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152・バックドロップ
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それから色々話をしながらさっきまでの続きで、色々と写真とか見たり、宮のお勧めのクラシック音楽を聴いたり、また、なぜか置いてあった囲碁セットで五目並べやオセロをしたりもした。
のんびりまったりとしたひと時。
それはこれといって特別なものではなかったが、穏やかで楽しい時間だった。
そして、
「さすがに、そろそろおいとましないとな」
「え?」
「かなり遅くなった。いくら何でもこれ以上は」
壁に掛かっている時計で時間を確認すると、八時半になっていたところだった。
さすがにタイムリミットだろう。
「あ、でも、あたしはまだ大丈夫だよ。あたしはいつも寝るのは十二時くらいだし」
「そういう問題じゃなくてだな」
一般的に考えても、よそ様の家におじゃましているのには遅い時間であるのに加え、宮はなんだかんだで女の子なんだし。
他に誰もいない女子の部屋の夜。
一応は年頃な男子である俺が一人で居座るのには問題がありすぎる。
「だから、悪いけど、そろそろ帰るな」
「う、うん……」
沈んだ声で俯く宮。
その姿はお留守番を任されて落ち込み気味のチワワのようで、少し心苦しくなるが、仕方がない。
俺は床に置いてあった鞄を手に立ち上がって、
「それじゃ、また明日な。あ、送るのはここでいいぞ。玄関まで歩いたりしてまた足に負担がかかったりしたらことだからな」
「……」
返事はない。
「じゃあ、おれは行くから」
そう言って、部屋のドアへと足を向けたときのことだった。
ぱふん。
背中に、なにか柔らかい衝撃が感じられた。
柔らかくて軽い、どこか心地好ささえ感じるソフトタッチな感触。
「……」
振り返ると、そこにはベッドから上半身を起こすようにして、背中に抱きついている宮の姿があった。
「み、宮……?」
背中一面に宮の体の感触が広がっていた。
柔らかく、温かい、それでいて背中が包み込まれるような不思議な感触。
一瞬状況が認識できずに、頭の中が真っ白になる。
「あ……あ……」
なんと言っていいか声が出ない。
背中に埋められた宮の顔、後ろから腰の辺りに回された腕、もたれかかるようにして預けあられた上半身。
それらの要素に思考能力と言語機能が麻痺している感じだった。
こ、これは、いったい、どういう?
事態がまるで掴めない。
もしかして、俺を玄関まで送ってくれようとして立ち上がりかけたところを、バランスを崩して寄り掛かってきた……ってなわけがない。
考えても、俺にはなぜ宮の意図が理解できず、客観的にあるのは背中に宮がもたれかかっているという現状だけ。
ともあれ、このまま状況停止していても何も始まらない。
俺は一度深呼吸して動揺を落ち着かせて、
「み、宮。これは、その、いったい……」
なんとか喉から声をひねり出す。
「!?」
そこで宮はぴくっと体を震わせた。
そのまま我に帰ったかのようにもたれかからせていた顔を上げて、
「あ、えっと、これは、その……」
「……」
「こ、これは違うの。その、あの、なんて言うか……そ、そう、バックドロップをしようとして……」
「バックドロップ?」
「バックドロップを、しようと、して……」
その声がどんどんと小さくなっていき、やがて、
「……う、ううん、違わない」
「え?」
「なにも、違わない。あたしの気持ちは、今のこの通り。あたし、まだ君に返って欲しくなかった。一人はやっぱり寂しいし、心細いし、それに……」
そこで一度言葉を止めて、
「それに、もっと君と一緒に居たい……」
絞り出すようにそう言うと、再び顔を背中に埋めて回した手にさらに強くきゅっと力を込めてきた。
その手は思った以上に華奢で小さくて、微かに震えていた。
「宮……」
「ごめんね、勝手なこと言って。でも、でも、もう言いたいことを、伝えたいことをちゃんと伝えることが出来ないで後悔するのはイヤだったの。
昨日だって……」
「昨日?」
「あっ……」
俺のその言葉に宮はしまったって声を出した。
慌てたように顔を上げて、
「あ、その、今のは何でもなくて……」
「昨日って何のこと? もしかして様子がおかしかったのと何か関係あるの?」
真っ直ぐに顔を見て聞き返す。
すると宮は観念したかのようにきゅっと目を瞑って、
「昨日も、ほんとは同じだったの。
昨日の放課後。ううん。ほんとは昼休みから、君に話したいことがあった。渡したい者があったの。でも、なんかあの温泉旅行からうまくしゃべれなくて。
あの時以来、君の顔を見るとなんだかそわそわして落ち着かない気持ちになって、美味く接することが出来なかったの。
しんばらくすれば元に戻るかと思ったんだけど、全然ダメで。
昨日も結局昼休みに言えなくて、放課後に追いかけまでしちゃったのに、それでもやっぱり最後はごまかして逃げちゃって」
そう言って再び顔を俯かせる。
やっぱり宮、あの温泉事件を気にしていたのか。
生物災害。
死の座礁。
金属の歯車。
悪魔も泣き出す。
奇妙な人生など。
数々の戦いをくぐり抜けた、歴戦の勇士である俺のたくましさにそこまで惚れてしまっていたとは……
俺はつくづく罪な男だ。
それも宮がそんなに思いつめるくらいまで。
そこまで悩んでいるとは、やはりもっと早くきちんと話しておくべきだった。
「すまなかった、宮」
俺はそう口にしていた。
「宮がそんなことで悩んでたなんて全然わからなかった。
様子がおかしいのには気付いていたけど、それ以上のことは全然。たぶん俺は色々と気付けていないことがあるんじゃないかと思う。
それで宮にイヤな思いとかさせたりして……
足のケガのことだってそうだし、そもそも昨日追いかけてきた時点で、宮が何かを話したがっていたことに全然気がついていなかった。
きっとそういうことが重なっていたんだろう。
だから、遅いかもしれないけど、今訊いていいか。
昨日話したかったことって何だったんだ? それに渡したい物っていうのは……」
「あ、それは……」
宮の戸惑ったような声が返ってくる。
「イヤじゃなかったら教えてくれ。できるなら訊いておきたいんだ」
宮の目を真っ直ぐ見ながら俺は言う。
宮は少しの間、戸惑うように迷うように、俯いて沈黙した。
やがて、
「……サーターアンダギー」
少しだけ頭を上げながらぽつりとそう言った。
「渡したかった物って、サーターアンダギーなの。きみと一緒にお昼ご飯のあとのデザートにどうかなと思って。その迷惑かなとも思ったんだけど……」
「サーターアンダギー」
そんな物を作ってくれてたのか。
自宅でサーターアンダギーを作るのは大変だ。
それじゃあ、昨日のあの紙袋がそうなのか。
しかし、俺は目の前で、アメリカンドーナツを買ってしまった。
沖縄伝統のお菓子サーターアンダギー。
ドーナツに似て非なる物。
サーターアンダギーを手にした宮にとってどれほどショックだったか。
「それ、貰ってもいいか」
「え?」
「昨日ってことは、まだあるよな? なら食べさせて欲しい。今日はまだ夕飯を食べていないから、空腹なんだ」
だが、俺のその言葉に宮はブンブンと首を振って、
「ダメだよ! 確かにあることはあるけど、作ったのは昨日なんだよ。サーターアンダギーは鮮度が命。一日も経った後じゃあ、味だって落ちちゃって……」
「それでも食べたいんだ!」
正面から顔を見ながら言うと、宮は少し戸惑ったように視線を逸らして、
「うん」
枕元の小棚に置いてあった紙袋をおずおずと前に出してきた。
「これ、だよ。でも、ほんとに止めといた方がいいって。君の気持ちは嬉しいけど、きっとそんなにおいしくないし、食べてもきっと良いことなんて……」
「大丈夫だ」
「あっ」
なおも迷う素振りを見せる宮の手から、紙袋を強引に受け取って、包みの中から出てきた一口サイズのサーターアンダギーを手に取ると、口に入れた。
「うん、美味い」
「え」
「ちょっと固いがこれくらいの方が歯応えがあって俺は好みだ。うん、いける。全部食っても大丈夫か?」
宮が口元に手を当てながら声を漏らす
「ばかだよ、そんなのおいしいわけないのに……」
「そんなことない。本当に美味いんだ」
宮がわざわざ作ってくれたサーターアンダギー。
多少見た目が不格好でも、作ってからから一日経過していようと、それが美味くないわけがない。
「ほ、ほんとに君って……でも、でも、嬉しいよ。そんな君だから、きっと、あたし……」
?
「あ、あたし、あたし、君のこと……」
潤んだ目でベッドから身を乗り出した宮が何かを言いかける。
まさにその時だった。
ガチャガチャ、バタン。
玄関の方で何やらそんな音がした。
「今のは?」
玄関の鍵が開いた音だろうか。
首をひねっているとそれとほぼ同時にドアがバタリ、と勢い良く開かれ、
「今帰ったよ、宮!」
そんな声と共に、メガネをかけた人の良さそうな中年男性が飛び込んできた。
のんびりまったりとしたひと時。
それはこれといって特別なものではなかったが、穏やかで楽しい時間だった。
そして、
「さすがに、そろそろおいとましないとな」
「え?」
「かなり遅くなった。いくら何でもこれ以上は」
壁に掛かっている時計で時間を確認すると、八時半になっていたところだった。
さすがにタイムリミットだろう。
「あ、でも、あたしはまだ大丈夫だよ。あたしはいつも寝るのは十二時くらいだし」
「そういう問題じゃなくてだな」
一般的に考えても、よそ様の家におじゃましているのには遅い時間であるのに加え、宮はなんだかんだで女の子なんだし。
他に誰もいない女子の部屋の夜。
一応は年頃な男子である俺が一人で居座るのには問題がありすぎる。
「だから、悪いけど、そろそろ帰るな」
「う、うん……」
沈んだ声で俯く宮。
その姿はお留守番を任されて落ち込み気味のチワワのようで、少し心苦しくなるが、仕方がない。
俺は床に置いてあった鞄を手に立ち上がって、
「それじゃ、また明日な。あ、送るのはここでいいぞ。玄関まで歩いたりしてまた足に負担がかかったりしたらことだからな」
「……」
返事はない。
「じゃあ、おれは行くから」
そう言って、部屋のドアへと足を向けたときのことだった。
ぱふん。
背中に、なにか柔らかい衝撃が感じられた。
柔らかくて軽い、どこか心地好ささえ感じるソフトタッチな感触。
「……」
振り返ると、そこにはベッドから上半身を起こすようにして、背中に抱きついている宮の姿があった。
「み、宮……?」
背中一面に宮の体の感触が広がっていた。
柔らかく、温かい、それでいて背中が包み込まれるような不思議な感触。
一瞬状況が認識できずに、頭の中が真っ白になる。
「あ……あ……」
なんと言っていいか声が出ない。
背中に埋められた宮の顔、後ろから腰の辺りに回された腕、もたれかかるようにして預けあられた上半身。
それらの要素に思考能力と言語機能が麻痺している感じだった。
こ、これは、いったい、どういう?
事態がまるで掴めない。
もしかして、俺を玄関まで送ってくれようとして立ち上がりかけたところを、バランスを崩して寄り掛かってきた……ってなわけがない。
考えても、俺にはなぜ宮の意図が理解できず、客観的にあるのは背中に宮がもたれかかっているという現状だけ。
ともあれ、このまま状況停止していても何も始まらない。
俺は一度深呼吸して動揺を落ち着かせて、
「み、宮。これは、その、いったい……」
なんとか喉から声をひねり出す。
「!?」
そこで宮はぴくっと体を震わせた。
そのまま我に帰ったかのようにもたれかからせていた顔を上げて、
「あ、えっと、これは、その……」
「……」
「こ、これは違うの。その、あの、なんて言うか……そ、そう、バックドロップをしようとして……」
「バックドロップ?」
「バックドロップを、しようと、して……」
その声がどんどんと小さくなっていき、やがて、
「……う、ううん、違わない」
「え?」
「なにも、違わない。あたしの気持ちは、今のこの通り。あたし、まだ君に返って欲しくなかった。一人はやっぱり寂しいし、心細いし、それに……」
そこで一度言葉を止めて、
「それに、もっと君と一緒に居たい……」
絞り出すようにそう言うと、再び顔を背中に埋めて回した手にさらに強くきゅっと力を込めてきた。
その手は思った以上に華奢で小さくて、微かに震えていた。
「宮……」
「ごめんね、勝手なこと言って。でも、でも、もう言いたいことを、伝えたいことをちゃんと伝えることが出来ないで後悔するのはイヤだったの。
昨日だって……」
「昨日?」
「あっ……」
俺のその言葉に宮はしまったって声を出した。
慌てたように顔を上げて、
「あ、その、今のは何でもなくて……」
「昨日って何のこと? もしかして様子がおかしかったのと何か関係あるの?」
真っ直ぐに顔を見て聞き返す。
すると宮は観念したかのようにきゅっと目を瞑って、
「昨日も、ほんとは同じだったの。
昨日の放課後。ううん。ほんとは昼休みから、君に話したいことがあった。渡したい者があったの。でも、なんかあの温泉旅行からうまくしゃべれなくて。
あの時以来、君の顔を見るとなんだかそわそわして落ち着かない気持ちになって、美味く接することが出来なかったの。
しんばらくすれば元に戻るかと思ったんだけど、全然ダメで。
昨日も結局昼休みに言えなくて、放課後に追いかけまでしちゃったのに、それでもやっぱり最後はごまかして逃げちゃって」
そう言って再び顔を俯かせる。
やっぱり宮、あの温泉事件を気にしていたのか。
生物災害。
死の座礁。
金属の歯車。
悪魔も泣き出す。
奇妙な人生など。
数々の戦いをくぐり抜けた、歴戦の勇士である俺のたくましさにそこまで惚れてしまっていたとは……
俺はつくづく罪な男だ。
それも宮がそんなに思いつめるくらいまで。
そこまで悩んでいるとは、やはりもっと早くきちんと話しておくべきだった。
「すまなかった、宮」
俺はそう口にしていた。
「宮がそんなことで悩んでたなんて全然わからなかった。
様子がおかしいのには気付いていたけど、それ以上のことは全然。たぶん俺は色々と気付けていないことがあるんじゃないかと思う。
それで宮にイヤな思いとかさせたりして……
足のケガのことだってそうだし、そもそも昨日追いかけてきた時点で、宮が何かを話したがっていたことに全然気がついていなかった。
きっとそういうことが重なっていたんだろう。
だから、遅いかもしれないけど、今訊いていいか。
昨日話したかったことって何だったんだ? それに渡したい物っていうのは……」
「あ、それは……」
宮の戸惑ったような声が返ってくる。
「イヤじゃなかったら教えてくれ。できるなら訊いておきたいんだ」
宮の目を真っ直ぐ見ながら俺は言う。
宮は少しの間、戸惑うように迷うように、俯いて沈黙した。
やがて、
「……サーターアンダギー」
少しだけ頭を上げながらぽつりとそう言った。
「渡したかった物って、サーターアンダギーなの。きみと一緒にお昼ご飯のあとのデザートにどうかなと思って。その迷惑かなとも思ったんだけど……」
「サーターアンダギー」
そんな物を作ってくれてたのか。
自宅でサーターアンダギーを作るのは大変だ。
それじゃあ、昨日のあの紙袋がそうなのか。
しかし、俺は目の前で、アメリカンドーナツを買ってしまった。
沖縄伝統のお菓子サーターアンダギー。
ドーナツに似て非なる物。
サーターアンダギーを手にした宮にとってどれほどショックだったか。
「それ、貰ってもいいか」
「え?」
「昨日ってことは、まだあるよな? なら食べさせて欲しい。今日はまだ夕飯を食べていないから、空腹なんだ」
だが、俺のその言葉に宮はブンブンと首を振って、
「ダメだよ! 確かにあることはあるけど、作ったのは昨日なんだよ。サーターアンダギーは鮮度が命。一日も経った後じゃあ、味だって落ちちゃって……」
「それでも食べたいんだ!」
正面から顔を見ながら言うと、宮は少し戸惑ったように視線を逸らして、
「うん」
枕元の小棚に置いてあった紙袋をおずおずと前に出してきた。
「これ、だよ。でも、ほんとに止めといた方がいいって。君の気持ちは嬉しいけど、きっとそんなにおいしくないし、食べてもきっと良いことなんて……」
「大丈夫だ」
「あっ」
なおも迷う素振りを見せる宮の手から、紙袋を強引に受け取って、包みの中から出てきた一口サイズのサーターアンダギーを手に取ると、口に入れた。
「うん、美味い」
「え」
「ちょっと固いがこれくらいの方が歯応えがあって俺は好みだ。うん、いける。全部食っても大丈夫か?」
宮が口元に手を当てながら声を漏らす
「ばかだよ、そんなのおいしいわけないのに……」
「そんなことない。本当に美味いんだ」
宮がわざわざ作ってくれたサーターアンダギー。
多少見た目が不格好でも、作ってからから一日経過していようと、それが美味くないわけがない。
「ほ、ほんとに君って……でも、でも、嬉しいよ。そんな君だから、きっと、あたし……」
?
「あ、あたし、あたし、君のこと……」
潤んだ目でベッドから身を乗り出した宮が何かを言いかける。
まさにその時だった。
ガチャガチャ、バタン。
玄関の方で何やらそんな音がした。
「今のは?」
玄関の鍵が開いた音だろうか。
首をひねっているとそれとほぼ同時にドアがバタリ、と勢い良く開かれ、
「今帰ったよ、宮!」
そんな声と共に、メガネをかけた人の良さそうな中年男性が飛び込んできた。
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