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120・かゆ うまい
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旅行 三日目。
俺はリラクセーションルームにて、電動マッサージ機で、ノンビリと この世の至福を全身で堪能していた。
「あぁあぁぁー……効くぅぅー……」
強すぎず 弱すぎずの、体の隅々まで 揉みほぐす絶妙の振動。
足裏から、ふくらはぎ、太もも、腰、背中、そして肩と首筋。
全てをケアする、人類の英知の結晶。
これを発明した人にはノーベル平和賞を贈るべきだ。
「ああぁぁ……たまらん……
もう、ここから、離れ、たく、ない。
かゆ うまい」
ゾンビも癒やされる この地上天国。
さて、なぜ俺が こんな百を超えた高齢者の如き悟りを開いているのかというと、今日の午前中のこと。
眞鳥さんが、
「今日 山に登りませんか。山頂にある、涅槃亭という美味しいご飯の出る料理店があるんですが、冬は閉まっているんですけど、今日だけ特別 開くそうです。
こんな チャンスは逃せないと思うんですけど」
美味しいご飯と聞いて、女子たちはその話に飛びついた。
「そうですわね。それは ぜひ行きましょう」
「賛成。絶景を眺めながらのご飯はすっごい楽しみ」
しかし五十嵐が、
「山に登ってまで ご飯なんて……」
と不満を言うと、女子三人組にギロリと睨まれて沈黙。
男子に決定権はなかった。
旅館から二十分ほど歩き、そこからリフトに乗って一段上の山まで行き、さらに十五分ほど歩いて到着。
山頂とは思えないほど、整った料理亭で、凄いご馳走が出たのだった。
そして絶景を眺めながら、俺達は山の幸を楽しんだ。
しかし、ご飯は美味しかったけど、山の上り下りはきつかった。
女子たちはまるで疲れ知らずのように、はしゃいでいたけれど
そんなわけで今 俺は、山登りの疲れを癒やしている。
部屋の片隅にある、大画面のテレビから天気予報が流れている。
「本日は夕方から荒れ模様になるでしょう。不要不急の外出を控えてください」
「お兄さま、お元気ですか」
湖瑠璃ちゃんが現れた。
傍らには、猪鹿蝶 晶さんと、伊藤 春樹さん。
「げんきぃー、だぁーよぉーぉー……」
「全然 元気ではありませんね。焔華お祖母さまの方が元気ですよ」
春樹さんが、
「若、もっと若人らしくしてはいかがでしょう。あのヒグマに匹敵する雄々しさを思い出してくださいやせ」
晶さんも
「少年老い易く学成り難しと言いやす。元気いっぱいでいきやしょう」
その通りだ。
こんなところで だらけている場合じゃない。
俺は元気よく答えた。
「そぉー……だぁーねぇー……ふぁいとー……いっぱーつぅー……」
「だめですね、これは」
湖瑠璃ちゃんは嘆息して、
「ところで、お姉さまを見かけませんでしたか?」
「セルニア? いや、見てないけど。
旅館に帰ってきてからは、ずっと このマッサージ機にいたから、その範囲でって事になるけど。とにかく、ここから見える範囲には居なかった」
「そうなのですか。どこへ行かれたのでしょう?」
「セルニア、部屋にいないのか? ロビーとかは」
「ロビーは ここに来る途中に寄ってみましたが、誰も居ませんでした。
お兄さまも知らないと言うことは、宮お姉さんと 凪お姉さんと 一緒に買い物にでも行ったのでしょうか。
温泉に誘おうと思ったのですが」
「温泉好きだなぁ。午前中も入って、まだ昼すぎたばかりなのに、また入るとは」
「せっかくの温泉旅行なのですから、温泉が骨の髄まで染み込むまで入り倒さないと。
良ければ、お兄さまも ご一緒にいかがですか。ここ、貸し切りできる湯船があるんです。混浴ができますよ。うふふふ」
「いえ、遠慮しておきます。セルニアに知られたら大変なことになるので」
以前、自分の性癖を確認するために、湖瑠璃ちゃんに うっかりイケないエッチなイタズラをしてしまって、誤解を解くのに大変な思いをした。
「わかりました。では、お姉さまを見かけたら、わたしが温泉で待っていると伝えてください」
「ああ、わかった」
「では、またあとで、お兄さま」
そうして湖瑠璃ちゃんは温泉へ向かった。
セルニア、部屋にいないのか。
のんびり みんなとお茶してると思ったんだけど。
まあ、そういうこともあるか。
俺は特に気にしなかった。
それから一時間後。
相変わらずマッサージ機でのんびりしていた俺の所に、
「あの、吉祥院さん 見ませんでした?」
と眞鳥さんが来た。
隣には宮だが、なにやら考えごとをしているようで、上の空。
眞鳥さんは、
「これから温泉に入ろうと思って、一緒に行こうと思ったんですけど、なんだか全然 見当たらないんですよね」
「え? まだ部屋に戻ってないのか?」
「はい。部屋には私たちずっといました。だから、君と一緒に居るんじゃないかと思って。ねえ、球竜さん」
宮はなにか物思いに耽っている。
「球竜さん?」
「え? ああ、うん。そうだね」
眞鳥さんの声に、はっとしたかのように顔を上げる宮。
なんだか今日の朝から宮の様子がおかしい。
正確には昨日の夜からか。
どこかよそよそしいというか、目が合っても気まずそうに逸らされるというか。
温泉での一件で、俺のたくましさに惚れてしまったのだろうか?
俺も罪な男だぜ。
それは さておいて、
「セルニア、眞鳥さんたちと一緒じゃなかったのか。さっきも湖瑠璃ちゃんたちが探してたんだけど」
「いえ、違います。私たちは さっきまで 近くにあるお土産屋さんにいたんですけど。っていうか、それにも誘おうと思ったんだけど、その時も見かけなくて。
涅槃亭から戻ってきてから、吉祥院さん見かけないんですよね」
「そうなのか。そういえば、俺も戻ってきてから セルニアを見かけてないな。といっても、俺はずっとここに居たんだけど」
「そうですか。君も知らないと。まあ、しかたありませんね。吉祥院さんを見かけたら私たちは温泉に行ったと伝えておいてくださいね」
「あいよ、了解」
「それじゃ」
宮は やはり様子がおかしいまま、
「あの、その、またね」
そして 二人は温泉へ向かった。
再び辺りにはテレビの音と、マッサージ機の音だけになる。
セルニア、部屋に戻ってないのか。
湖瑠璃ちゃんたちも探していて、宮と眞鳥さんも探していた。
ってことは、現在 三バカトリオと一緒か、一人でいると言うことか?
どちらも珍しいな。
セルニアは、学校じゃ大抵取り巻き三人組に囲まれていたし、プライベートでは湖瑠璃ちゃんか、晶さん、春樹さんと一緒だ。
ましてや、三バカトリオと話をするところなど、めったにない。
まあ、もしかすると みんなと旅行に来て、三バカトリオに興味を持ったのかも知れない。
三人とも 個性的な奴らだし、学校では みんな興味はある。
もっとも、付き合いたいと思うヤツは一人もいないが。
海翔は例外。
あいつだけは、二次元から三次元に引き込むことを 諦めない人間が大勢居る。
まあ、ともかく 深く考えることもないか。
セルニアに会ったら聞けば良いんだし。
俺は再びマッサージ機に集中した。
それからさらに一時間後。
相変わらずマッサージ機のもたらす快楽に身を委ねていた俺に、
「ねー、弟くんー。吉祥院さん見かけなかったー?」
「え?」
三度目にやって来たのは、玲と上永先生の年長コンビ。
「最後の夕方はー、大人の女の話をー、裸の付き合いでー、聞かせてあげようとー、思ってー。でもー、どこにもいないのー」
そして上永先生はくねくねと身体を動かしながら、
「ああぁん。気持ちよさそうなヴァイブレーショぉン。全身を余すことなく色々溜まった物を揉みほぐして放出する大人のおもちゃぁあん」
この人のナチュラルセクハラは放置して、
俺は玲に、
「玲もセルニアを探してるのか?」
湖瑠璃ちゃんたち、宮たちと続いて、三連続。
「あらー? 他にも探している人がいるのー?」
「ああ、湖瑠璃ちゃんたちと、宮たちが探してた」
「それでー、誰も知らないとー?」
「ああ。三バカトリオの所は?」
「いませんでしたよー。三人はー、温泉における美人美少女について語っていましたー」
「いや、あいつらの話題は心底どうでも良いんだけど。
え、あれ? じゃあ、セルニア 今一人?」
「ではー、弟くんもー、知らないのですね-」
「ああ、知らない。ここから動いてないからかもしれないけど、旅館に戻ってきてから見かけてない」
隣のマッサージ機で上永先生が、
「ああぁん、この振動がたまらないのぉん」
とか発情してるが、それは放置しおいて、
「なあ、玲。これって まずいんじゃないかな。旅館に戻ってきてから、誰もセルニアを見かけてないなんて、不自然じゃないか。
本格的にセルニアを探した方が良いんじゃ」
その時だった、
「お兄さま!」
緊迫した声の湖瑠璃ちゃんが、駆け込んできた。
隣には眞鳥さんの姿。
「どうしたの? 湖瑠璃ちゃん、眞鳥さん」
「大変です。部屋から こんな紙が見つかりました」
なんだ?
湖瑠璃ちゃんは手にする紙を俺に渡した。
見ると そこには、綺麗な文字でこう書かれていた。
「少し山に戻ります。すぐに旅館に帰りますので、心配しないでください」
俺はリラクセーションルームにて、電動マッサージ機で、ノンビリと この世の至福を全身で堪能していた。
「あぁあぁぁー……効くぅぅー……」
強すぎず 弱すぎずの、体の隅々まで 揉みほぐす絶妙の振動。
足裏から、ふくらはぎ、太もも、腰、背中、そして肩と首筋。
全てをケアする、人類の英知の結晶。
これを発明した人にはノーベル平和賞を贈るべきだ。
「ああぁぁ……たまらん……
もう、ここから、離れ、たく、ない。
かゆ うまい」
ゾンビも癒やされる この地上天国。
さて、なぜ俺が こんな百を超えた高齢者の如き悟りを開いているのかというと、今日の午前中のこと。
眞鳥さんが、
「今日 山に登りませんか。山頂にある、涅槃亭という美味しいご飯の出る料理店があるんですが、冬は閉まっているんですけど、今日だけ特別 開くそうです。
こんな チャンスは逃せないと思うんですけど」
美味しいご飯と聞いて、女子たちはその話に飛びついた。
「そうですわね。それは ぜひ行きましょう」
「賛成。絶景を眺めながらのご飯はすっごい楽しみ」
しかし五十嵐が、
「山に登ってまで ご飯なんて……」
と不満を言うと、女子三人組にギロリと睨まれて沈黙。
男子に決定権はなかった。
旅館から二十分ほど歩き、そこからリフトに乗って一段上の山まで行き、さらに十五分ほど歩いて到着。
山頂とは思えないほど、整った料理亭で、凄いご馳走が出たのだった。
そして絶景を眺めながら、俺達は山の幸を楽しんだ。
しかし、ご飯は美味しかったけど、山の上り下りはきつかった。
女子たちはまるで疲れ知らずのように、はしゃいでいたけれど
そんなわけで今 俺は、山登りの疲れを癒やしている。
部屋の片隅にある、大画面のテレビから天気予報が流れている。
「本日は夕方から荒れ模様になるでしょう。不要不急の外出を控えてください」
「お兄さま、お元気ですか」
湖瑠璃ちゃんが現れた。
傍らには、猪鹿蝶 晶さんと、伊藤 春樹さん。
「げんきぃー、だぁーよぉーぉー……」
「全然 元気ではありませんね。焔華お祖母さまの方が元気ですよ」
春樹さんが、
「若、もっと若人らしくしてはいかがでしょう。あのヒグマに匹敵する雄々しさを思い出してくださいやせ」
晶さんも
「少年老い易く学成り難しと言いやす。元気いっぱいでいきやしょう」
その通りだ。
こんなところで だらけている場合じゃない。
俺は元気よく答えた。
「そぉー……だぁーねぇー……ふぁいとー……いっぱーつぅー……」
「だめですね、これは」
湖瑠璃ちゃんは嘆息して、
「ところで、お姉さまを見かけませんでしたか?」
「セルニア? いや、見てないけど。
旅館に帰ってきてからは、ずっと このマッサージ機にいたから、その範囲でって事になるけど。とにかく、ここから見える範囲には居なかった」
「そうなのですか。どこへ行かれたのでしょう?」
「セルニア、部屋にいないのか? ロビーとかは」
「ロビーは ここに来る途中に寄ってみましたが、誰も居ませんでした。
お兄さまも知らないと言うことは、宮お姉さんと 凪お姉さんと 一緒に買い物にでも行ったのでしょうか。
温泉に誘おうと思ったのですが」
「温泉好きだなぁ。午前中も入って、まだ昼すぎたばかりなのに、また入るとは」
「せっかくの温泉旅行なのですから、温泉が骨の髄まで染み込むまで入り倒さないと。
良ければ、お兄さまも ご一緒にいかがですか。ここ、貸し切りできる湯船があるんです。混浴ができますよ。うふふふ」
「いえ、遠慮しておきます。セルニアに知られたら大変なことになるので」
以前、自分の性癖を確認するために、湖瑠璃ちゃんに うっかりイケないエッチなイタズラをしてしまって、誤解を解くのに大変な思いをした。
「わかりました。では、お姉さまを見かけたら、わたしが温泉で待っていると伝えてください」
「ああ、わかった」
「では、またあとで、お兄さま」
そうして湖瑠璃ちゃんは温泉へ向かった。
セルニア、部屋にいないのか。
のんびり みんなとお茶してると思ったんだけど。
まあ、そういうこともあるか。
俺は特に気にしなかった。
それから一時間後。
相変わらずマッサージ機でのんびりしていた俺の所に、
「あの、吉祥院さん 見ませんでした?」
と眞鳥さんが来た。
隣には宮だが、なにやら考えごとをしているようで、上の空。
眞鳥さんは、
「これから温泉に入ろうと思って、一緒に行こうと思ったんですけど、なんだか全然 見当たらないんですよね」
「え? まだ部屋に戻ってないのか?」
「はい。部屋には私たちずっといました。だから、君と一緒に居るんじゃないかと思って。ねえ、球竜さん」
宮はなにか物思いに耽っている。
「球竜さん?」
「え? ああ、うん。そうだね」
眞鳥さんの声に、はっとしたかのように顔を上げる宮。
なんだか今日の朝から宮の様子がおかしい。
正確には昨日の夜からか。
どこかよそよそしいというか、目が合っても気まずそうに逸らされるというか。
温泉での一件で、俺のたくましさに惚れてしまったのだろうか?
俺も罪な男だぜ。
それは さておいて、
「セルニア、眞鳥さんたちと一緒じゃなかったのか。さっきも湖瑠璃ちゃんたちが探してたんだけど」
「いえ、違います。私たちは さっきまで 近くにあるお土産屋さんにいたんですけど。っていうか、それにも誘おうと思ったんだけど、その時も見かけなくて。
涅槃亭から戻ってきてから、吉祥院さん見かけないんですよね」
「そうなのか。そういえば、俺も戻ってきてから セルニアを見かけてないな。といっても、俺はずっとここに居たんだけど」
「そうですか。君も知らないと。まあ、しかたありませんね。吉祥院さんを見かけたら私たちは温泉に行ったと伝えておいてくださいね」
「あいよ、了解」
「それじゃ」
宮は やはり様子がおかしいまま、
「あの、その、またね」
そして 二人は温泉へ向かった。
再び辺りにはテレビの音と、マッサージ機の音だけになる。
セルニア、部屋に戻ってないのか。
湖瑠璃ちゃんたちも探していて、宮と眞鳥さんも探していた。
ってことは、現在 三バカトリオと一緒か、一人でいると言うことか?
どちらも珍しいな。
セルニアは、学校じゃ大抵取り巻き三人組に囲まれていたし、プライベートでは湖瑠璃ちゃんか、晶さん、春樹さんと一緒だ。
ましてや、三バカトリオと話をするところなど、めったにない。
まあ、もしかすると みんなと旅行に来て、三バカトリオに興味を持ったのかも知れない。
三人とも 個性的な奴らだし、学校では みんな興味はある。
もっとも、付き合いたいと思うヤツは一人もいないが。
海翔は例外。
あいつだけは、二次元から三次元に引き込むことを 諦めない人間が大勢居る。
まあ、ともかく 深く考えることもないか。
セルニアに会ったら聞けば良いんだし。
俺は再びマッサージ機に集中した。
それからさらに一時間後。
相変わらずマッサージ機のもたらす快楽に身を委ねていた俺に、
「ねー、弟くんー。吉祥院さん見かけなかったー?」
「え?」
三度目にやって来たのは、玲と上永先生の年長コンビ。
「最後の夕方はー、大人の女の話をー、裸の付き合いでー、聞かせてあげようとー、思ってー。でもー、どこにもいないのー」
そして上永先生はくねくねと身体を動かしながら、
「ああぁん。気持ちよさそうなヴァイブレーショぉン。全身を余すことなく色々溜まった物を揉みほぐして放出する大人のおもちゃぁあん」
この人のナチュラルセクハラは放置して、
俺は玲に、
「玲もセルニアを探してるのか?」
湖瑠璃ちゃんたち、宮たちと続いて、三連続。
「あらー? 他にも探している人がいるのー?」
「ああ、湖瑠璃ちゃんたちと、宮たちが探してた」
「それでー、誰も知らないとー?」
「ああ。三バカトリオの所は?」
「いませんでしたよー。三人はー、温泉における美人美少女について語っていましたー」
「いや、あいつらの話題は心底どうでも良いんだけど。
え、あれ? じゃあ、セルニア 今一人?」
「ではー、弟くんもー、知らないのですね-」
「ああ、知らない。ここから動いてないからかもしれないけど、旅館に戻ってきてから見かけてない」
隣のマッサージ機で上永先生が、
「ああぁん、この振動がたまらないのぉん」
とか発情してるが、それは放置しおいて、
「なあ、玲。これって まずいんじゃないかな。旅館に戻ってきてから、誰もセルニアを見かけてないなんて、不自然じゃないか。
本格的にセルニアを探した方が良いんじゃ」
その時だった、
「お兄さま!」
緊迫した声の湖瑠璃ちゃんが、駆け込んできた。
隣には眞鳥さんの姿。
「どうしたの? 湖瑠璃ちゃん、眞鳥さん」
「大変です。部屋から こんな紙が見つかりました」
なんだ?
湖瑠璃ちゃんは手にする紙を俺に渡した。
見ると そこには、綺麗な文字でこう書かれていた。
「少し山に戻ります。すぐに旅館に帰りますので、心配しないでください」
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