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60・俗物的
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その後、オーケストラによる演奏や、ダンスに、ファイアージャグリングなど、様々な催し物が繰り広げられ、現在 自由会談。
みんなでビュッフェを摘まみながら談笑するというもの。
しかし、俺は英語の発音に致命的な問題があるため、海外の話に参加することが出来ない。
日本人同士でも、住む世界が違うので話題が合わない。
よって、ビュッフェを遠慮無く食べることにした。
そう、俺は大物ラッパー。
お上品なマナーなんて、なんてクソ食らえ。
吉祥院家が雇った一流シェフによる料理をこれでもかと堪能する。
「うまー。さすがは天下の吉祥院家。本気を出してくると超美味い」
そして玲と上永先生も、
「ほんとー、美味しいです-」
「あぁーん。このままじゃ だらしない お姉さんになっちゃいそぉーん」
上永先生はもともと だらしないです。
ふと、正面を見ると、藤守竜一もガツガツ食っていた。
細身のイケメンからは想像も出来ない食いっぷりだった。
俺が見ていると、藤守竜一は視線に気付き、
「あ、どうも」
「どうも」
なんとも言えない雰囲気が漂った。
そして 藤守竜一さんのほうから話しかけてきた。
「君、麗華さんの友達だよね」
「学校のクラスメイトなんスよ」
「僕は映画の劇中曲の関係で知り合ったの。麗華さんが演奏してね。で、なんか話が合って、今も付き合いがあるんだ」
「そうなんスか」
「でさ、気になってたんだけど。君、麗華さんのことミドルネームで呼んでたよね。どういう関係?」
「いや、どういうって言われても」
「教えてよ。僕、恋バナ すごい好きなんだ。お願いだから。ね、ね」
けっこう俗物的というか、なんか食いついてくる。
「まだ 恋人関係までには発展してないッス。でも 脈はあると思うんスよね」
「いいねー、いいねー。友達以上 恋人未満かー。初々しいなー」
「そういう 藤守さんはどうなんスか? 特定の人とかいるんスか?」
「いやー、僕も恋人欲しいんだけどね。僕は仕事、イケメンだからじゃなくて、演技派で行きたいから、結婚とかも考えてるんだけど。
でも、現実の僕は、映画やドラマのイメージと全然違うって言われて、長続きしないんだよね。
まあ、麗華さんは、そう言う意味じゃ、リアルの僕をちゃんと見てくれてるかな」
「ぬ、意外なところにライバルッスか」
「ああ、僕はライバルになったりしないから、安心して。まあ、確かに麗華さんは魅力的だと思ったから、声をかけて友達になったんだけど。でも それ以上の進展はないから」
「どうしてッスか?」
「権造さんに睨まれてビビッた」
「あぁー」
俺は納得。
「うん。権造さん、怖いよね。それで 止めた。でもさ、お父さんに睨まれただけで引っ込んじゃうって事は、僕の気持ちは その程度だったってことだよ。
他の人もそうなんじゃないかな。麗華さんにアプローチかける人は多いけど、みんな権造さんに睨まれただけで、スゴスゴ 退散するから。
でも 君は、権造さんに睨まれても引っ込まなかったんでしょ。それだけ麗華さんへの気持ちが強いって事だよ。
君は麗華さんにふさわしいと思うよ」
「藤守さんから見て、俺はセルニアと釣り合ってますか?」
「うーん、今は まだダメかな。でも これからだよ。これから成長すればありだと思う。なんか、そんな感じがするんだ、君は。平凡なようなのに、どことなく凄みがあるから。すごい大物になるような気がする」
「そ、そうッスか」
初対面の藤守竜一さんにも、なんだか高評価を貰ってしまった。
みんなでビュッフェを摘まみながら談笑するというもの。
しかし、俺は英語の発音に致命的な問題があるため、海外の話に参加することが出来ない。
日本人同士でも、住む世界が違うので話題が合わない。
よって、ビュッフェを遠慮無く食べることにした。
そう、俺は大物ラッパー。
お上品なマナーなんて、なんてクソ食らえ。
吉祥院家が雇った一流シェフによる料理をこれでもかと堪能する。
「うまー。さすがは天下の吉祥院家。本気を出してくると超美味い」
そして玲と上永先生も、
「ほんとー、美味しいです-」
「あぁーん。このままじゃ だらしない お姉さんになっちゃいそぉーん」
上永先生はもともと だらしないです。
ふと、正面を見ると、藤守竜一もガツガツ食っていた。
細身のイケメンからは想像も出来ない食いっぷりだった。
俺が見ていると、藤守竜一は視線に気付き、
「あ、どうも」
「どうも」
なんとも言えない雰囲気が漂った。
そして 藤守竜一さんのほうから話しかけてきた。
「君、麗華さんの友達だよね」
「学校のクラスメイトなんスよ」
「僕は映画の劇中曲の関係で知り合ったの。麗華さんが演奏してね。で、なんか話が合って、今も付き合いがあるんだ」
「そうなんスか」
「でさ、気になってたんだけど。君、麗華さんのことミドルネームで呼んでたよね。どういう関係?」
「いや、どういうって言われても」
「教えてよ。僕、恋バナ すごい好きなんだ。お願いだから。ね、ね」
けっこう俗物的というか、なんか食いついてくる。
「まだ 恋人関係までには発展してないッス。でも 脈はあると思うんスよね」
「いいねー、いいねー。友達以上 恋人未満かー。初々しいなー」
「そういう 藤守さんはどうなんスか? 特定の人とかいるんスか?」
「いやー、僕も恋人欲しいんだけどね。僕は仕事、イケメンだからじゃなくて、演技派で行きたいから、結婚とかも考えてるんだけど。
でも、現実の僕は、映画やドラマのイメージと全然違うって言われて、長続きしないんだよね。
まあ、麗華さんは、そう言う意味じゃ、リアルの僕をちゃんと見てくれてるかな」
「ぬ、意外なところにライバルッスか」
「ああ、僕はライバルになったりしないから、安心して。まあ、確かに麗華さんは魅力的だと思ったから、声をかけて友達になったんだけど。でも それ以上の進展はないから」
「どうしてッスか?」
「権造さんに睨まれてビビッた」
「あぁー」
俺は納得。
「うん。権造さん、怖いよね。それで 止めた。でもさ、お父さんに睨まれただけで引っ込んじゃうって事は、僕の気持ちは その程度だったってことだよ。
他の人もそうなんじゃないかな。麗華さんにアプローチかける人は多いけど、みんな権造さんに睨まれただけで、スゴスゴ 退散するから。
でも 君は、権造さんに睨まれても引っ込まなかったんでしょ。それだけ麗華さんへの気持ちが強いって事だよ。
君は麗華さんにふさわしいと思うよ」
「藤守さんから見て、俺はセルニアと釣り合ってますか?」
「うーん、今は まだダメかな。でも これからだよ。これから成長すればありだと思う。なんか、そんな感じがするんだ、君は。平凡なようなのに、どことなく凄みがあるから。すごい大物になるような気がする」
「そ、そうッスか」
初対面の藤守竜一さんにも、なんだか高評価を貰ってしまった。
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