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130・イベント
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俺達がチラシを頼りに開けたスポットに行くと、そこに水原さんがいた。
「あ、吉祥院さん。こっちです。来ていただけたのですね。感激です。
イベントはこちらでしておりますので、ぜひ どうぞ どうぞ」
セルニアの腕を引っ張りながら、若干 興奮気味に言ってくる。
まるで、ヒマワリの種の山盛りを目にした、空腹時のハムスターの如きハイテンションに、セルニアも押され気味。
「そ、それで、イベントとはなにをされているのですか?」
「あ、はい。そうでした、まだ説明していませんでしたね。
今日は ある雑誌の特集で、カップルで このアミューズメントパークに来ている人たちの、ファッションチェックとアンケート。そして写真を撮らせてもらうイベントです。
そして それらは、ファッション雑誌に掲載するのです。この雑誌なのですけど」
水原さんが雑誌を見せると、セルニアは、
「あ、これ、わたくしが定期購読している物ですわ」
やはりセルニアはファッションチェックは欠かさないようだ。
「この雑誌の編集部と懇意にして、よく一緒にイベントをやっておりまして。紙面作りにも協力などしておりまして」
「そうなのですか。すごいですわ」
セルニアは水原さんに尊敬の眼差しを向ける。
水原さんは説明を続ける。
「今回もそういったことの一環でして。
ここに来ているカップルの人たちを読者モデルとして撮影してもらったり、このアミューズメントパークのスポット紹介などをモデルにしてもらったり等。
うちの事務所からも、一人モデルの子が来ていまして、その子に随行してきた次第でして」
確かに周囲では、カップルらしき人たちやモデルらしき人たちを、カメラマンが写真を撮ったりしていた。
あれらは このイベントに参加している人たちなのだろう。
「そういうわけですので、吉祥院さんたちも良ければどうですか。
一緒にこのイベントに参加して、ファッションチェックやアンケートを受けていっていただけませんか。
お時間は取らせませんから」
「そうですわ。どうしましょう」
「せっかくの機会ですし、これも何かの縁ですから。
ああ、もちろん個人情報は大丈夫です。厳重に管理していますし、雑誌に載せる際も、本名ではなく、匿名や偽名でも構いませんので。
それに たくさんの方を撮るので、本当に雑誌に載るかどうか分かりませんし。
それに、ほら、せっかくのデートのメモリアルにもなると思いますよ」
「メモリアル」
その言葉にセルニアが強く反応した。
明らかに興味津々である。
それを見た水原さんが、ここぞとばかりにセルニアの手を握った。
「そうです そうです。メモリアルです。
記念品として、撮影後に、お二人の写真をプレゼントしますから。
デートの思い出を形に残せるチャンスなんて中々ないですよ。素敵です」
「そ、それは確かにそうですわね」
そしてセルニアは俺に、
「あ、あの、もしよろしければどうですか?」
「そうだな。記念にやっていくか」
セルニアがやりたいと言っているんだし、それにデートの記念になるならまあ良いか。
水原さんは喜びだした。
「ホントですか。それではこちらに来てください。カメラや機材を用意しますので」
「はい、分かりましたわ」
水原さんの指示に従って開けたスペースへ移動する。
そう言う次第で、撮影イベントが始まった。
「では、どうすればよろしいのかしら? 適当に二人で立っていれば良いのですか?」
セルニアが水原さんに聞くと、
「すみませんが、あの、なんというか、まずは一人ずつ取らせて貰っても良いですか」
「え?」
「えー、最終的には二人で撮るんですけど、ひとまず練習と言いますか、準備もかねてここに撮影するんですよ。
よろしいかしら?」
「はあ、わかりましたわ」
なんかよく分からないが、まあ別に良いか。
水原さんは先ず俺に、
「では、まずあなたからお願いできますか」
「あー、はい。わかりました」
俺は頷くと、カメラマンの女の人と撮影場所らしい、開けたスペースへ移動する。
後ろからセルニアが、
「ファイトですわ」
と小声で声援を送ってくれた。
「それでは適当にその辺に立ってポーズをとって貰えますか。
遠くの方でも見つめるような感じで」
「わかりましたッス」
海は良いなぁー。
永遠の若大将を気取ってみてポーズをとってみる。
デジタルカメラを持ったカメラマンの女の人が、
「じゃあ 撮りまーす」
カシャカシャカシャ。
「はい、お終いでーす」
「え、もう終わりですか?」
「はい、練習ですので」
そう言うものなのか。
拍子抜けした感じというか、炭酸の抜けたコーラでも飲んだ気分の俺をよそに、次はセルニア。
「では 吉祥院さん、お願いします」
「わかりましたわ」
少し緊張した感じのセルニアが前に出ると、周囲が慌ただしくなった。
レフ板やら よく分からん機材を持ったアシスタントらしき人たちが、慌ただしく動き始め、それに合わせて水原さんの指示が飛ぶ。
「そこ、ちゃんと光の方向を調整して」
「はい」
「ダメダメ。そこにいたら 吉祥院さんの つま先に 5ミリの影ができてしまうでしょう」
「スミマセン」
セルニアと俺の扱いが、天空の城と地下迷宮なみに違うのは気のせいだろうか。
準備段階からして段違いだし、カメラマンの抱えているのは小型マシンガン並みの大きさのカメラだし。
まあ、セルニアと俺とじゃ、被写体としてレベルが桁違いなのは明らかだけど。
そうしている内に撮影準備が終わり、
「それじゃあ撮りまーす」
声を掛けると、一斉にパシャパシャパシャ! とシャッター音が鳴り始め、
「こっちに目線くださーい」
と カメラマンのリクエストが飛ぶ。
しかし、
「吉祥院さん、もっとリラックスした表情でいてくれると助かるのですが」
「はあ、こうですか」
セルニアの表情は明らかに営業スマイル。
「うーん、もっと自然体で微笑むことはできませんか」
「自然な感じですか? こうでしょうか」
ジャパニーズアルカイックスマイルだった。
セルニアって公の場や大舞台でも笑顔でいるけど、それらは全て意識した笑顔。
自然な笑顔はプライベートの時だけだ。
こんな しっかりした撮影をした状態で、カメラを向けられた時点で、条件反射的に作為的な笑顔になる。
水原さんは困っているようだ。
「これはどうしたもんかしら。元々の素材が良いから、少しくらい表情が硬くても大して問題はないけれど、でもやっぱり一人でも多くの人にアピールするには、できる限り良い笑顔を撮ることに越したことはないし……」
セルニアが、
「あの、ダメでしたか?」
「あ、ごめんなさい。ちょっと考えごとしちゃって。少し休憩良いかしら。少し考えをまとめたくて」
「はあ」
慌てたように答える水原さんに、セルニアは首を傾げながら、俺の所へ戻ってきた。
「お疲れ、セルニア。大変だったな」
「はい、そうですわね。以外と大変でしたわ」
「このイベント、中止するか? 無理して気疲れすると本末転倒だし」
「いえ、わたくしとしては最後まで挑戦してみたいですわ。
あなたと二人で雑誌に載るなんて、めったにない機会ですし、それに楽しいですし」
「そっか。セルニアがそう言うなら続けようか」
「はい」
そんな俺達を離れたところで水原さんが見ていた。
「ちょっと、カメラマン」
「はい?」
「チャンスよ。シャッターチャンス。吉祥院さん、ものすごく良い笑顔してるから」
「でも 話し込んじゃってますよ。それに、この構図からだと、どうしてもあの男の子も入っちゃいますが。良いんですか?」
「いいの。構わないわ。そんなのは 後で加工するなりして どうとでもなるから。
できれば 吉祥院さん単独の方が良かったけど、このさい贅沢は言ってられないわ。
とにかく撮っちゃって。でも二人には気付かれないように。意識されるとたぶん台無しになるから」
「わかりました」
カシャ カシャ カシャ。
小さく響くシャッター音。
「うん、やっぱり良いわ。これが吉祥院さんの本当の表情なのよ。大晦日の時に見た、輝くような笑顔。
でも、吉祥院さんって、あの男の子が側に居るときが、一番良い笑顔なのよね。そこがちょっと問題かもだけど。でも大丈夫。人前に出る経験を重ねれば、その内 慣れてくる物だから……」
「あ、吉祥院さん。こっちです。来ていただけたのですね。感激です。
イベントはこちらでしておりますので、ぜひ どうぞ どうぞ」
セルニアの腕を引っ張りながら、若干 興奮気味に言ってくる。
まるで、ヒマワリの種の山盛りを目にした、空腹時のハムスターの如きハイテンションに、セルニアも押され気味。
「そ、それで、イベントとはなにをされているのですか?」
「あ、はい。そうでした、まだ説明していませんでしたね。
今日は ある雑誌の特集で、カップルで このアミューズメントパークに来ている人たちの、ファッションチェックとアンケート。そして写真を撮らせてもらうイベントです。
そして それらは、ファッション雑誌に掲載するのです。この雑誌なのですけど」
水原さんが雑誌を見せると、セルニアは、
「あ、これ、わたくしが定期購読している物ですわ」
やはりセルニアはファッションチェックは欠かさないようだ。
「この雑誌の編集部と懇意にして、よく一緒にイベントをやっておりまして。紙面作りにも協力などしておりまして」
「そうなのですか。すごいですわ」
セルニアは水原さんに尊敬の眼差しを向ける。
水原さんは説明を続ける。
「今回もそういったことの一環でして。
ここに来ているカップルの人たちを読者モデルとして撮影してもらったり、このアミューズメントパークのスポット紹介などをモデルにしてもらったり等。
うちの事務所からも、一人モデルの子が来ていまして、その子に随行してきた次第でして」
確かに周囲では、カップルらしき人たちやモデルらしき人たちを、カメラマンが写真を撮ったりしていた。
あれらは このイベントに参加している人たちなのだろう。
「そういうわけですので、吉祥院さんたちも良ければどうですか。
一緒にこのイベントに参加して、ファッションチェックやアンケートを受けていっていただけませんか。
お時間は取らせませんから」
「そうですわ。どうしましょう」
「せっかくの機会ですし、これも何かの縁ですから。
ああ、もちろん個人情報は大丈夫です。厳重に管理していますし、雑誌に載せる際も、本名ではなく、匿名や偽名でも構いませんので。
それに たくさんの方を撮るので、本当に雑誌に載るかどうか分かりませんし。
それに、ほら、せっかくのデートのメモリアルにもなると思いますよ」
「メモリアル」
その言葉にセルニアが強く反応した。
明らかに興味津々である。
それを見た水原さんが、ここぞとばかりにセルニアの手を握った。
「そうです そうです。メモリアルです。
記念品として、撮影後に、お二人の写真をプレゼントしますから。
デートの思い出を形に残せるチャンスなんて中々ないですよ。素敵です」
「そ、それは確かにそうですわね」
そしてセルニアは俺に、
「あ、あの、もしよろしければどうですか?」
「そうだな。記念にやっていくか」
セルニアがやりたいと言っているんだし、それにデートの記念になるならまあ良いか。
水原さんは喜びだした。
「ホントですか。それではこちらに来てください。カメラや機材を用意しますので」
「はい、分かりましたわ」
水原さんの指示に従って開けたスペースへ移動する。
そう言う次第で、撮影イベントが始まった。
「では、どうすればよろしいのかしら? 適当に二人で立っていれば良いのですか?」
セルニアが水原さんに聞くと、
「すみませんが、あの、なんというか、まずは一人ずつ取らせて貰っても良いですか」
「え?」
「えー、最終的には二人で撮るんですけど、ひとまず練習と言いますか、準備もかねてここに撮影するんですよ。
よろしいかしら?」
「はあ、わかりましたわ」
なんかよく分からないが、まあ別に良いか。
水原さんは先ず俺に、
「では、まずあなたからお願いできますか」
「あー、はい。わかりました」
俺は頷くと、カメラマンの女の人と撮影場所らしい、開けたスペースへ移動する。
後ろからセルニアが、
「ファイトですわ」
と小声で声援を送ってくれた。
「それでは適当にその辺に立ってポーズをとって貰えますか。
遠くの方でも見つめるような感じで」
「わかりましたッス」
海は良いなぁー。
永遠の若大将を気取ってみてポーズをとってみる。
デジタルカメラを持ったカメラマンの女の人が、
「じゃあ 撮りまーす」
カシャカシャカシャ。
「はい、お終いでーす」
「え、もう終わりですか?」
「はい、練習ですので」
そう言うものなのか。
拍子抜けした感じというか、炭酸の抜けたコーラでも飲んだ気分の俺をよそに、次はセルニア。
「では 吉祥院さん、お願いします」
「わかりましたわ」
少し緊張した感じのセルニアが前に出ると、周囲が慌ただしくなった。
レフ板やら よく分からん機材を持ったアシスタントらしき人たちが、慌ただしく動き始め、それに合わせて水原さんの指示が飛ぶ。
「そこ、ちゃんと光の方向を調整して」
「はい」
「ダメダメ。そこにいたら 吉祥院さんの つま先に 5ミリの影ができてしまうでしょう」
「スミマセン」
セルニアと俺の扱いが、天空の城と地下迷宮なみに違うのは気のせいだろうか。
準備段階からして段違いだし、カメラマンの抱えているのは小型マシンガン並みの大きさのカメラだし。
まあ、セルニアと俺とじゃ、被写体としてレベルが桁違いなのは明らかだけど。
そうしている内に撮影準備が終わり、
「それじゃあ撮りまーす」
声を掛けると、一斉にパシャパシャパシャ! とシャッター音が鳴り始め、
「こっちに目線くださーい」
と カメラマンのリクエストが飛ぶ。
しかし、
「吉祥院さん、もっとリラックスした表情でいてくれると助かるのですが」
「はあ、こうですか」
セルニアの表情は明らかに営業スマイル。
「うーん、もっと自然体で微笑むことはできませんか」
「自然な感じですか? こうでしょうか」
ジャパニーズアルカイックスマイルだった。
セルニアって公の場や大舞台でも笑顔でいるけど、それらは全て意識した笑顔。
自然な笑顔はプライベートの時だけだ。
こんな しっかりした撮影をした状態で、カメラを向けられた時点で、条件反射的に作為的な笑顔になる。
水原さんは困っているようだ。
「これはどうしたもんかしら。元々の素材が良いから、少しくらい表情が硬くても大して問題はないけれど、でもやっぱり一人でも多くの人にアピールするには、できる限り良い笑顔を撮ることに越したことはないし……」
セルニアが、
「あの、ダメでしたか?」
「あ、ごめんなさい。ちょっと考えごとしちゃって。少し休憩良いかしら。少し考えをまとめたくて」
「はあ」
慌てたように答える水原さんに、セルニアは首を傾げながら、俺の所へ戻ってきた。
「お疲れ、セルニア。大変だったな」
「はい、そうですわね。以外と大変でしたわ」
「このイベント、中止するか? 無理して気疲れすると本末転倒だし」
「いえ、わたくしとしては最後まで挑戦してみたいですわ。
あなたと二人で雑誌に載るなんて、めったにない機会ですし、それに楽しいですし」
「そっか。セルニアがそう言うなら続けようか」
「はい」
そんな俺達を離れたところで水原さんが見ていた。
「ちょっと、カメラマン」
「はい?」
「チャンスよ。シャッターチャンス。吉祥院さん、ものすごく良い笑顔してるから」
「でも 話し込んじゃってますよ。それに、この構図からだと、どうしてもあの男の子も入っちゃいますが。良いんですか?」
「いいの。構わないわ。そんなのは 後で加工するなりして どうとでもなるから。
できれば 吉祥院さん単独の方が良かったけど、このさい贅沢は言ってられないわ。
とにかく撮っちゃって。でも二人には気付かれないように。意識されるとたぶん台無しになるから」
「わかりました」
カシャ カシャ カシャ。
小さく響くシャッター音。
「うん、やっぱり良いわ。これが吉祥院さんの本当の表情なのよ。大晦日の時に見た、輝くような笑顔。
でも、吉祥院さんって、あの男の子が側に居るときが、一番良い笑顔なのよね。そこがちょっと問題かもだけど。でも大丈夫。人前に出る経験を重ねれば、その内 慣れてくる物だから……」
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