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41・王蟲の群れ
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夏コミ当日。
俺たちは東京ビッグサイトに向かう電車に乗っていた。
だが 俺たちは、この時点で失敗をしてしまっていた。
電車は満員で、すし詰めのぎゅうぎゅう状態なのだ。
まるで都会の出勤電車の如き様相。
夏コミの参加人数や行列のことは知っていたから、開幕二時間前をめどに予定を立てたが、これでは まるで意味がないのは明らか。
セルニアもそのことは察していて、不安そう。
「ど、どうしましょう? これでは目的の同人誌を入手できないかもしれませんわ」
「セルニア、落ち着け。とにかくやれるだけやってみよう」
「わ、わかりましたわ」
しばらくして電車は駅に到着したのだが、駅内も、そして駅の外も凄まじい人混み。
そして見える特徴的な建造物である東京ビッグサイト。
しかし、見渡す限りの人混みに遮られて前へ進めない。
本当に、マジで日本中のオタクたちが集まっているのだ。
そして このオタクたちは、みんな きちんと列を作って並んでいて、コミケのスタッフさんが誘導している。
つまり、運良く早く入れることなどあり得ない。
「セルニア。これは予想していた以上の長期戦を覚悟しないと」
「そうですわね。覚悟を決めましょう。吉祥院家の戦を見せるときですわ」
熱意の方向性が明らかに間違えているような気がした。
熱い。
暑い。
アツイ。
凄まじい密集状態による体温の熱と、夏の直射日光によって、俺は早くもヤバイ状態に。
熱中症にならないよう、魔法瓶に入れてある、氷でキンッキンに冷やした水を飲んで、水分補給をかねて体温上昇を抑制してはいるが、果たしてコミケが終わるまでに、氷水は持つだろうか?
そして 昼頃になって、ようやく入り口に到着した。
ここまでで すでに体力を半分以上消耗しているが、むしろ本番は これからなのだ。
気合いを入れ直した、その時だった。
「待ってください。貴女 その服はなんです?」
スタッフさんがセルニアに、少し怒ったような険しい表情で問い詰めた。
セルニアはキョトンとして、
「え? わたくしの服になにか問題がありましたか?」
「問題もなにも、コスプレで入場しないでください。コスプレは着替え室で行ってくださいと、パンフレットなどにも説明されているはずです」
セルニアの服は簡素だが、あきらかに上流階級の人が着るような、そんな感じの高価な服なのだ。
どうやら このスタッフさんは、なにかのコスプレだと誤解したようだ。
俺はスタッフさんに、
「違います。これはコスプレじゃなくて、普段着なんです」
と 弁明したが、スタッフさんは、
「なにが違うのですか。どう見ても、マジカルカードさくらの高嶺お嬢さまのコスプレじゃないですか。髪型も同じですし」
「「ええぇー??」」
海翔が はまっているアニメの登場人物だったと思うが、そう言われれば セルニアは海翔が見せた そのキャラになんとなく似ている。
そしてスタッフさんは、
「まあ、どうやら初参加のようで知らなかったみたいですし、普段着とそれほど変わりませんから、今回は大目に見ましょう。しかし、今後は絶対にやらないように。いいですね」
「は、はい。わかりましわ」
スタッフさんに誤解されたが、俺たちは ようやくビッグサイトに入ることができた。
ビッグサイトの中はとんでもない人混みだった。
しかし、その人数の割には静かな感じがする。
「コミケは王蟲の群れの如き勢いとかって聞いたことがあるけど、けっこう静かだね」
「それは昔の話ですわ。今はマナーが浸透しています」
「うん、それはよかった。心から安心した。ナウい鹿のように、暴走した王蟲の突進に立ちはだかる度胸なんて、俺にはミジンコほどもないから」
「わたくしもありませんわよ」
そんな感じで目的のサークルへ向かう俺たち。
しかし、中も暑い。
エアコンは点けられているはずなんだが、まるで効果がない。
汗だくになりながら、俺たちは目的のサークルへ到着したのだが、すでに物凄い列が並んでいた。
「なんてことですの。もう こんなに並んでいますわ。やはり、時間を甘く見てしまったのが失敗でしたわ。これでは売り切れてしまいます」
「落ち着け、セルニア。とにかく並ぼう」
「そうですわね。最後まで諦めてはなりませんわ。自習室の亡霊に共に立ち向かったときのことを思い出して、最後まで戦いましょう」
「そうだね。あの時の感触は忘れられないよ」
そして俺たちは列に並んだ。
しかし、ここからテーブルは遠い。
しかも、薄い本はどんどん売れていく。
果たして俺たちがたどり着くまでに、本は残っているだろうか?
俺も神経をすり減らしているが、セルニアはそれ以上に気が気ではない。
汗をだらだら流しているのは、暑さのせいだけではないだろう。
って いうか、セルニアの眼がちょっとおかしくなり始めた。
「売れてはなりませんー。売れ残れー。売れ残るのですわー」
列の前に向かって呪詛を放ち始めた。
「セルニア、落ち着いて。人を呪わば穴二つだよ」
「はっ、そうでしたわ。わたくしとしたことが 人の不幸を願ってしまうとは。方向性を変えなければ」
そしてセルニアは、突然 五体投地をして祈りを捧げ始めた。
「天に坐す我らが神よ! 哀れな子羊に天の恵みを! 奇跡をもたらしたまえー!!」
「セルニア、なにしてるの? いきなり 祈りを捧げ始めて、いったい なんのつもりなのか 理解できるけど 理解したくないんだけど」
「こうなれば 神頼みですわ。わたくし 一応 清く正しくビューティホーをモットーに生きてきたのです。だから神は 必ず願いを聞き届けてくださるはず!」
「うん、止めて。お願いだから、止めて。周りの人に 思いっきりよく 変な人だと思われてるから。全身全霊 変な人だと思われてるから」
と いう感じで列を進んで行ったのだが。
さて、神がセルニアの願いを聞き届けたのかどうかはわからないが、俺たちが到着したときに残っていたのは、最後の一冊だった。
セルニアは最後の一冊を入手した。
「パンパカパーン! パンパンパン パンパカパーン!」
セルニアは自分でファンファーレ言っちゃうくらい喜んでいた。
こうして、周囲の人から全力で変人だと思われて、セルニアは同人誌を入手。
そして同人誌を描かれた、セルニアがファンの先生も、心の底と書いて心底 変人を見る目つきで言われた。
「そこまで喜んで貰えると、三日も徹夜して描いた甲斐があります」
三日も徹夜したのか、この人。
よく見ると、目の下に化粧でも隠しきれない隈がある。
セルニアは憧れの人へ向ける瞳で、
「先生にお会いできて感激ですわ! わたくし 十歳の時から貴女のファンですの! 貴女の同人誌がきっかけで腐女子の道を歩み始めました!」
「十歳で目覚めさせてしまったことに対して激しい罪悪感に襲われていますが、光栄です」
「わたくしに娘が生まれたら必ず先生の本で英才教育を施しますわ!」
「うん、止めてください。それは さすがに止めてください」
という感じで、完売したこともあって、セルニアは憧れの先生との少し会話をすることができたのだった。
俺とセルニアに、夏の思い出ができたのだ。
なんか、アレな感じがするけど、気にしない方向で。
俺たちは東京ビッグサイトに向かう電車に乗っていた。
だが 俺たちは、この時点で失敗をしてしまっていた。
電車は満員で、すし詰めのぎゅうぎゅう状態なのだ。
まるで都会の出勤電車の如き様相。
夏コミの参加人数や行列のことは知っていたから、開幕二時間前をめどに予定を立てたが、これでは まるで意味がないのは明らか。
セルニアもそのことは察していて、不安そう。
「ど、どうしましょう? これでは目的の同人誌を入手できないかもしれませんわ」
「セルニア、落ち着け。とにかくやれるだけやってみよう」
「わ、わかりましたわ」
しばらくして電車は駅に到着したのだが、駅内も、そして駅の外も凄まじい人混み。
そして見える特徴的な建造物である東京ビッグサイト。
しかし、見渡す限りの人混みに遮られて前へ進めない。
本当に、マジで日本中のオタクたちが集まっているのだ。
そして このオタクたちは、みんな きちんと列を作って並んでいて、コミケのスタッフさんが誘導している。
つまり、運良く早く入れることなどあり得ない。
「セルニア。これは予想していた以上の長期戦を覚悟しないと」
「そうですわね。覚悟を決めましょう。吉祥院家の戦を見せるときですわ」
熱意の方向性が明らかに間違えているような気がした。
熱い。
暑い。
アツイ。
凄まじい密集状態による体温の熱と、夏の直射日光によって、俺は早くもヤバイ状態に。
熱中症にならないよう、魔法瓶に入れてある、氷でキンッキンに冷やした水を飲んで、水分補給をかねて体温上昇を抑制してはいるが、果たしてコミケが終わるまでに、氷水は持つだろうか?
そして 昼頃になって、ようやく入り口に到着した。
ここまでで すでに体力を半分以上消耗しているが、むしろ本番は これからなのだ。
気合いを入れ直した、その時だった。
「待ってください。貴女 その服はなんです?」
スタッフさんがセルニアに、少し怒ったような険しい表情で問い詰めた。
セルニアはキョトンとして、
「え? わたくしの服になにか問題がありましたか?」
「問題もなにも、コスプレで入場しないでください。コスプレは着替え室で行ってくださいと、パンフレットなどにも説明されているはずです」
セルニアの服は簡素だが、あきらかに上流階級の人が着るような、そんな感じの高価な服なのだ。
どうやら このスタッフさんは、なにかのコスプレだと誤解したようだ。
俺はスタッフさんに、
「違います。これはコスプレじゃなくて、普段着なんです」
と 弁明したが、スタッフさんは、
「なにが違うのですか。どう見ても、マジカルカードさくらの高嶺お嬢さまのコスプレじゃないですか。髪型も同じですし」
「「ええぇー??」」
海翔が はまっているアニメの登場人物だったと思うが、そう言われれば セルニアは海翔が見せた そのキャラになんとなく似ている。
そしてスタッフさんは、
「まあ、どうやら初参加のようで知らなかったみたいですし、普段着とそれほど変わりませんから、今回は大目に見ましょう。しかし、今後は絶対にやらないように。いいですね」
「は、はい。わかりましわ」
スタッフさんに誤解されたが、俺たちは ようやくビッグサイトに入ることができた。
ビッグサイトの中はとんでもない人混みだった。
しかし、その人数の割には静かな感じがする。
「コミケは王蟲の群れの如き勢いとかって聞いたことがあるけど、けっこう静かだね」
「それは昔の話ですわ。今はマナーが浸透しています」
「うん、それはよかった。心から安心した。ナウい鹿のように、暴走した王蟲の突進に立ちはだかる度胸なんて、俺にはミジンコほどもないから」
「わたくしもありませんわよ」
そんな感じで目的のサークルへ向かう俺たち。
しかし、中も暑い。
エアコンは点けられているはずなんだが、まるで効果がない。
汗だくになりながら、俺たちは目的のサークルへ到着したのだが、すでに物凄い列が並んでいた。
「なんてことですの。もう こんなに並んでいますわ。やはり、時間を甘く見てしまったのが失敗でしたわ。これでは売り切れてしまいます」
「落ち着け、セルニア。とにかく並ぼう」
「そうですわね。最後まで諦めてはなりませんわ。自習室の亡霊に共に立ち向かったときのことを思い出して、最後まで戦いましょう」
「そうだね。あの時の感触は忘れられないよ」
そして俺たちは列に並んだ。
しかし、ここからテーブルは遠い。
しかも、薄い本はどんどん売れていく。
果たして俺たちがたどり着くまでに、本は残っているだろうか?
俺も神経をすり減らしているが、セルニアはそれ以上に気が気ではない。
汗をだらだら流しているのは、暑さのせいだけではないだろう。
って いうか、セルニアの眼がちょっとおかしくなり始めた。
「売れてはなりませんー。売れ残れー。売れ残るのですわー」
列の前に向かって呪詛を放ち始めた。
「セルニア、落ち着いて。人を呪わば穴二つだよ」
「はっ、そうでしたわ。わたくしとしたことが 人の不幸を願ってしまうとは。方向性を変えなければ」
そしてセルニアは、突然 五体投地をして祈りを捧げ始めた。
「天に坐す我らが神よ! 哀れな子羊に天の恵みを! 奇跡をもたらしたまえー!!」
「セルニア、なにしてるの? いきなり 祈りを捧げ始めて、いったい なんのつもりなのか 理解できるけど 理解したくないんだけど」
「こうなれば 神頼みですわ。わたくし 一応 清く正しくビューティホーをモットーに生きてきたのです。だから神は 必ず願いを聞き届けてくださるはず!」
「うん、止めて。お願いだから、止めて。周りの人に 思いっきりよく 変な人だと思われてるから。全身全霊 変な人だと思われてるから」
と いう感じで列を進んで行ったのだが。
さて、神がセルニアの願いを聞き届けたのかどうかはわからないが、俺たちが到着したときに残っていたのは、最後の一冊だった。
セルニアは最後の一冊を入手した。
「パンパカパーン! パンパンパン パンパカパーン!」
セルニアは自分でファンファーレ言っちゃうくらい喜んでいた。
こうして、周囲の人から全力で変人だと思われて、セルニアは同人誌を入手。
そして同人誌を描かれた、セルニアがファンの先生も、心の底と書いて心底 変人を見る目つきで言われた。
「そこまで喜んで貰えると、三日も徹夜して描いた甲斐があります」
三日も徹夜したのか、この人。
よく見ると、目の下に化粧でも隠しきれない隈がある。
セルニアは憧れの人へ向ける瞳で、
「先生にお会いできて感激ですわ! わたくし 十歳の時から貴女のファンですの! 貴女の同人誌がきっかけで腐女子の道を歩み始めました!」
「十歳で目覚めさせてしまったことに対して激しい罪悪感に襲われていますが、光栄です」
「わたくしに娘が生まれたら必ず先生の本で英才教育を施しますわ!」
「うん、止めてください。それは さすがに止めてください」
という感じで、完売したこともあって、セルニアは憧れの先生との少し会話をすることができたのだった。
俺とセルニアに、夏の思い出ができたのだ。
なんか、アレな感じがするけど、気にしない方向で。
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