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157・にゃー
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……続き。
「あら、つばさ先生」
「こんにちは、睦月。ごめんなさいね、前のレッスンが長引いて遅れちゃって」
そこにいたのは、長い髪をさらりと風になびかせる、いかにもな業界人ふうな綺麗な女の人……
ではなく、
「うっふーん」
厳ついオッサンだった。
もみあげ付近にまで広がった、砂鉄のように濃いヒゲ。
百八十センチを越える、筋肉質でがっしりとした体。
レッスン室の照明を反射してキラリと光る、見事なスキンヘッド。
どこからどう見ても、横須賀の駐屯地にでもいそうなマッスルなオッサンだった。
その、どこかくねくねとした動きと口調を除けば。
ポカンとする俺達に、
「あ、ええとね、この人は岩永つばさ先生って言うの。
うちの事務所の専任講師で、ボイストレーニングとか演技の指導とかを全般的に担当してくれている人で……」
「岩永つばさでぇーす。気軽につかばちゃんって呼んでくれると嬉しいわぁーん。よろしくねぇーん」
ごついオッサンが思春期の少女のような可愛らしい仕草で手を振る。
その特徴的な姿と性格は、一度見たら忘れない、ある意味いかにもな業界人な方だった。
「で、睦月。その子がそうなのかしら? 例のオーディションの」
「ええ、そうよ」
セルニアの方を見ながら、二人でなにやらひそひそと頷き合う。
なんだろう?
「ああ、なんでもないの。こっちの話で。あ、それで吉祥院さん、今からこのつばさ先生に研修をお願いしようと思って」
「まあ、そうですの。わたくし、吉祥院・セルニア・麗華ですわ。よろしくお願いします」
礼儀正しく頭を下げるセルニア。
「麗華ちゃんね。うん、よろしくぅーん」
岩永つばささんは、セルニアににこやかな笑顔で答えると、次に俺に向かって、
「それで、そっちの可愛いボクは、付き添いかしら?」
「そんな感じです」
俺が答えると、
「アタシ、お尻が二つに割れてる男の子って大好きなの。うっふーん」
「は、はあ?」
「うん、あなたやっぱり良い形してるわぁー。さっき初めて見たときからそう思ってたのよねぇーん」
ジュルリと、飢えた肉食獣が獲物の顔面を舐め回すような視線を送ってくる。
なんか、目がこの上なくイヤな感じに潤んでいて、奇怪な悪寒が背筋の辺りを続々と這い上がってくるンだけど。
得体の知れない危機感を覚える。
「あ、あの、つばさ先生。個人の嗜好はそれくらいにして、本題の方を……」
水原さんが横からそう言ってきた。
「え? ああ、そうだったわね。ちぇっ、せっかくのおいしそうな青い果実だったのにぃーん」
その言葉にオッサンこと岩永先生は心底 残念そうに溜め息を吐いた。
なんか、助かった。
「それじゃあ、麗華ちゃん。さっそく始めましょうか」
可愛らしい口調で、しかし声は男らしいで、人差し指をぴっと立てる。
「まずは最初にボイストレーニングからやってみるわね。基本的な発声練習って言うか、とりあえずちょっと声を出してみてくれる」
「はい、わかりましたわ」
言われて、
「あー」
と声を出すセルニア。
「こんな感じでしょうか?」
「あら、良い声出すわね。なにかやってたことがあるの?」
「はい。ピアノのレッスンでソルフェージュをやっておりますわ。少し前まではオペラなどのレッスンも少し受けたことが。
もっとも今はしていないのですが」
「ああ、道理で。ボイストレーニングとかは?」
「それはありませんわ。発声法はやっておりましたが」
岩永先生はうなずいて、
「そう。じゃあ、どうせだから、ちょっとやってみましょうか? オペラなどとポップスの発声とかでは声の響かせ方とかが違うから」
「そういう物なのですか?」
「そうなのよ。じゃ、にゃー、って声を出して貰える。
「え? にゃあ?」
思わずフレーズにセルニアが目を瞬きさせた。
だけど岩永先生は真面目な顔で、
「そう、にゃー、よ。声の響かせ方を練習するにはこの発音が良いの。ちょうど鼻の頭辺りに抜く感じね」
自分の鼻を指で示しながら、そう説明する。
どうやら別にこの人が、個人的に猫好きだとか特殊な嗜好があるわけではなく、本当にそういうレッスン方法があるらしい。
「それじゃ、準備は良い? はい、にゃー」
「にゃー」
オッサンの合図に合わせてセルニアが声を出す。
「うん、良い感じね。綺麗に響いている。はい、それじゃ、そのままの状態で、ドレミファソラシドって出してみてくれる」
「にゃーにゃーにゃーにゃーにゃーにゃーにゃーにゃー」
「次はドミファソラソファミ」
「にゃーにゃーにゃーにゃーにゃーにゃーにゃーにゃー」
「そうそう。いい、発声に一番大事な物は感情なの。音の響きと全てのものを愛する気持ちなの。細かい技術だとかテクニックだとかなんて物はその後にいくらでもついてくる物なのよ」
力強く言い放つオッサン。
そういう信念があるらしい。
ただ、全てのものを愛する気持ち、のくだりのところで、俺の方をちらっと見てきたのが非常に気になるんだけど。
「じゃあ、今の感じでじゃんじゃん行くわよぉーん。はい、ワンツースリー」
「ニャーニャーニャーニャーニャー」
「ファイブシックスセブンエイト」
「にゃーにゃーにゃーにゃーにゃーにゃーにゃーにゃーにゃーにゃー」
「ナインテンイレブントエルブサーティーン」
「にゃーにゃーにゃーにゃーにゃーにゃーにゃーにゃーにゃーにゃーにゃーにゃーにゃーにゃーにゃー」
講師の合図に合わせてひたすら猫のようににゃーにゃー鳴いているセルニア。
なんか、シュールだ。
そんな感じにレッスンは進められていった。
基本は猫の声をベースにしながら様々な発声練習。
ステップが進みにつれ、段々とレベルが上がってきているのは、傍目からもわかる。
しかし、セルニアはどれもそつなくこなしていった。
「こういうレッスンを一度受けてみたいと思っておりましたの。だからとても楽しくて」
そんなことも言っていたりした。
セルニアとずっと一緒に居ると、普通すぎて忘れそうになるけど、ピアノや数々の習い事など、セルニアのスペックは何でもできる完璧お嬢さまだ。
その潜在能力はこういったボイストレーニングでもいかんなく発揮されていた。
セルニアってスゴいんだな。
そんなことを考えながら目の前のにゃーにゃープレイを眺めていて、
「……ん?」
気付いたことがあった。
声を出しているセルニアの表情が、さっきまでと比べて少し苦しそうになってきているような感じがする。
本当に僅かな変化のため、他の人たちは気付いていないみたいだけど、毎日のようにセルニアを見ている俺はそれがわかった。
はっきりとした原因がわからないけど、たぶん、喉が乾燥してきたみたいだ。
この部屋、以外と湿度が低そうな感じだし。
だとすると、とりあえずここは、水原さんに一言 言って、
「あー、すみません、ちょっと出てきます。
少し暑くなってきたんで、外の空気でもすってきます」
すると、オッサンの野太い声に呼び止められる。
「あん、どこ行くのぉーん。
つばさ置いてどこかに行こうとするなんて、い・け・な・い・子。つばさ寂しくて死んじゃうかもぉーん。
あ、でもお花摘みとかならしょうがないわよねぇーん。ちなみにトイレの場所は分かるぅーん? なんなら一緒に行って手取り足取り腰取り教えてあげるわよぉーん」
「いえ、先生はセルニアのレッスンをやってる真っ最中ですから」
そして俺は、ここである事実に気付いた。
このオッサンのしゃべり、上永先生にそっくりなんだ。
ムダに間延びしたイントネーション。
至るところにセクハラが混じった日常会話。
そういえば名前も、上永と岩永だしな。
おそらくは今も家の居間で、玲と一緒にくだを巻いている姿が思い浮かぶ。
上永先生を男にしたらこんな感じになるだろうと、確信したのだった。
「あら、つばさ先生」
「こんにちは、睦月。ごめんなさいね、前のレッスンが長引いて遅れちゃって」
そこにいたのは、長い髪をさらりと風になびかせる、いかにもな業界人ふうな綺麗な女の人……
ではなく、
「うっふーん」
厳ついオッサンだった。
もみあげ付近にまで広がった、砂鉄のように濃いヒゲ。
百八十センチを越える、筋肉質でがっしりとした体。
レッスン室の照明を反射してキラリと光る、見事なスキンヘッド。
どこからどう見ても、横須賀の駐屯地にでもいそうなマッスルなオッサンだった。
その、どこかくねくねとした動きと口調を除けば。
ポカンとする俺達に、
「あ、ええとね、この人は岩永つばさ先生って言うの。
うちの事務所の専任講師で、ボイストレーニングとか演技の指導とかを全般的に担当してくれている人で……」
「岩永つばさでぇーす。気軽につかばちゃんって呼んでくれると嬉しいわぁーん。よろしくねぇーん」
ごついオッサンが思春期の少女のような可愛らしい仕草で手を振る。
その特徴的な姿と性格は、一度見たら忘れない、ある意味いかにもな業界人な方だった。
「で、睦月。その子がそうなのかしら? 例のオーディションの」
「ええ、そうよ」
セルニアの方を見ながら、二人でなにやらひそひそと頷き合う。
なんだろう?
「ああ、なんでもないの。こっちの話で。あ、それで吉祥院さん、今からこのつばさ先生に研修をお願いしようと思って」
「まあ、そうですの。わたくし、吉祥院・セルニア・麗華ですわ。よろしくお願いします」
礼儀正しく頭を下げるセルニア。
「麗華ちゃんね。うん、よろしくぅーん」
岩永つばささんは、セルニアににこやかな笑顔で答えると、次に俺に向かって、
「それで、そっちの可愛いボクは、付き添いかしら?」
「そんな感じです」
俺が答えると、
「アタシ、お尻が二つに割れてる男の子って大好きなの。うっふーん」
「は、はあ?」
「うん、あなたやっぱり良い形してるわぁー。さっき初めて見たときからそう思ってたのよねぇーん」
ジュルリと、飢えた肉食獣が獲物の顔面を舐め回すような視線を送ってくる。
なんか、目がこの上なくイヤな感じに潤んでいて、奇怪な悪寒が背筋の辺りを続々と這い上がってくるンだけど。
得体の知れない危機感を覚える。
「あ、あの、つばさ先生。個人の嗜好はそれくらいにして、本題の方を……」
水原さんが横からそう言ってきた。
「え? ああ、そうだったわね。ちぇっ、せっかくのおいしそうな青い果実だったのにぃーん」
その言葉にオッサンこと岩永先生は心底 残念そうに溜め息を吐いた。
なんか、助かった。
「それじゃあ、麗華ちゃん。さっそく始めましょうか」
可愛らしい口調で、しかし声は男らしいで、人差し指をぴっと立てる。
「まずは最初にボイストレーニングからやってみるわね。基本的な発声練習って言うか、とりあえずちょっと声を出してみてくれる」
「はい、わかりましたわ」
言われて、
「あー」
と声を出すセルニア。
「こんな感じでしょうか?」
「あら、良い声出すわね。なにかやってたことがあるの?」
「はい。ピアノのレッスンでソルフェージュをやっておりますわ。少し前まではオペラなどのレッスンも少し受けたことが。
もっとも今はしていないのですが」
「ああ、道理で。ボイストレーニングとかは?」
「それはありませんわ。発声法はやっておりましたが」
岩永先生はうなずいて、
「そう。じゃあ、どうせだから、ちょっとやってみましょうか? オペラなどとポップスの発声とかでは声の響かせ方とかが違うから」
「そういう物なのですか?」
「そうなのよ。じゃ、にゃー、って声を出して貰える。
「え? にゃあ?」
思わずフレーズにセルニアが目を瞬きさせた。
だけど岩永先生は真面目な顔で、
「そう、にゃー、よ。声の響かせ方を練習するにはこの発音が良いの。ちょうど鼻の頭辺りに抜く感じね」
自分の鼻を指で示しながら、そう説明する。
どうやら別にこの人が、個人的に猫好きだとか特殊な嗜好があるわけではなく、本当にそういうレッスン方法があるらしい。
「それじゃ、準備は良い? はい、にゃー」
「にゃー」
オッサンの合図に合わせてセルニアが声を出す。
「うん、良い感じね。綺麗に響いている。はい、それじゃ、そのままの状態で、ドレミファソラシドって出してみてくれる」
「にゃーにゃーにゃーにゃーにゃーにゃーにゃーにゃー」
「次はドミファソラソファミ」
「にゃーにゃーにゃーにゃーにゃーにゃーにゃーにゃー」
「そうそう。いい、発声に一番大事な物は感情なの。音の響きと全てのものを愛する気持ちなの。細かい技術だとかテクニックだとかなんて物はその後にいくらでもついてくる物なのよ」
力強く言い放つオッサン。
そういう信念があるらしい。
ただ、全てのものを愛する気持ち、のくだりのところで、俺の方をちらっと見てきたのが非常に気になるんだけど。
「じゃあ、今の感じでじゃんじゃん行くわよぉーん。はい、ワンツースリー」
「ニャーニャーニャーニャーニャー」
「ファイブシックスセブンエイト」
「にゃーにゃーにゃーにゃーにゃーにゃーにゃーにゃーにゃーにゃー」
「ナインテンイレブントエルブサーティーン」
「にゃーにゃーにゃーにゃーにゃーにゃーにゃーにゃーにゃーにゃーにゃーにゃーにゃーにゃーにゃー」
講師の合図に合わせてひたすら猫のようににゃーにゃー鳴いているセルニア。
なんか、シュールだ。
そんな感じにレッスンは進められていった。
基本は猫の声をベースにしながら様々な発声練習。
ステップが進みにつれ、段々とレベルが上がってきているのは、傍目からもわかる。
しかし、セルニアはどれもそつなくこなしていった。
「こういうレッスンを一度受けてみたいと思っておりましたの。だからとても楽しくて」
そんなことも言っていたりした。
セルニアとずっと一緒に居ると、普通すぎて忘れそうになるけど、ピアノや数々の習い事など、セルニアのスペックは何でもできる完璧お嬢さまだ。
その潜在能力はこういったボイストレーニングでもいかんなく発揮されていた。
セルニアってスゴいんだな。
そんなことを考えながら目の前のにゃーにゃープレイを眺めていて、
「……ん?」
気付いたことがあった。
声を出しているセルニアの表情が、さっきまでと比べて少し苦しそうになってきているような感じがする。
本当に僅かな変化のため、他の人たちは気付いていないみたいだけど、毎日のようにセルニアを見ている俺はそれがわかった。
はっきりとした原因がわからないけど、たぶん、喉が乾燥してきたみたいだ。
この部屋、以外と湿度が低そうな感じだし。
だとすると、とりあえずここは、水原さんに一言 言って、
「あー、すみません、ちょっと出てきます。
少し暑くなってきたんで、外の空気でもすってきます」
すると、オッサンの野太い声に呼び止められる。
「あん、どこ行くのぉーん。
つばさ置いてどこかに行こうとするなんて、い・け・な・い・子。つばさ寂しくて死んじゃうかもぉーん。
あ、でもお花摘みとかならしょうがないわよねぇーん。ちなみにトイレの場所は分かるぅーん? なんなら一緒に行って手取り足取り腰取り教えてあげるわよぉーん」
「いえ、先生はセルニアのレッスンをやってる真っ最中ですから」
そして俺は、ここである事実に気付いた。
このオッサンのしゃべり、上永先生にそっくりなんだ。
ムダに間延びしたイントネーション。
至るところにセクハラが混じった日常会話。
そういえば名前も、上永と岩永だしな。
おそらくは今も家の居間で、玲と一緒にくだを巻いている姿が思い浮かぶ。
上永先生を男にしたらこんな感じになるだろうと、確信したのだった。
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