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21・モールス信号
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……続き。
善は急げ。
思い立ったら即行動。
放課後、俺は吉祥院ファンクラブの眼を忍んで、セルニアと二人きりになることに成功した。
そして夏休みの予定を聞く。
「夏休みの予定ですか?
夏休みのほとんどは避暑に北海道へ。吉祥院グループが酪農を北海道で経営しているのですが、そこの牧場にお世話になりに行きますわ。
それと、もちろんピアノコンクールに出場します。イギリスのロンドンで開かれるのですが、それが八月一日ですわ。
それが終わったら、日本フェンシング大会に出場します」
なんてこったい。
夏休みの予定はほとんど埋まってるじゃありませんか。
これじゃデート二回戦目は不可能。
「じゃあ、俺は夏休み中 セルニアには会えないのか」
俺が落胆すると、セルニアは付け加えるように、
「ただ、東京で行きたい場所があるのですが、よろしければ 一緒にどうでしょうか?」
「東京に行きたいところ? どこ?」
「夏コミですわ」
俺はそれを聞いて、鳥肌が立った。
「夏コミって、あの 噂に名高い、夏のコミックマーケットのこと」
東京ビッグサイトにて開催される、世界最大級の同人誌即売会。
参加者数は近年 七十万人を超えたとか。
海翔が荷物持ちをしてと よく頼んでくるが、テレビで見たあの光景に俺は恐怖し、全力で拒否し続けてきた。
夏のクソ熱い中、あの人混みの中に入ったら、間違いなく熱気でぶっ倒れる。
じっさい海翔も、夏コミから帰宅すると、俺に看病してと電話してくる。
その時のゲッソリと憔悴した様子ときたら もう。
セルニアは続けて、
「はい。今年は八月十五日から十七日までの三日間 開催されるのですが、ちょうど最後の日の予定が開いておりまして。その日を利用して行こうかと。
ただ、貴方も不安に思っているようですが、確かに あの中を一人で行くのは、わたくしもちょっと怖いというか。
ですので、よろしければ一緒に来てくださらないでしょうか?」
「オッケー。一緒に行こう」
俺は即答した。
青春の夏を三バカトリオと無駄に過ごすくらいなら、例え一日でも超絶美少女のセルニアとのデートを楽しんでやるさ。
例え それが真夏の猛暑日のオタク集団の中だろうとも。
セルニアは輝くような喜びの笑顔になる。
「まあ、一緒に行ってくださるのですか。ありがとうございます。やっぱり貴方は紳士ですわ」
と 嬉しそうなセルニアに、俺は質問。
「ところで セルニア」
「はい、なんでしょう?」
「コスプレは するんでしょうか?」
「しません。ましてや きわどい服など着ませんわよ」
がっくり。
セルニアは呆れたように、
「貴方って紳士なのに、時々 急にエッチになりますわね」
「それが男なんだ」
そのまま俺とセルニアは一緒に帰宅することにした。
そうなると、当然 他の生徒たちに見られることになる。
廊下でも外に出ても、みんな一様にセルニアと一緒の俺に視線を向けている。
「なんだ あの男は? GOKIBURIが人間に化けやがったのか?」
「畜生……ムカつく薄ら笑いをしやがって」
「今宵 呪いのわら人形」
周囲から放たれる、殺気という名の凄まじい眼光も、俺は全然気にならない。
なぜかって?
なぜなら俺は今 リア充だからだ!
スーパー美少女のセルニアと夏のデートの約束をした俺に怖い者などない!
フハハハ!
青春カーストの底辺どもよ!
悔しがるが良い!
羨ましがるが良い!
俺は夏の青春の勝利者となるのだ!
ハーハッハッハッ!!!
そんな風に勝ち誇っていると、校門の所に人だかりができていた。
「なんでしょうか?」
「なんだろう?」
俺とセルニアがそこに行くと、人だかりの中心に着物姿の美少女がいた。
湖瑠璃ちゃんだ。
「お兄さま、会いに来ちゃいました」
「会いに来たって、どうして?」
俺が首を傾げると、
「特に理由はありません。なんだか お兄さまのことがずっと気になってしまって。強いて理由を言うなら……」
そこで頬を朱に染めて、
「お兄さまに可愛がって貰って、気持ち良くしていただいたからでしょうか」
その発言に周囲がザワッとした。
「可愛がって気持ちよくって、こいつ高畑くんと同類のロリコン」
「いや、高畑くんと一緒にするな。高畑くんは、イエス・ロリータ。ノー・タッチ」
「お兄さまって、パパって意味と同じってこと」
「っていうか、この美少女 何者?」
「おまえ 知らないのか? 吉祥院様の妹のセシリア・湖瑠璃さまだ」
「って、この野郎、吉祥院さまだけじゃなくて、妹の湖瑠璃さまにまで手を出してやがったのか」
「毒殺。呪殺。殴殺。撲殺。刺殺。絞殺」
周囲から様々な声が上がっているが、俺に味方している者は誰もいない。
しかし 湖瑠璃ちゃんは全く気付かず、
「お兄さま、もう下校のようですね。なら、湖瑠璃と一緒に帰りましょう」
と 俺の左腕に腕を組んできた。
「ちょっと お待ちなさい」
そこにセルニアが割り込んできて、
「この方は わたくしと一緒に帰るのですわ」
と 右腕に腕を組んできた。
湖瑠璃ちゃんは意地悪そうな笑みを浮かべ、
「えー。でも お姉さまには この方は ただのお友達なのでしょう」
「ただの お友達ではありません。特別な人です」
「でも、この前 家に来られたとき、この方とは しないとか言っていたではありませんか」
「それは あの時の話です。これから仲が進展して そう言う話になるのですわ」
二人して俺を奪い合っていた。
これは アレか?
アレが来たのか?
来てしまったのか?
転生して ついに来たというのか?
俺にも とうとう到来したのか!?
それは モテ期!
モテ期が来てしまったのかー!!
「「「「「怨怨殺殺殺殺殺怨怨怨怨怨殺殺殺殺殺怨怨怨殺殺殺怨怨怨殺殺怨怨殺殺殺怨怨怨怨怨殺殺殺怨怨殺殺殺怨怨殺殺怨怨怨殺殺怨怨怨怨怨殺殺殺殺殺怨怨怨殺殺殺…………」」」」」
周囲のギャラリーから凄まじい呪詛がまき散らされているが、俺は全く気にしない。
モテ期の俺には ほんのチョッピリの恐怖もあり得ないのだ。
俺は二人を宥める。
「まあまあ、二人とも。落ち着いて」
俺は三人一緒に帰ることを提案しようとした、その時だった。
「ちょっと良いかな?」
俺の肩をガシッと凄まじい握力で捕まれた。
片方だけではない。
両肩だ。
右側には柔道部主将。
左側にはプロレス部主将。
さらに背後には、空手部主将、剣道部主将、ボクシング部主将がいた。
彼ら五人はみんなから、松陽高校 武闘派五人衆と呼ばれている。
五人とも 不自然なまでに凄まじい素敵な笑顔だった。
柔道部主将が言った。
「吉祥院さん、ボクたちは彼の友達なんだ」
プロレス部主将が続けた。
「本当に大の仲良しなんだよ」
空手部主将は拳に爪が食い込んで出血するほどの笑顔で、
「いつも仲良く遊んでいるんだ」
剣道部主将が竹刀を握りつぶしそうなほど力を込めた笑顔で、
「そんな彼に大至急 来て欲しい用件があるんだ」
ボクシング部主将が最後に、
「なあに、たいした用事じゃないから」
そして五人は俺に異常なまでに不自然な素敵な笑顔で、
「「「「「来てくれるよね」」」」」
その言葉に疑問符は付いていなかった。
やべぇ。
物理的に俺を抹殺する手段に出やがった。
セルニアは首を傾げて、
「至急の用事があるのですか?」
湖瑠璃ちゃんが残念そうに、
「一緒に帰れないのですか?」
二人とも、五人衆の不自然さに全く気付いていない。
よし、ここは信号を送ろう。
俺の しょーもない特技 その三。
アイコンタクトによるモールス信号。
現世の祖父はかつて海上自衛隊で船長をしていたのだ。
そして祖父は、モールス信号を眼のまばたきによって伝えるという、オリジナルの技を編み出した。
部下たちには大不評で誰も使ってくれなかったそうだが、それを俺に伝授したのだ。
「えーと、セルニア、湖瑠璃ちゃん。ちょっと 俺の目を見て欲しいんだけど」
伝われ、瞳に込めた俺の念い。
S・O・S。
タ・ス・ケ・テ・ク・レ。
セルニアは とても自然な素敵な笑顔を浮かべた。
「まあ、その瞳。お友達をそんなに大切にしておりますの。本当に仲がよろしいのですね」
湖瑠璃ちゃんも とても自然な素敵な笑顔。
「そこまで お友達が大切なら しかたありません。わたくしたちのことは気にせず、お友達と行ってくださいな」
まったく伝わらなかった。
柔道部主将が不自然なまでに恐ろしい笑顔で、
「では、ちょっと来て貰おうか」
「……はい」
ピンチな感じで続く……
善は急げ。
思い立ったら即行動。
放課後、俺は吉祥院ファンクラブの眼を忍んで、セルニアと二人きりになることに成功した。
そして夏休みの予定を聞く。
「夏休みの予定ですか?
夏休みのほとんどは避暑に北海道へ。吉祥院グループが酪農を北海道で経営しているのですが、そこの牧場にお世話になりに行きますわ。
それと、もちろんピアノコンクールに出場します。イギリスのロンドンで開かれるのですが、それが八月一日ですわ。
それが終わったら、日本フェンシング大会に出場します」
なんてこったい。
夏休みの予定はほとんど埋まってるじゃありませんか。
これじゃデート二回戦目は不可能。
「じゃあ、俺は夏休み中 セルニアには会えないのか」
俺が落胆すると、セルニアは付け加えるように、
「ただ、東京で行きたい場所があるのですが、よろしければ 一緒にどうでしょうか?」
「東京に行きたいところ? どこ?」
「夏コミですわ」
俺はそれを聞いて、鳥肌が立った。
「夏コミって、あの 噂に名高い、夏のコミックマーケットのこと」
東京ビッグサイトにて開催される、世界最大級の同人誌即売会。
参加者数は近年 七十万人を超えたとか。
海翔が荷物持ちをしてと よく頼んでくるが、テレビで見たあの光景に俺は恐怖し、全力で拒否し続けてきた。
夏のクソ熱い中、あの人混みの中に入ったら、間違いなく熱気でぶっ倒れる。
じっさい海翔も、夏コミから帰宅すると、俺に看病してと電話してくる。
その時のゲッソリと憔悴した様子ときたら もう。
セルニアは続けて、
「はい。今年は八月十五日から十七日までの三日間 開催されるのですが、ちょうど最後の日の予定が開いておりまして。その日を利用して行こうかと。
ただ、貴方も不安に思っているようですが、確かに あの中を一人で行くのは、わたくしもちょっと怖いというか。
ですので、よろしければ一緒に来てくださらないでしょうか?」
「オッケー。一緒に行こう」
俺は即答した。
青春の夏を三バカトリオと無駄に過ごすくらいなら、例え一日でも超絶美少女のセルニアとのデートを楽しんでやるさ。
例え それが真夏の猛暑日のオタク集団の中だろうとも。
セルニアは輝くような喜びの笑顔になる。
「まあ、一緒に行ってくださるのですか。ありがとうございます。やっぱり貴方は紳士ですわ」
と 嬉しそうなセルニアに、俺は質問。
「ところで セルニア」
「はい、なんでしょう?」
「コスプレは するんでしょうか?」
「しません。ましてや きわどい服など着ませんわよ」
がっくり。
セルニアは呆れたように、
「貴方って紳士なのに、時々 急にエッチになりますわね」
「それが男なんだ」
そのまま俺とセルニアは一緒に帰宅することにした。
そうなると、当然 他の生徒たちに見られることになる。
廊下でも外に出ても、みんな一様にセルニアと一緒の俺に視線を向けている。
「なんだ あの男は? GOKIBURIが人間に化けやがったのか?」
「畜生……ムカつく薄ら笑いをしやがって」
「今宵 呪いのわら人形」
周囲から放たれる、殺気という名の凄まじい眼光も、俺は全然気にならない。
なぜかって?
なぜなら俺は今 リア充だからだ!
スーパー美少女のセルニアと夏のデートの約束をした俺に怖い者などない!
フハハハ!
青春カーストの底辺どもよ!
悔しがるが良い!
羨ましがるが良い!
俺は夏の青春の勝利者となるのだ!
ハーハッハッハッ!!!
そんな風に勝ち誇っていると、校門の所に人だかりができていた。
「なんでしょうか?」
「なんだろう?」
俺とセルニアがそこに行くと、人だかりの中心に着物姿の美少女がいた。
湖瑠璃ちゃんだ。
「お兄さま、会いに来ちゃいました」
「会いに来たって、どうして?」
俺が首を傾げると、
「特に理由はありません。なんだか お兄さまのことがずっと気になってしまって。強いて理由を言うなら……」
そこで頬を朱に染めて、
「お兄さまに可愛がって貰って、気持ち良くしていただいたからでしょうか」
その発言に周囲がザワッとした。
「可愛がって気持ちよくって、こいつ高畑くんと同類のロリコン」
「いや、高畑くんと一緒にするな。高畑くんは、イエス・ロリータ。ノー・タッチ」
「お兄さまって、パパって意味と同じってこと」
「っていうか、この美少女 何者?」
「おまえ 知らないのか? 吉祥院様の妹のセシリア・湖瑠璃さまだ」
「って、この野郎、吉祥院さまだけじゃなくて、妹の湖瑠璃さまにまで手を出してやがったのか」
「毒殺。呪殺。殴殺。撲殺。刺殺。絞殺」
周囲から様々な声が上がっているが、俺に味方している者は誰もいない。
しかし 湖瑠璃ちゃんは全く気付かず、
「お兄さま、もう下校のようですね。なら、湖瑠璃と一緒に帰りましょう」
と 俺の左腕に腕を組んできた。
「ちょっと お待ちなさい」
そこにセルニアが割り込んできて、
「この方は わたくしと一緒に帰るのですわ」
と 右腕に腕を組んできた。
湖瑠璃ちゃんは意地悪そうな笑みを浮かべ、
「えー。でも お姉さまには この方は ただのお友達なのでしょう」
「ただの お友達ではありません。特別な人です」
「でも、この前 家に来られたとき、この方とは しないとか言っていたではありませんか」
「それは あの時の話です。これから仲が進展して そう言う話になるのですわ」
二人して俺を奪い合っていた。
これは アレか?
アレが来たのか?
来てしまったのか?
転生して ついに来たというのか?
俺にも とうとう到来したのか!?
それは モテ期!
モテ期が来てしまったのかー!!
「「「「「怨怨殺殺殺殺殺怨怨怨怨怨殺殺殺殺殺怨怨怨殺殺殺怨怨怨殺殺怨怨殺殺殺怨怨怨怨怨殺殺殺怨怨殺殺殺怨怨殺殺怨怨怨殺殺怨怨怨怨怨殺殺殺殺殺怨怨怨殺殺殺…………」」」」」
周囲のギャラリーから凄まじい呪詛がまき散らされているが、俺は全く気にしない。
モテ期の俺には ほんのチョッピリの恐怖もあり得ないのだ。
俺は二人を宥める。
「まあまあ、二人とも。落ち着いて」
俺は三人一緒に帰ることを提案しようとした、その時だった。
「ちょっと良いかな?」
俺の肩をガシッと凄まじい握力で捕まれた。
片方だけではない。
両肩だ。
右側には柔道部主将。
左側にはプロレス部主将。
さらに背後には、空手部主将、剣道部主将、ボクシング部主将がいた。
彼ら五人はみんなから、松陽高校 武闘派五人衆と呼ばれている。
五人とも 不自然なまでに凄まじい素敵な笑顔だった。
柔道部主将が言った。
「吉祥院さん、ボクたちは彼の友達なんだ」
プロレス部主将が続けた。
「本当に大の仲良しなんだよ」
空手部主将は拳に爪が食い込んで出血するほどの笑顔で、
「いつも仲良く遊んでいるんだ」
剣道部主将が竹刀を握りつぶしそうなほど力を込めた笑顔で、
「そんな彼に大至急 来て欲しい用件があるんだ」
ボクシング部主将が最後に、
「なあに、たいした用事じゃないから」
そして五人は俺に異常なまでに不自然な素敵な笑顔で、
「「「「「来てくれるよね」」」」」
その言葉に疑問符は付いていなかった。
やべぇ。
物理的に俺を抹殺する手段に出やがった。
セルニアは首を傾げて、
「至急の用事があるのですか?」
湖瑠璃ちゃんが残念そうに、
「一緒に帰れないのですか?」
二人とも、五人衆の不自然さに全く気付いていない。
よし、ここは信号を送ろう。
俺の しょーもない特技 その三。
アイコンタクトによるモールス信号。
現世の祖父はかつて海上自衛隊で船長をしていたのだ。
そして祖父は、モールス信号を眼のまばたきによって伝えるという、オリジナルの技を編み出した。
部下たちには大不評で誰も使ってくれなかったそうだが、それを俺に伝授したのだ。
「えーと、セルニア、湖瑠璃ちゃん。ちょっと 俺の目を見て欲しいんだけど」
伝われ、瞳に込めた俺の念い。
S・O・S。
タ・ス・ケ・テ・ク・レ。
セルニアは とても自然な素敵な笑顔を浮かべた。
「まあ、その瞳。お友達をそんなに大切にしておりますの。本当に仲がよろしいのですね」
湖瑠璃ちゃんも とても自然な素敵な笑顔。
「そこまで お友達が大切なら しかたありません。わたくしたちのことは気にせず、お友達と行ってくださいな」
まったく伝わらなかった。
柔道部主将が不自然なまでに恐ろしい笑顔で、
「では、ちょっと来て貰おうか」
「……はい」
ピンチな感じで続く……
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