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147・アメリカンドーナツ
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おかしい……
奇妙なことに気付いたのは、一月の終わり頃だった。
別に、姉が突然 ブラジルダンス、カポエイラを習いだしたとか、幼馴染みの海翔が美少女オタクをこじらせて、自分も美少女になるとか言い出して、男の娘になったとかではない。
そういうことが起きても、何一つ不思議には思わないが、そういう兆候は見られない。
おかしいのは、球竜 宮だ。
今も隣の席で、四時限目の教科書や、ノートを片付けている宮の様子が、ここ最近 いつもと違う感じがする。
どこか よそよそしいというか、雰囲気が違うというか、話しかけても なんとなく上の空のことが多い。
挨拶とかも 微妙に固い感じだし、普段なにげない会話も、どこかぎこちないような気がする。
どうしてだろう?
もしかすると、温泉旅行での露天風呂の一件が、まだ尾を引いているのだろうか?
あれは二週間も前のことだし、湯煙やらなにやらで結局 直接には見ていないから、俺的には無問題だと思っていたけど、宮はそうじゃないのかも。
それが 原因だとしたら、近々 機会を見て一度ちゃんと謝っておいた方がいいな。
そんなことを考えていると、
「お……」
「あ……」
ふと宮と視線が合った。
それは普通によくある視線の交差に過ぎなかったのだが、
「!」
なぜか宮は焦ったようにガタッ! と机を揺らして、
「あ、ど、どうしたの?」
と訊いてきた。
「いや、え、別に。たまたまそっちを見ただけなんだけど」
「そ、そうなんだ……」
微妙に目を泳がせながら、はー、と息を吐いた。
その様子は明らかに挙動不審だった。
今日の朝から なんかずっとこんな感じなんだけど。
ここのところ、様子が変なのは確かなんだけど、それも今日は輪にかけておかしい気がするな。
予防接種を控えた飼い犬や飼い猫のような……
どう対応していいのか少し困惑していると、
「あ、あのさ……」
と宮が遠慮がちにそう声をかけてきた。
「なに?」
「えっと、その、これからお昼だよね? ってことはお昼ご飯だよね?」
「もちろんそうだけど」
四時限目の後は昼に決まっていて、そして昼にやることは昼食に決まっている。
間違ってもカバディをやったりはしない。
「う、うん、そうだよね。それはわかってる、わかってるんだよ……」
?
一体何が言いたいんだろうか。
するとそこで宮は思い切ったかのように、身を乗り出してきた。
「あのさ、だったら!」
「は、はい」
勢いについ押され気味の俺。
「だったらさ、今日はあたしと一緒に……」
「球竜さん、一緒にお昼食べませんかー」
眞鳥 凪さんの声が教室に響いた。
「今日は学食でゴーヤチャンプル定食が半額セールだそうですよ。
吉祥院さんが先に言って席を取っていますから、球竜さんもどうですか?
あれ? なにか取り込み中でしたか?」
「あ、ううん。なんでもないの」
宮が慌てて首をぶんぶんと振る。
「じゃ、一緒にご飯食べにいこ」
宮はそう言って、大きめの紙袋を抱えて、逃げるように眞鳥さんと行ってしまった。
やっぱりなにをどう考えても変だよな……
昼休みが終わっても宮はおかしいままだった。
どことなくそわそわして、落ち着かない感じ。
明らかに普通ではないが、訊いてみても、
「ううん、何でもないって。あたしは、いつも通りのあたしだよ」
みたいな返答だけで、要領を得ない。
すっげー気になるんだが、本人がそう言う以上、俺が気にしても仕方がない。
いつもはフレンドリーな宮も、色々あるんだろう。
そして放課後。
セルニアが、
「すみませんが、今日はお先に失礼しますわね」
「ああ、またなセルニア」
「はい、ごきげんよう」
今日は乗馬のレッスンとかで、セルニアとは教室で別れ、俺は特にやることがないので帰り支度をして帰ることにした。
「じゃあな、宮」
「あ、うん。ばいばい」
やはり どこか浮ついた感じの宮にも、挨拶して教室を出る。
さて、今日は姉の玲と上永先生が、酒を楽しみながら女同士で語り合うとか言っていた。
早く帰ってつまみを作ってやらないと、
「うう、昔の男は別れると途端 冷たくなるのね。やっぱり吉祥院さんみたいな若い子がそばにいると、年増の昔の女は用済みなの……しくしく……」
とか面倒くさいこと言い出す。
少し早足で廊下を抜け、昇降口で靴を履き替えて校舎の外へ。
運動部の掛け声を訊きつつ校門を抜ける。
学園近くの河川敷の道をダラダラ歩いていき、途中にある公園に差し掛かった辺りで、
「あ、アメリカンドーナツ」
この辺りに時々やって来る移動 屋台を見付けた。
美味くて安いと、学園では評判のドーナツ屋台だ。
ちょうどできたてみたいだし、二人の酒のつまみの一つとして、買っていくか。
そう思い、ポケットから財布を取り出そうとした時のことだった。
「きみ、そ、そんな……」
後ろから愕然とした声がした。
振り返ると、制服の上にコートを着込んだ宮の姿があった。
学園からここまで走ってきたのか、宮は少し息切れして、その手には昼に見かけた大きめの紙袋が握られている。
どうかしたのか?
宮の帰り道はこっちじゃないかったはずだけど。
「どうしたんだ? こっちになにか用事でもあるのか?」
「え、うん。その、ちょっと……」
小さく肯くと宮は、少しためらうような素振りを見せつつも、こちらに向かってゆっくりと近づいてこようとする。
「きみ、アメリカンドーナツが好きなの?」
「え? 何の話?」
「だって、そこにある屋台って、アメリカンドーナツ屋さんだよね。アメリカンドーナツ屋さんはアメリカンドーナツを売っているお店で、つまりアメリカンドーナツを売っている店じゃない」
なにを当たり前なことを。
「つまりきみはアメリカンドーナツが好きなものは好きだからしょうがないってことに……あわわわ……」
宮は一体なににショックをうけているでせう?
「いや、別にそこまで好きというわけでは……」
一応否定しようとするものの、
「ううん。いいの、そんな気を使ってくれなくても。そっか、きみはアメリカンドーナツ派だったのか。いままでてっきり……」
「いや、あの、気を使うとかじゃなくて、これは単に……」
根本的に 何か 致命的かつ しょーもない勘違いをしているみたいなんだけど、そもそもこれは何の話なのだろう?
というより、宮はなぜこっちに来たのだろう?
「それより宮はこっちになにか用事があるんじゃないのか?」
「え?」
「そのためにわざわざこっちに来たんだろ? どうしたんだ?」
「あ、えっと、それは……」
そういた途端、宮の表情が一変した。
ちらっと手の中の紙袋に目を落としたかと思うと、
「何でもないの! あたし、知らなかったから! ごめんっ!」
くるりと背を向けて一目散に走り出した。
「あ、おい」
なにがなんだかサッパリわからないのだけど、放って置くわけにも行かないので、俺も追いかけてはし出した。
その時、宮の走るその先に、小さな段差があるのが見えた。
正面の位置からは死角になっていて、知らなければ引っ掛かってしまう段差。
走るのに夢中な宮にはそれが当然見えていないようで、
「宮! 危ない!」
大声を出して注意を呼び掛けるも、
「え!?」
次の瞬間。
段差に足を取られた宮は、大きくバランスを崩したのだった
奇妙なことに気付いたのは、一月の終わり頃だった。
別に、姉が突然 ブラジルダンス、カポエイラを習いだしたとか、幼馴染みの海翔が美少女オタクをこじらせて、自分も美少女になるとか言い出して、男の娘になったとかではない。
そういうことが起きても、何一つ不思議には思わないが、そういう兆候は見られない。
おかしいのは、球竜 宮だ。
今も隣の席で、四時限目の教科書や、ノートを片付けている宮の様子が、ここ最近 いつもと違う感じがする。
どこか よそよそしいというか、雰囲気が違うというか、話しかけても なんとなく上の空のことが多い。
挨拶とかも 微妙に固い感じだし、普段なにげない会話も、どこかぎこちないような気がする。
どうしてだろう?
もしかすると、温泉旅行での露天風呂の一件が、まだ尾を引いているのだろうか?
あれは二週間も前のことだし、湯煙やらなにやらで結局 直接には見ていないから、俺的には無問題だと思っていたけど、宮はそうじゃないのかも。
それが 原因だとしたら、近々 機会を見て一度ちゃんと謝っておいた方がいいな。
そんなことを考えていると、
「お……」
「あ……」
ふと宮と視線が合った。
それは普通によくある視線の交差に過ぎなかったのだが、
「!」
なぜか宮は焦ったようにガタッ! と机を揺らして、
「あ、ど、どうしたの?」
と訊いてきた。
「いや、え、別に。たまたまそっちを見ただけなんだけど」
「そ、そうなんだ……」
微妙に目を泳がせながら、はー、と息を吐いた。
その様子は明らかに挙動不審だった。
今日の朝から なんかずっとこんな感じなんだけど。
ここのところ、様子が変なのは確かなんだけど、それも今日は輪にかけておかしい気がするな。
予防接種を控えた飼い犬や飼い猫のような……
どう対応していいのか少し困惑していると、
「あ、あのさ……」
と宮が遠慮がちにそう声をかけてきた。
「なに?」
「えっと、その、これからお昼だよね? ってことはお昼ご飯だよね?」
「もちろんそうだけど」
四時限目の後は昼に決まっていて、そして昼にやることは昼食に決まっている。
間違ってもカバディをやったりはしない。
「う、うん、そうだよね。それはわかってる、わかってるんだよ……」
?
一体何が言いたいんだろうか。
するとそこで宮は思い切ったかのように、身を乗り出してきた。
「あのさ、だったら!」
「は、はい」
勢いについ押され気味の俺。
「だったらさ、今日はあたしと一緒に……」
「球竜さん、一緒にお昼食べませんかー」
眞鳥 凪さんの声が教室に響いた。
「今日は学食でゴーヤチャンプル定食が半額セールだそうですよ。
吉祥院さんが先に言って席を取っていますから、球竜さんもどうですか?
あれ? なにか取り込み中でしたか?」
「あ、ううん。なんでもないの」
宮が慌てて首をぶんぶんと振る。
「じゃ、一緒にご飯食べにいこ」
宮はそう言って、大きめの紙袋を抱えて、逃げるように眞鳥さんと行ってしまった。
やっぱりなにをどう考えても変だよな……
昼休みが終わっても宮はおかしいままだった。
どことなくそわそわして、落ち着かない感じ。
明らかに普通ではないが、訊いてみても、
「ううん、何でもないって。あたしは、いつも通りのあたしだよ」
みたいな返答だけで、要領を得ない。
すっげー気になるんだが、本人がそう言う以上、俺が気にしても仕方がない。
いつもはフレンドリーな宮も、色々あるんだろう。
そして放課後。
セルニアが、
「すみませんが、今日はお先に失礼しますわね」
「ああ、またなセルニア」
「はい、ごきげんよう」
今日は乗馬のレッスンとかで、セルニアとは教室で別れ、俺は特にやることがないので帰り支度をして帰ることにした。
「じゃあな、宮」
「あ、うん。ばいばい」
やはり どこか浮ついた感じの宮にも、挨拶して教室を出る。
さて、今日は姉の玲と上永先生が、酒を楽しみながら女同士で語り合うとか言っていた。
早く帰ってつまみを作ってやらないと、
「うう、昔の男は別れると途端 冷たくなるのね。やっぱり吉祥院さんみたいな若い子がそばにいると、年増の昔の女は用済みなの……しくしく……」
とか面倒くさいこと言い出す。
少し早足で廊下を抜け、昇降口で靴を履き替えて校舎の外へ。
運動部の掛け声を訊きつつ校門を抜ける。
学園近くの河川敷の道をダラダラ歩いていき、途中にある公園に差し掛かった辺りで、
「あ、アメリカンドーナツ」
この辺りに時々やって来る移動 屋台を見付けた。
美味くて安いと、学園では評判のドーナツ屋台だ。
ちょうどできたてみたいだし、二人の酒のつまみの一つとして、買っていくか。
そう思い、ポケットから財布を取り出そうとした時のことだった。
「きみ、そ、そんな……」
後ろから愕然とした声がした。
振り返ると、制服の上にコートを着込んだ宮の姿があった。
学園からここまで走ってきたのか、宮は少し息切れして、その手には昼に見かけた大きめの紙袋が握られている。
どうかしたのか?
宮の帰り道はこっちじゃないかったはずだけど。
「どうしたんだ? こっちになにか用事でもあるのか?」
「え、うん。その、ちょっと……」
小さく肯くと宮は、少しためらうような素振りを見せつつも、こちらに向かってゆっくりと近づいてこようとする。
「きみ、アメリカンドーナツが好きなの?」
「え? 何の話?」
「だって、そこにある屋台って、アメリカンドーナツ屋さんだよね。アメリカンドーナツ屋さんはアメリカンドーナツを売っているお店で、つまりアメリカンドーナツを売っている店じゃない」
なにを当たり前なことを。
「つまりきみはアメリカンドーナツが好きなものは好きだからしょうがないってことに……あわわわ……」
宮は一体なににショックをうけているでせう?
「いや、別にそこまで好きというわけでは……」
一応否定しようとするものの、
「ううん。いいの、そんな気を使ってくれなくても。そっか、きみはアメリカンドーナツ派だったのか。いままでてっきり……」
「いや、あの、気を使うとかじゃなくて、これは単に……」
根本的に 何か 致命的かつ しょーもない勘違いをしているみたいなんだけど、そもそもこれは何の話なのだろう?
というより、宮はなぜこっちに来たのだろう?
「それより宮はこっちになにか用事があるんじゃないのか?」
「え?」
「そのためにわざわざこっちに来たんだろ? どうしたんだ?」
「あ、えっと、それは……」
そういた途端、宮の表情が一変した。
ちらっと手の中の紙袋に目を落としたかと思うと、
「何でもないの! あたし、知らなかったから! ごめんっ!」
くるりと背を向けて一目散に走り出した。
「あ、おい」
なにがなんだかサッパリわからないのだけど、放って置くわけにも行かないので、俺も追いかけてはし出した。
その時、宮の走るその先に、小さな段差があるのが見えた。
正面の位置からは死角になっていて、知らなければ引っ掛かってしまう段差。
走るのに夢中な宮にはそれが当然見えていないようで、
「宮! 危ない!」
大声を出して注意を呼び掛けるも、
「え!?」
次の瞬間。
段差に足を取られた宮は、大きくバランスを崩したのだった
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