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am04:17~
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am04:17
瞼を開けると蛍光灯の淡い光が瞳に差し込んできた。軽い刺激に瞼を閉じてしまう。
「うっ……」
呻き声を上げると、男が声をかけてきた。
「眼が覚めたか」
少しの間それが誰なのかわからなかった。
白衣を纏った男は新しく配属された研究者だろうかと考え、しかし周囲の雰囲気が微妙に違うような気がした。
移動寝台の傍らには少女がいて、自分の手を握っている。
「彩香」
少女の名を呼ぶと、曖昧だった夢現の境界が、急速に明確になる。
通路の淡い緑色の壁には手摺りが備え付けられ、部屋の扉には番号が付けられている。分厚いガラス窓が外界と遮断し、しかし空調装置が澱んだ空気を新鮮な空気と交換する。
「ここは?!」
研究所に連れ戻されてしまったのかと、春日歩は戦慄した。
それとも今までのことは予知で、あの戦いはこれから始まる出来事だったのか。
少年の動揺に男は淡々と説明する。
「市内の緊急病院だ。君の様態が酷いのでショッピングモールから救急車で運んでもらった。もう出発するがな」
「そうだったんだ」
安堵の息を吐くと、南条彩香が首に腕を回してきて、頭を撫でる。
少女の顔に変化はないが、その代わり少年はとても安らいだ表情になった。
「どうやら元気になったようだな」
「うん」
確認する護送者に、春日歩は微笑んだ。
体を覆う虚脱感も蝕む発熱、異物感や頭痛もいつの間にか治まっていた。
ほんの少ししか休息を取っていないのに、随分回復している。
エレベーターに寝台ごと乗り込み、護送者は一階ボタンを押す。
同時に、少年の全身が粟立った。
「待て!」
通路の向こうから制止の声が上がる。
黒スーツの男が拳銃を構えていたが、しかし瞬きの間、護送者も拳銃を向け返す。
二人の男が拳銃を構えて対峙した。
am04:19
仲峰司は銃口を向けて、動けなくなった。
瞬きの刹那に敵は拳銃を向け返し、しかもその構えは完璧だ。
銃口は標的を狙い定めて微動せず、しかし体に無駄な力が入っていない自然な姿勢は、発砲の際の反動を完全に散らして体勢を崩すことはない。
それに対し自分は慌てていたせいか、微妙に姿勢が崩れている。
それは引き金を絞るという小さな動作だけでも微細な動きとして表れ、確実に弾丸は男から外れてしまう。
そして男はその好機を逃さず、最初の一発を確実に自分の額に命中させることだろう。
空間移動を考えるが、だが視界の焦点に捉えた位置にしか転移できないという重大な欠点がある。
少しでも目を逸らせば、やはり隙を逃さずあの男は撃つだろう。
自分から動くのは致命的だ。しかし向こう側から仕掛けることは可能なのだ。
どちらにせよ迂闊な行動の結果、現在の自分は死地に置かれている。
「ひっ」
医師と看護婦が後を追ってきたのか、呻き声のような短い悲鳴が上がった。
視線をそちらに向けそうになる衝動を辛うじて堪える。
やがてエレベーターの扉が閉まった。
男は最後まで微動しなかった。
仲峰司は拳銃を降ろし、大きく息を吐く。
随分長い間息を止めていたようだ。全身に冷や汗が滲み出ている。
「だ、大丈夫ですか?」
看護婦が声をかけてきた。
「ええ、大丈夫です」
答えながら、なぜあの男は撃たなかったのか疑問に思う。
向こうから仕掛けられてもこちらは反撃できずに一方的に殺されていた。
だが向こうはなにもせず安全策をとった。安全策というより失策だ。
追撃の手を、可能であったにもかかわらず仕留めなかったのだから。
目撃者がいたからか。
いや、違う。撃たなかったのではなく、撃てなかった。
向こうも迂闊な行動は致命を招くと考えていたのではないだろうか。
そう考えられる要因はただ一つ。
自分が超能力者であること。
あの男は自分の能力を熟知しているわけではない。
自分が未知の攻撃を行うことを恐れ、引き金を引かなかった。
向こうも恐れを抱いている。
勝機は皆無ではない。
いつもと同じように戦えば、勝てる。
エレベーターの隣の階段を、仲峰司は駆け下りた。
am04:21
裏口付近で次の出動の準備を整える救急隊員は、深夜タクシードライバーをしている若者の話を聞いていた。
「それでな、後もう少しで大学に通えるだけの金が貯まるんだよ。やっと俺も夢に向かって一歩前進だ」
「合格すればの話だろ」
救急隊員の冷たい言葉に、タクシードライバーは興醒めする。
「いや、まあ、そうなんだけどな」
「ところで、どこを受験するんだ?」
「金坂大学の医学部だ。医者になれば看護婦さんと、あんなことやこんなことまで……ぬふふふふふ」
よからぬ想像を廻らすタクシードライバーに、救急隊員は呆れた表情を向ける。
「おまえ、そんな理由で医者目指してるのか」
不意に裏口のドアが開き、移動寝台がしてきた。
ベッドで少年が上体を起こしており、傍らには姉と思しき少女と、医師らしき男がいる。
移動寝台を運んでいるのはその二人で、他の看護士などの姿は見られない。
なんだろうかと救急隊員とタクシードライバーは顔を見合わせていると、その三人は救急車にやってきた。
いったい何事かと思うと、医師らしき男は懐から拳銃を取り出して二人に向けた。
一瞬玩具かと思ったが、しかし金属特有の光沢が本物だと告げている。
二人は即座に両手を上げて降伏の意を示した。
「すまないが、その救急車をもらう」
救急隊員から鍵を奪い、二人の子供を後ろに乗せ、男は運転席に乗り込むと即座にエンジンを起動させた。
アクセルを踏む前に男は、不意に窓から顔を出して二人の若者に尋ねた。
「ところで、金坂大学の医学部を受験するとか話をしていたな」
どういうわけか聞こえていたらしい。
タクシードライバーは首が外れそうになるほど上下に動かした。
「あの大学は止めたほうがいい。裏で人体実験を含めた違法実験を行っている。安易に入ると、実験材料にされかねないぞ」
一方的に告げると、男はタイヤを軋ませ去って行った。
タクシードライバーと救急隊員はしばらく顔を見合わせていたが、我に返ると警察に連絡するために病院に入ろうしたが、入り口手前で再び拳銃を向けられた。
黒スーツの男に対し、二人は即座に両手を挙げて無抵抗の意を示す。
「あ、失礼」
しかし拳銃を構えた男はすぐに二人から銃口を外した。
「今こちらに不審な男が来ませんでしたか? 二人の子供を連れた」
どうやら警察らしい。タクシードライバーと救急隊員は安堵して両手を下ろす。
「それなら今、救急車を取っていきました」
「救急車を? ナンバーはわかりますか?」
暗記していた救急隊員が即答すると、黒スーツの刑事は無線で連絡を取った。
「協力ありがとうございます」
一礼して刑事は去ろうとしたが、不意に質問してきた。
「ところで、その男は子供たちとなにか話をしていましたか? 些細なことでも構いません。なにか耳にしていたのなら教えて欲しいのですが」
タクシードライバーの若者が答える。
「子供と話をしてたわけじゃないんですが、俺に変なこと言いました」
「なんと?」
「俺、金坂大学受験するんですけど、あそこじゃ裏で人体実験とかやってるから止めたほうがいいって」
言葉の意味は理解できるのだが、それを上手く飲み込めないでいる若者に、彼は少しの逡巡を経て肯定した。
「そのとおりです。金坂大学では違法実験が行われている。他の大学に変えたほうがいい」
一方的に告げると、黒スーツの刑事は小走りに去っていってしまった。
残された二人はお互いの顔を見合わせて、しばらく立ち尽くしていた。
後日談になるが、このタクシードライバーは他の大学を受験することにした。
瞼を開けると蛍光灯の淡い光が瞳に差し込んできた。軽い刺激に瞼を閉じてしまう。
「うっ……」
呻き声を上げると、男が声をかけてきた。
「眼が覚めたか」
少しの間それが誰なのかわからなかった。
白衣を纏った男は新しく配属された研究者だろうかと考え、しかし周囲の雰囲気が微妙に違うような気がした。
移動寝台の傍らには少女がいて、自分の手を握っている。
「彩香」
少女の名を呼ぶと、曖昧だった夢現の境界が、急速に明確になる。
通路の淡い緑色の壁には手摺りが備え付けられ、部屋の扉には番号が付けられている。分厚いガラス窓が外界と遮断し、しかし空調装置が澱んだ空気を新鮮な空気と交換する。
「ここは?!」
研究所に連れ戻されてしまったのかと、春日歩は戦慄した。
それとも今までのことは予知で、あの戦いはこれから始まる出来事だったのか。
少年の動揺に男は淡々と説明する。
「市内の緊急病院だ。君の様態が酷いのでショッピングモールから救急車で運んでもらった。もう出発するがな」
「そうだったんだ」
安堵の息を吐くと、南条彩香が首に腕を回してきて、頭を撫でる。
少女の顔に変化はないが、その代わり少年はとても安らいだ表情になった。
「どうやら元気になったようだな」
「うん」
確認する護送者に、春日歩は微笑んだ。
体を覆う虚脱感も蝕む発熱、異物感や頭痛もいつの間にか治まっていた。
ほんの少ししか休息を取っていないのに、随分回復している。
エレベーターに寝台ごと乗り込み、護送者は一階ボタンを押す。
同時に、少年の全身が粟立った。
「待て!」
通路の向こうから制止の声が上がる。
黒スーツの男が拳銃を構えていたが、しかし瞬きの間、護送者も拳銃を向け返す。
二人の男が拳銃を構えて対峙した。
am04:19
仲峰司は銃口を向けて、動けなくなった。
瞬きの刹那に敵は拳銃を向け返し、しかもその構えは完璧だ。
銃口は標的を狙い定めて微動せず、しかし体に無駄な力が入っていない自然な姿勢は、発砲の際の反動を完全に散らして体勢を崩すことはない。
それに対し自分は慌てていたせいか、微妙に姿勢が崩れている。
それは引き金を絞るという小さな動作だけでも微細な動きとして表れ、確実に弾丸は男から外れてしまう。
そして男はその好機を逃さず、最初の一発を確実に自分の額に命中させることだろう。
空間移動を考えるが、だが視界の焦点に捉えた位置にしか転移できないという重大な欠点がある。
少しでも目を逸らせば、やはり隙を逃さずあの男は撃つだろう。
自分から動くのは致命的だ。しかし向こう側から仕掛けることは可能なのだ。
どちらにせよ迂闊な行動の結果、現在の自分は死地に置かれている。
「ひっ」
医師と看護婦が後を追ってきたのか、呻き声のような短い悲鳴が上がった。
視線をそちらに向けそうになる衝動を辛うじて堪える。
やがてエレベーターの扉が閉まった。
男は最後まで微動しなかった。
仲峰司は拳銃を降ろし、大きく息を吐く。
随分長い間息を止めていたようだ。全身に冷や汗が滲み出ている。
「だ、大丈夫ですか?」
看護婦が声をかけてきた。
「ええ、大丈夫です」
答えながら、なぜあの男は撃たなかったのか疑問に思う。
向こうから仕掛けられてもこちらは反撃できずに一方的に殺されていた。
だが向こうはなにもせず安全策をとった。安全策というより失策だ。
追撃の手を、可能であったにもかかわらず仕留めなかったのだから。
目撃者がいたからか。
いや、違う。撃たなかったのではなく、撃てなかった。
向こうも迂闊な行動は致命を招くと考えていたのではないだろうか。
そう考えられる要因はただ一つ。
自分が超能力者であること。
あの男は自分の能力を熟知しているわけではない。
自分が未知の攻撃を行うことを恐れ、引き金を引かなかった。
向こうも恐れを抱いている。
勝機は皆無ではない。
いつもと同じように戦えば、勝てる。
エレベーターの隣の階段を、仲峰司は駆け下りた。
am04:21
裏口付近で次の出動の準備を整える救急隊員は、深夜タクシードライバーをしている若者の話を聞いていた。
「それでな、後もう少しで大学に通えるだけの金が貯まるんだよ。やっと俺も夢に向かって一歩前進だ」
「合格すればの話だろ」
救急隊員の冷たい言葉に、タクシードライバーは興醒めする。
「いや、まあ、そうなんだけどな」
「ところで、どこを受験するんだ?」
「金坂大学の医学部だ。医者になれば看護婦さんと、あんなことやこんなことまで……ぬふふふふふ」
よからぬ想像を廻らすタクシードライバーに、救急隊員は呆れた表情を向ける。
「おまえ、そんな理由で医者目指してるのか」
不意に裏口のドアが開き、移動寝台がしてきた。
ベッドで少年が上体を起こしており、傍らには姉と思しき少女と、医師らしき男がいる。
移動寝台を運んでいるのはその二人で、他の看護士などの姿は見られない。
なんだろうかと救急隊員とタクシードライバーは顔を見合わせていると、その三人は救急車にやってきた。
いったい何事かと思うと、医師らしき男は懐から拳銃を取り出して二人に向けた。
一瞬玩具かと思ったが、しかし金属特有の光沢が本物だと告げている。
二人は即座に両手を上げて降伏の意を示した。
「すまないが、その救急車をもらう」
救急隊員から鍵を奪い、二人の子供を後ろに乗せ、男は運転席に乗り込むと即座にエンジンを起動させた。
アクセルを踏む前に男は、不意に窓から顔を出して二人の若者に尋ねた。
「ところで、金坂大学の医学部を受験するとか話をしていたな」
どういうわけか聞こえていたらしい。
タクシードライバーは首が外れそうになるほど上下に動かした。
「あの大学は止めたほうがいい。裏で人体実験を含めた違法実験を行っている。安易に入ると、実験材料にされかねないぞ」
一方的に告げると、男はタイヤを軋ませ去って行った。
タクシードライバーと救急隊員はしばらく顔を見合わせていたが、我に返ると警察に連絡するために病院に入ろうしたが、入り口手前で再び拳銃を向けられた。
黒スーツの男に対し、二人は即座に両手を挙げて無抵抗の意を示す。
「あ、失礼」
しかし拳銃を構えた男はすぐに二人から銃口を外した。
「今こちらに不審な男が来ませんでしたか? 二人の子供を連れた」
どうやら警察らしい。タクシードライバーと救急隊員は安堵して両手を下ろす。
「それなら今、救急車を取っていきました」
「救急車を? ナンバーはわかりますか?」
暗記していた救急隊員が即答すると、黒スーツの刑事は無線で連絡を取った。
「協力ありがとうございます」
一礼して刑事は去ろうとしたが、不意に質問してきた。
「ところで、その男は子供たちとなにか話をしていましたか? 些細なことでも構いません。なにか耳にしていたのなら教えて欲しいのですが」
タクシードライバーの若者が答える。
「子供と話をしてたわけじゃないんですが、俺に変なこと言いました」
「なんと?」
「俺、金坂大学受験するんですけど、あそこじゃ裏で人体実験とかやってるから止めたほうがいいって」
言葉の意味は理解できるのだが、それを上手く飲み込めないでいる若者に、彼は少しの逡巡を経て肯定した。
「そのとおりです。金坂大学では違法実験が行われている。他の大学に変えたほうがいい」
一方的に告げると、黒スーツの刑事は小走りに去っていってしまった。
残された二人はお互いの顔を見合わせて、しばらく立ち尽くしていた。
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