。工業団地建設を進める限り、呪いは、関係者を殺し続ける。
いや、工業団地建設だけではない。この村と、そして この土地の自然を破壊する者、全て」
長は嘆息する。
「明治から、東京を中心とした東京圏では、近代化、欧米化の名の下、都市開発が進んだ。
それによって多くの自然を失った。
各都市もそれに倣って、自然を破壊し、都市を造った。
そして 現在、地方創生の名の下、地方の無計画な都市化が進もうとしている。
だが、それは明らかに、地方を田舎者としての偏見に基づいたものだ。
最近のテレビドラマでは、田舎の人間は、よそ者を殺してその人肉を食べると言った、偏見を助長させる内容の物まである。
マンガなどでは、都会から来た女性を、性的捌け口にするといった内容が多い。
だが、そんなことが現実にあるわけないではないか。
しかし、都会の人間は、それが現実の田舎なのだと思っている者も多い。
我々は野蛮人では無い。
テレビもある。インターネットも繋がっている。
れっきとした文明人だ。
だが、昨今のメディアは、地方の文化を因習として悪とし、それを廃絶させようとしている。
地方に金を回すのは良い。
しかし それは、地方の文化を潰して良いという理由にはならない」
ブラインド レディは しばらくの沈黙。
そして、口を開く。
「話はわかった。では、私の方からマツヤマを初めとする、工業団地建設に関わる人間と交渉し、この土地から手を引かせる。
代わりに、その一時的に呪いを鎮める儀式を行って欲しい。
あなたたちが時間を稼いでくれるのなら、私がこの土地を保護するようにする」
長は、黙考の後、承諾した。
「わかった。我々も殺人を是としているわけではない。無益な殺生をせずにすむというのなら、それが僥倖」
長は さっそく、若者衆に儀式の準備をするよう命じた。
「だが、繰り返すが、これは あくまで一時しのぎだ。この土地に手を出す輩がいる限り、呪いは消えることはない。
おまえさんが約束を守らなければ、ご先祖さまの力が、再び命を絶つことになる」
そして 我々の方では、二階はすでに蟲に突破されていた。
「うわぁあああ!!」
マツヤマが雄叫びのような悲鳴を上げながら、おびただしい蟲に向かって、殺虫剤を噴霧している。
イツキが殺虫剤の缶を何度も振った。
「空だ! ぼくの殺虫剤が無くなった!」
私も叫ぶ。
「私もそろそろ限界だ!」
蟲の襲撃は衰えるどころか、むしろ増していく一方。
ブラインド レディは間に合わなかったか。
私が諦めかけたその時、
ブゥウゥゥゥン……
蟲たちが一斉に退いていった。
マツヤマが呆気にとられたように、呟く。
「ど、どうなったんだ?」
私は安堵した。
「間に合ってくれたか」
一週間後。
マツヤマ氏たちは引っ越しの準備をしている。
工業団地建設は、ブラインド レディが手を回して、関係者全員から手を引かせた。
そしてマツヤマ氏自身、止めると言った。
引っ越しの見送りに、教団の代表数名が来ていた。
「こういうことは、日本中……いや、世界中にある。闇雲に近代化を進めれば良いというわけではないと知ったろう」
だが、マツヤマ氏はなんともいえない表情で、こう答えた。
「なにか方法は無いのか?」
まだ未練のある父に、息子が非難の声を上げた。
「父さん」
マツヤマ氏はそれで引き下がった。
しかし、父としての威厳を大きく損なったのは確かだった。
おそらく、これで 息子の大学進路に関して、必要以上に口出しすることはなくなるだろう。
こうして、今回の事件は終わりを告げた。
地方の土地開発が進んでいるが、その恩恵を受けることで、発展するところもあれば、逆に、その土地の文化が破壊されることもある。
かつて東京圏の都市開発の際、無秩序な自然破壊が問題視されたが、それと同じことが日本中で起こるのか、それとも教訓として、自然と共に生きる道を模索するのか。
それは、これからの私たち次第なのだろう。
イツキが不安そうに呟く。
「こんな物で役に立つかな?」
「ないよりかはましだろう」
そして 私たちは、マツヤマの家に到着した。
外に出てきたマツヤマは、息子の顔を見ると、怒りの表情を見せる。
「イツキ! 学校はどうした!? またサボったのか!」
「父さん、それどころじゃない。早く この村から逃げないと」
「なんの話だ!?」
「このままだと 父さんは殺される」
「あのカルト教団の連中になにか言われたのか? 問題ない。警察に連絡すればいい」
「警察なんて役に立たないよ。奴らは蟲を使う。呪いをかけたんだ」
「おまえは そんな迷信を信じているのか!? 呆れたな」
まるで信じていないマツヤマ氏に、私も説得に加わる。
「マツヤマさん。本当なんだ。どうやら本当に蟲を使った殺人なんだ。工業団地建設を阻止するために。
今、奴らを止めるために彼女が動いている。
解決できるまで、あなたはとにかく避難するんだ」
その時だった。
イツキが手で我々に沈黙するよう合図した。
「みんな、待って。静かに。この音はなに?」
物凄まじい羽音が遠くから聞こえてきた。
そして、太陽の光が仄暗くなり始め、私は天気が曇りになったのかと思った。
だが違った。
空を覆っているのは、雲ではない。
蟲だ。
おびただしい数の蟲が飛来してきた。
私は告げる。
「もう 逃げるのは間に合わない。家の中に入れ! 家を封鎖しろ!」
マツヤマ氏も事態の異常性を理解し、家に入った。
奥さんが台所から出てくる。
「あなた、どうしたの?」
「窓を全部 閉めるんだ!」
奥さんは、なにかが起きているのかわからないようだったが、夫の剣幕に押され、窓を閉め始めた。
私とイツキも、窓を閉める。
「マツヤマさん。この家の密閉に関しては、どうなってる?」
「大丈夫だ。新築の家で、蟲一匹 隙間から入ることは出来ないはずだ」
だが、窓に無数の蟲が体当たりしてきた。
物凄い衝撃で、とても小さな蟲とは思えなかった。
私は殺虫剤をマツヤマ氏にも渡す。
「蟲が侵入してきたら、これで応戦するぞ」
「こんな物で倒せるのか?!」
「ないよりましだ」
ピシリッ。
窓ガラスに亀裂が走った。
ピシピシピシ……
窓ガラスに次々と亀裂が広がっていき、そして、
バリンッ!
一斉に割れた。
「二階だ! 二階へ避難しろ!」
私は殺虫剤を撒き散らしながら叫ぶ。
奥さんを先に行かせ、次にイツキ、そしてマツヤマの順で、二階へ。
二階の部屋のドアを閉める。
ここはイツキの部屋らしい。
「ここも長くはもたないよ」
イツキが不安そうに呟く。
そして、その言葉は私も同意だった。
ブラインド レディが、早く事態を収めてくれることを祈るしかなかった。
カリカリカリ……
なにか削る音が聞こえ始めた。
イツキが青ざめる。
「シロアリだ。物凄い数のシロアリが木材を囓ってる」
おが屑が壁や天井から、少しずつ落ち始めてきた。
ここを破られたら、もう終わりだ。
ブラインド レディ、早くしてくれ。
その頃 ブラインド レディは、土着宗教団体の長と面会していた。
長はブラインド レディに告げる。
「残念ながら、呪いをかけたのは、私たちではない。
遙か数百年前のことだ。
当時の権力者、朝廷の使いが、この村の支配を進めようとした。
それに対抗するために、我らのご先祖さまが、この土地に八十八の蠱毒の壺を埋め、呪いをかけた。
この土地を不当に荒らす者に、災いをもたらすために。
そして、お前さんの言う能力者は、数百年前のご先祖さま。当然、もう亡くなられておられる。呪いを解く方法はない。
強いていうなら、この土地に埋められた全ての蠱毒の壺を見つけ出し、破壊することだ。
だが、現実的に考えて、そんなことは不可能だろう」
「マツヤマ氏が蟲に殺されるのを防ぐ手段はないというの?」
「一時的に呪いを鎮める方法はある。しかし、それは あくまで一時しのぎにすぎん。工業団地建設を進める限り、呪いは、関係者を殺し続ける。
いや、工業団地建設だけではない。この村と、そして この土地の自然を破壊する者、全て」
長は嘆息する。
「明治から、東京を中心とした東京圏では、近代化、欧米化の名の下、都市開発が進んだ。
それによって多くの自然を失った。
各都市もそれに倣って、自然を破壊し、都市を造った。
そして 現在、地方創生の名の下、地方の無計画な都市化が進もうとしている。
だが、それは明らかに、地方を田舎者としての偏見に基づいたものだ。
最近のテレビドラマでは、田舎の人間は、よそ者を殺してその人肉を食べると言った、偏見を助長させる内容の物まである。
マンガなどでは、都会から来た女性を、性的捌け口にするといった内容が多い。
だが、そんなことが現実にあるわけないではないか。
しかし、都会の人間は、それが現実の田舎なのだと思っている者も多い。
我々は野蛮人では無い。
テレビもある。インターネットも繋がっている。
れっきとした文明人だ。
だが、昨今のメディアは、地方の文化を因習として悪とし、それを廃絶させようとしている。
地方に金を回すのは良い。
しかし それは、地方の文化を潰して良いという理由にはならない」
ブラインド レディは しばらくの沈黙。
そして、口を開く。
「話はわかった。では、私の方からマツヤマを初めとする、工業団地建設に関わる人間と交渉し、この土地から手を引かせる。
代わりに、その一時的に呪いを鎮める儀式を行って欲しい。
あなたたちが時間を稼いでくれるのなら、私がこの土地を保護するようにする」
長は、黙考の後、承諾した。
「わかった。我々も殺人を是としているわけではない。無益な殺生をせずにすむというのなら、それが僥倖」
長は さっそく、若者衆に儀式の準備をするよう命じた。
「だが、繰り返すが、これは あくまで一時しのぎだ。この土地に手を出す輩がいる限り、呪いは消えることはない。
おまえさんが約束を守らなければ、ご先祖さまの力が、再び命を絶つことになる」
そして 我々の方では、二階はすでに蟲に突破されていた。
「うわぁあああ!!」
マツヤマが雄叫びのような悲鳴を上げながら、おびただしい蟲に向かって、殺虫剤を噴霧している。
イツキが殺虫剤の缶を何度も振った。
「空だ! ぼくの殺虫剤が無くなった!」
私も叫ぶ。
「私もそろそろ限界だ!」
蟲の襲撃は衰えるどころか、むしろ増していく一方。
ブラインド レディは間に合わなかったか。
私が諦めかけたその時、
ブゥウゥゥゥン……
蟲たちが一斉に退いていった。
マツヤマが呆気にとられたように、呟く。
「ど、どうなったんだ?」
私は安堵した。
「間に合ってくれたか」
一週間後。
マツヤマ氏たちは引っ越しの準備をしている。
工業団地建設は、ブラインド レディが手を回して、関係者全員から手を引かせた。
そしてマツヤマ氏自身、止めると言った。
引っ越しの見送りに、教団の代表数名が来ていた。
「こういうことは、日本中……いや、世界中にある。闇雲に近代化を進めれば良いというわけではないと知ったろう」
だが、マツヤマ氏はなんともいえない表情で、こう答えた。
「なにか方法は無いのか?」
まだ未練のある父に、息子が非難の声を上げた。
「父さん」
マツヤマ氏はそれで引き下がった。
しかし、父としての威厳を大きく損なったのは確かだった。
おそらく、これで 息子の大学進路に関して、必要以上に口出しすることはなくなるだろう。
こうして、今回の事件は終わりを告げた。
地方の土地開発が進んでいるが、その恩恵を受けることで、発展するところもあれば、逆に、その土地の文化が破壊されることもある。
かつて東京圏の都市開発の際、無秩序な自然破壊が問題視されたが、それと同じことが日本中で起こるのか、それとも教訓として、自然と共に生きる道を模索するのか。
それは、これからの私たち次第なのだろう。
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